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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第888話 恐竜の魔物が棲む島 双子達の召喚 1
実家に戻ると、母が夕食の準備をしていた。
私も手伝って、揚げ物の下処理を済ませる。
今夜はカキフライとダンジョン産の帆立フライだ。
母が揚げたものをアイテムBOXに収納して、熱々の状態で食べられるようにする。
2人なのに揚げる量が多いのは、父達の分かしら? ご飯も味噌汁の量も2人分とは思えない。
「沙良、ルシファーにお願いして皆に夕食を届けてちょうだい」
「じゃあ、ご飯と味噌汁も一緒に渡してくるね」
案の定、食事を心配していた母からそう言われて、通信の魔道具を起動させる。
『お兄ちゃん。夕ご飯は、まだだよね?』
『沙良? 酒類は受け取ったぞ?』
『お母さんが、皆の分も夕食を作ったから食べてほしいって』
『それは助かる。そうだ、替えの服の下着も用意してくれ。結花さんと雫ちゃんの分は要らないそうだ』
『了解! じゃあ、1時間後にルシファーを呼び出してね』
私は通信の魔道具を切ってから、母に父、奏伯父さん、シュウゲンさんの服と下着を持ってきてほしいと伝える。
旭のお母さんと雫ちゃんは冒険者活動が長いから、ある程度の服や下着をアイテムBOXに入れているんだろう。女性化している樹おじさんの分は、お母さんと兼用で問題ないかな?
毎日ホームに帰っていた私達は、必要がなかったため替えの服装を準備していなかった。
兄の家に行き、兄、旭、セイさんの服を箪笥から取り出して、1人ずつ分かるよう鞄に入れる。
茜と早川さんの分も同様にして実家に行くと、取り敢えず1週間分だと3個の旅行鞄を母から渡されたので、マジックバッグに入れておく。
他にも、日用品をいくつか用意してシルバーと一緒に島へ移転した。
島に移動するなり結界を張り巡らせ、犯人からの攻撃に備える。
油断なくマッピングを展開しながら、地面に魔法陣を描いてルシファーを呼び出すと、荷物が入ったマジックバッグを渡して帰ってもらった。
私も直ぐにホームへ帰り、母と夕食を食べる。
マカロニサラダと千切りキャベツが盛られた皿に、熱々のカキフライと帆立フライを載せてカキフライから口に入れた。
う~、このカキの風味が堪らない!
兄達も今夜は美味しい夕食が食べられて嬉しいだろう。
夕食を済ませて母とお茶を飲んでいると、
『沙良、無事なのか?』
通信の魔道具から、シュウゲンさんの声が聞こえる。
『シュウゲンさん、帰ってきたんですね。心配かけてごめんなさい。私はホームに居るので、大丈夫ですよ』
『そうか、皆で話し合ったんじゃが、1ヶ月後に黒竜を召喚して戻ってくるのがいいだろう。島には正体不明の敵もおるようだし、1人で帰ってくるのは危険だからの』
『分かりました。私は1ヶ月間ホーム内で待機していますね』
『うむ、儂らは交代でダンジョンを攻略する心算だ。家に残る者に通信の魔道具を渡しておくで、いつでも連絡は取れる』
『あっ、日中は子供達が楽器の練習をしに来るから、邪魔にならないようガーグ老の工房に居て下さい』
『それなら武術稽古を頼んでおこう』
『えええっ!』
嫌そうな旭の声が小さく聞こえる。それは予想外だったのだろう。
ガーグ老の部下達に扱かれているので、旭は武術稽古にあまり積極的じゃない。
毎週10人以上を相手に立ち回っているので仕方ないとはいえ、爵位を上げるために筋トレさせられているルシファーよりマシだろう。
『何か足りないものがあれば、用意しますから気軽に言って下さいね』
『また、今日みたいに料理の差し入れがあると嬉しいのう』
『お母さんに伝えておきます』
会話を聞いていた母が、「明日は何を作ろうかしら?」と言いながら食器を洗いに行った。
私もあとに続き、洗い終わった食器を布巾で拭く。
1ヶ月間、ホームにただ居るのは勿体ないな。
この機会に双子達を召喚して、Lv上げしたらいいんじゃない?
「お母さん、私ベヒモスを倒してLvが上がったの。召喚出来る人数が増えたから、双子達を呼ぼうと思うんだけど……」
「あら、そうなの? やっと、あの子達にも会えるのね。じゃあ、皆には内緒にして驚かせましょう!」
私の提案に乗り気の母は、双子達の召喚を内緒にしようと言う。
まぁ別に、それでも問題はないので1ヶ月後に再会した時、皆を驚かせる事にした。
夜の10時を過ぎているし、一緒に住んでいる双子達も家に居るだろう。
Lv上げをするなら早く召喚したほうがいいと思い、
「召喚! 椎名 雅人、椎名 遥斗!」
召喚魔法を唱えた瞬間、部屋中が光の洪水で満たされた。
もう何度も召喚の場面を見ているので驚かず、光が落ち着くのを待つ。
8年振りに会う双子達の姿にドキドキしていると、部屋の中心に2人の姿が現れる。
私の年齢に合わせて召喚されるので、12歳になった姿を思い浮かべていたんだけど……。
突然別の場所に移動して、目をぱちくりさせている少年達の容姿は私の知る双子達じゃない。
あの可愛い女の子は何処に?
まるで王子様のようなキラキラした服を着ていたけど、サイズが合わずぶかぶかだった。
「沙良……、雅人と遥斗を召喚したのよね?」
母も誰か分からず、戸惑った様子で聞いてくる。
「おかしいな……、召喚する名前は間違ってない筈なんだけど……」
もしかして同姓同名の日本人でも居たの?
それにしては、衣装がコスプレみたいだけど……。
「なっ、何が起きたんだ? ここは……」
よく似た容姿をしている少年の内の1人が、室内を見回して愕然とした表情を浮かべる。
次に黙ったままだった方の少年が、母を見て驚愕したように目を見開いた。
「お……母さん? 嘘っ……ここ実家だよ! 雅ちゃん、俺達日本にタイムスリップしたみたい!」
今、雅ちゃんって言った? じゃあ、この子が遥斗なの?
どうして別人の姿になっているのか分からず、頭が混乱する。
「何だって!? 確かに、母さんが若くなってるな。それに、この家は……どういう事なんだ?」
母だと認識しているようなので、もう1人の少年も間違いなく雅人だろう。
「雅人……と遥斗なの?」
2人の会話で息子達だと確信した母が、震える声で口を開く。
「そうだけど……、この状況が分からない」
「ええっと、驚かせてごめんね。私は沙良よ」
「沙良お姉ちゃん!? 別人じゃん!!」
遥斗は信じられないと驚き、雅人は一瞬黙り込み険しい表情で私を睨みつけた。
「姉さんは亡くなった。嘘を吐くな」
あ~、そうだったわね。
「実は日本で亡くなってから異世界の人間に憑依したの。姿が違うのは、その所為よ」
「異世界って……、じゃあ俺達と同じように転生した訳じゃないんだ」
「ちょっと待って、貴方達も異世界に居るの?」
「うん、10歳の時に記憶が戻ったんだけど……。雫ちゃんがしていた乙女ゲームの世界に転生したんだよ」
遥斗の言葉を聞いて、同じ世界に居ると判明した。
双子達が転生したなら、別人の姿になっているのも頷ける。
ただ、着ている服装からして高位貴族じゃないかしら?
二人の顔をまじまじと見つめると、記憶のどこかで引っ掛かりを覚えた。
会った事はないけど、この容姿を最近見たような……。
どこで見たんだっけ? ぼんやりと記憶を辿っていくうちに、だんだんと思い出していく。
そうだ! 王宮の回廊に飾られていた双子の王子に似てるんだ。
やばい……私、王族を誘拐しちゃった!!
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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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私も手伝って、揚げ物の下処理を済ませる。
今夜はカキフライとダンジョン産の帆立フライだ。
母が揚げたものをアイテムBOXに収納して、熱々の状態で食べられるようにする。
2人なのに揚げる量が多いのは、父達の分かしら? ご飯も味噌汁の量も2人分とは思えない。
「沙良、ルシファーにお願いして皆に夕食を届けてちょうだい」
「じゃあ、ご飯と味噌汁も一緒に渡してくるね」
案の定、食事を心配していた母からそう言われて、通信の魔道具を起動させる。
『お兄ちゃん。夕ご飯は、まだだよね?』
『沙良? 酒類は受け取ったぞ?』
『お母さんが、皆の分も夕食を作ったから食べてほしいって』
『それは助かる。そうだ、替えの服の下着も用意してくれ。結花さんと雫ちゃんの分は要らないそうだ』
『了解! じゃあ、1時間後にルシファーを呼び出してね』
私は通信の魔道具を切ってから、母に父、奏伯父さん、シュウゲンさんの服と下着を持ってきてほしいと伝える。
旭のお母さんと雫ちゃんは冒険者活動が長いから、ある程度の服や下着をアイテムBOXに入れているんだろう。女性化している樹おじさんの分は、お母さんと兼用で問題ないかな?
毎日ホームに帰っていた私達は、必要がなかったため替えの服装を準備していなかった。
兄の家に行き、兄、旭、セイさんの服を箪笥から取り出して、1人ずつ分かるよう鞄に入れる。
茜と早川さんの分も同様にして実家に行くと、取り敢えず1週間分だと3個の旅行鞄を母から渡されたので、マジックバッグに入れておく。
他にも、日用品をいくつか用意してシルバーと一緒に島へ移転した。
島に移動するなり結界を張り巡らせ、犯人からの攻撃に備える。
油断なくマッピングを展開しながら、地面に魔法陣を描いてルシファーを呼び出すと、荷物が入ったマジックバッグを渡して帰ってもらった。
私も直ぐにホームへ帰り、母と夕食を食べる。
マカロニサラダと千切りキャベツが盛られた皿に、熱々のカキフライと帆立フライを載せてカキフライから口に入れた。
う~、このカキの風味が堪らない!
兄達も今夜は美味しい夕食が食べられて嬉しいだろう。
夕食を済ませて母とお茶を飲んでいると、
『沙良、無事なのか?』
通信の魔道具から、シュウゲンさんの声が聞こえる。
『シュウゲンさん、帰ってきたんですね。心配かけてごめんなさい。私はホームに居るので、大丈夫ですよ』
『そうか、皆で話し合ったんじゃが、1ヶ月後に黒竜を召喚して戻ってくるのがいいだろう。島には正体不明の敵もおるようだし、1人で帰ってくるのは危険だからの』
『分かりました。私は1ヶ月間ホーム内で待機していますね』
『うむ、儂らは交代でダンジョンを攻略する心算だ。家に残る者に通信の魔道具を渡しておくで、いつでも連絡は取れる』
『あっ、日中は子供達が楽器の練習をしに来るから、邪魔にならないようガーグ老の工房に居て下さい』
『それなら武術稽古を頼んでおこう』
『えええっ!』
嫌そうな旭の声が小さく聞こえる。それは予想外だったのだろう。
ガーグ老の部下達に扱かれているので、旭は武術稽古にあまり積極的じゃない。
毎週10人以上を相手に立ち回っているので仕方ないとはいえ、爵位を上げるために筋トレさせられているルシファーよりマシだろう。
『何か足りないものがあれば、用意しますから気軽に言って下さいね』
『また、今日みたいに料理の差し入れがあると嬉しいのう』
『お母さんに伝えておきます』
会話を聞いていた母が、「明日は何を作ろうかしら?」と言いながら食器を洗いに行った。
私もあとに続き、洗い終わった食器を布巾で拭く。
1ヶ月間、ホームにただ居るのは勿体ないな。
この機会に双子達を召喚して、Lv上げしたらいいんじゃない?
「お母さん、私ベヒモスを倒してLvが上がったの。召喚出来る人数が増えたから、双子達を呼ぼうと思うんだけど……」
「あら、そうなの? やっと、あの子達にも会えるのね。じゃあ、皆には内緒にして驚かせましょう!」
私の提案に乗り気の母は、双子達の召喚を内緒にしようと言う。
まぁ別に、それでも問題はないので1ヶ月後に再会した時、皆を驚かせる事にした。
夜の10時を過ぎているし、一緒に住んでいる双子達も家に居るだろう。
Lv上げをするなら早く召喚したほうがいいと思い、
「召喚! 椎名 雅人、椎名 遥斗!」
召喚魔法を唱えた瞬間、部屋中が光の洪水で満たされた。
もう何度も召喚の場面を見ているので驚かず、光が落ち着くのを待つ。
8年振りに会う双子達の姿にドキドキしていると、部屋の中心に2人の姿が現れる。
私の年齢に合わせて召喚されるので、12歳になった姿を思い浮かべていたんだけど……。
突然別の場所に移動して、目をぱちくりさせている少年達の容姿は私の知る双子達じゃない。
あの可愛い女の子は何処に?
まるで王子様のようなキラキラした服を着ていたけど、サイズが合わずぶかぶかだった。
「沙良……、雅人と遥斗を召喚したのよね?」
母も誰か分からず、戸惑った様子で聞いてくる。
「おかしいな……、召喚する名前は間違ってない筈なんだけど……」
もしかして同姓同名の日本人でも居たの?
それにしては、衣装がコスプレみたいだけど……。
「なっ、何が起きたんだ? ここは……」
よく似た容姿をしている少年の内の1人が、室内を見回して愕然とした表情を浮かべる。
次に黙ったままだった方の少年が、母を見て驚愕したように目を見開いた。
「お……母さん? 嘘っ……ここ実家だよ! 雅ちゃん、俺達日本にタイムスリップしたみたい!」
今、雅ちゃんって言った? じゃあ、この子が遥斗なの?
どうして別人の姿になっているのか分からず、頭が混乱する。
「何だって!? 確かに、母さんが若くなってるな。それに、この家は……どういう事なんだ?」
母だと認識しているようなので、もう1人の少年も間違いなく雅人だろう。
「雅人……と遥斗なの?」
2人の会話で息子達だと確信した母が、震える声で口を開く。
「そうだけど……、この状況が分からない」
「ええっと、驚かせてごめんね。私は沙良よ」
「沙良お姉ちゃん!? 別人じゃん!!」
遥斗は信じられないと驚き、雅人は一瞬黙り込み険しい表情で私を睨みつけた。
「姉さんは亡くなった。嘘を吐くな」
あ~、そうだったわね。
「実は日本で亡くなってから異世界の人間に憑依したの。姿が違うのは、その所為よ」
「異世界って……、じゃあ俺達と同じように転生した訳じゃないんだ」
「ちょっと待って、貴方達も異世界に居るの?」
「うん、10歳の時に記憶が戻ったんだけど……。雫ちゃんがしていた乙女ゲームの世界に転生したんだよ」
遥斗の言葉を聞いて、同じ世界に居ると判明した。
双子達が転生したなら、別人の姿になっているのも頷ける。
ただ、着ている服装からして高位貴族じゃないかしら?
二人の顔をまじまじと見つめると、記憶のどこかで引っ掛かりを覚えた。
会った事はないけど、この容姿を最近見たような……。
どこで見たんだっけ? ぼんやりと記憶を辿っていくうちに、だんだんと思い出していく。
そうだ! 王宮の回廊に飾られていた双子の王子に似てるんだ。
やばい……私、王族を誘拐しちゃった!!
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