99 / 781
<外伝> 椎名 賢也
椎名 賢也 35 ダンジョン 家族の職業
ほらよくドラマや映画で、主人公が身の安全を図るためにしているだろう?
残念ながら俺の知識は医学に特化しているので、PCは全然分からない。
精々論文を書く時にWordを使用する事くらいだ。
Excelも臨床結果を纏めるのに、簡単な関数くらいしか使わないしな。
家族で一番PCに詳しいのは仕事にしている双子達だろう。
俺の学生時代にPCはまだ一般的に普及されておらず、初めて使用したのは病院の医局だった。
最初は書類を手書きする方が早いと感じていたが、慣れるとPCで作成した方が早くなっていく。
外科部長になる頃には、殆どの書類を手書きで書く事は無くなっていた。
ノートPCの需要も増えた所為か、1家に1台は当たり前。
その内携帯がスマホへと移行し、PCを家で使用する事も少なくなったようだが俺はPC派だった。
やはりキーボードがある方が入力がし易い。
当時50歳だった俺には、スマホの画面は小さくて目が疲れる事もある。
今は若くなったお陰で視力も良くなっていてスマホの画面でも問題ないが、ネットに繋がらないし電話も出来ないから活用する機会は少なくなってしまった。
アパートの住民が持っていたスマホだしな。
一応、目覚まし時計代わりにはなっているか。
その点、双子達は学生時代から授業でPCを使用している分、俺よりPCには詳しくて当然だろう。
双子達の職業は確か、SE(システムエンジニア)とかいうものだった。
プログラマーとの違いが、何度聞いてもさっぱり理解出来なかった記憶がある。
きっと俺がしたかった、自動でDATAを消去する事なんか簡単に出来るんだろう。
父親は銀行マンだったので俺の資産運用をお願いしていた。
母はピアノ教室の先生をしていたが60歳を機に辞め、現在は知り合いに100坪の畑を借り日参して充実した老後を送っている。
色々な野菜を育てるのが楽しいらしい。
父はそれに付き合わされて、一緒に畑仕事をしているみたいだ。
採れたての新鮮な野菜は甘くて美味しいと、沙良がよく言っていた。
残念ながら俺は自分で料理をしないので、母が作った野菜を食べる機会は余り無かったが……。
茜は警察学校に入り今は刑事をしているんだったか。
旦那はバディを組んでいた相手だ。
休日には近所の空手道場で子供達に空手を教えている。
行方不明になって捜査をしてくれているのが身内とか嫌すぎるな。
いや管轄が違ったら問題ないのか?
俺の部屋は鑑識とかが入っていたりするんだろうか?
行方不明の捜査がどう行われているか分からない。
事件性がなければ放っておかれるか?
茜が警察組織にいる以上、何もしないわけにはいかないか。
あぁ、やっぱりPC内は調べられているだろうな……。
考えたら気分が落ち込んできた。
警察関係者に俺の性癖がモロバレとか恥ずかしすぎて泣けてくる。
男性諸君、もしPCに秘蔵コレクションがあるなら自動消去する事を強く勧めたい。
俺のように突然行方不明になったり死んだりする事もあるから、見られて困る物は残さない方がいいだろう。
沙良は経理事務の仕事をしていたので数字には強い。
節約は趣味みたいだが、余り物欲が無いのもあるんだろうな。
母親がピアノ教室の先生だったのに、兄妹でピアノを弾けるのは沙良だけだった。
俺は弁護士になりたくて勉強一色の生活だったし、茜は空手道場に毎日通っていて習う時間がなかった。
双子達はピアノより、ゲームをする事の方が楽しかったみたいだ。
オンラインゲームに夢中だった。
〇ァミコン時代とは違い、PCでゲームをしていた。
彼らは復活の呪文の言葉を書き写す事も無かっただろう。
復活の呪文の言葉の書き写しに失敗して続きが出来なくなり、また最初からやり直しをした時は泣きそうになったなぁ~。
余り長い時間ゲームをしていると、怒った母親にゲームの電源プラグをコンセントから抜かれた事もあったっけ……。
もう何十年も前の事なのに、こんなどうでもいい記憶は忘れないで覚えているらしい。
余程印象深く残っていたのだろうか?
確かに電源を抜かれて強制終了させられた時は、母親に対して殺意が湧いた。
子供は夢中になると時間を忘れてしまうものだ。
沙良は要領がよくて、一度もゲームの事で怒られた事は無かった。
ピアノの時間とゲームの時間を上手く両立させていた。
思春期になると恋人と長電話して、同じように母親から電話線を抜かれていたが……。
今みたいに携帯がない時代だったので、電話は全て家の電話で掛ける事が当たり前だった。
会話を聞かれたくない時は、テレカを持って近所の公衆電話から掛ける事も多かった。
あの時のテレカ代は高かったなぁ。
話している間に、どんどんテレカの数字が減っていくのを見るのは財布に痛い。
実家の近所の公衆電話は、携帯電話が普及してから無くなってしまった。
それから色々便利になっていき最終的には現金を使わずカード決済だ。
財布から万札が消えて久しい。
殆どのお店がカードで支払い出来る。
日本での便利な生活に慣れてしまうと、異世界に転生させられたら辛いかも知れない。
俺は沙良のホームのお陰で、生活環境が大きく変わる事がなかったので幸せだ。
旭、こんな異世界転移だったらお前も楽しめるかもな。
若いって素晴らしいぞ?
若さ溢れるばかりに、新しい扉も開いてしまったが……。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
残念ながら俺の知識は医学に特化しているので、PCは全然分からない。
精々論文を書く時にWordを使用する事くらいだ。
Excelも臨床結果を纏めるのに、簡単な関数くらいしか使わないしな。
家族で一番PCに詳しいのは仕事にしている双子達だろう。
俺の学生時代にPCはまだ一般的に普及されておらず、初めて使用したのは病院の医局だった。
最初は書類を手書きする方が早いと感じていたが、慣れるとPCで作成した方が早くなっていく。
外科部長になる頃には、殆どの書類を手書きで書く事は無くなっていた。
ノートPCの需要も増えた所為か、1家に1台は当たり前。
その内携帯がスマホへと移行し、PCを家で使用する事も少なくなったようだが俺はPC派だった。
やはりキーボードがある方が入力がし易い。
当時50歳だった俺には、スマホの画面は小さくて目が疲れる事もある。
今は若くなったお陰で視力も良くなっていてスマホの画面でも問題ないが、ネットに繋がらないし電話も出来ないから活用する機会は少なくなってしまった。
アパートの住民が持っていたスマホだしな。
一応、目覚まし時計代わりにはなっているか。
その点、双子達は学生時代から授業でPCを使用している分、俺よりPCには詳しくて当然だろう。
双子達の職業は確か、SE(システムエンジニア)とかいうものだった。
プログラマーとの違いが、何度聞いてもさっぱり理解出来なかった記憶がある。
きっと俺がしたかった、自動でDATAを消去する事なんか簡単に出来るんだろう。
父親は銀行マンだったので俺の資産運用をお願いしていた。
母はピアノ教室の先生をしていたが60歳を機に辞め、現在は知り合いに100坪の畑を借り日参して充実した老後を送っている。
色々な野菜を育てるのが楽しいらしい。
父はそれに付き合わされて、一緒に畑仕事をしているみたいだ。
採れたての新鮮な野菜は甘くて美味しいと、沙良がよく言っていた。
残念ながら俺は自分で料理をしないので、母が作った野菜を食べる機会は余り無かったが……。
茜は警察学校に入り今は刑事をしているんだったか。
旦那はバディを組んでいた相手だ。
休日には近所の空手道場で子供達に空手を教えている。
行方不明になって捜査をしてくれているのが身内とか嫌すぎるな。
いや管轄が違ったら問題ないのか?
俺の部屋は鑑識とかが入っていたりするんだろうか?
行方不明の捜査がどう行われているか分からない。
事件性がなければ放っておかれるか?
茜が警察組織にいる以上、何もしないわけにはいかないか。
あぁ、やっぱりPC内は調べられているだろうな……。
考えたら気分が落ち込んできた。
警察関係者に俺の性癖がモロバレとか恥ずかしすぎて泣けてくる。
男性諸君、もしPCに秘蔵コレクションがあるなら自動消去する事を強く勧めたい。
俺のように突然行方不明になったり死んだりする事もあるから、見られて困る物は残さない方がいいだろう。
沙良は経理事務の仕事をしていたので数字には強い。
節約は趣味みたいだが、余り物欲が無いのもあるんだろうな。
母親がピアノ教室の先生だったのに、兄妹でピアノを弾けるのは沙良だけだった。
俺は弁護士になりたくて勉強一色の生活だったし、茜は空手道場に毎日通っていて習う時間がなかった。
双子達はピアノより、ゲームをする事の方が楽しかったみたいだ。
オンラインゲームに夢中だった。
〇ァミコン時代とは違い、PCでゲームをしていた。
彼らは復活の呪文の言葉を書き写す事も無かっただろう。
復活の呪文の言葉の書き写しに失敗して続きが出来なくなり、また最初からやり直しをした時は泣きそうになったなぁ~。
余り長い時間ゲームをしていると、怒った母親にゲームの電源プラグをコンセントから抜かれた事もあったっけ……。
もう何十年も前の事なのに、こんなどうでもいい記憶は忘れないで覚えているらしい。
余程印象深く残っていたのだろうか?
確かに電源を抜かれて強制終了させられた時は、母親に対して殺意が湧いた。
子供は夢中になると時間を忘れてしまうものだ。
沙良は要領がよくて、一度もゲームの事で怒られた事は無かった。
ピアノの時間とゲームの時間を上手く両立させていた。
思春期になると恋人と長電話して、同じように母親から電話線を抜かれていたが……。
今みたいに携帯がない時代だったので、電話は全て家の電話で掛ける事が当たり前だった。
会話を聞かれたくない時は、テレカを持って近所の公衆電話から掛ける事も多かった。
あの時のテレカ代は高かったなぁ。
話している間に、どんどんテレカの数字が減っていくのを見るのは財布に痛い。
実家の近所の公衆電話は、携帯電話が普及してから無くなってしまった。
それから色々便利になっていき最終的には現金を使わずカード決済だ。
財布から万札が消えて久しい。
殆どのお店がカードで支払い出来る。
日本での便利な生活に慣れてしまうと、異世界に転生させられたら辛いかも知れない。
俺は沙良のホームのお陰で、生活環境が大きく変わる事がなかったので幸せだ。
旭、こんな異世界転移だったらお前も楽しめるかもな。
若いって素晴らしいぞ?
若さ溢れるばかりに、新しい扉も開いてしまったが……。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
2024年5月 書籍一巻発売
2025年7月 書籍二巻発売
2025年10月 コミカライズ連載開始
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、俺は必死についていった。
だけど、自分には何もできないと思っていた。
それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。
だけどある日、彼らは言った。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。
俺も分かっていた。
だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。
「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」
そう思っていた。そのはずだった。
――だけど。
ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、
“様々な縁”が重なり、騒がしくなった。
「最強を目指すべくして生まれた存在」
「君と一緒に行かせてくれ。」
「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろうでも同時連載中です◇