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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第891話 恐竜の魔物が棲む島 双子達の通信魔法 1
沈黙が続き何も聞こえなくなったので、通信の魔道具が切れてしまったのではないかと心配になる頃、
『……今日はもう遅い。皆に報告する必要があるし、話は明日にしよう』
父は、なんだか疲れ切った声でそう告げると話を終わらせてしまった。
ええっと……問題を先送りにされたのかしら?
傍にいた兄も何も言わなかったし、怒られずに済んだのは良かったんだけど……。
何だか腑に落ちないなと首を傾げていると、母が私の肩をぽんと叩き、
「お父さんも考える時間が必要なのよ。私もそろそろ寝たいわ」
帰りを促された。
双子達を召喚してから大分時間が過ぎている。
妊婦を睡眠不足にさせるわけにはいかない。
「じゃあ、帰るね。また明日。おやすみなさい」
「おやすみ」
私は自宅に戻り、すぐに眠りに就いた。
火曜日。
朝7時に双子達の家へ行き、朝食を実家で食べようと提案する。
兄と違って二人は自炊出来るけど、料理の腕は母や私に及ばない。
どうせなら、懐かしい家庭の味を食べさせてあげたかった。
「お母さん、おはよ~」
実家の玄関を開けると、母が朝食の準備をしていたのか出汁の匂いがする。
「味噌汁だ!」
久し振りに嗅いだ匂いにテンションが上がったのか、遥斗が靴を脱ぎっぱなしにして入っていく。
私は苦笑しながら靴の向きを揃えて、あとに続いた。
ダイニングテーブルには、双子達の好物がずらりと並んでいる。
昨日は遅かったのに、母は早起きして作ったらしい。
鰤の照り焼き、ねぎ入りの玉子焼き、イカの酢味噌和え、大根サラダ、豆腐の白和え、茄子の煮びたし、きんぴらごぼう、ひじきの煮物。
これには雅人も目を輝かせ、自分でご飯をよそいに行った。
里芋の味噌汁が配られると、
「いただきます!」
真っ先に遥斗が味噌汁に口を付け、ふう~と大きく息を吐く。
「はぁ~、やっぱり日本人には味噌汁だよね~」
「母さんの、きんぴらごぼうが食べたかった」
雅人は大好きなおかずを口一杯頬張り、ご飯をお代わりする。
二人の幸せそうな顔を見て、母もにこにこ笑っていた。
美味しいと言って食べてもらえば、料理を作った甲斐があるというものだ。
私は鰤の照り焼きを食べながら、兄達は朝食に何を食べているかしらと考える。
食材や調味料は多めに渡したし、朝からラーメンという事はないだろう。
「あっ、そういえば貴方達のLvはいくつ? 魔法学校に通ったなら、使える魔法もあるわよね?」
昨日、聞こうと思って忘れていたのを思い出し尋ねてみた。
「ん~、2人共Lv10だよ。魔法は四属性のボール系を覚えてる」
遥斗が口の中の食べ物を飲み込んだあと、答えてくれた。
Lv10なら、召喚時に新しく使えるようになった特殊魔法と性別変化が試せるわね。
四属性は、火、水、土、風か……。
魔法学校では魔術書に描かれている魔法陣で習得するみたいだけど、適性がないと覚えられないらしい。
この子達は全ての属性に適性があったみたい。
まぁ私が召喚した人間は魔物から魔法を受ければ習得可能なので、適性なんて関係ないんだけども。
「じゃあ、あとで通信魔法を試してみましょ」
「いいよ」
2人居るから、2台のスマホとPCの通信が繋がるようになる。
1台を異世界に居る兄に渡せば、通話出来るようになるかしら?
ホーム内は別空間なので通信の魔道具と違い、距離が離れていると使えないかな?
食後にダンジョン産のフルーツの盛り合わせを出したところ、
「最近、王宮でも色んなフルーツが出て来るようになったんだよ」
「前はマンゴーやシャインマスカットなんかなかったのに……」
双子達が不思議そうに呟く姿を見て思い当たる。
私が奏屋に卸したフルーツは王都の本店でも売られているから、王宮で使用される食材として購入されたに違いない。
王子という身分なので、やはり庶民よりいいものを食べていたのか……。
「そうなんだ、沢山あるから好きなだけ食べて」
私はダンジョンに生っている事を伏せ、2人が冒険者になった時に驚かせようと決めた。
洗い物は自分達がすると言い張る双子達に任せ、私は一度自宅に戻りノートPCを持ってきた。
今までネットが使えなくて、ステータス表を作るだけしか役に立たなかったけど、これで検索出来るようになるのね~。
いちいち本屋へ行って調べなくて済むのは非常に助かる。
私が期待して待っていると、洗い物を終えた双子達が席に戻ってきた。
「沙良お姉ちゃん。そのPCは古すぎるよ。通信の設定をするなら、新しいものに買い替えたら?」
遥斗がテーブルに置かれたノートPCを見るなり、呆れた口調で言ってきた。
確かに8年前のものをずっと使っていたけど、別に問題なかったわよ?
「そう? これじゃ駄目なの?」
「姉さん、お金があるなら買い換えたほうがいいよ」
雅人までそう言って、苦笑している。
PCに詳しい2人がそう言うならと、家電量販店に移動してPC売り場へ向かった。
私にはどれも同じに見えるので、選ぶのは双子達に丸投げしよう。
2人が楽しそうにPCを見て回る間、マッサージチェアを見付けて腰かける。
旅館やスーパー銭湯に置いてあるものより、性能が良さそう。
スタンダードコースを選び、その心地良さに目を瞑った。
どうしても人の手よりは落ちるけど、一番高いものを選んだので結構気持ちいい。
一台あると便利かもと真剣に購入を検討していると、遥斗が呼びに来た。
まだ途中だったのに、手を引かれて仕方なく起き上がる。
あ~、もう少ししていたかったなぁ。
「これがいいよ!」
2人が決めてくれたのは、シルバー色のお洒落なノートPCで値段を見たら20万円を超えていた。
思ったより高いな~。私が使っていたのは、型落ちで買った12万円のものなのに……。
でも、今はお金が沢山あるから勧められたものを買っておこう。
レジで精算を済ませ家に帰る。
購入したばかりの真新しいPCに電源を入れ、雅人が何やら設定するのを待った。
「これでネットに繋がると思う。何か検索してみて」
私は言われた通り、欲しかったコーヒーカップを検索してみた。
すると、今まで『接続出来ません』とエラーになっていた画面が開き、コーヒーカップが表示される。
そのままネット通販の画面を選択して注文ボタンをクリックしたら、住所、氏名、支払い方法と入力画面が続く。
ホーム内だけど、同じ住所で届くのかしらと疑問に思いつつ入力を済ませ、支払いはカード決済にした。
送料が無料なのはいいけど荷物の時間設定は選べず、置き配のみが選択可能となっていた。
注文完了画面を見てから、玄関を開けるとダンボールが置かれている。
箱を開けたら、先程注文したコーヒーカップが包装されていた。
やった! これでネット通販も可能になったよ!
「へぇ~、すぐに届くのは便利だね。送料も掛からないなんて、お得じゃん!」
「雅人、ありがとう! ネットが使えるようになって本当に嬉しいわ」
「姉さん、それだけど……。今は、通信魔法がホーム内しか使えないと思う」
「えっ、何で?」
「この魔法は、俺が設定したから無線の役割をしてるんじゃないかと思う。ちょっと、異世界に行って試してきなよ」
理由は分からないけど、雅人がそう言うなら試してみよう。
シルバーを呼び出して島に移動する。
狙われると拙いので、すぐに魔法が届かない距離まで上空高く飛んでもらい、PCで検索をしようとしたところ、エラーが表示された。
うわっ、こりゃスマホも駄目だな。
ホーム内だけしか通話が出来ないんじゃ、離れ離れになっている現状では、あまり役に立ちそうにない。
がっかりして実家に戻り結果を伝えると、二人共やっぱりという顔をしていた。
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お気に入り登録をして下さった方、いいねやエールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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父は、なんだか疲れ切った声でそう告げると話を終わらせてしまった。
ええっと……問題を先送りにされたのかしら?
傍にいた兄も何も言わなかったし、怒られずに済んだのは良かったんだけど……。
何だか腑に落ちないなと首を傾げていると、母が私の肩をぽんと叩き、
「お父さんも考える時間が必要なのよ。私もそろそろ寝たいわ」
帰りを促された。
双子達を召喚してから大分時間が過ぎている。
妊婦を睡眠不足にさせるわけにはいかない。
「じゃあ、帰るね。また明日。おやすみなさい」
「おやすみ」
私は自宅に戻り、すぐに眠りに就いた。
火曜日。
朝7時に双子達の家へ行き、朝食を実家で食べようと提案する。
兄と違って二人は自炊出来るけど、料理の腕は母や私に及ばない。
どうせなら、懐かしい家庭の味を食べさせてあげたかった。
「お母さん、おはよ~」
実家の玄関を開けると、母が朝食の準備をしていたのか出汁の匂いがする。
「味噌汁だ!」
久し振りに嗅いだ匂いにテンションが上がったのか、遥斗が靴を脱ぎっぱなしにして入っていく。
私は苦笑しながら靴の向きを揃えて、あとに続いた。
ダイニングテーブルには、双子達の好物がずらりと並んでいる。
昨日は遅かったのに、母は早起きして作ったらしい。
鰤の照り焼き、ねぎ入りの玉子焼き、イカの酢味噌和え、大根サラダ、豆腐の白和え、茄子の煮びたし、きんぴらごぼう、ひじきの煮物。
これには雅人も目を輝かせ、自分でご飯をよそいに行った。
里芋の味噌汁が配られると、
「いただきます!」
真っ先に遥斗が味噌汁に口を付け、ふう~と大きく息を吐く。
「はぁ~、やっぱり日本人には味噌汁だよね~」
「母さんの、きんぴらごぼうが食べたかった」
雅人は大好きなおかずを口一杯頬張り、ご飯をお代わりする。
二人の幸せそうな顔を見て、母もにこにこ笑っていた。
美味しいと言って食べてもらえば、料理を作った甲斐があるというものだ。
私は鰤の照り焼きを食べながら、兄達は朝食に何を食べているかしらと考える。
食材や調味料は多めに渡したし、朝からラーメンという事はないだろう。
「あっ、そういえば貴方達のLvはいくつ? 魔法学校に通ったなら、使える魔法もあるわよね?」
昨日、聞こうと思って忘れていたのを思い出し尋ねてみた。
「ん~、2人共Lv10だよ。魔法は四属性のボール系を覚えてる」
遥斗が口の中の食べ物を飲み込んだあと、答えてくれた。
Lv10なら、召喚時に新しく使えるようになった特殊魔法と性別変化が試せるわね。
四属性は、火、水、土、風か……。
魔法学校では魔術書に描かれている魔法陣で習得するみたいだけど、適性がないと覚えられないらしい。
この子達は全ての属性に適性があったみたい。
まぁ私が召喚した人間は魔物から魔法を受ければ習得可能なので、適性なんて関係ないんだけども。
「じゃあ、あとで通信魔法を試してみましょ」
「いいよ」
2人居るから、2台のスマホとPCの通信が繋がるようになる。
1台を異世界に居る兄に渡せば、通話出来るようになるかしら?
ホーム内は別空間なので通信の魔道具と違い、距離が離れていると使えないかな?
食後にダンジョン産のフルーツの盛り合わせを出したところ、
「最近、王宮でも色んなフルーツが出て来るようになったんだよ」
「前はマンゴーやシャインマスカットなんかなかったのに……」
双子達が不思議そうに呟く姿を見て思い当たる。
私が奏屋に卸したフルーツは王都の本店でも売られているから、王宮で使用される食材として購入されたに違いない。
王子という身分なので、やはり庶民よりいいものを食べていたのか……。
「そうなんだ、沢山あるから好きなだけ食べて」
私はダンジョンに生っている事を伏せ、2人が冒険者になった時に驚かせようと決めた。
洗い物は自分達がすると言い張る双子達に任せ、私は一度自宅に戻りノートPCを持ってきた。
今までネットが使えなくて、ステータス表を作るだけしか役に立たなかったけど、これで検索出来るようになるのね~。
いちいち本屋へ行って調べなくて済むのは非常に助かる。
私が期待して待っていると、洗い物を終えた双子達が席に戻ってきた。
「沙良お姉ちゃん。そのPCは古すぎるよ。通信の設定をするなら、新しいものに買い替えたら?」
遥斗がテーブルに置かれたノートPCを見るなり、呆れた口調で言ってきた。
確かに8年前のものをずっと使っていたけど、別に問題なかったわよ?
「そう? これじゃ駄目なの?」
「姉さん、お金があるなら買い換えたほうがいいよ」
雅人までそう言って、苦笑している。
PCに詳しい2人がそう言うならと、家電量販店に移動してPC売り場へ向かった。
私にはどれも同じに見えるので、選ぶのは双子達に丸投げしよう。
2人が楽しそうにPCを見て回る間、マッサージチェアを見付けて腰かける。
旅館やスーパー銭湯に置いてあるものより、性能が良さそう。
スタンダードコースを選び、その心地良さに目を瞑った。
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まだ途中だったのに、手を引かれて仕方なく起き上がる。
あ~、もう少ししていたかったなぁ。
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思ったより高いな~。私が使っていたのは、型落ちで買った12万円のものなのに……。
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「姉さん、それだけど……。今は、通信魔法がホーム内しか使えないと思う」
「えっ、何で?」
「この魔法は、俺が設定したから無線の役割をしてるんじゃないかと思う。ちょっと、異世界に行って試してきなよ」
理由は分からないけど、雅人がそう言うなら試してみよう。
シルバーを呼び出して島に移動する。
狙われると拙いので、すぐに魔法が届かない距離まで上空高く飛んでもらい、PCで検索をしようとしたところ、エラーが表示された。
うわっ、こりゃスマホも駄目だな。
ホーム内だけしか通話が出来ないんじゃ、離れ離れになっている現状では、あまり役に立ちそうにない。
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇