85 / 781
<外伝> 椎名 賢也
椎名 賢也 21 ダンジョン 地下1階 初めての治療
日曜日の午後。
今日も休暇の予定で俺は本屋に行こうと思っていたが、沙良が収入も増えたし防具を新調したいと言うので俺の分も新しくする事にした。
C級冒険者になったんだから、いつまでもボアの革鎧・大人用銀貨7枚(7万円)は無いだろう。
俺は一度、身長が20cm伸びたので大人サイズの物に変更しているが、沙良は身長がずっと同じだったので最初に購入したボアの革鎧・子供用銀貨5枚(5万円)のままだ。
防具屋に入ると、ミリオネの町とは品揃えが違っていた。
ダンジョンの魔物製が幾つか増えている。
その中でも、沙良はリザードマンの革鎧(銀貨15枚~)を選んだようだ。
俺も同じ物を注文し銀貨20枚(20万円)で購入する。
沙良の分は店頭にサイズが置いてないため、注文となるらしく金額は銀貨10枚(10万円)と俺の半額になった。
安くなったんだから何時もはお得になったと嬉しがる筈なのに、金額を言われて微妙な顔になっている。
背が小さい事を最近知り合った女性冒険者に言われてばかりなので、納得しがたいのだろうか?
隣で笑っていると、不意に脇腹にエルボーを食らった。
沙良もLvが上がって力も強くなっているので、かなりの衝撃を受ける。
女性に年齢と体重の話をするのは禁句だが、俺の妹には身長に関する事もタブーだったようだ。
お兄ちゃん、もう少し手加減してほしかったよ……。
後でこっそりヒールを掛けておこう。
多分痣になっているだろうからな。
週明けのダンジョン初日。
安全地帯に到着すると怪我をしている女性がいた。
同じパーティーメンバーは、何もしないで怪我をした女性の周りを囲んでいる。
何やってるんだ!
右手の骨が見えてるじゃないか!
俺はすぐさま怪我人のもとへ駆けつけると、痛みで舌を噛まないように口に棒を噛ませる。
「しみますよ、我慢して下さい」
そう言って、傷口にウォーターボールで水を大量に掛けてから治療した。
僅か数秒で、骨の見えていた右手は傷が塞がり綺麗な状態になる。
相変わらず、出鱈目な効果の魔法だ。
どういう原理なのか、さっぱり分からない。
治療した女性に手を取られて、テントの中まで連れて行かれる。
その際、後ろに居る沙良を気にしているようで一度振り返って視線を送っていた。
?
服を着たままじゃ分からない部分に、怪我でもしているんだろうか?
安全地帯には少ないが男性もいる。
外で服を脱ぐのは恥ずかしいのだろうと思い待っていると。
何とその女性は、全ての服と下着を脱いで全裸になってしまった!
しかも、見える部分に傷は1つも見当たらないじゃないか!!
俺は一瞬で事態を把握し、次いで怒りが込み上げてきた。
日本での治療は医者として当然仕事の報酬を受け取っていたが、異世界に来てから治療行為にお金を受け取った事など一度も無い。
ましてや性接待を受け取る事は、治療行為を冒涜された様で非常に気分が悪い。
そんな事をされるために医者になったんじゃない!
俺は無言のまま、憤慨してテントから出た。
「何かあったの? 他にも怪我してた?」
心配そうに沙良に問い掛けられたが、その場で話す内容じゃないので、
「テントの中に入ってから話す」
と言って自分達のテントに入ってから何があったか話す事にした。
俺の話を聞いて、沙良は状況を確認した後に納得している様子だった。
医者になった理由も、その後にどうやって医者になったのかも知っている妹は、何も言わずただポンポンと軽く肩を叩く。
一応、慰めてくれているらしい。
その後、沙良が仲良くなった女性冒険者に詳しく話を聞いた所に拠ると、地下1階でのダンジョン内の治療代は使用するポーションの金額×3倍となるそうだ。
今回のような怪我の状態だとハイポーション(銀貨6枚)では治らずエクスポーション(銀貨30枚)が必要になるため、3倍の銀貨90枚(90万円)支払う必要がある。
光魔法を使用出来る冒険者は少なく、MP消費も多いので無料でする事は無い。
その治療のお礼として性接待は普通の事らしい。
1回の治療に90万円。
手術並の値段だ。
魔法を使用したら、ほんの数秒で治療出来るのに……。
それが一般的な治療代で、お礼の仕方だと言われたら納得するしかないのか?
確かに回復魔法を持っているだけで、ダンジョンでの攻略は安全性が増すだろう。
ポーション類も売ってはいるが、決して安い物じゃない。
地下1階を拠点とする冒険者には痛い出費となるだろう。
ただダンジョンの攻略を中止して地上に帰還し、治療院や教会で治療を受けるとなるとその日の収入は無くなるだろうし、地上に帰還する間に怪我の状態によっては最悪命を落とすかも知れない。
ダンジョン内で、該当するポーションの3倍を払っても治療を受けたい冒険者は多いみたいだ。
ヒールのMP消費はLv0で5。
属性魔法はLv0で1。
光魔法はMP消費が高い。
現在俺のヒールLvは5で、MP消費は50だ。
この世界の冒険者は10歳で冒険者登録をしてLvUPするので、初期値が10となりMP値は少ない。
パーティーメンバー以外に、無料で魔法を使用する事は難しいのか……。
だからと言って性接待をする必要は無いと思う。
好きでもない相手と、怪我を治してもらったお礼にする行為では割に合ってない。
それとも異世界は性に開放的な文化なのか?
どうにも、もやもやとした気持ちを抱えながらダンジョンを攻略していると、槍持ちのリザードマンを見付けた。
お前か!?
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
今日も休暇の予定で俺は本屋に行こうと思っていたが、沙良が収入も増えたし防具を新調したいと言うので俺の分も新しくする事にした。
C級冒険者になったんだから、いつまでもボアの革鎧・大人用銀貨7枚(7万円)は無いだろう。
俺は一度、身長が20cm伸びたので大人サイズの物に変更しているが、沙良は身長がずっと同じだったので最初に購入したボアの革鎧・子供用銀貨5枚(5万円)のままだ。
防具屋に入ると、ミリオネの町とは品揃えが違っていた。
ダンジョンの魔物製が幾つか増えている。
その中でも、沙良はリザードマンの革鎧(銀貨15枚~)を選んだようだ。
俺も同じ物を注文し銀貨20枚(20万円)で購入する。
沙良の分は店頭にサイズが置いてないため、注文となるらしく金額は銀貨10枚(10万円)と俺の半額になった。
安くなったんだから何時もはお得になったと嬉しがる筈なのに、金額を言われて微妙な顔になっている。
背が小さい事を最近知り合った女性冒険者に言われてばかりなので、納得しがたいのだろうか?
隣で笑っていると、不意に脇腹にエルボーを食らった。
沙良もLvが上がって力も強くなっているので、かなりの衝撃を受ける。
女性に年齢と体重の話をするのは禁句だが、俺の妹には身長に関する事もタブーだったようだ。
お兄ちゃん、もう少し手加減してほしかったよ……。
後でこっそりヒールを掛けておこう。
多分痣になっているだろうからな。
週明けのダンジョン初日。
安全地帯に到着すると怪我をしている女性がいた。
同じパーティーメンバーは、何もしないで怪我をした女性の周りを囲んでいる。
何やってるんだ!
右手の骨が見えてるじゃないか!
俺はすぐさま怪我人のもとへ駆けつけると、痛みで舌を噛まないように口に棒を噛ませる。
「しみますよ、我慢して下さい」
そう言って、傷口にウォーターボールで水を大量に掛けてから治療した。
僅か数秒で、骨の見えていた右手は傷が塞がり綺麗な状態になる。
相変わらず、出鱈目な効果の魔法だ。
どういう原理なのか、さっぱり分からない。
治療した女性に手を取られて、テントの中まで連れて行かれる。
その際、後ろに居る沙良を気にしているようで一度振り返って視線を送っていた。
?
服を着たままじゃ分からない部分に、怪我でもしているんだろうか?
安全地帯には少ないが男性もいる。
外で服を脱ぐのは恥ずかしいのだろうと思い待っていると。
何とその女性は、全ての服と下着を脱いで全裸になってしまった!
しかも、見える部分に傷は1つも見当たらないじゃないか!!
俺は一瞬で事態を把握し、次いで怒りが込み上げてきた。
日本での治療は医者として当然仕事の報酬を受け取っていたが、異世界に来てから治療行為にお金を受け取った事など一度も無い。
ましてや性接待を受け取る事は、治療行為を冒涜された様で非常に気分が悪い。
そんな事をされるために医者になったんじゃない!
俺は無言のまま、憤慨してテントから出た。
「何かあったの? 他にも怪我してた?」
心配そうに沙良に問い掛けられたが、その場で話す内容じゃないので、
「テントの中に入ってから話す」
と言って自分達のテントに入ってから何があったか話す事にした。
俺の話を聞いて、沙良は状況を確認した後に納得している様子だった。
医者になった理由も、その後にどうやって医者になったのかも知っている妹は、何も言わずただポンポンと軽く肩を叩く。
一応、慰めてくれているらしい。
その後、沙良が仲良くなった女性冒険者に詳しく話を聞いた所に拠ると、地下1階でのダンジョン内の治療代は使用するポーションの金額×3倍となるそうだ。
今回のような怪我の状態だとハイポーション(銀貨6枚)では治らずエクスポーション(銀貨30枚)が必要になるため、3倍の銀貨90枚(90万円)支払う必要がある。
光魔法を使用出来る冒険者は少なく、MP消費も多いので無料でする事は無い。
その治療のお礼として性接待は普通の事らしい。
1回の治療に90万円。
手術並の値段だ。
魔法を使用したら、ほんの数秒で治療出来るのに……。
それが一般的な治療代で、お礼の仕方だと言われたら納得するしかないのか?
確かに回復魔法を持っているだけで、ダンジョンでの攻略は安全性が増すだろう。
ポーション類も売ってはいるが、決して安い物じゃない。
地下1階を拠点とする冒険者には痛い出費となるだろう。
ただダンジョンの攻略を中止して地上に帰還し、治療院や教会で治療を受けるとなるとその日の収入は無くなるだろうし、地上に帰還する間に怪我の状態によっては最悪命を落とすかも知れない。
ダンジョン内で、該当するポーションの3倍を払っても治療を受けたい冒険者は多いみたいだ。
ヒールのMP消費はLv0で5。
属性魔法はLv0で1。
光魔法はMP消費が高い。
現在俺のヒールLvは5で、MP消費は50だ。
この世界の冒険者は10歳で冒険者登録をしてLvUPするので、初期値が10となりMP値は少ない。
パーティーメンバー以外に、無料で魔法を使用する事は難しいのか……。
だからと言って性接待をする必要は無いと思う。
好きでもない相手と、怪我を治してもらったお礼にする行為では割に合ってない。
それとも異世界は性に開放的な文化なのか?
どうにも、もやもやとした気持ちを抱えながらダンジョンを攻略していると、槍持ちのリザードマンを見付けた。
お前か!?
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
2024年5月 書籍一巻発売
2025年7月 書籍二巻発売
2025年10月 コミカライズ連載開始
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、俺は必死についていった。
だけど、自分には何もできないと思っていた。
それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。
だけどある日、彼らは言った。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。
俺も分かっていた。
だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。
「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」
そう思っていた。そのはずだった。
――だけど。
ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、
“様々な縁”が重なり、騒がしくなった。
「最強を目指すべくして生まれた存在」
「君と一緒に行かせてくれ。」
「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろうでも同時連載中です◇