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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第411話 迷宮都市 新しい武器の購入&槍を使った初めての稽古
日曜日。
教会の炊き出しを終えて、迷宮都市では初めてとなる武器屋に向かう。
リースナーの町では武器屋が1軒しかなかったけど、迷宮都市は冒険者の数が多いので3軒あった。
その中でも一番品揃えが多い店に入る事にする。
店内に入ると、武器の種類毎に整然と並べられていた。
旭は剣が陳列されている棚へ、私と兄は槍が立て掛けられている壁の方に進む。
短槍と長槍、どちらもあるけど私に長槍を取り扱うのは難しい。
短槍の中でも、少し長めの物を手に取ってみた。
ここにあるのは、大体銀貨10枚~金貨30枚(10万円~3千万円)の武器だ。
素材の違いや、名匠と呼ばれる人の手による物は高いのだろう。
手元を見ると、緑色の綺麗な宝石が嵌め込まれていた。
へぇ~、装飾品も付いているんだ。
値段を見ると、金貨100枚 (1億円)となっている。
高っ!?
武器に1億円も払えないよ~。
これだけ何でこんなに高いの?
付いている宝石の値段が上乗せされているのかしら?
欲しかった槍を諦めて、壁に戻そうと思った所に商品の内容が書かれた羊皮紙を見付けた。
素材はミスリルで、ドワーフの名匠ミカエル氏の作品とある。
そして緑色の宝石だと思っていた物はグリフォンの魔石を加工した物らしい。
更に驚いたのは、風魔法のウィンドアローが付与されている事。
魔法を付与された物がある!?
物語でも魔法を付与された武器が登場するけど、この世界にもあるとは驚いた。
という事は付与魔法もあるのか……。
アンデッドに有効な浄化の魔法が付与出来るのは、教会の人間だけだから高そうね。
まぁ、そう考えると1億円というのは妥当な値段かも知れないな。
初心者の私がこんな、分不相応な武器を持っても仕方ない。
それに魔法は自分で使用すればいいので、付与された物は不要だ。
色々手に取り長さや重さのバランスを考えた上で、気に入った物に決定した。
ミスリル製で金貨1枚(100万円)の短槍。
以前購入した鋼製銀貨10枚 (10万円)の10倍の値段だけど、B級冒険者ならこれくらいの武器を持っていてもよいだろう。
兄の方は、私とは違い長槍を選んだようだ。
商品の内容を書かれた羊皮紙を見てみると、素材はミスリルで名匠クグラ氏の作品となっていた。
そして肝心な値段は、金貨3枚(300万円)。
これは短槍より、使用する素材の量が多い事と名匠の手によって作られた物だからだろう。
ロマン武器? に該当するのだろうか?
思ったより、金額が高い物じゃなくてほっとした。
これでドワーフが作った物だったり、魔法付与された物であれば金額は際限なく跳ね上がっていきそう。
私達が会計を済ませる頃には旭も合流した。
剣を手に持ち、満足そうに笑っているので武器屋が楽しかったみたいだ。
こちらも魔石等の付いていない、一般的な剣らしい。
旭は稼いでいるから、ドワーフの名匠が作った高価な物にしたのかもね~。
武器屋を出て、ガーグ老のいる家具工房へと3人で歩いていく。
その間、兄と旭は自分の購入した槍と剣について熱く語っていたけれど、私は興味がないのでスルーしておいた。
だって、もう次に何を購入しようか検討しているんだもの。
ヒヒイロカネって……。
その素材、異世界に存在してるのかしら?
30分程歩いて工房に到着し門を開けると、10人の職人さんが総出で迎えてくれる。
あれ?
いつもと違い顔が濡れてないなぁ。
今日は、顔に怪我をするような作業がなかったのかな?
2mを超える老人達の姿を見て、ビビリの旭が直ぐに兄の背に隠れてしまった。
そして小声で私に話しかけてくる。
「沙良ちゃん、あの人達に家具職人の要素が一つも見当たらないんだけど……。絶対、軍人さんでしょ!?」
話を聞いていた兄も、声を潜めながら応答する。
「職業……、間違ってないか? どう考えても貫禄がありすぎるだろう……」
「でも皆、気のいいお爺さん達だから安心していいよ」
心配する2人をよそに、私はガーグ老に近付いて挨拶をした。
「こんにちは。今日は稽古、よろしくお願いします」
私の言葉に続いて、高齢者の方に失礼だと慌てた兄も急いで自己紹介を始める。
「初めまして、沙良の兄の賢也といいます。本日は、お世話になりますのでよろしくお願いします」
「初めまして、メンバーの旭です。剣を習いたいと思っていますので、よろしくお願いします」
3人共が、深々と頭を下げて一礼した。
「ようきた、サラ……ちゃん。お二人とは初めましてだな。儂の事はガーグ老とでも呼んでくれ」
早速、槍と剣に分かれて稽古を付けてもらえる事になった。
私には、ガーグ老が直接教えてくれるらしい。
兄と旭は、部下の方が担当するみたいだ。
「サラ……ちゃん、槍は持ってきたかの?」
ガーグ老に言われて、購入したばかりの短槍を取り出した。
「うん? 少し短いようだが、これはいつも使っている槍かの?」
私が今まで使用していた槍は、リザードマンが持っていた物で長槍だった。
槍を使用して戦う事を前提としていなかったので、それでも良かったのだけど……。
止めを刺す時に、槍で突く事しかしなかったし。
でも、正式に槍の稽古をするなら背の低い私では長槍を持て余してしまうだろう。
「いえ、槍を教えて下さると言うので、私の体に合わせ今日新しく購入してきた物です」
「そうか、得物は自分に合った物を使う方がよいだろう。では、まず槍の持ち方からだな」
そう言って、ガーグ老は本当に初心者に教えるように基本的な事から始めてくれた。
そこで、まず槍の持ち方が間違っている事を知る。
何も考えずに突いてばかりいたので仕方ない。
これでB級冒険者と名乗るのは、恥ずかしすぎる!
殆ど動かない魔物を仕留めていたので、片手で充分だったんだよね~。
持ち方も完全に逆だったし……。
それから2時間程、槍での基本的な動きを習う。
いや~、勉強になります。
兄と旭も、今は基本動作を教えてもらい動きを真似している感じだろうか?
旭は基本が出来ているので、型稽古のようになっている。
兄の動作は、まだまだ初心者の域を出ていない……。
これは、やっぱり同じ剣を選びたくないかもね。
恋人が同性だと負けず嫌いの兄は大変そうだ。
お昼に差し掛かったので、私は昼食の準備を始める事にした。
今日は13人分だ。
稽古をしたのでまだ体がポカポカしているけど、食べる頃には寒いかも知れないので『ビーフシチュー』・『キッシュ』・『ナン』を作ろう。
いつもはコカトリスの肉をいれる『シチュー』を、ミノタウロスとルーを変えるだけで『ビーフシチュー』が出来る。
コカトリスの卵を兄に電子切開してもらい、殻を洗浄してアイテムBOXに収納しておく。
必要な材料を切り、今日は奏屋で購入した牛乳の上澄み部分(生クリーム)も使用した。
フライパンで『キッシュ』を焼くのは、兄と旭に任せる事にする。
2人がオーブン代わりにファイヤーボールで焼くから早く出来るだろう。
あぁ、ベーコンが欲しい!
『ナン』を人数分焼いたら昼食の完成だ。
テーブルと椅子を用意して待っている所に、職人さんが運んでくれる。
全員が椅子に着いた所で、私から声を掛けた。
「皆さん、今日は私達に稽古を付けて下さりありがとうございます。お礼の食事は、『ビーフシチュー』・『キッシュ』・『ナン』です。それでは、いただきましょう」
「いただきます!」
全員が、声を揃えて食べ始める。
「今日は白い『シチュー』じゃないのだな」
お店の『シチュー』を食べた事があるのか、ガーグ老が不思議そうに『ビーフシチュー』を見て口に入れた。
「こりゃまた、旨いスープだ!」
そう言って、『ナン』をちぎり『ビーフシチュー』に浸けながら猛然と食べ出した。
初めて食べる味に感動してくれたらしい。
業務用の大鍋で作ったので、お替りもありますよ~。
9人の部下達も黙々と食べている。
コカトリスの卵を使用した『キッシュ』も好評のようで、大皿に切った物が次々となくなっていく。
それを見た旭が、慌てて自分の分を取り皿に確保したようだ。
皆さん、よく食べてくれるので私も作った甲斐があって嬉しい。
出来れば、無言で食べている9人の方も感想を言ってくれてもいいのですよ?
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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教会の炊き出しを終えて、迷宮都市では初めてとなる武器屋に向かう。
リースナーの町では武器屋が1軒しかなかったけど、迷宮都市は冒険者の数が多いので3軒あった。
その中でも一番品揃えが多い店に入る事にする。
店内に入ると、武器の種類毎に整然と並べられていた。
旭は剣が陳列されている棚へ、私と兄は槍が立て掛けられている壁の方に進む。
短槍と長槍、どちらもあるけど私に長槍を取り扱うのは難しい。
短槍の中でも、少し長めの物を手に取ってみた。
ここにあるのは、大体銀貨10枚~金貨30枚(10万円~3千万円)の武器だ。
素材の違いや、名匠と呼ばれる人の手による物は高いのだろう。
手元を見ると、緑色の綺麗な宝石が嵌め込まれていた。
へぇ~、装飾品も付いているんだ。
値段を見ると、金貨100枚 (1億円)となっている。
高っ!?
武器に1億円も払えないよ~。
これだけ何でこんなに高いの?
付いている宝石の値段が上乗せされているのかしら?
欲しかった槍を諦めて、壁に戻そうと思った所に商品の内容が書かれた羊皮紙を見付けた。
素材はミスリルで、ドワーフの名匠ミカエル氏の作品とある。
そして緑色の宝石だと思っていた物はグリフォンの魔石を加工した物らしい。
更に驚いたのは、風魔法のウィンドアローが付与されている事。
魔法を付与された物がある!?
物語でも魔法を付与された武器が登場するけど、この世界にもあるとは驚いた。
という事は付与魔法もあるのか……。
アンデッドに有効な浄化の魔法が付与出来るのは、教会の人間だけだから高そうね。
まぁ、そう考えると1億円というのは妥当な値段かも知れないな。
初心者の私がこんな、分不相応な武器を持っても仕方ない。
それに魔法は自分で使用すればいいので、付与された物は不要だ。
色々手に取り長さや重さのバランスを考えた上で、気に入った物に決定した。
ミスリル製で金貨1枚(100万円)の短槍。
以前購入した鋼製銀貨10枚 (10万円)の10倍の値段だけど、B級冒険者ならこれくらいの武器を持っていてもよいだろう。
兄の方は、私とは違い長槍を選んだようだ。
商品の内容を書かれた羊皮紙を見てみると、素材はミスリルで名匠クグラ氏の作品となっていた。
そして肝心な値段は、金貨3枚(300万円)。
これは短槍より、使用する素材の量が多い事と名匠の手によって作られた物だからだろう。
ロマン武器? に該当するのだろうか?
思ったより、金額が高い物じゃなくてほっとした。
これでドワーフが作った物だったり、魔法付与された物であれば金額は際限なく跳ね上がっていきそう。
私達が会計を済ませる頃には旭も合流した。
剣を手に持ち、満足そうに笑っているので武器屋が楽しかったみたいだ。
こちらも魔石等の付いていない、一般的な剣らしい。
旭は稼いでいるから、ドワーフの名匠が作った高価な物にしたのかもね~。
武器屋を出て、ガーグ老のいる家具工房へと3人で歩いていく。
その間、兄と旭は自分の購入した槍と剣について熱く語っていたけれど、私は興味がないのでスルーしておいた。
だって、もう次に何を購入しようか検討しているんだもの。
ヒヒイロカネって……。
その素材、異世界に存在してるのかしら?
30分程歩いて工房に到着し門を開けると、10人の職人さんが総出で迎えてくれる。
あれ?
いつもと違い顔が濡れてないなぁ。
今日は、顔に怪我をするような作業がなかったのかな?
2mを超える老人達の姿を見て、ビビリの旭が直ぐに兄の背に隠れてしまった。
そして小声で私に話しかけてくる。
「沙良ちゃん、あの人達に家具職人の要素が一つも見当たらないんだけど……。絶対、軍人さんでしょ!?」
話を聞いていた兄も、声を潜めながら応答する。
「職業……、間違ってないか? どう考えても貫禄がありすぎるだろう……」
「でも皆、気のいいお爺さん達だから安心していいよ」
心配する2人をよそに、私はガーグ老に近付いて挨拶をした。
「こんにちは。今日は稽古、よろしくお願いします」
私の言葉に続いて、高齢者の方に失礼だと慌てた兄も急いで自己紹介を始める。
「初めまして、沙良の兄の賢也といいます。本日は、お世話になりますのでよろしくお願いします」
「初めまして、メンバーの旭です。剣を習いたいと思っていますので、よろしくお願いします」
3人共が、深々と頭を下げて一礼した。
「ようきた、サラ……ちゃん。お二人とは初めましてだな。儂の事はガーグ老とでも呼んでくれ」
早速、槍と剣に分かれて稽古を付けてもらえる事になった。
私には、ガーグ老が直接教えてくれるらしい。
兄と旭は、部下の方が担当するみたいだ。
「サラ……ちゃん、槍は持ってきたかの?」
ガーグ老に言われて、購入したばかりの短槍を取り出した。
「うん? 少し短いようだが、これはいつも使っている槍かの?」
私が今まで使用していた槍は、リザードマンが持っていた物で長槍だった。
槍を使用して戦う事を前提としていなかったので、それでも良かったのだけど……。
止めを刺す時に、槍で突く事しかしなかったし。
でも、正式に槍の稽古をするなら背の低い私では長槍を持て余してしまうだろう。
「いえ、槍を教えて下さると言うので、私の体に合わせ今日新しく購入してきた物です」
「そうか、得物は自分に合った物を使う方がよいだろう。では、まず槍の持ち方からだな」
そう言って、ガーグ老は本当に初心者に教えるように基本的な事から始めてくれた。
そこで、まず槍の持ち方が間違っている事を知る。
何も考えずに突いてばかりいたので仕方ない。
これでB級冒険者と名乗るのは、恥ずかしすぎる!
殆ど動かない魔物を仕留めていたので、片手で充分だったんだよね~。
持ち方も完全に逆だったし……。
それから2時間程、槍での基本的な動きを習う。
いや~、勉強になります。
兄と旭も、今は基本動作を教えてもらい動きを真似している感じだろうか?
旭は基本が出来ているので、型稽古のようになっている。
兄の動作は、まだまだ初心者の域を出ていない……。
これは、やっぱり同じ剣を選びたくないかもね。
恋人が同性だと負けず嫌いの兄は大変そうだ。
お昼に差し掛かったので、私は昼食の準備を始める事にした。
今日は13人分だ。
稽古をしたのでまだ体がポカポカしているけど、食べる頃には寒いかも知れないので『ビーフシチュー』・『キッシュ』・『ナン』を作ろう。
いつもはコカトリスの肉をいれる『シチュー』を、ミノタウロスとルーを変えるだけで『ビーフシチュー』が出来る。
コカトリスの卵を兄に電子切開してもらい、殻を洗浄してアイテムBOXに収納しておく。
必要な材料を切り、今日は奏屋で購入した牛乳の上澄み部分(生クリーム)も使用した。
フライパンで『キッシュ』を焼くのは、兄と旭に任せる事にする。
2人がオーブン代わりにファイヤーボールで焼くから早く出来るだろう。
あぁ、ベーコンが欲しい!
『ナン』を人数分焼いたら昼食の完成だ。
テーブルと椅子を用意して待っている所に、職人さんが運んでくれる。
全員が椅子に着いた所で、私から声を掛けた。
「皆さん、今日は私達に稽古を付けて下さりありがとうございます。お礼の食事は、『ビーフシチュー』・『キッシュ』・『ナン』です。それでは、いただきましょう」
「いただきます!」
全員が、声を揃えて食べ始める。
「今日は白い『シチュー』じゃないのだな」
お店の『シチュー』を食べた事があるのか、ガーグ老が不思議そうに『ビーフシチュー』を見て口に入れた。
「こりゃまた、旨いスープだ!」
そう言って、『ナン』をちぎり『ビーフシチュー』に浸けながら猛然と食べ出した。
初めて食べる味に感動してくれたらしい。
業務用の大鍋で作ったので、お替りもありますよ~。
9人の部下達も黙々と食べている。
コカトリスの卵を使用した『キッシュ』も好評のようで、大皿に切った物が次々となくなっていく。
それを見た旭が、慌てて自分の分を取り皿に確保したようだ。
皆さん、よく食べてくれるので私も作った甲斐があって嬉しい。
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇