自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

文字の大きさ
220 / 781
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第346話 椎名 香織 6 私の幸せな3度目の人生

 その日の深夜――。

 お姉ちゃんは公爵令嬢であるリーシャの人生に見切りをつけ、部屋にあった物を全てアイテムBOXに収納して出奔しゅっぽんした。

 ついでに継母と継子、執事の部屋までアイテムBOXに収納していたよ!
 異世界のお金を持っていないからって、全部を持ち逃げですか!?

 あ~あ、賢也お兄ちゃんに知られたら確実にお説教されると思うよ。

 でも、家を出てくれて安心した。
 私は別にリーシャとしての人生を歩んでほしいと思って召喚した訳じゃないからね。

 頭がお花畑の貴族のボンボンであるお父様と、沙良さらお姉ちゃんの相性は最悪だろう。

 リーシャの虐待に気付けず死なせてしまった事もあって、印象が良くない。
 12歳の少女となっている事だけでも苦慮するのに、家族として生きるのは難しいと思う。

 それにこのままリーシャとして過ごす事になれば、来年からは王都の魔法学校に通う事になる。
 そこには2年年上の皇太子と同級生となる主人公もいるのだ。

 友達が1人も居ない状況で、ストーリーに無いリーシャが入学すればどんな事が起こるか分からないから……。

 最初から、乙女ゲームのキャラ達には会わない方が良い。
 物語の強制力が働いたりしたら、厄介やっかいな事になりそうだし。


 そうしてお姉ちゃんは冒険者になった。

 私の願いは届かず、最初に召喚されたのは賢也けんやお兄ちゃん。
 次はダンジョンマスターになっていた旭さんだった。

 ごめんなさい、雫ちゃんをお姉ちゃんが家から追い出してしまいました。

 旭さんは妹の雫ちゃんをとても可愛がっていたので、同じ世界に居ると知ったら絶対に会いたいだろうな。

 再会するのは随分ずいぶん先の話になりそう。
 
 冒険者をするかたわら、お姉ちゃんは路上生活をしている子供達の支援を始めた。
 私はハンフリー公爵領内に、こんなに沢山の子供達が路上生活を送っている事を全く知らなかった。

 もうあの家とは縁が切れているけど、子供達を救ってくれてありがとう。
 私が生きていても多分、何も出来なかったと思う。

 3人が迷宮都市に拠点を変えた後、しずくちゃんと再会する機会があったのに、お姉ちゃんはサリナの事を嫌厭けんえんして接触を回避してしまった!

 あぁ、もうどうして私の声は届かないのかなぁ~。
 やきもきして見ている間に、お姉ちゃんがクランを崩壊させて雫ちゃんは王都に帰っていった。

 その後、ダンジョンマスターが雫ちゃんじゃないかと疑ったお姉ちゃんが地下30階を独りで攻略に行き、魔物を倒してLv35になった。
 
 これで2人召喚出来る!

 私は『手紙の人』に、夢の中で語り掛ける事が出来るように毎日お願いした。
 そしてついに、お姉ちゃんが私の夢を見てくれたんだよ。

 夢の内容を選ぶ事は出来ないけど、見続けている間に私がこの世界で転生した事が分かるだろう。
 既に死んでいる事も知ったら、私が何を望んでいるかきっと理解してくれるはず

 今の所、両親を召喚する事になっているので私の願いはあと少しで叶う!
 お姉ちゃんの体の中で意識だけがある状態が長く続いたけど、それも後わずかだ。
  
 一緒に冒険者をしているみたいで、楽しかったなぁ~。
 私の、お祖母ちゃんにも会う事が出来たしね!

 サヨさん、生まれてきたら可愛がってくれるかしら……。
 
 後、賢也お兄ちゃんと旭さんの仲をお姉ちゃんが盛大に勘違いしていて不憫ふびんだった。

 2人は単なる親友同士だと思う。
 旭さんは、賢也お兄ちゃんじゃなくて沙良お姉ちゃんの事が好きなんじゃないかな?

 お姉ちゃんは思い込みが激しいから、そうじゃないと分かってもらう事は至難の業だ。
 2人をくっつけようとしているみたいだし……。
 
 大丈夫かな?
 このまま、結婚させられちゃうんじゃないかしら?

 お姉ちゃんは私の夢を見ながらとても心配してくれていた。
 でも、もう私は亡くなっているからその心配は的外れなものなんだよね~。

 早く両親を召喚して、お父さんに迷宮ウナギを沢山食べさせてあげて下さい!
 きっとお父さんは鰻が大好きなはずだから!

 お母さん、ちょっと高齢出産になっちゃうけど子供を産みたいと思ってほしい。
 もう一度子育てするのは大変だと思うけど、私は手の掛からない良い子だから大丈夫。

 私は夢で見てもらえるように、必死にウナギが食べたいアピールをしておいた。 

 それから色々あって(沢山あり過ぎだよ!)、私は無事にお母さんのお腹の中でお姉ちゃんが話してくれるドラゴンの話を聞いていた。

 余程ドラゴンが好きらしい。
 まだ私も見た事が無いから、家族と一緒に見てみたいなぁ~。

 でもシルバーとハニーとフォレストは、ドラゴンにはならないと思うんだけど……。
 無茶振りされてる3匹の魔物が、ちょっと可哀想かわいそう
 
 皆、待っててね!
 今度は無事に生まれてくるから。

 10ケ月後――。
 家族全員が『香織かおり』と名前を決めてくれた事が、すごく嬉しかったよ!

 大切な私の名前だもん。
 やっと、香織ちゃんと呼んでもらえた……。

 異世界で3度目の人生が始まった私は、『手紙の人』にお願いするのをすっかり忘れていた事に気付いた。

 記憶が戻るのは、もっと後でいいですと……。
 
 赤ちゃんから始めるのか……。
 おむつプレイは望んでませんよ~!!

 でも、私の我儘わがままな願いを叶えてくれてありがとう。
 これから家族と過ごせるのなら、赤ちゃんのフリ・・なんて簡単だよ。

 日本から異世界に召喚する事で沢山迷惑を掛けてしまってごめんなさい。

 ただいま、これからよろしくお願いします。

 --------------------------------------
 お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
 読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
 応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
 これからもよろしくお願い致します。
 --------------------------------------
感想 2,669

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろうでも同時連載中です◇