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何者でもない少年
間話 疎外感
家を出たライルは暗い夜道を炎で照らしながら歩く。夜目がきく動物も炎を恐れてか遠目からライラの動向を観察するだけにとどめている。
「くっ……そろそろ休むか」
顔に滲み出た汗を拭ったライルは辛そうに地面に座り込む。そこらにある枝葉を集め魔法で火を起こし、その火にあたり夜の寒さを和らげながら木の幹に身体を預ける。
魔法で火を付け続けないのは単純に魔力枯渇をしないようにする為だ。貴族といえども夜が明けるまで、ましてや一日中魔法を使い続けるなど出来ない。
グレイのようなルーンを魔力量の暴力で維持し続けるような真似は出来ない。
グレイとは違い野営の知識があるライルは夜の危険や過ごし方を実践し、周りを警戒しながら夜を明かす。
次第に日が差し込み始めライルは再び歩き出す。
魔法で動物を狩り、身体を洗い、数分だけ仮眠をとる。そんな生活を送りながらライルは遂にホリックの街へと辿り着いた。
「ここが……ホリック。確かに凄い大きな壁だな……姉上の手がかりをつかめればいいが」
ライルは密談を途中から盗み聞いた為にグレイが今、マレーアにいる事を知らない。その為、グレイを探しホリックへと訪れたのだ。
「君一人かい?他に一緒に来た人は居ないの?」
(拙い、ここで貴族とバレては目的を果たせない!しかもこの街は貴族の直轄地だ、絶対面倒なことになる!)
街へと入ろうと門に並ぶ列に並んだライルは中に入ってからのことを考えていたがその前にピンチが訪れていようとは思いもしなかった。
「ひ、一人だ。知り合いを訪ねて来ただけなんだ。もう良いだろ」
そそくさとライルは街に入ろうとはや足で歩く。心臓が早鐘を鳴らし、手には汗が滲むのを感じながら平静を装う。
「ちょっと良いか」
門兵の手がライルの方に置かれる。
(バレたか……!?)
「飴だ。食べると良い、娘がくれたんだが甘いのが苦手でな。この街にようこそ!」
「ありがとう……」
ぽかんとした顔のまま中に入ったライルの前には喧騒溢れる街並みが広がっていた。綺麗に整備された街並み、城壁と見紛うほどの街を囲う壁、街の住民たちの笑顔や人柄を見たライルは一目でこの街を治める領主が優れた人物である事を思い知った。
(僕はこの街を治めている領主のようになれるだろうか……)
次期領主としての視点から自信を無くしたライルだが本来の目的であるグレイと再開する事を思い出しどうすれば会えるかを考える。
(やはり冒険者に話を聞くのが早い、か?それに路銀を稼ぐ為にもちょうど良いな)
街の住民にギルドの場所を聞き冒険区のある東側にやって来たライルは意を決して中に入る。
忙しそうに働く受付嬢、喧嘩、酔っ払い、笑い声、屋敷とは全く違う騒がしい様子にライルは圧倒される。
だが、そんな場合ではないと頭を振って受付で冒険者登録をしたライルはギルドの酒場にいた少し顔の赤くなった冒険者の男に話しかける。
「なぁ少し良いか?」
「あぁん!?なんだテメェ、ガキが来るところじゃねぇぞぉ!酒が飲めるようになってから出直しな!」
口から酒の匂いが漂ってくる冒険者はギャハハと笑いながら酒を煽る。
全く相手にされていない事を悟ったライルは酒場のマスターのまで行き「聞きたいことがあるんだが」と話しかけた。
「…………」
しかし、マスターにも全く相手にもされないことを知ったライルは先ほどの冒険者の言葉を思い出す。
「酒をくれ」
ライルの言葉にマスターは並々と注いだビールを差し出した。それを見てゴクリと喉を鳴らした後、一気に飲み干す。ゴキュッゴキュッという音と共に飲み干したライルはプハッと息継ぎをして木のジョッキを先ほどの冒険者のいたテーブルに叩きつけた。
「少し、話を聞きたい。良いよな?」
「良いぜ、乳臭せぇ匂いは取れたみてぇだな」
それから冒険者にスタンピードの事やそれの被害、解決した者達の事などを聞いた。しかし、冒険者の話からは灰色の髪の少女については一切出てこなかった。
(遠回しに質問しただけではダメか……)
「灰色の髪の少女については何か知ってたりしないか?」
「知らねぇな、聞いたこともねぇや」
冒険者の男は途端に質問に答えなくなった。それだけではなく、他の冒険者に話を聞こうとしたが皆、知らぬ存ぜぬという態度を取られそれ以降情報は得られなかった。
(仕方ない、依頼を受けて路銀を稼ぐか)
掲示板から良さそうな依頼を取り、受付で受領しギルドを後にする。
そんなライルを遠くから白髪の男が観察していた。
◇◇◇
「ハァ!」
(流石に、多いな!)
ゴブリンの討伐依頼を受けたライルは十は超えるゴブリンと戦っていた。
ホリックから近く、魔法を見られる危険から手持ちの武器で戦ってあるせいで数に翻弄されるライルは着実に一体、また一体と削っていた。
そんな時、死角からゴブリンがライル目掛けて突進する。既に正面から三体のゴブリンと対峙している為、気が付かない。
もらった!とでも言うかのようにグギャ!と声を出したことによってライルは振り返るが既に遅く、鋭い爪がライルへと迫る。
(しまった!)
「おいおい、警戒してたのに死にかけてるってこたぁ白か?」
突如として飛んできた矢によってゴブリンは脳天を貫かれ、力無く地面に突っ伏した。
矢が飛んできた方向を向いたライルは白髪のだらしない格好の男がクロスボウを構えているのが見えた。
髪を掻きむしりながら歩いてくる男に気を取られ再び背後を取られるライルだが今度は首をさん達とも短剣で刺し、絶命させた。
「おぉ~すげぇすげぇ!ジークの馬鹿よりよっぽどマシだな」
(眼帯をしてるのにあの位置から即死させる腕、この男危険だ)
陽気に、話しかけてくる男に警戒心を最高に上げたライルは短剣を構える。
だが、次の瞬間には短剣を飛ばされ地面に組み敷かれた自分に驚き目を白黒させる自分がいた。
「んで、お前は何者だ?」
◇◇◇
「ねぇ、ジーク。最近、ロベドが弟子を取ったとか噂になってるらしいわよ」
「噂だろ?あのロベドがそんな事するか?」
「ギルドでみんな話してた。ロベドが子供の面倒を見てるって」
「それこそありえないだろ~」
ジーク達三人はギルドに向かう途中、レイラのロベドの噂について語り合う。数日前、ロベドが子供を連れ依頼に出る様子が発見されたという噂だった。
「くっ……そろそろ休むか」
顔に滲み出た汗を拭ったライルは辛そうに地面に座り込む。そこらにある枝葉を集め魔法で火を起こし、その火にあたり夜の寒さを和らげながら木の幹に身体を預ける。
魔法で火を付け続けないのは単純に魔力枯渇をしないようにする為だ。貴族といえども夜が明けるまで、ましてや一日中魔法を使い続けるなど出来ない。
グレイのようなルーンを魔力量の暴力で維持し続けるような真似は出来ない。
グレイとは違い野営の知識があるライルは夜の危険や過ごし方を実践し、周りを警戒しながら夜を明かす。
次第に日が差し込み始めライルは再び歩き出す。
魔法で動物を狩り、身体を洗い、数分だけ仮眠をとる。そんな生活を送りながらライルは遂にホリックの街へと辿り着いた。
「ここが……ホリック。確かに凄い大きな壁だな……姉上の手がかりをつかめればいいが」
ライルは密談を途中から盗み聞いた為にグレイが今、マレーアにいる事を知らない。その為、グレイを探しホリックへと訪れたのだ。
「君一人かい?他に一緒に来た人は居ないの?」
(拙い、ここで貴族とバレては目的を果たせない!しかもこの街は貴族の直轄地だ、絶対面倒なことになる!)
街へと入ろうと門に並ぶ列に並んだライルは中に入ってからのことを考えていたがその前にピンチが訪れていようとは思いもしなかった。
「ひ、一人だ。知り合いを訪ねて来ただけなんだ。もう良いだろ」
そそくさとライルは街に入ろうとはや足で歩く。心臓が早鐘を鳴らし、手には汗が滲むのを感じながら平静を装う。
「ちょっと良いか」
門兵の手がライルの方に置かれる。
(バレたか……!?)
「飴だ。食べると良い、娘がくれたんだが甘いのが苦手でな。この街にようこそ!」
「ありがとう……」
ぽかんとした顔のまま中に入ったライルの前には喧騒溢れる街並みが広がっていた。綺麗に整備された街並み、城壁と見紛うほどの街を囲う壁、街の住民たちの笑顔や人柄を見たライルは一目でこの街を治める領主が優れた人物である事を思い知った。
(僕はこの街を治めている領主のようになれるだろうか……)
次期領主としての視点から自信を無くしたライルだが本来の目的であるグレイと再開する事を思い出しどうすれば会えるかを考える。
(やはり冒険者に話を聞くのが早い、か?それに路銀を稼ぐ為にもちょうど良いな)
街の住民にギルドの場所を聞き冒険区のある東側にやって来たライルは意を決して中に入る。
忙しそうに働く受付嬢、喧嘩、酔っ払い、笑い声、屋敷とは全く違う騒がしい様子にライルは圧倒される。
だが、そんな場合ではないと頭を振って受付で冒険者登録をしたライルはギルドの酒場にいた少し顔の赤くなった冒険者の男に話しかける。
「なぁ少し良いか?」
「あぁん!?なんだテメェ、ガキが来るところじゃねぇぞぉ!酒が飲めるようになってから出直しな!」
口から酒の匂いが漂ってくる冒険者はギャハハと笑いながら酒を煽る。
全く相手にされていない事を悟ったライルは酒場のマスターのまで行き「聞きたいことがあるんだが」と話しかけた。
「…………」
しかし、マスターにも全く相手にもされないことを知ったライルは先ほどの冒険者の言葉を思い出す。
「酒をくれ」
ライルの言葉にマスターは並々と注いだビールを差し出した。それを見てゴクリと喉を鳴らした後、一気に飲み干す。ゴキュッゴキュッという音と共に飲み干したライルはプハッと息継ぎをして木のジョッキを先ほどの冒険者のいたテーブルに叩きつけた。
「少し、話を聞きたい。良いよな?」
「良いぜ、乳臭せぇ匂いは取れたみてぇだな」
それから冒険者にスタンピードの事やそれの被害、解決した者達の事などを聞いた。しかし、冒険者の話からは灰色の髪の少女については一切出てこなかった。
(遠回しに質問しただけではダメか……)
「灰色の髪の少女については何か知ってたりしないか?」
「知らねぇな、聞いたこともねぇや」
冒険者の男は途端に質問に答えなくなった。それだけではなく、他の冒険者に話を聞こうとしたが皆、知らぬ存ぜぬという態度を取られそれ以降情報は得られなかった。
(仕方ない、依頼を受けて路銀を稼ぐか)
掲示板から良さそうな依頼を取り、受付で受領しギルドを後にする。
そんなライルを遠くから白髪の男が観察していた。
◇◇◇
「ハァ!」
(流石に、多いな!)
ゴブリンの討伐依頼を受けたライルは十は超えるゴブリンと戦っていた。
ホリックから近く、魔法を見られる危険から手持ちの武器で戦ってあるせいで数に翻弄されるライルは着実に一体、また一体と削っていた。
そんな時、死角からゴブリンがライル目掛けて突進する。既に正面から三体のゴブリンと対峙している為、気が付かない。
もらった!とでも言うかのようにグギャ!と声を出したことによってライルは振り返るが既に遅く、鋭い爪がライルへと迫る。
(しまった!)
「おいおい、警戒してたのに死にかけてるってこたぁ白か?」
突如として飛んできた矢によってゴブリンは脳天を貫かれ、力無く地面に突っ伏した。
矢が飛んできた方向を向いたライルは白髪のだらしない格好の男がクロスボウを構えているのが見えた。
髪を掻きむしりながら歩いてくる男に気を取られ再び背後を取られるライルだが今度は首をさん達とも短剣で刺し、絶命させた。
「おぉ~すげぇすげぇ!ジークの馬鹿よりよっぽどマシだな」
(眼帯をしてるのにあの位置から即死させる腕、この男危険だ)
陽気に、話しかけてくる男に警戒心を最高に上げたライルは短剣を構える。
だが、次の瞬間には短剣を飛ばされ地面に組み敷かれた自分に驚き目を白黒させる自分がいた。
「んで、お前は何者だ?」
◇◇◇
「ねぇ、ジーク。最近、ロベドが弟子を取ったとか噂になってるらしいわよ」
「噂だろ?あのロベドがそんな事するか?」
「ギルドでみんな話してた。ロベドが子供の面倒を見てるって」
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