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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第357話 冒険者ギルドマスター オリビア・ハーレイ 11 治癒術師の怒り
以前、予約投稿を失敗してしまいUPしたお話です。
既に読んで下さった方もいらっしゃるので、本日は12:10分にもう一話投稿させて頂きます。
----------------------------
ヒューに依頼をしてから6日後、ハーレイ家の庭にグリフォンが到着した。
もう何度もハーレイ家~マケイラ家間を往復しているので、賢い従魔は案内人を乗せる事もなく1匹でやって来た。
グリフォンを見ると父が癇癪を起こすので、対応は私がする。
背に括り付けられているマジックバッグ100㎥10個を降ろし、返事に書かれていた代金を首に巻き付けられた袋に丁寧にしまって厳重に口を堅く縛った。
何せかなりの金額だ。
相手先へ確実に届けたい。
グリフォンに完了した事を伝えるため2度首筋を叩くと、一声鳴いて再び空へと舞い上がった。
数日前、通信の魔道具に映し出された金額を見て一瞬「高すぎだろっ!」と声が漏れそうになったことが記憶に新しい。
魔道具の中でも断トツに高いのがマジックバッグではあるが、1個が金貨1,350枚(13億5千万円)もするとは……。
しかも今回は倉庫を借りる時間が無かったので、一気に10個分の金貨13,500枚(135億円)が吹き飛んだ。
財務を統括している責任者に苦情を言われてしまったじゃないか!
問題ない、いずれ経費は回収出来ると断言しその場を収めてきたけど、サラ様大丈夫ですよね?
迷宮タイガー、期待してますよ!
もう王都でオークションに依頼をかけてきましたから、この魔物なら他国でも高値が期待出来るそうです。
私は明日、換金される予定のサラ様に間に合って良かったと胸をなでおろしたのだった。
翌日。
問題が解決した事で機嫌よく仕事をし、そろそろ就業時間も終わりそうな頃になって治癒術師の兄と名乗られる方が面会にみえた。
全く理由が分からずにいた私に向かって、副ギルドマスターを呼び出してくれと言われる。
断る理由もないので部屋に呼ぶよう受付嬢に頼むと、取り敢えず席に座って待って頂こうと応接室に案内した。
表情は硬く、何かに怒っているような感じを受けたので私はウォーリーがくるまで気が気じゃない。
とにかく余り時間がないと仰るので、飲み物もお出しせずに待つ事数分。
副ギルドマスターのウォーリーが応接室に入ってくる。
ウォーリーの顔を確認すると、治癒術師の方はかなり怒っている口調でとんでもない事を言った。
「単刀直入に聞く。なんでうちの妹の胸を触れという依頼を出した! お前は変態か?」
はぁっ!?
誰が王族の胸を触れなんていう命知らずな依頼を出すんですか?
あまりに言われた内容が衝撃的過ぎて、固まってしまう。
ウォーリーの方を見ると、かなり動揺している様子だった。
「おい、時間がないんだ。早く答えろ! 回答に依っては、お前の息子を不能にしてやる」
「あ~何か誤解があるようだ。まず、そんな依頼を俺は出してない。自分が触れる訳じゃないのに、何の得になるんだ? いや……今の発言は聞かなかった事にしてほしい。で、どうして俺の名前が出たのか気になる。一体、誰からそんな話が出たんだ?」
ウォーリーは治癒術師の方の質問に、失言しつつそう答えた。
「昨日締め上げた、他領から来た3人組の冒険者からだ。確かにウォーリーという名前のギルド職員から依頼されたと言っていたぞ?」
そこで私は思い当たる。
それって、オリーの聞き間違いじゃなかろうか……。
「冒険者ギルドにはオリーという名前の職員も居ましたが……。本当にウォーリーと言っていましたか?」
「いや、本人が違うと言っているんだ。別のオリーという人物だろう。で、今オリーは何処にいる」
既に粛清されて、この世にはもういませんが?
私はウォーリーの手前、そう言う訳にもいかずこれだけは伝えておかなければと口を開いた。
「オリーは業務態度に問題があったので、2週間前に解雇しました。現在は宿を出て、行方不明の状態です」
「ちっ、あいつの方だったか。嫌がらせにしては質が悪い。ギルマス、今回の事は一度だけ目を瞑ってやるが、もしギルド職員がうちの妹に手を出したら慰謝料を請求して迷宮都市から拠点を移動する。今後、二度と同じ事は繰り返すな。社員の教育を誤ると痛い目にあうぞ、覚えておけ」
そう忠告し、治癒術師の方は走って去っていかれた。
オリー!
あの〇ソやろう!
もう死んで責任を取る者が居ない状態では、冒険者ギルドの教育が悪い事になるじゃないか!
最後の最後で、何てハレンチな依頼をするんだ!
「名前が似ている所為で危うく不能にされる所だった……。怖いお人だなぁ。ギルマス、オリーの消息は本当に分からないのか? 見付けて1発ぶん殴ってやりたい! あいつは一体、何考えてやがる!」
オリーに間違えられ治癒術師の方の怒りをまともに受けたウォーリーが、憤懣やるかたない様子で言い切った。
それはそうだろう、冤罪にしても内容が酷過ぎる。
それに彼は相当怒っていた。
「残念だけど、オリーは探しても見付からないと思う」
「まぁ、前回の様子じゃなぁ。護衛が動いてる可能性が高いか……」
私の言葉から正確な意味を受け取って、ウォーリーは部屋から出ていった。
やれやれ、何とかご寛恕して頂けたのは助かった。
これで連座責任を問われるのでは、堪ったものではない。
それにしても、またしても他領からきた冒険者だ。
よくそんなくだらない依頼を受けたな……。
迷宮都市に来たばかりなんだろうか?
サラ様にそんな事をして、この迷宮都市で活動はもう出来ないだろう。
なんだか頭の痛い問題ばかりが起きている気がする。
これからまだやる事が山積なのに……。
サラ様~、どうして私がギルドマスターの代にいらっしゃるのですか?
はぁ~、私は深い溜息を吐きながら大量のトレントを購入してもらうために、商業ギルドの建築部門に行く事を決めた。
正直、商業ギルドと冒険者ギルドは余り仲がいいとは言えず行くには躊躇いがある。
これは組織が違う所為もあるし、冒険者が直接商業ギルドに買取を依頼しない事も原因だ。
冒険者は、別に冒険者ギルドで換金しなければいけない決まりはない。
でも、狩った魔物を解体しないで換金出来るのは冒険者ギルドだけ。
当然、手間の分を差し引いた数字が常設依頼の金額になっている。
冒険者も手間をかける必要がないので、冒険者ギルドで換金するのだ。
商業ギルドでは、その手のサービスをしていないので冒険者が換金に行く事は滅多にないだろう。
いちいち魔物を解体するより、もう1匹狩る方が効率的だからね。
まぁ、今回は木材としてトレントを購入してもらうので解体の手間は必要ないんだけど……。
迷宮ウナギに関しては、明日薬師ギルドに相談に行こう。
そのまま食べても精力剤としての効果は高いが、専用ポーションに加工してもらえば貴族が高値で買ってくれるだろう。
人族の貴族は跡継ぎのスペアを必ず準備する必要があるらしい。
重い腰を上げて、私も部屋から出ていった。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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ヒューに依頼をしてから6日後、ハーレイ家の庭にグリフォンが到着した。
もう何度もハーレイ家~マケイラ家間を往復しているので、賢い従魔は案内人を乗せる事もなく1匹でやって来た。
グリフォンを見ると父が癇癪を起こすので、対応は私がする。
背に括り付けられているマジックバッグ100㎥10個を降ろし、返事に書かれていた代金を首に巻き付けられた袋に丁寧にしまって厳重に口を堅く縛った。
何せかなりの金額だ。
相手先へ確実に届けたい。
グリフォンに完了した事を伝えるため2度首筋を叩くと、一声鳴いて再び空へと舞い上がった。
数日前、通信の魔道具に映し出された金額を見て一瞬「高すぎだろっ!」と声が漏れそうになったことが記憶に新しい。
魔道具の中でも断トツに高いのがマジックバッグではあるが、1個が金貨1,350枚(13億5千万円)もするとは……。
しかも今回は倉庫を借りる時間が無かったので、一気に10個分の金貨13,500枚(135億円)が吹き飛んだ。
財務を統括している責任者に苦情を言われてしまったじゃないか!
問題ない、いずれ経費は回収出来ると断言しその場を収めてきたけど、サラ様大丈夫ですよね?
迷宮タイガー、期待してますよ!
もう王都でオークションに依頼をかけてきましたから、この魔物なら他国でも高値が期待出来るそうです。
私は明日、換金される予定のサラ様に間に合って良かったと胸をなでおろしたのだった。
翌日。
問題が解決した事で機嫌よく仕事をし、そろそろ就業時間も終わりそうな頃になって治癒術師の兄と名乗られる方が面会にみえた。
全く理由が分からずにいた私に向かって、副ギルドマスターを呼び出してくれと言われる。
断る理由もないので部屋に呼ぶよう受付嬢に頼むと、取り敢えず席に座って待って頂こうと応接室に案内した。
表情は硬く、何かに怒っているような感じを受けたので私はウォーリーがくるまで気が気じゃない。
とにかく余り時間がないと仰るので、飲み物もお出しせずに待つ事数分。
副ギルドマスターのウォーリーが応接室に入ってくる。
ウォーリーの顔を確認すると、治癒術師の方はかなり怒っている口調でとんでもない事を言った。
「単刀直入に聞く。なんでうちの妹の胸を触れという依頼を出した! お前は変態か?」
はぁっ!?
誰が王族の胸を触れなんていう命知らずな依頼を出すんですか?
あまりに言われた内容が衝撃的過ぎて、固まってしまう。
ウォーリーの方を見ると、かなり動揺している様子だった。
「おい、時間がないんだ。早く答えろ! 回答に依っては、お前の息子を不能にしてやる」
「あ~何か誤解があるようだ。まず、そんな依頼を俺は出してない。自分が触れる訳じゃないのに、何の得になるんだ? いや……今の発言は聞かなかった事にしてほしい。で、どうして俺の名前が出たのか気になる。一体、誰からそんな話が出たんだ?」
ウォーリーは治癒術師の方の質問に、失言しつつそう答えた。
「昨日締め上げた、他領から来た3人組の冒険者からだ。確かにウォーリーという名前のギルド職員から依頼されたと言っていたぞ?」
そこで私は思い当たる。
それって、オリーの聞き間違いじゃなかろうか……。
「冒険者ギルドにはオリーという名前の職員も居ましたが……。本当にウォーリーと言っていましたか?」
「いや、本人が違うと言っているんだ。別のオリーという人物だろう。で、今オリーは何処にいる」
既に粛清されて、この世にはもういませんが?
私はウォーリーの手前、そう言う訳にもいかずこれだけは伝えておかなければと口を開いた。
「オリーは業務態度に問題があったので、2週間前に解雇しました。現在は宿を出て、行方不明の状態です」
「ちっ、あいつの方だったか。嫌がらせにしては質が悪い。ギルマス、今回の事は一度だけ目を瞑ってやるが、もしギルド職員がうちの妹に手を出したら慰謝料を請求して迷宮都市から拠点を移動する。今後、二度と同じ事は繰り返すな。社員の教育を誤ると痛い目にあうぞ、覚えておけ」
そう忠告し、治癒術師の方は走って去っていかれた。
オリー!
あの〇ソやろう!
もう死んで責任を取る者が居ない状態では、冒険者ギルドの教育が悪い事になるじゃないか!
最後の最後で、何てハレンチな依頼をするんだ!
「名前が似ている所為で危うく不能にされる所だった……。怖いお人だなぁ。ギルマス、オリーの消息は本当に分からないのか? 見付けて1発ぶん殴ってやりたい! あいつは一体、何考えてやがる!」
オリーに間違えられ治癒術師の方の怒りをまともに受けたウォーリーが、憤懣やるかたない様子で言い切った。
それはそうだろう、冤罪にしても内容が酷過ぎる。
それに彼は相当怒っていた。
「残念だけど、オリーは探しても見付からないと思う」
「まぁ、前回の様子じゃなぁ。護衛が動いてる可能性が高いか……」
私の言葉から正確な意味を受け取って、ウォーリーは部屋から出ていった。
やれやれ、何とかご寛恕して頂けたのは助かった。
これで連座責任を問われるのでは、堪ったものではない。
それにしても、またしても他領からきた冒険者だ。
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サラ様にそんな事をして、この迷宮都市で活動はもう出来ないだろう。
なんだか頭の痛い問題ばかりが起きている気がする。
これからまだやる事が山積なのに……。
サラ様~、どうして私がギルドマスターの代にいらっしゃるのですか?
はぁ~、私は深い溜息を吐きながら大量のトレントを購入してもらうために、商業ギルドの建築部門に行く事を決めた。
正直、商業ギルドと冒険者ギルドは余り仲がいいとは言えず行くには躊躇いがある。
これは組織が違う所為もあるし、冒険者が直接商業ギルドに買取を依頼しない事も原因だ。
冒険者は、別に冒険者ギルドで換金しなければいけない決まりはない。
でも、狩った魔物を解体しないで換金出来るのは冒険者ギルドだけ。
当然、手間の分を差し引いた数字が常設依頼の金額になっている。
冒険者も手間をかける必要がないので、冒険者ギルドで換金するのだ。
商業ギルドでは、その手のサービスをしていないので冒険者が換金に行く事は滅多にないだろう。
いちいち魔物を解体するより、もう1匹狩る方が効率的だからね。
まぁ、今回は木材としてトレントを購入してもらうので解体の手間は必要ないんだけど……。
迷宮ウナギに関しては、明日薬師ギルドに相談に行こう。
そのまま食べても精力剤としての効果は高いが、専用ポーションに加工してもらえば貴族が高値で買ってくれるだろう。
人族の貴族は跡継ぎのスペアを必ず準備する必要があるらしい。
重い腰を上げて、私も部屋から出ていった。
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