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<外伝> 椎名 賢也
椎名 賢也 101 迷宮都市 地下12階 沙良の魔石取りの練習&桃の賭け事
月曜日。
ダンジョン地下12階の安全地帯を出た途端、「桃が俺を待っている~!」桃を探しに走り出す。
この階層は、お宝探しのような体験が出来て面白い。
あれから毎日違う場所に生る桃を発見するのが、楽しみになっていた。
今日も勘を頼りに桃を見付け、全てを収穫し満足して沙良の下に戻り、アイテムBOXに収納してもらう。
マジックバッグは時間停止の機能がないから、そのまま入れておくと腐ってしまうのだ。
「俺もアイテムBOXが欲しかった……」
心底、羨まし気に呟くと沙良にジロリと睨まれて頬を掻く。
嫌、俺だって光魔法が使えるから充分チートだと分かっているんだけどな。
旭も持っているのに、俺だけないのは寂しいじゃないか。
その後、地下12階に生っているみかんも残らず採取して昼食を食べに戻った。
沙良が作ってくれた味噌煮込みうどんを食べ、午後からの攻略を始めようとしたところで、妹が旭に声を掛ける。
「旭、余っている解体ナイフがあったら欲しいんだけど……」
「沢山あるから1本渡すよ」
解体ナイフが欲しいと言われ、旭がダンジョンマスター時代に回収したマジックバッグの中身を取り出した。見た感じでは、鋼製の解体ナイフだな。
「何に使うんだ?」
魔物から魔石を取る事もしないのに必要なのか疑問に思い尋ねると、
「魔石取りの練習をしたいから、マジックキノコに使うんだよ」
「それ、食材を切るのとどう違うんだ?」
その回答に思わず突っ込みを入れてしまう。
沙良は俺が言った言葉を聞き、「全然違うもん!」顔を膨らませてプリプリ怒っていた。
植物系の魔物で練習になると思うのかと呆れたが、何もしないよりはマシだろうと考え直す。
B級冒険者の昇格試験では、どんな魔物を狩るか分からない。
今から少しずつ慣らしていけば、哺乳類系の魔物から魔石を取れるようになるだろう。
本人もやる気になっているし、少し様子を見るか……。
旭から渡された解体ナイフを片手に沙良が走り出す。
早速、練習相手の魔物を見付けたようだ。
よちよち歩いてくるマジックキノコをドレインで昏倒させ、沙良が意気揚々と解体ナイフを上に掲げる。
そして魔石の場所をマッピングで透視したのか、ピンポイントにナイフを入れ取り出していた。
その魔石を自慢するように俺と旭に見せてから素早く仕舞うと、次の獲物に向かい駆け出していった。
ここはよく出来たと褒めてやる場面なのか?
旭を見ると、流石に手放しで褒めてやれる状況じゃないらしく苦笑していた。
まぁ、そんな頑張っている姿も可愛いと思っていそうだが……。
ホブゴブリンやフォレストドッグの魔石取りは、当然のように俺達に回された。
やれやれ、妹が冒険者に必須な魔石取りが出来るようになるのは時間が掛かりそうだな。
コカトリスクイーンの赤い卵を発見し、ニマニマしている沙良を見遣り俺は小さく溜息を吐いた。
2回の攻略を終え安全地帯に戻ると、沙良が夕食の準備を始める。
いつもと同じかと思っていたら、卵を取り出した。
おっ、新しいメニューか? 他にも、みじん切りにした材料を炒めていたからオムレツだろうか?
俺の予想は外れ、キッシュだったらしい。
7パーティーの冒険者達は、沙良がプレゼントしたバーベキュー台の設置を始めた。
地下11階の配送担当者から炭を調達したようだ。
沙良がフライパンに入れた溶き卵を、ダンクさんが興味深そうに覗いている。
そういえば、ダンジョン内で冒険者が使う食材に卵がなかったな。
高タンパクで栄養が摂れるのに、調理方法を知らないんだろうか?
沙良は、オーブンの代わりに表面をファイヤーボールで炙り出した。
見ていたダンクさんが料理名を聞き、不思議そうな顔をしている。キッシュを知らないみたいだ。
「サラちゃんがいるとメニューが増えるな~。先週教えてくれたバーベキューもいいけど、今日のキッシュとやらも美味そうだ。卵とニンニクも、食材リストに追加しておけよ」
彼に言われて料理担当のリリーさんが頷きを返す。
玉子料理なら、他にも沙良が教えてやれるだろう。
出来上がったシチュー、キッシュ、ナンを食べ終わる頃、沙良が桃を7パーティーに配り始めた。
切られた桃が綺麗に盛られた大皿を見て、アマンダさんがニヤリと笑う。
「やっぱり見付けてきたんだね。見付けられない方に賭けたやつ、金出しな!」
どうやら、俺達が桃を発見するかどうか賭け事をしていたらしい。
そして彼女は発見出来る方に賭けたのだろう。
「あ~、なんで見付けてくるかなぁ~。俺の銀貨1枚がぁ~」
ダンクさんが悲鳴を上げ、
「私、見付からない方に銀貨3枚賭けたのに~」
リリーさんがショックを受け、落ち込んでいる。
「私は見付かる方に銀貨10枚賭けたからね~。ぼろ儲けだよ!」
アマンダさんの嬉しそうな声が響き渡った。
銀貨10枚(10万円)とはまた、大きく賭けにでたな……。
しかも、7パーティーの全員が賭けに参加していたようだ。
暇なのか? この賭け事は毎週続くんだろうか?
金曜日。
冒険者ギルドで換金を済ませ、製麺店に寄る。
製麺を始めてから3週間経ち、麺の太さも均一になってきたとリーダーのバスクさんから報告を受けた。
それを聞いた沙良は嬉しそうに喜んだあと、思案している様子を見せた。
また、何を考えているんだ?
異世界にないうどんを出し、秘伝とした調味料を使っているから、今でも充分人目を引く店になっている。
店に関して口を挟む心算はないが、これ以上目立つ事はしないでくれよ。
在庫を補充し、店を出てからホームに戻った。
日本酒を呑みたい気分だったので、沙良に小料理屋へ送ってもらう。
この店はカウンターの前に出来立ての惣菜が数種類置いてあり、店内に入ると良い匂いがしたものだが……。
旭と暖簾を潜り、店に入っても無臭で残念だ。
惣菜が置いてないから当然なんだが、ホーム内の店は情緒に欠けるな。
電子メニューから熱燗と幾つかの惣菜を選び、乾杯する。
大根と牛すじ煮込みに箸を付け、その懐かしい味を堪能した。
この店のおでんが好きな旭は、味噌で煮込まれたコンニャクを口に含み笑顔になっている。
「それにしても、桃で賭け事をするなんて驚いた~」
次に玉子を食べながら、旭が話し掛けてきた。
「掛け金も高額だったしな。俺が毎日収穫するから、沙良も皆に配ってるんだろうが……。何だか負けた冒険者達に悪い気がする」
「それは気にしなくてもいいんじゃない? その内、全員が見付ける方に賭けて賭けにならなくなると思うよ」
「どうかな? よりハイリターンを望んで、自滅しそうな冒険者が出てきそうだ」
「賭け事は身を滅ぼすっていうしね。俺は興味ないからやらないけど、パチンコやスロットも嵌ったら止められないかも?」
「多分、ホーム内のパチンコ屋には入れると思うが……。行ってみるか?」
「沙良ちゃんのお金で賭け事なんか出来ないよ!」
「それも、そうか……」
月10万円の小遣いじゃ、毎週飲みに行くのが精々だ。
特にやる事がないわけじゃないし、俺達は健全にジムへ通おう。
あっ、宝くじなら購入してもいいかも知れない。
一等が当たれば、ホーム内で購入出来る物が増える。
「旭、宝くじを買おう!」
「それいいね! 当たったら何を買おうかな~」
俺達は捕らぬ狸の皮算用をしながら、あれやこれやと夢に話を咲かせていたので、沙良が迎えに来るのが遅くなった事に気付かなかった。
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お気に入り登録をして下さった方、いいねやエールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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この階層は、お宝探しのような体験が出来て面白い。
あれから毎日違う場所に生る桃を発見するのが、楽しみになっていた。
今日も勘を頼りに桃を見付け、全てを収穫し満足して沙良の下に戻り、アイテムBOXに収納してもらう。
マジックバッグは時間停止の機能がないから、そのまま入れておくと腐ってしまうのだ。
「俺もアイテムBOXが欲しかった……」
心底、羨まし気に呟くと沙良にジロリと睨まれて頬を掻く。
嫌、俺だって光魔法が使えるから充分チートだと分かっているんだけどな。
旭も持っているのに、俺だけないのは寂しいじゃないか。
その後、地下12階に生っているみかんも残らず採取して昼食を食べに戻った。
沙良が作ってくれた味噌煮込みうどんを食べ、午後からの攻略を始めようとしたところで、妹が旭に声を掛ける。
「旭、余っている解体ナイフがあったら欲しいんだけど……」
「沢山あるから1本渡すよ」
解体ナイフが欲しいと言われ、旭がダンジョンマスター時代に回収したマジックバッグの中身を取り出した。見た感じでは、鋼製の解体ナイフだな。
「何に使うんだ?」
魔物から魔石を取る事もしないのに必要なのか疑問に思い尋ねると、
「魔石取りの練習をしたいから、マジックキノコに使うんだよ」
「それ、食材を切るのとどう違うんだ?」
その回答に思わず突っ込みを入れてしまう。
沙良は俺が言った言葉を聞き、「全然違うもん!」顔を膨らませてプリプリ怒っていた。
植物系の魔物で練習になると思うのかと呆れたが、何もしないよりはマシだろうと考え直す。
B級冒険者の昇格試験では、どんな魔物を狩るか分からない。
今から少しずつ慣らしていけば、哺乳類系の魔物から魔石を取れるようになるだろう。
本人もやる気になっているし、少し様子を見るか……。
旭から渡された解体ナイフを片手に沙良が走り出す。
早速、練習相手の魔物を見付けたようだ。
よちよち歩いてくるマジックキノコをドレインで昏倒させ、沙良が意気揚々と解体ナイフを上に掲げる。
そして魔石の場所をマッピングで透視したのか、ピンポイントにナイフを入れ取り出していた。
その魔石を自慢するように俺と旭に見せてから素早く仕舞うと、次の獲物に向かい駆け出していった。
ここはよく出来たと褒めてやる場面なのか?
旭を見ると、流石に手放しで褒めてやれる状況じゃないらしく苦笑していた。
まぁ、そんな頑張っている姿も可愛いと思っていそうだが……。
ホブゴブリンやフォレストドッグの魔石取りは、当然のように俺達に回された。
やれやれ、妹が冒険者に必須な魔石取りが出来るようになるのは時間が掛かりそうだな。
コカトリスクイーンの赤い卵を発見し、ニマニマしている沙良を見遣り俺は小さく溜息を吐いた。
2回の攻略を終え安全地帯に戻ると、沙良が夕食の準備を始める。
いつもと同じかと思っていたら、卵を取り出した。
おっ、新しいメニューか? 他にも、みじん切りにした材料を炒めていたからオムレツだろうか?
俺の予想は外れ、キッシュだったらしい。
7パーティーの冒険者達は、沙良がプレゼントしたバーベキュー台の設置を始めた。
地下11階の配送担当者から炭を調達したようだ。
沙良がフライパンに入れた溶き卵を、ダンクさんが興味深そうに覗いている。
そういえば、ダンジョン内で冒険者が使う食材に卵がなかったな。
高タンパクで栄養が摂れるのに、調理方法を知らないんだろうか?
沙良は、オーブンの代わりに表面をファイヤーボールで炙り出した。
見ていたダンクさんが料理名を聞き、不思議そうな顔をしている。キッシュを知らないみたいだ。
「サラちゃんがいるとメニューが増えるな~。先週教えてくれたバーベキューもいいけど、今日のキッシュとやらも美味そうだ。卵とニンニクも、食材リストに追加しておけよ」
彼に言われて料理担当のリリーさんが頷きを返す。
玉子料理なら、他にも沙良が教えてやれるだろう。
出来上がったシチュー、キッシュ、ナンを食べ終わる頃、沙良が桃を7パーティーに配り始めた。
切られた桃が綺麗に盛られた大皿を見て、アマンダさんがニヤリと笑う。
「やっぱり見付けてきたんだね。見付けられない方に賭けたやつ、金出しな!」
どうやら、俺達が桃を発見するかどうか賭け事をしていたらしい。
そして彼女は発見出来る方に賭けたのだろう。
「あ~、なんで見付けてくるかなぁ~。俺の銀貨1枚がぁ~」
ダンクさんが悲鳴を上げ、
「私、見付からない方に銀貨3枚賭けたのに~」
リリーさんがショックを受け、落ち込んでいる。
「私は見付かる方に銀貨10枚賭けたからね~。ぼろ儲けだよ!」
アマンダさんの嬉しそうな声が響き渡った。
銀貨10枚(10万円)とはまた、大きく賭けにでたな……。
しかも、7パーティーの全員が賭けに参加していたようだ。
暇なのか? この賭け事は毎週続くんだろうか?
金曜日。
冒険者ギルドで換金を済ませ、製麺店に寄る。
製麺を始めてから3週間経ち、麺の太さも均一になってきたとリーダーのバスクさんから報告を受けた。
それを聞いた沙良は嬉しそうに喜んだあと、思案している様子を見せた。
また、何を考えているんだ?
異世界にないうどんを出し、秘伝とした調味料を使っているから、今でも充分人目を引く店になっている。
店に関して口を挟む心算はないが、これ以上目立つ事はしないでくれよ。
在庫を補充し、店を出てからホームに戻った。
日本酒を呑みたい気分だったので、沙良に小料理屋へ送ってもらう。
この店はカウンターの前に出来立ての惣菜が数種類置いてあり、店内に入ると良い匂いがしたものだが……。
旭と暖簾を潜り、店に入っても無臭で残念だ。
惣菜が置いてないから当然なんだが、ホーム内の店は情緒に欠けるな。
電子メニューから熱燗と幾つかの惣菜を選び、乾杯する。
大根と牛すじ煮込みに箸を付け、その懐かしい味を堪能した。
この店のおでんが好きな旭は、味噌で煮込まれたコンニャクを口に含み笑顔になっている。
「それにしても、桃で賭け事をするなんて驚いた~」
次に玉子を食べながら、旭が話し掛けてきた。
「掛け金も高額だったしな。俺が毎日収穫するから、沙良も皆に配ってるんだろうが……。何だか負けた冒険者達に悪い気がする」
「それは気にしなくてもいいんじゃない? その内、全員が見付ける方に賭けて賭けにならなくなると思うよ」
「どうかな? よりハイリターンを望んで、自滅しそうな冒険者が出てきそうだ」
「賭け事は身を滅ぼすっていうしね。俺は興味ないからやらないけど、パチンコやスロットも嵌ったら止められないかも?」
「多分、ホーム内のパチンコ屋には入れると思うが……。行ってみるか?」
「沙良ちゃんのお金で賭け事なんか出来ないよ!」
「それも、そうか……」
月10万円の小遣いじゃ、毎週飲みに行くのが精々だ。
特にやる事がないわけじゃないし、俺達は健全にジムへ通おう。
あっ、宝くじなら購入してもいいかも知れない。
一等が当たれば、ホーム内で購入出来る物が増える。
「旭、宝くじを買おう!」
「それいいね! 当たったら何を買おうかな~」
俺達は捕らぬ狸の皮算用をしながら、あれやこれやと夢に話を咲かせていたので、沙良が迎えに来るのが遅くなった事に気付かなかった。
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