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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第436話 迷宮都市 地下14階 ウトにあるダンジョン
テントから出ると、アマンダさんとダンクさんのパーティーが朝食を取っている所だった。
2パーティーとも、『フレンチトースト』とスープに魔物肉を焼いたステーキを食べている。
朝から結構がっつりと量があるなぁ~。
冒険者は接近戦がメインなので体力がないと出来ない。
これくらいしっかり食べないと、体が持たないのかもね。
「皆さん、おはようございます」
「あぁ、おはようサラちゃん。今朝早く親父達から手紙が届いたよ。全員無事だってさ! 呪具も地下19階には設置されてなかったみたいだ」
ダンクさんからそう報告を受けて、私は既に知っている情報だったけど笑顔になって喜んでみせた。
「本当に良かったですね~。地下19階には、ダンクさんのお父さん達しかいないから私も心配してたんですよ。これで呪具の設置は地下14階までだったと分かって安心しました」
「サラちゃん、おはよう。今回が最後とも言えないから、解除用のポーションは暫くうちのクランで預かるけどいいかい?」
「はい、そうして下さい」
アマンダさんなら、『毒消しポーション』の効果に浄化が付いている事も知っているから問題ない。
それはそうと、私は気になっている事を2人に早速聞いてみよう。
旭が隣でそわそわして落ち着かない様子だからね。
「アマンダさん、ダンクさん。カルドサリ王国内のダンジョンがある地名で、ウトと付く所を知っていますか?」
「ウト? そのダンジョンは地下10階までかい? それとも大型ダンジョンの方かい?」
「え~っとC級冒険者だと、普通は地下10階までのダンジョンを攻略してますよね?」
「サラちゃん達みたいに全員が魔法士じゃなきゃ、C級冒険者は大型ダンジョンには潜らないだろうね」
「じゃあ、地下10階までのダンジョンがある地名だと思います」
「それなら、ガウトのダンジョンかウトバリのダンジョンが確か地下10階までだった筈だよ」
アマンダさんが、知っているダンジョンの地名を2か所教えてくれた。
「大型ダンジョンなら王都の可能性もあるが、C級冒険者なら競争の激しいあのダンジョンでクランに入るのは難しいだろうな」
続いてダンクさんが、王都の可能性を教えてくれたけど……。
あそこにはサリナがいるから、私には鬼門の場所だ。
それに薬師ギルドのゼリアさんが、アシュカナ帝国の次に狙いそうなダンジョンだと言っていたから近付かない方がいいだろう。
兄も王都に行くと言ったら反対しそうだ。
旭も王都に行く事は賛成しないだろう。
2人は過保護だからね~。
「アマンダさん。ガウトとウトバリのダンジョンは、迷宮都市からどれくらいの距離ですか?」
「そうだね、ガウトは馬車で北に1週間、ウトバリは東に2週間って所じゃないかな?」
「教えてくれてありがとうございます。後で地図を確認してみますね!」
「誰か知り合いがそこにいるのかい?」
「はい、旭の妹から連絡が届いたんですけど、文字がかすれて見えず困っていたんです」
「あぁ、変色したインクを使用したのかも知れないね」
連絡手段に使用するのは羊皮紙を使った手紙が主な異世界では、そういった事もあるのだろう。
アマンダさんは納得したように頷いていた。
その後4日間の攻略を終え、冒険者ギルドに換金に行く。
幸い呪具が再度設置される事もなく、月曜日の騒動は1日で収束したようだ。
換金に行った際オリビアさんから聞いた話では、行方を眩ませていた3パーティーが路地裏で全員死亡しているのが確認されたらしい。
最初から自決する心算だったのか、誰かに口封じ目的で処分されたのかは不明なままだった。
いずれにせよ、犯人がカルドサリ王国にバレている時点で死亡したとしても意味がないだろう。
アシュカナ帝国の仕業だと分かってしまう事こそ、隠したかったのだと思う。
土曜日。
今日はアマンダさんに聞いたガウトの町へ、3人でいく予定にしている。
私はいつもより早い時間に奏屋で果物を卸し、次に商業ギルドへ向かう。
この国の地図の精度は、ダンジョン内の地図に比べると低すぎるのだ。
カマラさんがくれた迷宮都市の住宅地図は、かなり詳細に描かれてあったので国内版が売られているなら購入した方が早いだろうと聞いてみる事にした。
以前オリーさんを他国に送った時は、私が方向音痴だった事もあって大変苦労したからね~。
もうあんな酷い目には遭いたくない。
商業ギルドに到着すると、受付嬢から部屋に案内される。
椅子に座って待っている事数分、ノックの音がしてからカマラさんが入ってきた。
「いつも大変お世話になっております。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「こちらこそお世話になっています。今日はこれ以外の地図が、商業ギルドで売られていないか確認しにきました」
私はマンガのような地図を取り出して、カマラさんに見せる。
これは冒険者ギルドで購入出来る、非常に簡易的な地図だ。
王領・公爵領・侯爵領・伯爵領がどの方角にあるか分かるといった地図とも呼べない物だった。
もしかしたら戦争がある異世界では、国の詳細な地図が戦略的に知られないよう、敢えて簡略化されているのかも知れないけど……。
「カルドサリ王国内の地図でございますか? お客様は、この迷宮都市から移動されるのでしょうか?」
「いえ違いますよ。ちょっと旅行に行こうかと思っているんです。この地図だと不便だと思って……」
「あぁ、ご旅行ですね。では、お持ちしますので少々お待ち下さい」
やはり、商業ギルドにはもっと精度の高い地図が売られているらしい。
冒険者は商人のように、あまり拠点を移動したりしないから簡易的な物しか置いていないのだろう。
5分程でカマラさんが戻ってきた。
「お待たせしました。これが現在最新のカルドサリ王国内の地図となります。お客様にはリッチのマントやトレント資材等、大変貴重な商品を卸して頂いておりますので、この地図はお譲り致しましょう」
あら?
これは地図をタダでくれるという事かしら?
手渡された地図を見ると、迷宮都市の住宅地図に劣らずかなり詳細な物になっていた。
私がみても高そうな感じがする。
「それで……何処に旅行される予定でしょうか? 現在注文して頂いている家の事もありますし、あまり遠い場所では連絡に困ってしまうので、よろしければ教えて下さいませんか?」
旅行先を聞かれ、確かに注文している家があるので不在期間が多いとカマラさんも困るだろうと話す事にする。
「ガウトの町に行こうと思っていますけど、そんなに長い間じゃありませんから心配しなくても大丈夫ですよ」
行くのは私のマッピングを使用してだ。
地図を兄に見てもらいながら指示された方向に進めば、遅くとも1時間以内には着けるだろうし。
「ガウトでございますか、あの町には確かダンジョンがあった気がしますが……」
「あっはい、そうですね。ダンジョンがある町だと思います」
「では、楽しいご旅行を……」
そう言って、カマラさんが商業ギルドの外まで見送ってくれた。
いや~、もう完全なVIP待遇ですよ~。
地図も無料だったし!
ルンルン気分で歩いていると、視界に白梟が飛び去るのが見えた。
ガーグ老は、従魔を放し飼いにしているようね。
私の従魔は大型の魔物なので、放し飼いにするのはホーム内だけだ。
ハニーに至っては、従魔登録もしていないからダンジョンの外に連れ出せないし……。
ホームの自宅に戻り、リビングで待っている兄達に地図を渡す。
「沙良、よくこんな詳細な地図が手に入ったな」
「商業ギルドのカマラさんが、いつも商品を卸してくれるからと譲ってくれたんだよ~」
「あぁ、リッチのマントか。この地図があるなら、ガウトの町には簡単に行けそうだ。あまり時間もない事だし、さっさと出発しよう」
兄の一声を聞いて、気が急いていた私が一瞬で商業ギルド付近に移転する。
それからは、兄の言葉通り35kmずつマッピングを使用して移動した。
30分後、ガウトの町に到着!
雫ちゃん、待っててね~。
もしかしたら再会出来るかも知れないと期待に胸を膨らませて、私達3人は町の入り口に向かったのだった。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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2パーティーとも、『フレンチトースト』とスープに魔物肉を焼いたステーキを食べている。
朝から結構がっつりと量があるなぁ~。
冒険者は接近戦がメインなので体力がないと出来ない。
これくらいしっかり食べないと、体が持たないのかもね。
「皆さん、おはようございます」
「あぁ、おはようサラちゃん。今朝早く親父達から手紙が届いたよ。全員無事だってさ! 呪具も地下19階には設置されてなかったみたいだ」
ダンクさんからそう報告を受けて、私は既に知っている情報だったけど笑顔になって喜んでみせた。
「本当に良かったですね~。地下19階には、ダンクさんのお父さん達しかいないから私も心配してたんですよ。これで呪具の設置は地下14階までだったと分かって安心しました」
「サラちゃん、おはよう。今回が最後とも言えないから、解除用のポーションは暫くうちのクランで預かるけどいいかい?」
「はい、そうして下さい」
アマンダさんなら、『毒消しポーション』の効果に浄化が付いている事も知っているから問題ない。
それはそうと、私は気になっている事を2人に早速聞いてみよう。
旭が隣でそわそわして落ち着かない様子だからね。
「アマンダさん、ダンクさん。カルドサリ王国内のダンジョンがある地名で、ウトと付く所を知っていますか?」
「ウト? そのダンジョンは地下10階までかい? それとも大型ダンジョンの方かい?」
「え~っとC級冒険者だと、普通は地下10階までのダンジョンを攻略してますよね?」
「サラちゃん達みたいに全員が魔法士じゃなきゃ、C級冒険者は大型ダンジョンには潜らないだろうね」
「じゃあ、地下10階までのダンジョンがある地名だと思います」
「それなら、ガウトのダンジョンかウトバリのダンジョンが確か地下10階までだった筈だよ」
アマンダさんが、知っているダンジョンの地名を2か所教えてくれた。
「大型ダンジョンなら王都の可能性もあるが、C級冒険者なら競争の激しいあのダンジョンでクランに入るのは難しいだろうな」
続いてダンクさんが、王都の可能性を教えてくれたけど……。
あそこにはサリナがいるから、私には鬼門の場所だ。
それに薬師ギルドのゼリアさんが、アシュカナ帝国の次に狙いそうなダンジョンだと言っていたから近付かない方がいいだろう。
兄も王都に行くと言ったら反対しそうだ。
旭も王都に行く事は賛成しないだろう。
2人は過保護だからね~。
「アマンダさん。ガウトとウトバリのダンジョンは、迷宮都市からどれくらいの距離ですか?」
「そうだね、ガウトは馬車で北に1週間、ウトバリは東に2週間って所じゃないかな?」
「教えてくれてありがとうございます。後で地図を確認してみますね!」
「誰か知り合いがそこにいるのかい?」
「はい、旭の妹から連絡が届いたんですけど、文字がかすれて見えず困っていたんです」
「あぁ、変色したインクを使用したのかも知れないね」
連絡手段に使用するのは羊皮紙を使った手紙が主な異世界では、そういった事もあるのだろう。
アマンダさんは納得したように頷いていた。
その後4日間の攻略を終え、冒険者ギルドに換金に行く。
幸い呪具が再度設置される事もなく、月曜日の騒動は1日で収束したようだ。
換金に行った際オリビアさんから聞いた話では、行方を眩ませていた3パーティーが路地裏で全員死亡しているのが確認されたらしい。
最初から自決する心算だったのか、誰かに口封じ目的で処分されたのかは不明なままだった。
いずれにせよ、犯人がカルドサリ王国にバレている時点で死亡したとしても意味がないだろう。
アシュカナ帝国の仕業だと分かってしまう事こそ、隠したかったのだと思う。
土曜日。
今日はアマンダさんに聞いたガウトの町へ、3人でいく予定にしている。
私はいつもより早い時間に奏屋で果物を卸し、次に商業ギルドへ向かう。
この国の地図の精度は、ダンジョン内の地図に比べると低すぎるのだ。
カマラさんがくれた迷宮都市の住宅地図は、かなり詳細に描かれてあったので国内版が売られているなら購入した方が早いだろうと聞いてみる事にした。
以前オリーさんを他国に送った時は、私が方向音痴だった事もあって大変苦労したからね~。
もうあんな酷い目には遭いたくない。
商業ギルドに到着すると、受付嬢から部屋に案内される。
椅子に座って待っている事数分、ノックの音がしてからカマラさんが入ってきた。
「いつも大変お世話になっております。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「こちらこそお世話になっています。今日はこれ以外の地図が、商業ギルドで売られていないか確認しにきました」
私はマンガのような地図を取り出して、カマラさんに見せる。
これは冒険者ギルドで購入出来る、非常に簡易的な地図だ。
王領・公爵領・侯爵領・伯爵領がどの方角にあるか分かるといった地図とも呼べない物だった。
もしかしたら戦争がある異世界では、国の詳細な地図が戦略的に知られないよう、敢えて簡略化されているのかも知れないけど……。
「カルドサリ王国内の地図でございますか? お客様は、この迷宮都市から移動されるのでしょうか?」
「いえ違いますよ。ちょっと旅行に行こうかと思っているんです。この地図だと不便だと思って……」
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やはり、商業ギルドにはもっと精度の高い地図が売られているらしい。
冒険者は商人のように、あまり拠点を移動したりしないから簡易的な物しか置いていないのだろう。
5分程でカマラさんが戻ってきた。
「お待たせしました。これが現在最新のカルドサリ王国内の地図となります。お客様にはリッチのマントやトレント資材等、大変貴重な商品を卸して頂いておりますので、この地図はお譲り致しましょう」
あら?
これは地図をタダでくれるという事かしら?
手渡された地図を見ると、迷宮都市の住宅地図に劣らずかなり詳細な物になっていた。
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「ガウトでございますか、あの町には確かダンジョンがあった気がしますが……」
「あっはい、そうですね。ダンジョンがある町だと思います」
「では、楽しいご旅行を……」
そう言って、カマラさんが商業ギルドの外まで見送ってくれた。
いや~、もう完全なVIP待遇ですよ~。
地図も無料だったし!
ルンルン気分で歩いていると、視界に白梟が飛び去るのが見えた。
ガーグ老は、従魔を放し飼いにしているようね。
私の従魔は大型の魔物なので、放し飼いにするのはホーム内だけだ。
ハニーに至っては、従魔登録もしていないからダンジョンの外に連れ出せないし……。
ホームの自宅に戻り、リビングで待っている兄達に地図を渡す。
「沙良、よくこんな詳細な地図が手に入ったな」
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「あぁ、リッチのマントか。この地図があるなら、ガウトの町には簡単に行けそうだ。あまり時間もない事だし、さっさと出発しよう」
兄の一声を聞いて、気が急いていた私が一瞬で商業ギルド付近に移転する。
それからは、兄の言葉通り35kmずつマッピングを使用して移動した。
30分後、ガウトの町に到着!
雫ちゃん、待っててね~。
もしかしたら再会出来るかも知れないと期待に胸を膨らませて、私達3人は町の入り口に向かったのだった。
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「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
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世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろうでも同時連載中です◇