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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第429話 迷宮都市 地下14階 増えた魔物&魔力酔い
「はい、金貨10枚・銀貨10枚(1千10万円)で販売が開始になりました。迷宮都市だけの限定品ですけど、数に限りがあるのでダンジョンで直接販売する許可も頂いてます」
「そりゃ凄いじゃないか! キングビーの猛毒が消せるポーションなんて聞いた事がない! あぁ、お礼を先に言うべきだった。リリーを治してくれてありがとう。販売許可が下りてるなら、まだ在庫はあるだろうか? 出来れば人数分、購入しておきたいんだが……」
「勿論ありますよ。先程の分と併せて7本、金貨70枚・銀貨70枚(7千70万円)お願いします」
ダンクさんからお金を受け取り、『毒消しポーション6本』を渡す。
「これがあれば俺達冒険者はとても助かる。エリクサーは、貴族じゃないと購入出来ないからな。お兄ちゃんに頼んで作ってもらったのか?」
「はい、浄化の魔法が必要だったみたいです。内緒にしておいて下さいね!」
私が人差し指を立てながら口元に持っていき秘密の仕草をすると、そこにいたメンバー全員が同じ仕草で返してくれる。
本当にダンクさんとアマンダさんのパーティーは、色々融通が利くので助かるなぁ。
「そう言えば、今日は1人人数が少ないですね。魔法士の方は、どうされたんですか?」
「あぁ、地下14階までくるのにやたら魔物が多くてな。途中でハイエーテルを飲んだんだが、どうも腹を壊したみたいだ」
「えっ! 消費期限切れのハイエーテルを飲んじゃったんですか?」
私はポーションを使用した経験はあるけど、魔力が減る事が殆どないのでエーテルは飲んだ事がない。
アイテムBOXに入っているので、消費期限とか考えなかったし……。
「いや、単なる魔力酔いだな。魔力酔いの症状は人によって違うから、頭痛が起きたり眩暈がしたりするみたいだぞ? 今回は少し回復量が多かったらしい……。テントで1日休めば症状は治るから心配しなくても大丈夫だ」
魔力酔いの症状があるなんて知らなかったなぁ~。
私達3人は、今まで大丈夫だったのかしら?
そう言えば、リースナーの町で金曜日になると兄がよくお腹を壊していたっけ……。
でもエーテルは飲んだ事がないから、魔力酔いとはまた違うかも?
「そうなんですか、安心しました。じゃあ、私はもう行きますね」
「おおっ、『毒消しポーション』ありがとな!」
ダンクさん達から少し離れた場所で、ハニーの所へ移転する。
少し時間が早いけど、ちょっと気になる情報を聞いたのでアマンダさん達が心配になり、一度安全地帯に戻る事にした。
ハニーを地下13階に送り届け、序に兄も回収し一緒に地下14階の安全地帯に戻る。
ダンクさんが言っていた、魔物の数が増えてるのが引っかかるのだ。
アマンダさん達のテント前には彼女以外のメンバーが揃っている。
アマンダさんはどうしたのか尋ねると、やはり魔物の数が多く魔力を使用し過ぎたため、ハイエーテルを飲んだものの魔力酔いの状態で寝込んでいるそうだ。
私は兄と顔を見合わせる。
ここに来るまでにダンクさんのメンバーである魔法士の件も伝えていたから、不審に思ったのだ。
私達はマッピングでなるべく魔物を避けながら、最短距離で走って駆け抜けるから普段と違う様子に気が付かなかったのかな?
魔物が増えるといえば、スタンピードを思い出すけど……。
この世界では、ダンジョンから魔物が出る事はないと言われている。
そもそも出現階層を跨いだりもしないしね~。
他国の亡くなった諜報員と、ダンジョンの魔物が増える事には関係があるのだろうか?
アマンダさんのパーティーメンバーは、リーダーが心配で今日は攻略を休むそうだ。
でもマジックテントが1つしかないので、外で待機していたらしい。
確かに、具合が悪い時は1人にしてあげた方がいいだろう。
私は以前アマンダさんのパーティーに組み立ててもらった普通のテントを、そのままの状態でアイテムBOXから出し提供してあげた。
皆に笑われてしまったけど、私達がテントを組み立てるのは無理だから仕方ない。
私はケンさんに、体調を崩しているアマンダさんへ桃を食べさせてあげて下さいと2個渡しておいた。
自分達のテントに入り、兄をホームの自宅に送り届け次は旭を回収しにいく。
「サラちゃん、ちょっと早くない? 何かあったの?」
いつもは3時間後、安全地帯のテント内で待っている所を迎えにいくので旭が不思議そうな顔をする。
「うん、家で話すね」
そう言って旭と一緒に安全地帯まで走り、ホームの自宅へと戻った。
本日のお弁当は、エビマヨ・ニラ玉・春巻き・搾菜炒め。
卵スープ&ウーロン茶と一緒に頂きます。
「今日は魔物の数がいつもより多かったみたいで、ダンクさんのパーティーメンバーの魔法士とアマンダさんが、魔力を使用し過ぎてハイエーテルで回復したんだけど魔力酔いになったらしいの」
「魔力酔いって何?」
「う~んと、一気に減った魔力を回復する時に起きる症状みたい」
「へぇ~、魔力がゼロになると昏倒するのは体験済みだけど、魔力酔いにはなった事がないな~」
「きっと私達が、エーテルを飲んだ事がないからだと思う。考えたら不思議な物だよね? 魔力を回復させるって、どんな仕組みなんだろうなぁ」
「エーテルの回復量も分からないしな。割合なのか、一定の数量なのか……。それより俺は、魔物の数が増えている方が気になる」
「私も気になったから、攻略を早く引き上げたんだよ。また、誰かが魔物寄せを使用したのかな?」
「もしそうなら、狙いがある筈だ。同じ種類の魔物が集まってくるんじゃないのか?」
「聞いた感じでは、同じ種類ってわけじゃなさそうだったよ」
「俺達も注意しておこう。他国の諜報員といい、嫌な感じがする」
「了解! 今は別々で行動しているから、何かあれば通信の魔道具で連絡するね!」
「あぁ、もし危険だと感じたら沙良、お前は移転して逃げるんだ」
真剣な表情で忠告する兄を安心させるように、私は力強く頷いた。
「分かってる。能力は極力隠しておきたいけど、命あっての物種だから!」
兄は胡乱げな視線を私に向けた後で溜息を吐いた。
どうやら信用されていないみたいだ。
心配性の兄が、いつかハゲませんように……。
「ガーグ老の息子さん達3人が、来週稽古に加わるらしいよ~」
こういう時は話題転換しよう。
「えっ! ガーグ老の息子さんなら現役の人達じゃない?」
旭の顔が真っ青になる。
きっと自分の指導役が増える事を懸念したんだろう。
多分それは正解だと思う。
「少しは役に立つと言っていたから、武術を極めた人達だと思う」
「何で俺ばっかり……。昨日も、お手柔らかにってお願いしておいたのに、全然手加減してくれなかったよ!」
「その分、将棋でえげつない勝ち方してたがな」
どうやら3人のお爺さんを、将棋で叩きのめしたらしい……。
「私怨があった事は認めるけど……。あれはもう稽古じゃなく、本格的な実戦に近いものだった! あのお爺さん達は何者なの!?」
「王族の警護をしていたくらいだ、腕も実力も相当なものがないと出来ないだろうが」
「俺は一体、何と戦う事を想定されているんだろうか……」
がっくりと項垂れてしまった旭を慰めるかと思いきや、兄は食欲の方が勝るのか黙々とお弁当を食べ続けていた。
うん、2人は体育会系男子だったわ。
兄はサッカー、旭はバスケ。
扱きは当然の部活に入っていたので、下手な慰めは不要らしい。
「リリーさんがキングビーの毒針で刺されたから、『毒消しポーション』を飲んでもらったの。ちゃんと効果があって、治療出来たよ。後、人数分を販売しておきました」
「そうか、俺達が自分で試すのもどうかと思っていたから効果が分かって良かったな。使用したのはLv2だが、毒性によっては治療出来ない可能性がある。薬師ギルドは、キングビーの毒消し専用と謳ってくれると思うが一応伝えておけ」
「その場合は、浄化Lvに依るのかポーションのランクに依存するのか不明な点が多いよね。ゼリアさんは鑑定結果を言わなかったけど……」
「薬師ギルドでは隠したい事もあるんだろう。俺達は完全な部外者だからな」
「まぁ、そうだよね~。ポーションを作れるようになるには3年掛かかるって言ってたし、秘匿事項が多そうなギルドだから当たり前かぁ」
「旭、食べないんだったら俺が代わりに食べてやるぞ?」
兄が放心状態の旭に声をかける。
「駄目、俺の分を取らないで~!」
兄に言われた言葉を本気にした旭が、慌てて残りのお弁当を口に入れる。
ハムスターのように、両頬をパンパンにしながら食べる姿を見て兄は笑っていたのだった。
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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
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これからもよろしくお願い致します。
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「そりゃ凄いじゃないか! キングビーの猛毒が消せるポーションなんて聞いた事がない! あぁ、お礼を先に言うべきだった。リリーを治してくれてありがとう。販売許可が下りてるなら、まだ在庫はあるだろうか? 出来れば人数分、購入しておきたいんだが……」
「勿論ありますよ。先程の分と併せて7本、金貨70枚・銀貨70枚(7千70万円)お願いします」
ダンクさんからお金を受け取り、『毒消しポーション6本』を渡す。
「これがあれば俺達冒険者はとても助かる。エリクサーは、貴族じゃないと購入出来ないからな。お兄ちゃんに頼んで作ってもらったのか?」
「はい、浄化の魔法が必要だったみたいです。内緒にしておいて下さいね!」
私が人差し指を立てながら口元に持っていき秘密の仕草をすると、そこにいたメンバー全員が同じ仕草で返してくれる。
本当にダンクさんとアマンダさんのパーティーは、色々融通が利くので助かるなぁ。
「そう言えば、今日は1人人数が少ないですね。魔法士の方は、どうされたんですか?」
「あぁ、地下14階までくるのにやたら魔物が多くてな。途中でハイエーテルを飲んだんだが、どうも腹を壊したみたいだ」
「えっ! 消費期限切れのハイエーテルを飲んじゃったんですか?」
私はポーションを使用した経験はあるけど、魔力が減る事が殆どないのでエーテルは飲んだ事がない。
アイテムBOXに入っているので、消費期限とか考えなかったし……。
「いや、単なる魔力酔いだな。魔力酔いの症状は人によって違うから、頭痛が起きたり眩暈がしたりするみたいだぞ? 今回は少し回復量が多かったらしい……。テントで1日休めば症状は治るから心配しなくても大丈夫だ」
魔力酔いの症状があるなんて知らなかったなぁ~。
私達3人は、今まで大丈夫だったのかしら?
そう言えば、リースナーの町で金曜日になると兄がよくお腹を壊していたっけ……。
でもエーテルは飲んだ事がないから、魔力酔いとはまた違うかも?
「そうなんですか、安心しました。じゃあ、私はもう行きますね」
「おおっ、『毒消しポーション』ありがとな!」
ダンクさん達から少し離れた場所で、ハニーの所へ移転する。
少し時間が早いけど、ちょっと気になる情報を聞いたのでアマンダさん達が心配になり、一度安全地帯に戻る事にした。
ハニーを地下13階に送り届け、序に兄も回収し一緒に地下14階の安全地帯に戻る。
ダンクさんが言っていた、魔物の数が増えてるのが引っかかるのだ。
アマンダさん達のテント前には彼女以外のメンバーが揃っている。
アマンダさんはどうしたのか尋ねると、やはり魔物の数が多く魔力を使用し過ぎたため、ハイエーテルを飲んだものの魔力酔いの状態で寝込んでいるそうだ。
私は兄と顔を見合わせる。
ここに来るまでにダンクさんのメンバーである魔法士の件も伝えていたから、不審に思ったのだ。
私達はマッピングでなるべく魔物を避けながら、最短距離で走って駆け抜けるから普段と違う様子に気が付かなかったのかな?
魔物が増えるといえば、スタンピードを思い出すけど……。
この世界では、ダンジョンから魔物が出る事はないと言われている。
そもそも出現階層を跨いだりもしないしね~。
他国の亡くなった諜報員と、ダンジョンの魔物が増える事には関係があるのだろうか?
アマンダさんのパーティーメンバーは、リーダーが心配で今日は攻略を休むそうだ。
でもマジックテントが1つしかないので、外で待機していたらしい。
確かに、具合が悪い時は1人にしてあげた方がいいだろう。
私は以前アマンダさんのパーティーに組み立ててもらった普通のテントを、そのままの状態でアイテムBOXから出し提供してあげた。
皆に笑われてしまったけど、私達がテントを組み立てるのは無理だから仕方ない。
私はケンさんに、体調を崩しているアマンダさんへ桃を食べさせてあげて下さいと2個渡しておいた。
自分達のテントに入り、兄をホームの自宅に送り届け次は旭を回収しにいく。
「サラちゃん、ちょっと早くない? 何かあったの?」
いつもは3時間後、安全地帯のテント内で待っている所を迎えにいくので旭が不思議そうな顔をする。
「うん、家で話すね」
そう言って旭と一緒に安全地帯まで走り、ホームの自宅へと戻った。
本日のお弁当は、エビマヨ・ニラ玉・春巻き・搾菜炒め。
卵スープ&ウーロン茶と一緒に頂きます。
「今日は魔物の数がいつもより多かったみたいで、ダンクさんのパーティーメンバーの魔法士とアマンダさんが、魔力を使用し過ぎてハイエーテルで回復したんだけど魔力酔いになったらしいの」
「魔力酔いって何?」
「う~んと、一気に減った魔力を回復する時に起きる症状みたい」
「へぇ~、魔力がゼロになると昏倒するのは体験済みだけど、魔力酔いにはなった事がないな~」
「きっと私達が、エーテルを飲んだ事がないからだと思う。考えたら不思議な物だよね? 魔力を回復させるって、どんな仕組みなんだろうなぁ」
「エーテルの回復量も分からないしな。割合なのか、一定の数量なのか……。それより俺は、魔物の数が増えている方が気になる」
「私も気になったから、攻略を早く引き上げたんだよ。また、誰かが魔物寄せを使用したのかな?」
「もしそうなら、狙いがある筈だ。同じ種類の魔物が集まってくるんじゃないのか?」
「聞いた感じでは、同じ種類ってわけじゃなさそうだったよ」
「俺達も注意しておこう。他国の諜報員といい、嫌な感じがする」
「了解! 今は別々で行動しているから、何かあれば通信の魔道具で連絡するね!」
「あぁ、もし危険だと感じたら沙良、お前は移転して逃げるんだ」
真剣な表情で忠告する兄を安心させるように、私は力強く頷いた。
「分かってる。能力は極力隠しておきたいけど、命あっての物種だから!」
兄は胡乱げな視線を私に向けた後で溜息を吐いた。
どうやら信用されていないみたいだ。
心配性の兄が、いつかハゲませんように……。
「ガーグ老の息子さん達3人が、来週稽古に加わるらしいよ~」
こういう時は話題転換しよう。
「えっ! ガーグ老の息子さんなら現役の人達じゃない?」
旭の顔が真っ青になる。
きっと自分の指導役が増える事を懸念したんだろう。
多分それは正解だと思う。
「少しは役に立つと言っていたから、武術を極めた人達だと思う」
「何で俺ばっかり……。昨日も、お手柔らかにってお願いしておいたのに、全然手加減してくれなかったよ!」
「その分、将棋でえげつない勝ち方してたがな」
どうやら3人のお爺さんを、将棋で叩きのめしたらしい……。
「私怨があった事は認めるけど……。あれはもう稽古じゃなく、本格的な実戦に近いものだった! あのお爺さん達は何者なの!?」
「王族の警護をしていたくらいだ、腕も実力も相当なものがないと出来ないだろうが」
「俺は一体、何と戦う事を想定されているんだろうか……」
がっくりと項垂れてしまった旭を慰めるかと思いきや、兄は食欲の方が勝るのか黙々とお弁当を食べ続けていた。
うん、2人は体育会系男子だったわ。
兄はサッカー、旭はバスケ。
扱きは当然の部活に入っていたので、下手な慰めは不要らしい。
「リリーさんがキングビーの毒針で刺されたから、『毒消しポーション』を飲んでもらったの。ちゃんと効果があって、治療出来たよ。後、人数分を販売しておきました」
「そうか、俺達が自分で試すのもどうかと思っていたから効果が分かって良かったな。使用したのはLv2だが、毒性によっては治療出来ない可能性がある。薬師ギルドは、キングビーの毒消し専用と謳ってくれると思うが一応伝えておけ」
「その場合は、浄化Lvに依るのかポーションのランクに依存するのか不明な点が多いよね。ゼリアさんは鑑定結果を言わなかったけど……」
「薬師ギルドでは隠したい事もあるんだろう。俺達は完全な部外者だからな」
「まぁ、そうだよね~。ポーションを作れるようになるには3年掛かかるって言ってたし、秘匿事項が多そうなギルドだから当たり前かぁ」
「旭、食べないんだったら俺が代わりに食べてやるぞ?」
兄が放心状態の旭に声をかける。
「駄目、俺の分を取らないで~!」
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇