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5危ないこと
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佑哉が電気をつけて、まぶしさに目を細めた。
こんなことで気持ちよくなっちゃって、風紀どころの話じゃない。犯罪だ。
泣きそうになっていると、佑哉は名刺サイズのケースを取り出した。
【ミンティ】
「……は?」
「おいしかったでしょ。期間限定の新フレーバーで、うちの雑誌とコラボしてるんです。来月載るんでたのし」
言い終わる前に、脇腹を思い切り蹴り飛ばした。
「痛っ……!」
「バカ! この、バカ佑哉! バカ!」
「いたい、いたっ、すいませんすいません、からかいたくてつい」
「バカ! もう知らない!」
前蹴りをかまして、そのままブランケットをかぶった。
怒りと恥ずかしさで、プルプルと震えが止まらない。
「ごめんなさい。でもなんか興奮したでしょ?」
「バカ。まぬけ。バカ」
まぬけは自分だ、とか思いながら。
「ごめんなさいってば」
ブランケットが無理やりはぎとられると、佑哉は、叱られた子犬みたいな顔をしていた。
「正直、先輩があんな風になっちゃうと思わなかったんです。俺も盛り上がってつい……」
「ほんとに、ただのミンティなんだね? 中身が変なやつにすり替えられてるとかじゃなくて」
「はい。先輩がエッチな気持ちになっちゃったのは、ミンティのせいじゃなくて俺の指が……ったあ!」
「それ以上言ったら叩き出す!」
数日後。体育館にて。
警察の方の真剣な訴えと、リアルに怖い再現VTRのあと、僕は生徒代表として壇上に上がった。
「――ドラッグは、身近にあふれています。実は僕の周りにも、眠気覚ましのタブレットだとだまされて、危うくドラッグに巻き込まれてしまいそうになった人がいました」
場がどよめく。
佑哉を目線だけで探すと、目を見開いていた――いわずもがな、復讐である。
悩んだら、すぐに大人や警察に言うように。
そう締めくくって、僕はスピーチを終えた。
どこぞの後輩が、全校生徒の前で一発論破する僕のことが好きだと言っていたから、それを実行したまでなのだけど。
……反省して欲しい。
その日の授業は講演で終わりだったので、ホームルームが終わると、すぐに寮に戻った。
割とさっさと出てきたつもりだったけど、それよりも早く、佑哉が部屋に戻っていた。
そして、土下座。
「先輩! たいっっっへん申し訳ありませんでした!」
「懲りた?」
「うん、超懲りた。めちゃくちゃ懲りました。先輩に嫌われたくない……!」
突進してくる佑哉を受け止めきれず、ごろんと派手に転んだ。
「そ、そういうところだよ。最近なんか急にわってするから、なんかクスリで変なテンションになっちゃってるのかと思った」
「え? それは普通に先輩が好きってだけですけど? 仕事終わりに先輩に甘えると、秒速で癒されるんで」
キョトンとする佑哉を見ていたら……なんだかおかしくなってきてしまった。
ぶっと噴き出して、体を起こす。
両手を広げたら、佑哉は姿勢を正して、おずおずと僕を抱きしめた。
「雑誌、楽しみにしてるね」
「多分、良い出来だと思いますよ。先輩と一緒に食べたいなって思いながら撮ってもらいましたから」
佑哉の笑顔を見たら、あんな大掛かりな復讐をしたにもかかわらず、僕の中に小さな願望が芽生えてしまった。
「あ、あのさ……」
「なんですか?」
「限定のやつ正式に発売されたら……また、やってほしい、かも……」
「え? クスリごっこ? 本気で言ってます?」
「うん。いや、クスリとかじゃなくて、普通に。食べさせて欲しくて。佑哉に溶かしてもらったらおいしかったから」
佑哉は黙ってうつむいた。
「ごめん、調子良すぎたっ。めちゃくちゃ怒っておいて何だって感じだよね」
「…………先輩の、そういうところですよ!」
「えっ!? あっ、や……っ」
思いきりのしかかられて、ベッドの上に組み敷かれて、口に指を突っ込まれた。
「ミンティなんかなくたって、先輩はエッチですよ。ほら」
「……んぁ、っ、あ」
おっしゃる通り。いや、君のせいなんだけど。
自覚はあるのだろうか。
こんなことで気持ちよくなっちゃって、風紀どころの話じゃない。犯罪だ。
泣きそうになっていると、佑哉は名刺サイズのケースを取り出した。
【ミンティ】
「……は?」
「おいしかったでしょ。期間限定の新フレーバーで、うちの雑誌とコラボしてるんです。来月載るんでたのし」
言い終わる前に、脇腹を思い切り蹴り飛ばした。
「痛っ……!」
「バカ! この、バカ佑哉! バカ!」
「いたい、いたっ、すいませんすいません、からかいたくてつい」
「バカ! もう知らない!」
前蹴りをかまして、そのままブランケットをかぶった。
怒りと恥ずかしさで、プルプルと震えが止まらない。
「ごめんなさい。でもなんか興奮したでしょ?」
「バカ。まぬけ。バカ」
まぬけは自分だ、とか思いながら。
「ごめんなさいってば」
ブランケットが無理やりはぎとられると、佑哉は、叱られた子犬みたいな顔をしていた。
「正直、先輩があんな風になっちゃうと思わなかったんです。俺も盛り上がってつい……」
「ほんとに、ただのミンティなんだね? 中身が変なやつにすり替えられてるとかじゃなくて」
「はい。先輩がエッチな気持ちになっちゃったのは、ミンティのせいじゃなくて俺の指が……ったあ!」
「それ以上言ったら叩き出す!」
数日後。体育館にて。
警察の方の真剣な訴えと、リアルに怖い再現VTRのあと、僕は生徒代表として壇上に上がった。
「――ドラッグは、身近にあふれています。実は僕の周りにも、眠気覚ましのタブレットだとだまされて、危うくドラッグに巻き込まれてしまいそうになった人がいました」
場がどよめく。
佑哉を目線だけで探すと、目を見開いていた――いわずもがな、復讐である。
悩んだら、すぐに大人や警察に言うように。
そう締めくくって、僕はスピーチを終えた。
どこぞの後輩が、全校生徒の前で一発論破する僕のことが好きだと言っていたから、それを実行したまでなのだけど。
……反省して欲しい。
その日の授業は講演で終わりだったので、ホームルームが終わると、すぐに寮に戻った。
割とさっさと出てきたつもりだったけど、それよりも早く、佑哉が部屋に戻っていた。
そして、土下座。
「先輩! たいっっっへん申し訳ありませんでした!」
「懲りた?」
「うん、超懲りた。めちゃくちゃ懲りました。先輩に嫌われたくない……!」
突進してくる佑哉を受け止めきれず、ごろんと派手に転んだ。
「そ、そういうところだよ。最近なんか急にわってするから、なんかクスリで変なテンションになっちゃってるのかと思った」
「え? それは普通に先輩が好きってだけですけど? 仕事終わりに先輩に甘えると、秒速で癒されるんで」
キョトンとする佑哉を見ていたら……なんだかおかしくなってきてしまった。
ぶっと噴き出して、体を起こす。
両手を広げたら、佑哉は姿勢を正して、おずおずと僕を抱きしめた。
「雑誌、楽しみにしてるね」
「多分、良い出来だと思いますよ。先輩と一緒に食べたいなって思いながら撮ってもらいましたから」
佑哉の笑顔を見たら、あんな大掛かりな復讐をしたにもかかわらず、僕の中に小さな願望が芽生えてしまった。
「あ、あのさ……」
「なんですか?」
「限定のやつ正式に発売されたら……また、やってほしい、かも……」
「え? クスリごっこ? 本気で言ってます?」
「うん。いや、クスリとかじゃなくて、普通に。食べさせて欲しくて。佑哉に溶かしてもらったらおいしかったから」
佑哉は黙ってうつむいた。
「ごめん、調子良すぎたっ。めちゃくちゃ怒っておいて何だって感じだよね」
「…………先輩の、そういうところですよ!」
「えっ!? あっ、や……っ」
思いきりのしかかられて、ベッドの上に組み敷かれて、口に指を突っ込まれた。
「ミンティなんかなくたって、先輩はエッチですよ。ほら」
「……んぁ、っ、あ」
おっしゃる通り。いや、君のせいなんだけど。
自覚はあるのだろうか。
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