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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第348話 冒険者ギルドマスター オリビア・ハーレイ 2 迷宮都市に王族がやって来た! 2
席に着いて落ち着きを取り戻すと、先程王族に向かって人物鑑定をしてしまった事を思い出し吐きそうになる。
これは思い切り不敬罪で消される未来しか見えない。
自分は後数日の命かと思ったら、妙に冷静になる事が出来た。
王女様のステータス表記は、リーシャ・ハンフリーとなっている。
何故、実在する人物がステータス表示されているんだろうか?
確かハンフリー公爵が血眼になって探している娘の名前だ。
まぁ別人だけど……。
ハイエルフの王族が、カルドサリ王国の公爵家の娘でない事は確かだ。
本当の名前は何とおっしゃるんだろう。
自分ごときが聞ける名ではないだろうけど、最後に名前くらいは教えてほしいと思う。
その日は残っている仕事を放り出して実家に帰り、父に事の経緯を報告しに行った。
父は話を聞いて大層驚いた表情を見せ、私が王女様と護衛に向かって人物鑑定をした事を聞くと真っ青になってしまう。
ええ、言いたい事は分かる。
自分が何をしでかしてしまったか、もう嫌と言う程理解している心算だ。
これはもういつ、影衆に抹殺されても仕方無い案件だろう。
粛清の時が今夜になるか、明日になるか……。
いずれにせよ、私の命は風前の灯だ。
最後に父に会う事の出来た王女様の姿を教えるために、長い間埃を被っていた王族の系譜を書斎から引っ張り出して該当人物を見せた。
ヒルダ・エスカレード。
系譜に依るともう既に鬼籍に入っている人物だったが、あの顔立ちは紛れもなく血縁関係を感じさせる物だった。
美しい金髪と紫の瞳が特徴的なとても高貴な女性だ。
当時の王が溺愛した愛娘で大層可愛がったと聞く。
言葉通りの箱入り娘で、王が手元に置きたがったために結婚はさせなかったらしい。
そんな王族と瓜二つの王女様が、どうして存在しているのか?
この女性は生涯独身を貫いている。
王族の系譜に載らない、ご落胤なのだろうか……。
父とその姿を見つめながら、最後になるであろう高価な酒を酌み交わす。
王女様と、せめて一言なりとも言葉を交わしたかったが……。
私は本来ならお会いする機会など無い身分、そのお姿だけでも遠目から見る事が出来たのだ。
もう思い残す事は何も無かった。
翌日。
目が覚めて生きている事を知り、どうやら粛清の日は今日らしいと覚悟を決めた。
ギルドマスターの仕事は休み、自宅で一日中この200年を想う。
父には早く後継者を作れと言われてきたけど、自分と同じ存在を作るのが嫌で結婚はしなかった。
それで良かったと思う。
正直、好きでギルドマスターの座についていた訳じゃない。
父親は王命に従い200年その座を守ってきた。
でも私は会った事もない王族の為に働くのは疑問だったのだ。
それから1週間しても、私は粛清される事が無く生きていた。
流石にこれ以上仕事を休めないので、冒険者ギルドに渋々向かう。
着いて直ぐに、3人の冒険者ギルドカード発行履歴を調べ名前を確認した。
王女様の名前はサラと登録されていた。
護衛2人は、ケンヤにナオトとなっている。
どこか異国の名前のようだ。
何とはなしにギルドカードの発行日付を見て愕然とする。
約7年前にミリオネの冒険者ギルドで発行されているじゃないか!?
そんなに前から王族がカルドサリ王国に来ていたなんて、全然知らなかった……。
通達が無かったのは、完全なお忍びのためだろうか?
何も知らされていない事を知れば王族大事の父の事だ、ハーレイ家の働きが悪かったのかと盛大に嘆きそうだ。
正直鬱陶しいので、この話は内緒にしておこう。
ステータスの名前と違うのは、何かやんごとない理由でもあるらしい。
サラ様は、父から聞いていた王族とは違い大変慈悲深い性格なのだな。
人物鑑定を断りなく掛けた事は、不問にして下さるみたいだ。
これは迷宮都市の経営を頑張って、もっと上納金を上げろと発破をかけられているに違いない。
しかもその素材を王族自らが換金しているのだから、私の腕の見せ所だろう。
待っていて下さい。
その素材を高値で売りますから!
その後、地下10階で傷ひとつ無いシルバーウルフの皮を大量に換金されて私は泣きたくなった。
こんな上等な皮を数か月の間に300枚以上もどうしろと?
これはもう王都のオークションで売るしかない!
サラ様、もう少し手加減してほしいです……。
王都のオークションでシルバーウルフの皮を売ったお陰で利益は出たが、その後厄介な連中が王都から来てしまい血の気が引いた。
サラ様は大変お優しい方で、その頃には教会の炊き出しに参加し路上生活をしている子供達に家を与えていた。
母子には珍しい『肉うどん』を食べさせる店を任せ、仕事まで斡旋していたのだ。
更には肉体に欠損のある年齢の高い男性に、『製麺店』での住み込みでの仕事も与えるといった事までなされていた。
人族などその辺の石ころ同然とばかりに気にも留めない王族にしては、サラ様は異端であった。
拠点を同じくする冒険者達とも友好な関係を築いているようだ。
ただお忍びだと言うのに、迷宮都市ではかなりの有名人になっている。
サラ様、大丈夫ですか?
全然お忍びになっていませんが……。
結局、王都から来た厄介な連中はサラ様に不要な接触をしてクランが崩壊になった。
そしてサラ様は『クランクラッシャー』との二つ名がついてしまったが、本人がそう呼ばれる事は絶対に無いだろう。
サラ様、こんなに有名になってしまわれて……。
護衛の2人も、傍に控えているだろう影衆もハラハラしている事だろう。
私は全力で利益を出す事にします!
だからどうか、これ以上問題は起こさないで下さい。
どうやら私の願いは届かなかったらしく、その後サラ様は色々やらかしてくれました。
身を削る思いとはこの事ですね。
私は寿命を全う出来るか自信が無くなりましたよ……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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これは思い切り不敬罪で消される未来しか見えない。
自分は後数日の命かと思ったら、妙に冷静になる事が出来た。
王女様のステータス表記は、リーシャ・ハンフリーとなっている。
何故、実在する人物がステータス表示されているんだろうか?
確かハンフリー公爵が血眼になって探している娘の名前だ。
まぁ別人だけど……。
ハイエルフの王族が、カルドサリ王国の公爵家の娘でない事は確かだ。
本当の名前は何とおっしゃるんだろう。
自分ごときが聞ける名ではないだろうけど、最後に名前くらいは教えてほしいと思う。
その日は残っている仕事を放り出して実家に帰り、父に事の経緯を報告しに行った。
父は話を聞いて大層驚いた表情を見せ、私が王女様と護衛に向かって人物鑑定をした事を聞くと真っ青になってしまう。
ええ、言いたい事は分かる。
自分が何をしでかしてしまったか、もう嫌と言う程理解している心算だ。
これはもういつ、影衆に抹殺されても仕方無い案件だろう。
粛清の時が今夜になるか、明日になるか……。
いずれにせよ、私の命は風前の灯だ。
最後に父に会う事の出来た王女様の姿を教えるために、長い間埃を被っていた王族の系譜を書斎から引っ張り出して該当人物を見せた。
ヒルダ・エスカレード。
系譜に依るともう既に鬼籍に入っている人物だったが、あの顔立ちは紛れもなく血縁関係を感じさせる物だった。
美しい金髪と紫の瞳が特徴的なとても高貴な女性だ。
当時の王が溺愛した愛娘で大層可愛がったと聞く。
言葉通りの箱入り娘で、王が手元に置きたがったために結婚はさせなかったらしい。
そんな王族と瓜二つの王女様が、どうして存在しているのか?
この女性は生涯独身を貫いている。
王族の系譜に載らない、ご落胤なのだろうか……。
父とその姿を見つめながら、最後になるであろう高価な酒を酌み交わす。
王女様と、せめて一言なりとも言葉を交わしたかったが……。
私は本来ならお会いする機会など無い身分、そのお姿だけでも遠目から見る事が出来たのだ。
もう思い残す事は何も無かった。
翌日。
目が覚めて生きている事を知り、どうやら粛清の日は今日らしいと覚悟を決めた。
ギルドマスターの仕事は休み、自宅で一日中この200年を想う。
父には早く後継者を作れと言われてきたけど、自分と同じ存在を作るのが嫌で結婚はしなかった。
それで良かったと思う。
正直、好きでギルドマスターの座についていた訳じゃない。
父親は王命に従い200年その座を守ってきた。
でも私は会った事もない王族の為に働くのは疑問だったのだ。
それから1週間しても、私は粛清される事が無く生きていた。
流石にこれ以上仕事を休めないので、冒険者ギルドに渋々向かう。
着いて直ぐに、3人の冒険者ギルドカード発行履歴を調べ名前を確認した。
王女様の名前はサラと登録されていた。
護衛2人は、ケンヤにナオトとなっている。
どこか異国の名前のようだ。
何とはなしにギルドカードの発行日付を見て愕然とする。
約7年前にミリオネの冒険者ギルドで発行されているじゃないか!?
そんなに前から王族がカルドサリ王国に来ていたなんて、全然知らなかった……。
通達が無かったのは、完全なお忍びのためだろうか?
何も知らされていない事を知れば王族大事の父の事だ、ハーレイ家の働きが悪かったのかと盛大に嘆きそうだ。
正直鬱陶しいので、この話は内緒にしておこう。
ステータスの名前と違うのは、何かやんごとない理由でもあるらしい。
サラ様は、父から聞いていた王族とは違い大変慈悲深い性格なのだな。
人物鑑定を断りなく掛けた事は、不問にして下さるみたいだ。
これは迷宮都市の経営を頑張って、もっと上納金を上げろと発破をかけられているに違いない。
しかもその素材を王族自らが換金しているのだから、私の腕の見せ所だろう。
待っていて下さい。
その素材を高値で売りますから!
その後、地下10階で傷ひとつ無いシルバーウルフの皮を大量に換金されて私は泣きたくなった。
こんな上等な皮を数か月の間に300枚以上もどうしろと?
これはもう王都のオークションで売るしかない!
サラ様、もう少し手加減してほしいです……。
王都のオークションでシルバーウルフの皮を売ったお陰で利益は出たが、その後厄介な連中が王都から来てしまい血の気が引いた。
サラ様は大変お優しい方で、その頃には教会の炊き出しに参加し路上生活をしている子供達に家を与えていた。
母子には珍しい『肉うどん』を食べさせる店を任せ、仕事まで斡旋していたのだ。
更には肉体に欠損のある年齢の高い男性に、『製麺店』での住み込みでの仕事も与えるといった事までなされていた。
人族などその辺の石ころ同然とばかりに気にも留めない王族にしては、サラ様は異端であった。
拠点を同じくする冒険者達とも友好な関係を築いているようだ。
ただお忍びだと言うのに、迷宮都市ではかなりの有名人になっている。
サラ様、大丈夫ですか?
全然お忍びになっていませんが……。
結局、王都から来た厄介な連中はサラ様に不要な接触をしてクランが崩壊になった。
そしてサラ様は『クランクラッシャー』との二つ名がついてしまったが、本人がそう呼ばれる事は絶対に無いだろう。
サラ様、こんなに有名になってしまわれて……。
護衛の2人も、傍に控えているだろう影衆もハラハラしている事だろう。
私は全力で利益を出す事にします!
だからどうか、これ以上問題は起こさないで下さい。
どうやら私の願いは届かなかったらしく、その後サラ様は色々やらかしてくれました。
身を削る思いとはこの事ですね。
私は寿命を全う出来るか自信が無くなりましたよ……。
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