自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第372話 迷宮都市 地下14階 クリスマス会の相談

 デザートを食べ終えた頃、アマンダさんから次の劇の相談があった。

 どうやら子供達を喜ばせる事に、生き甲斐がいを感じているらしい。

 40代でクランリーダーとして責任ある立場にいる人だけど、結婚願望はないらしく出産しない彼女は家の子供達を自分の娘や息子のように可愛がっていた。
 冒険者登録をしてから1ヶ月後にE級に上がった子供には、必ずお祝いとして鎧や武器をプレゼントしているし外食に連れていく事も多い。

 アマンダさんは料理が苦手だから、外食になるのかも知れないけどね~。
 子供達は滅多にお店で食べる事が出来ないので、とても喜んでいた。

 教会の炊き出し時に、『肉うどん店』で『ミートパスタ』を食べたんだよと嬉しそうに報告してくれたっけ。

 うちのお店を利用してくれる事にも感謝だ。
 
 そんなアマンダさんからの提案に、私はクリスマス会をしてあげたいなと思っていた事を思い出した。

 今は11月に入ったばかり。
 異世界にクリスマスを祝う習慣はないけど、美味しい料理と『ケーキ』を食べさせてあげたい。

 12月に外で長時間イベントをするのは、子供達が風邪を引きそうだからなんとか室内の暖かい部屋で出来ないかしら?

 商業ギルドのカマラさんに、新築で一軒家の建築を依頼しているけど間に合うかなぁ~。
 週末に顔を出して進捗しんちょくを確認してみよう。

「新しい劇ですが気温が大分低くなってきたので、出来れば室内での遊びを考えているんです。皆で赤い服を着て、木に飾り付けをするので手伝って下さいね~。あと、子供達にプレゼントを準備してもらっても良いですか? クッキーとかでもいいので」

「赤い服を着るのかい? また亀の着ぐるみみたいなやつは遠慮したいんだけどねぇ~」

 アマンダさんは、余程亀の着ぐるみがお気に召さなかったらしい。

「今回のは普通ですから大丈夫ですよ! あと子供達が楽しめるゲームをしましょう」

 そう言って、私は椅子取りゲームの仕方を教えた。
 アイテムBOXから公爵邸で拝借した椅子を7脚出して、アマンダさんのパーティーと兄と旭の8人で椅子を取り合う。

 椅子を出した瞬間、ヤバイと思ったけれど今更仕舞い直す事も出来ず兄の顔が怖くて見れなかった。
 明らかに貴族仕様の品質の椅子に、兄は気が付いただろうか?

 あ~、また後でお説教かぁ~。
 
 異世界で聞いた事があるのは冒険者が歌うちょっと破廉恥はれんちな内容しかないので、以前教えた『マイムマイム』を私が口ずさみ歌が途切れた時点で椅子取りをしてもらう事にした。

 最初に脱落したのは人と争う事が苦手な旭だ。
 まぁこれは当然の結果だろう。

 椅子を1脚減らしてゲームを再開。
 次は意外にもケンさんだった。

 体格の違いから兄かと思っていたけど、よく考えたらLvが高いので身長が2m以上の冒険者にも押し負けない強さがあるんだったわ。

 そして何気に負けず嫌いな性格も、幸いしているんだろう。

 結局、最後まで残ったのは予想通りアマンダさんだった。
 兄は紳士だから、女性を押しのけて椅子に座る事は出来なかったのだと思う。

 次にダンクさんのパーティーとゲームをする。
 最初に離脱するのは旭で、これは一緒だった。
 最後に勝ったのは、リーダーのダンクさんじゃなくてリリーさんだ。

 皆、女性には優しいのかな?
 
 単純な遊びなので、子供達も楽しめるだろう。
 そのために椅子を沢山購入しておかなくちゃね~。
 今日使用した貴族仕様の物は封印だ。

 ゲームが終わりホームの自宅に帰ってくると、早速さっそく兄に名前を呼ばれた。

「沙良、さっき出した椅子はどこで購入したんだ?」

 やっぱり目敏めざとい兄にはバレてしまったようです。

「え~っと、リーシャの実家から拝借はいしゃくしてきました」

「沙良、それは拝借とは言わない。家を出てから7年以上経っているだろうが! 冒険者登録するお金を盗んだ事には目をつむっていたが、家具まで盗むとは何事だ! 他にもあるんじゃないだろうな?」

 ひゃ~、最初からバレてるし兄は大激怒ですよ!
 ここは下手に隠し事をすると説教が長くなるので、私は正直に答える事にした。

「ごめんなさい。リーシャの部屋と継母・連れ子・執事・メイドの部屋にあった物は、全てアイテムBOXに収納しました。勿論もちろん、公爵に会う時に返却する心算つもりだったし売ったりもしてないです。お金も使用した分は、補填ほてんして返します」

「お前は、やっていい事と悪い事の区別もつかないのか! 人の物を盗むのは、いけない事だと教えただろう。いいか、公爵に会う時に謝罪し全ての物を返してこい!」

 それから、延々と説教が続く……。
 私は正座をしながら迂闊うかつな自分を呪ったのだった。

 何故なぜ、椅子取りゲームなんか教えてしまったのか……。
 ゲームしなければ、バレなかったのになぁ~。

 こっそり公爵に返す予定だったのに、計画が水の泡になってしまった。
 後2ヶ月、秘密にすれば良かっただけなのに……。
 こんな直前になってバレてしまうなんて悲しすぎる。
 
 旭~、見てないで助けて~!

 足が痛くて限界なのよ!
 もう今日の夕食は作れないからね!

 1時間後――。
 私は自分の部屋に戻り、アイテムBOXからお弁当を出して食べました。

 兄達は適当にコンビニのお弁当か外食で済ませるだろう。

 あっ、リーシャのピンク色のドレス……。
 ほどいて人形の衣装に使用した事を言い忘れてた!

 もうこの事は一生秘密にしておこう。
 充分反省してるから、これ以上のお説教は勘弁してほしい。

 お風呂に入った後で、2人を安全地帯のテント内に送り届け私はベッドで就寝。
 週の初めから、散々な目にいましたよ……。

 私は一体、何時いつまで兄のお説教を受ける事になるんだろう?
 お父さん、お母さん、貴方の息子は立派に親代わりをしてくれてます。

 でも怒りん坊なので早く召喚したい!
 両親がそろったら、兄は親代わりをしなくて済むのでお説教される事が減るはずだ。

 お父さんは1人娘? の私には激甘だからね!
 亡くなったと思っていただろうから、お母さんも優しくしてくれるに違いない。

 私は、両親に会うのを楽しみにしながら眠りにいた。

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