72 / 781
<外伝> 椎名 賢也
椎名 賢也 8 子供達への支援 2
3ヶ月後。
一軒家(中古)を購入した。
事前に必要な生活用品や10人分の子供布団は揃えている。
沙良は10歳以下の冒険者登録出来ない子供を10人集めて家を与えた。
ただ家を与えるだけでなく、いくつかの細かい【約束】を守る事を条件にしたようだ。
ひとつひとつは普段俺達が何気なく行っているが、この世界の子供達には意味が分からないものもあるだろう。
土足厳禁にしたのは、俺も日本人としてよく理解出来る。
靴のまま家に入るなんて、病原菌を持ち込んでいるのと同じだからな。
特に、この世界は移動手段が馬車だから道には馬糞が落ちている。
F級で唯一鉄貨3枚(300円)の仕事のため、依頼を受ける子供達がおり、それほど不衛生ではない状態だったが、やはり気になる。
洗濯をする方法を教えたが、洗い替え用の服と下着がなく慌てて買いに走った。
だが沙良よ、一体そのお金はどこから出てるんだ?
一緒に冒険者をしているから、お互いの収入は分かっている。
そもそも冒険者登録に必要な、銀貨1枚(1万円)を12歳の少女が稼げる訳がない。
用意周到な妹の事だ。
異世界のお金が必要になると考え、公爵邸から逃げ出す時に追い出した後妻の部屋から盗んできたんだろう。
虐待されていたらしいから多少の腹いせもあったんだろうが……。
今回は目を瞑ってやろう。
俺は沙良のLvを上げるため、角ウサギを安全に狩る方法を考えた。
盾で角ウサギを殴りつけ、地面に押し付けた状態で槍で突き刺させるのはどうだ?
完全なパワーレベリングだが、沙良が早くLvを上げないとマンションにいけないからな。
その効果もあって沙良のLvが上がると体力も力も強くなり、今までは午前中しか狩りが出来なかったが午後も狩りにいくようになった。
沙良は家を購入する前に角ウサギが10匹入るマジックバッグを2つ購入して、収入を増やしたいらしい。
現在1日の収入は32,000円。
マジックバッグ2つの値段は金貨1枚(100万円)。
中古とは言え家の値段と同じとは……。
マジックバッグは結構いい値段がする。
当然、時間停止の機能は付いていない。
これは沙良のアイテムBOXを知られると、非常に拙い事態になりそうだ。
ダミーの意味でもマジックバッグは必要なので了解した。
1.5ヶ月後。
マジックバッグを2つ購入。
1日の収入は銀貨8枚(8万円)となり、月収は2人合わせて200万円。
0.5ヶ月後。
2軒目の家を購入し、更に2ヶ月後には3軒の家を購入。
予定より早く全ての子供達に家を与えられたようだ。
沙良は満足そうに笑っていた。
家に住む子供達は、妹との【約束】をよく守り毎日忙しそうにしている。
洗濯も天気の良い日にちゃんとして、庭には洗濯物が干されている様子が見えた。
町の人達も子供達の家を訪ね、毎日1食料理を作っているらしい。
大人の冒険者達は露店で購入した物を差し入れに持っていく。
沙良が家を与えた事で、確実に支援の輪は広がっていた。
路上生活していた頃には受けられなかったものだ。
何故なら人は自分とあまりにも違い過ぎる環境にいる人達に、手を差し伸べるのを躊躇うからだ。
自分達も生活するだけで精一杯なのに、もし手を差し伸べたら際限なく求められるんじゃないかと不安になるのだろう。
でも沙良が家を購入し与えた事で、自分達の支援する分は少なくてもよくなる。
子供を引き取り育てずに済むからだ。
冒険者達は少女が自分達より少ない稼ぎで家を購入したのを知り、随分と身につまされる思いをしたかも知れないが……。
これで、この町の支援環境は整った。
俺達がもしこの町を去っても、路上生活をする子供はいなくなるだろう。
沙良、お前のしたかった支援は、町の人々がその意図を正しく受け取ったようだぞ。
まぁ多少、目立つ行為だったけどな……。
明日はD級の昇格試験。
試験に受かると討伐する魔物の種類も増えるので楽しみだ。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
一軒家(中古)を購入した。
事前に必要な生活用品や10人分の子供布団は揃えている。
沙良は10歳以下の冒険者登録出来ない子供を10人集めて家を与えた。
ただ家を与えるだけでなく、いくつかの細かい【約束】を守る事を条件にしたようだ。
ひとつひとつは普段俺達が何気なく行っているが、この世界の子供達には意味が分からないものもあるだろう。
土足厳禁にしたのは、俺も日本人としてよく理解出来る。
靴のまま家に入るなんて、病原菌を持ち込んでいるのと同じだからな。
特に、この世界は移動手段が馬車だから道には馬糞が落ちている。
F級で唯一鉄貨3枚(300円)の仕事のため、依頼を受ける子供達がおり、それほど不衛生ではない状態だったが、やはり気になる。
洗濯をする方法を教えたが、洗い替え用の服と下着がなく慌てて買いに走った。
だが沙良よ、一体そのお金はどこから出てるんだ?
一緒に冒険者をしているから、お互いの収入は分かっている。
そもそも冒険者登録に必要な、銀貨1枚(1万円)を12歳の少女が稼げる訳がない。
用意周到な妹の事だ。
異世界のお金が必要になると考え、公爵邸から逃げ出す時に追い出した後妻の部屋から盗んできたんだろう。
虐待されていたらしいから多少の腹いせもあったんだろうが……。
今回は目を瞑ってやろう。
俺は沙良のLvを上げるため、角ウサギを安全に狩る方法を考えた。
盾で角ウサギを殴りつけ、地面に押し付けた状態で槍で突き刺させるのはどうだ?
完全なパワーレベリングだが、沙良が早くLvを上げないとマンションにいけないからな。
その効果もあって沙良のLvが上がると体力も力も強くなり、今までは午前中しか狩りが出来なかったが午後も狩りにいくようになった。
沙良は家を購入する前に角ウサギが10匹入るマジックバッグを2つ購入して、収入を増やしたいらしい。
現在1日の収入は32,000円。
マジックバッグ2つの値段は金貨1枚(100万円)。
中古とは言え家の値段と同じとは……。
マジックバッグは結構いい値段がする。
当然、時間停止の機能は付いていない。
これは沙良のアイテムBOXを知られると、非常に拙い事態になりそうだ。
ダミーの意味でもマジックバッグは必要なので了解した。
1.5ヶ月後。
マジックバッグを2つ購入。
1日の収入は銀貨8枚(8万円)となり、月収は2人合わせて200万円。
0.5ヶ月後。
2軒目の家を購入し、更に2ヶ月後には3軒の家を購入。
予定より早く全ての子供達に家を与えられたようだ。
沙良は満足そうに笑っていた。
家に住む子供達は、妹との【約束】をよく守り毎日忙しそうにしている。
洗濯も天気の良い日にちゃんとして、庭には洗濯物が干されている様子が見えた。
町の人達も子供達の家を訪ね、毎日1食料理を作っているらしい。
大人の冒険者達は露店で購入した物を差し入れに持っていく。
沙良が家を与えた事で、確実に支援の輪は広がっていた。
路上生活していた頃には受けられなかったものだ。
何故なら人は自分とあまりにも違い過ぎる環境にいる人達に、手を差し伸べるのを躊躇うからだ。
自分達も生活するだけで精一杯なのに、もし手を差し伸べたら際限なく求められるんじゃないかと不安になるのだろう。
でも沙良が家を購入し与えた事で、自分達の支援する分は少なくてもよくなる。
子供を引き取り育てずに済むからだ。
冒険者達は少女が自分達より少ない稼ぎで家を購入したのを知り、随分と身につまされる思いをしたかも知れないが……。
これで、この町の支援環境は整った。
俺達がもしこの町を去っても、路上生活をする子供はいなくなるだろう。
沙良、お前のしたかった支援は、町の人々がその意図を正しく受け取ったようだぞ。
まぁ多少、目立つ行為だったけどな……。
明日はD級の昇格試験。
試験に受かると討伐する魔物の種類も増えるので楽しみだ。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
2024年5月 書籍一巻発売
2025年7月 書籍二巻発売
2025年10月 コミカライズ連載開始
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、俺は必死についていった。
だけど、自分には何もできないと思っていた。
それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。
だけどある日、彼らは言った。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。
俺も分かっていた。
だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。
「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」
そう思っていた。そのはずだった。
――だけど。
ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、
“様々な縁”が重なり、騒がしくなった。
「最強を目指すべくして生まれた存在」
「君と一緒に行かせてくれ。」
「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろうでも同時連載中です◇