自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第492話 迷宮都市 両親の召喚 8 旭の愛車?&両親のLv上げ 1

 取りえず旭のお母さんは、ダンジョンの魔物から魔法を受ければ習得は可能だと思う。
 魅了を覚えてもらえば魔物もテイム出来るし、私達の攻略速度に付いてこれるはず
 MPが高いので2匹同時にテイムしても大丈夫だろう。

 問題は雫ちゃんが、何の魔法も使用出来ない事なんだよね~。
 剣術Lv9って、どの程度の腕なのかな?
 
 ガーグ老の所へ稽古に行った時、確認してみるか……。
 それより魔法の習得をなんとかしたい。
 どうして唱えるだけじゃ発動出来ないんだろう?

 う~ん、私が考えた所でいい案は思いつかないか。
 これは後で兄達に聞いてみる事にしよう。
 旭も妹の雫ちゃんが1人だけ魔法を使用出来ないとなれば、心配するかも知れない。

 私は魔術書を貸してもらい、アイテムBOXに収納しておいた。
 月曜日からダンジョン攻略を開始するので、それまではホーム内でゆっくりして下さいと伝え家を出た。

 夕食は兄達と実家で食べる事にしているので部屋に行くと、旭が落ち込んだ表情をしている。
 今日は新車を購入してくると言って、あんなに張り切っていたのにどうしたんだろう?

「旭、車は買えた?」

「沙良ちゃん……、それが……」

 返事を途中で止めてしまったので、兄の方を見ると首を横に振っている。

「お兄ちゃん、何かあったの?」

「あ~、車は俺のがあるからいいと言って大型バイクを購入したんだが、こいつは普通車の免許しかなくて乗れなかったんだよ」

「……免許がないのにバイクを購入したの?」

「教習所で免許を取る心算つもりだったらしい」

「人がいないのに、誰が教えてくれるの?」

 私が至極当然の事を尋ねると、2人は視線をらす。

「それを言われると……」

 兄達2人は、その事をすっかり忘れバイクに夢中になっていたらしい。 
 男性ってバイクが好きだよね~。

 気になったので何を購入したのか確認すると、ハー〇ーだった。
 そりゃ落ち込む訳だ……。

 かなり奮発して購入したバイクが、ただ置物・・になってしまったのだから……。
 兄達はバイクに乗った事がなく、運転の仕方を全く知らなかったようだ。

「じゃあ、お父さんに教えてもらえば?」

 私が解決策を提案すると旭が食いついてくる。

「沙良ちゃんのお父さん、バイクに乗れるの!?」

「確か、若い頃に乗っていたって聞いた事があるよ」

「本当!? やった~!」

 一瞬で機嫌を直した旭を見て、やれやれと溜息を吐く。

 その後、2人を連れて実家に行き母の料理を食べた。
 勿論もちろん、父の前には迷宮ウナギの蒲焼と肝焼きが添えてある。

 兄が効能の事は上手く誤魔化してくれたらしいので、父は「今日も鰻か?」と美味しそうに食べてくれた。

 今夜こそ、頑張ってね!
 私達は邪魔にならないよう、食事が済んだら早々に退散してきました。

 お母さんは、もっと一緒にいればいいのにと寂しそうだったけど……。
 これから過ごす時間は沢山あるから大丈夫。

 そうそう旭が食事中に、早速さっそく父にバイクの運転の仕方を教えてほしいとお願いしていた。
 兄も便乗していたから、きっとこれからバイクを購入する心算つもりなんだろう。

 父は何のバイクか聞き快くOKを出していたから、もしかしたら自分もハー〇ーに乗りたいのかも?
 3人一緒にツーリング出来るようになるには、ホームの移動距離が短すぎるけどね~。
 実際はホームから半径45Km移動可能だけど、兄達は30Kmだと思っている。 

 翌日金曜日。
 土曜日にはC級冒険者のスキップ制度を受ける予定なので、今日は1日両親のLv上げをする予定だ。

 兄達と朝食を食べた後、冒険者姿に着替えて両親を迎えにいく。
 昨日Lv上げをすると伝えていたので、両親は既に着替えて待っていてくれた。

 何処どこでLv上げをしようか迷ったけど、余り人がいない場所がいいだろうとミリオネの森にマッピングで移動する。

 最初はスライムからだ。
 この魔物は10歳の子供でも倒す事が出来るので、母に槍で突いてもらった。

 哺乳類じゃないので血が出る事もない。
 母は簡単に倒せる事が分かると、楽しそうにスライムを突きまくっている。

 ステータスを確認して、無事Lvが0から1に上がった事を知り嬉しそうな表情をしていた。
 父にスライムは簡単過ぎるだろうと、つのウサギを倒してもらう事にする。

 角ウサギを見付け、まずはお手本に旭が剣で倒してみせた。
 突進しながら向かってくる角ウサギを避けた瞬間、首を切り落とす。

 ガーグ老達の指導のお陰か、高い剣の効果か……。
 それはもう一閃いっせんと言ってもいいくらい鮮やかな剣術だった。

 父はそれを見てひとつうなずくと、次に発見した角ウサギに向かって駆け出していく。
 この魔物は意外と素早いので注意が必要だ。

 いつでも対応出来るように私達が見守る中、父は突進してくる魔物へ何の動揺も見せず、すれ違いざま角ウサギの首をき切った。

「えっ?」

 これを見た私達全員が、口を大きく開けてポカンとしてしまう。
 どう見たって、素人の動きじゃない。 

 父が倒した角ウサギを片手に持ち帰ってきた。

「お父さん、剣を使うのは初めてじゃないの?」

「あぁ、昔……ちょっと習っていた時期があるんだ」

 そう言われて、私は理由に思い当たった。

 あれは7・8歳頃だったか……。
 今では見慣れた姿だけど、父は銀行マンにしてはかなり体格が良い。

 母が双子達を産む前に、「何か最近、お父さんが体を鍛えているみたいなのよね」とこぼしていたからだ。

 ついでに「夜も元気なの」とあっけらかんとして言われたので、よく覚えていた。
 この頃にはもう、なんとなく意味も分かっている。

 椎名家は結構オープンな家庭だったので、ふ~んとしか思わなかったけど……。
 普通に子供達の前でキスをする両親だったからね。
 これは父が、イギリス人のハーフである事も関係しているのかも知れない。

 剣術は、その頃に習っていたのだろうか?
 でも普通、命を絶つ行為こういにもう少し忌避感きひかんがあるんじゃ?
  
 私は父の知らない一面を見て、少し疑問を感じたのだった。

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