自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

文字の大きさ
112 / 781
<外伝> 椎名 賢也

椎名 賢也 48 ダンジョン 地下8階 オリハルコンゴーレム

 地下8階の安全地帯に到着すると、テントが5個張られていた。
 俺達は新参者らしく、隅の方にマジックテントを設置する。

 午後10時。
 地下8階を拠点としている冒険者達は、夕食を食べ終え既に活動を中止していた。
 挨拶をするのは明日になるだろう。

 テントに入ってホームの自宅に戻りトイレ休憩。
 テントから出て、本格的に地下8階の攻略開始だ。

 沙良は今出現しているオリハルコンゴーレムを全て狩りたいのか、やる気満々で走り出す。
 まぁ1体、金貨200枚(2億円)だ。
 毎回宝くじに当たるような物だから、沙良のテンションが上がるのもよく分かる。

 って、また俺を置いて行くんじゃない!
 お前はアンデッドに対処出来ないだろうがっ!

 走り出した沙良の後を追い越して、索敵した魔物をホーリーで魔石に変えていく。
 床に落ちた魔石は、沙良が拾い集めてマジックバッグに収納している。

 時々進行方向を沙良が誘導しオリハルコンゴーレムの下へと辿たどり着くと、サンダーアローを楽しそうに撃っている姿が目に映った。

 この階層では、出番がほとんどないからLv上げは難しいだろうな。

 3時間後。
 安全地帯のテントに戻り、ホームの自宅に帰って食事の時間だ。

 今日のお弁当は、春巻き・アスパラのベーコン巻き・ネギ入り卵焼き・かぼちゃの煮物だった。
 豚汁とほうじ茶と一緒に大盛ご飯を完食する。

 再びテントに戻って攻略開始だ。

 この階層も特に危険な魔物はいないので、沙良は散歩気分でダンジョン内を歩いている。
 やる事がなくて暇なんだろう。
 
 マッピングで魔物を確認しているのか、周囲に魔物がいない時は歌まで歌っている。

 頼むから『森のくまさん』を楽しそうに歌うのは勘弁してくれ!
 俺のやる気が大いにがれるだろうが!

 その代わりオリハルコンゴーレムが近付くと、目をキラキラさせて嬉しそうな表情になるので直ぐに分かる。

 きっと沙良の目には、金の塊にでも見えているんだろうな。
 まぁそういう俺も、オリハルコンゴーレム見るとテンションが上がるんだが……。

 早くオリハルコン製の解体ナイフの注文をしたくて仕方がない。
 ミスリル製との切れ味の違いも試してみたいしな!

 切れ味について俺は少しうるさいんだ。
 ナイフとメスとの違いはあるが、皮膚を切開するのは同じだ。

 メスの方が長年使い慣れているが、異世界に医療用のメスはない。
 魔石を取るだけの範囲なら、実は医療用のメスの方が優れているんじゃないかと思う。
 
 まぁ毎回手術時に新品の刃を交換するメスと、何度も使用する解体ナイフとは用途が違い過ぎて比べるのは間違っているんだろうが……。
  
 攻略時間を終えて、朝5時にホームの自宅に戻った。

 翌日。
 昼過ぎに起きた沙良から、攻略時間をこのまま夜間で継続したいと話があった。
 地下1階の時のような、魔物の取り合いになるのが嫌だそうだ。

 確かに1体2億円のオリハルコンゴーレムは出現数が限られるので、俺は勿論もちろん賛成する。

 何度も思うが、こんなに稼いでもお小遣いが3,000円なのはどうなんだ??
 今年55歳になる、おっさんの小遣いの金額じゃないだろう……。

 切実に1万円くらいは欲しいと思ってもバチは当たるまい。
 特にこの地下8階は、ほとんど俺が魔物を倒しているんだし。

 これは値上げ交渉のチャンス到来か!

 いや最近金貨1枚(100万円)出して買った、ミスリル製の解体ナイフの出番がないと沙良がブツブツ言っていた。
 これからオリハルコン製の解体ナイフも注文する心算つもりだから、交渉するのはまた別の機会にしよう……。

 妹に男のロマンは理解出来ないようだからな。
 無駄金を使っていると思われている。

 解体ナイフを必要としない階層だから仕方ない。
 ゾンビもグールもホーリーを掛けると、消えて無くなってしまうのだ。

 浄化作用がすごすぎる。
 これはMP値が高いからなんだろうか……。

 教会のシスターは、魔物退治はしないがホーリーが使用出来るか不明だ。
 お布施を貰って治療が出来るのだから、光魔法のヒールは使えるんだと思う。

 異世界にも悪霊退治の仕事は存在するのか?

 ダンジョンを攻略する以外、ホームで生活している俺達には圧倒的に異世界の情報が不足している。

 少し調べてみた方がいいだろうか……。

 この日の夕食はカツ丼だった。

 沙良、お前は本当に分かりやすい妹だよ。
 これで俺に地下8階の攻略を頑張れってか?

 まぁ好物だし美味しいから、ありがたく頂くが。
 かつ丼より、金をくれ!

 --------------------------------------
 お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
 読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
 応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
 これからもよろしくお願い致します。
 --------------------------------------
感想 2,669

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろうでも同時連載中です◇