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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第521話 冒険者ギルドマスター オリビア・ハーレイの災難 8 ガリア様への手紙&ご両親の冒険者登録
ガリア様に断りを入れ部屋を出た後、私は再び冒険者ギルドに戻った。
受付嬢から、副ギルドマスターがお待ちですと言われる。
自室に入ると、ウォーリーが椅子から立ち上がり用件を話し出した。
「ギルマス。地下1階を拠点にしていた3パーティーが消えた。恐らく、今回の犯人だろう」
私はその内2パーティーが屋敷で死んでいる事等、おくびにも出さず彼の報告を聞く。
「3パーティーか……多いな。そいつらは、呪具を設置して直ぐにダンジョンから出たのだろう。疑われても回避出来る逃走ルートがあったのかもな」
「今回の件は、アシュカナ帝国の仕業で間違いないんだな?」
「あぁ、それは確実だ。少し前から、帝国人が何人か死んでいただろう? 設置された呪具の数からいって、大きな組織でないと無理だからな。あれは相当資金力がないと購入出来ない」
「分かった。今回は、薬師ギルドが『毒消しポーション』を販売したタイミングで助かったな。俺は少し仮眠する。何かあれば起こしてくれ」
濃い疲労が残る顔でウォーリーはそう言い、部屋から出ていった。
尋問で聞き出せた事は、まだ彼には話せない。
頃合いを見て詳細を伝えよう。
私は冒険者ギルド統括本部へ、今回の顛末を書いた羊皮紙を通信の魔道具で送った。
返事を待つ間、ガリア様へ父の筆跡を真似て手紙を書く事にする。
本人は絶対自分から仲直りしようとはしないだろうから、私が背中を押す事にしたのだ。
多少、誇張して書いた方がいいか……。
『ガリアへ
カルドサリ王国行きを命じられた際、お前に言った言葉に嘘はない。
本当に結婚してほしかったのだ。
愛していたお前と共に生きたいと願い離れたくない思いが強く、突然のプロポーズとなってしまった。
一度も性別を確認せずにいた事は、本当に悪かったと思っている。
お前は、俺の言葉を信じたくなかったのだろう。
そのために衝動的な行動に出た事も理解している心算だ。
恥ずかしい思いをさせてしまったと、今でも非常に後悔している。
出来れば、そろそろ許してくれないだろうか?
両家の不和が続いて300年。
お互いの娘と息子を結婚させる約束も叶わず、仲直りの機会を逸してしまったが、カルドサリ王国に現在2人の王族がおられる事を考えると万全の協力体制で臨む必要がある。
面と向かって伝えられないのは、美しいお前の顔を見ると未だに胸が痛むからだ。
勇気がなく、こうして手紙を通し想いを伝える事を分かってほしい。
近い内に両家が揃う機会を設け、親睦を深めたいと思っている。
もし良ければ返事が欲しい。カーサ』
こんなものか?
なるべく父の気持ちになり考えてみた文章だが、悪くはないだろう。
もう一度見直して封筒に入れる。
後は、これをガリア様に渡せば良い。
手紙を書き終わった頃に、通信の魔道具へ返信が届いた。
一度、王都へ事情説明に出向いてほしいとある。
私は了解の返答を直ぐに送り、屋敷に戻った。
屋敷に入ると、既に出立の準備をしているガリア様へ先程書いた手紙を渡す。
出国前、父から預かっていた手紙だと伝える。
ガリア様はそれを聞き眉を顰められたが、一応受け取って頂けた。
読んでもらえれば、返事は下さるだろう。
グリフォンと共に空へと舞い上がったガリア様を見送り、私は早く父が戻ってくる事を切に願った。
我ながら良い仕事をした気分だ。
これで、両家の仲も進展するに違いない。
それからサラ様が地下14階を攻略されるまで、特に問題を起こされる事はなかった。
受付嬢へ1ヶ月程、攻略を中止すると伝言を残されたと聞いた時は天にも昇る気持ちだったが……。
僅か数日でお気持ちが変わったらしく、今度は両親だという人物の冒険者登録にみえた。
はあっ?
サラ様の母親であるヒルダ様は、もう鬼籍に入られている筈ですよね?
では一体、この両親だという追加メンバーはどなたですか?
受付嬢が慌てたのは、ステータスがおかしいという理由からだ。
人物鑑定が出来る彼女へ、冒険者登録をする人物を注意して見るように指示を出していたから、2人のステータスを確認したのだろう。
私も不思議に思い、つい確認してしまいぎょっとする。
父親だという人物のLvが100を超えている!?
名前は治癒術師の御二方同様、特殊な文字で書かれ読めなかった。
年齢は42歳となっていたが、MPとHPの値がとんでもなく高い。
これは確実にステータスを偽装されている。
偽装するなら、年齢以外をした方が良いのではないだろうか?
どう考えても人族では有り得ない数値を見て、もしや影衆が直接メンバーに入り護衛をされるのかと思った。
しかし母親だという方を見て更に首を捻る。
こちらも年齢は42歳となっており、名前は特殊な文字で書かれていたがLvは0。
HPとMPは78となっていたからだ。
もう怪しすぎる。
護衛だというならLv0は有り得ない数値だ。
それに42歳でHPとMPが78なのはおかしい。
ステータスの偽装が下手過ぎます……。
もしかして、母親役の方は王族でいらっしゃいます?
そして42歳に全く見えなんですが……。
「あのっ……。本当に冒険者をされるんですか?」
思わず、そう声を掛けてしまった。
「はい、これから一緒にパーティーを組むんです。あと他に2人いますが、その2人は既に冒険者なので……。暫くしたら、C級冒険者へのスキップ制度も利用させて頂きますね」
私の心配を余所に、サラ様はにこやかに答えられる。
「……分かりました。では登録用紙に記入して下さい」
あぁ、また大問題が発生した。
それに姿変えの魔道具の意味がありませんから!
両親だというなら、もう少し似せて下さい!
辞職届を書こう。
他国に出張中の父に交代してもらい、私は引退した方がいい。
サラ様に続き2人目の王族がくるなんて……。
もう絶対無理です!
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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受付嬢から、副ギルドマスターがお待ちですと言われる。
自室に入ると、ウォーリーが椅子から立ち上がり用件を話し出した。
「ギルマス。地下1階を拠点にしていた3パーティーが消えた。恐らく、今回の犯人だろう」
私はその内2パーティーが屋敷で死んでいる事等、おくびにも出さず彼の報告を聞く。
「3パーティーか……多いな。そいつらは、呪具を設置して直ぐにダンジョンから出たのだろう。疑われても回避出来る逃走ルートがあったのかもな」
「今回の件は、アシュカナ帝国の仕業で間違いないんだな?」
「あぁ、それは確実だ。少し前から、帝国人が何人か死んでいただろう? 設置された呪具の数からいって、大きな組織でないと無理だからな。あれは相当資金力がないと購入出来ない」
「分かった。今回は、薬師ギルドが『毒消しポーション』を販売したタイミングで助かったな。俺は少し仮眠する。何かあれば起こしてくれ」
濃い疲労が残る顔でウォーリーはそう言い、部屋から出ていった。
尋問で聞き出せた事は、まだ彼には話せない。
頃合いを見て詳細を伝えよう。
私は冒険者ギルド統括本部へ、今回の顛末を書いた羊皮紙を通信の魔道具で送った。
返事を待つ間、ガリア様へ父の筆跡を真似て手紙を書く事にする。
本人は絶対自分から仲直りしようとはしないだろうから、私が背中を押す事にしたのだ。
多少、誇張して書いた方がいいか……。
『ガリアへ
カルドサリ王国行きを命じられた際、お前に言った言葉に嘘はない。
本当に結婚してほしかったのだ。
愛していたお前と共に生きたいと願い離れたくない思いが強く、突然のプロポーズとなってしまった。
一度も性別を確認せずにいた事は、本当に悪かったと思っている。
お前は、俺の言葉を信じたくなかったのだろう。
そのために衝動的な行動に出た事も理解している心算だ。
恥ずかしい思いをさせてしまったと、今でも非常に後悔している。
出来れば、そろそろ許してくれないだろうか?
両家の不和が続いて300年。
お互いの娘と息子を結婚させる約束も叶わず、仲直りの機会を逸してしまったが、カルドサリ王国に現在2人の王族がおられる事を考えると万全の協力体制で臨む必要がある。
面と向かって伝えられないのは、美しいお前の顔を見ると未だに胸が痛むからだ。
勇気がなく、こうして手紙を通し想いを伝える事を分かってほしい。
近い内に両家が揃う機会を設け、親睦を深めたいと思っている。
もし良ければ返事が欲しい。カーサ』
こんなものか?
なるべく父の気持ちになり考えてみた文章だが、悪くはないだろう。
もう一度見直して封筒に入れる。
後は、これをガリア様に渡せば良い。
手紙を書き終わった頃に、通信の魔道具へ返信が届いた。
一度、王都へ事情説明に出向いてほしいとある。
私は了解の返答を直ぐに送り、屋敷に戻った。
屋敷に入ると、既に出立の準備をしているガリア様へ先程書いた手紙を渡す。
出国前、父から預かっていた手紙だと伝える。
ガリア様はそれを聞き眉を顰められたが、一応受け取って頂けた。
読んでもらえれば、返事は下さるだろう。
グリフォンと共に空へと舞い上がったガリア様を見送り、私は早く父が戻ってくる事を切に願った。
我ながら良い仕事をした気分だ。
これで、両家の仲も進展するに違いない。
それからサラ様が地下14階を攻略されるまで、特に問題を起こされる事はなかった。
受付嬢へ1ヶ月程、攻略を中止すると伝言を残されたと聞いた時は天にも昇る気持ちだったが……。
僅か数日でお気持ちが変わったらしく、今度は両親だという人物の冒険者登録にみえた。
はあっ?
サラ様の母親であるヒルダ様は、もう鬼籍に入られている筈ですよね?
では一体、この両親だという追加メンバーはどなたですか?
受付嬢が慌てたのは、ステータスがおかしいという理由からだ。
人物鑑定が出来る彼女へ、冒険者登録をする人物を注意して見るように指示を出していたから、2人のステータスを確認したのだろう。
私も不思議に思い、つい確認してしまいぎょっとする。
父親だという人物のLvが100を超えている!?
名前は治癒術師の御二方同様、特殊な文字で書かれ読めなかった。
年齢は42歳となっていたが、MPとHPの値がとんでもなく高い。
これは確実にステータスを偽装されている。
偽装するなら、年齢以外をした方が良いのではないだろうか?
どう考えても人族では有り得ない数値を見て、もしや影衆が直接メンバーに入り護衛をされるのかと思った。
しかし母親だという方を見て更に首を捻る。
こちらも年齢は42歳となっており、名前は特殊な文字で書かれていたがLvは0。
HPとMPは78となっていたからだ。
もう怪しすぎる。
護衛だというならLv0は有り得ない数値だ。
それに42歳でHPとMPが78なのはおかしい。
ステータスの偽装が下手過ぎます……。
もしかして、母親役の方は王族でいらっしゃいます?
そして42歳に全く見えなんですが……。
「あのっ……。本当に冒険者をされるんですか?」
思わず、そう声を掛けてしまった。
「はい、これから一緒にパーティーを組むんです。あと他に2人いますが、その2人は既に冒険者なので……。暫くしたら、C級冒険者へのスキップ制度も利用させて頂きますね」
私の心配を余所に、サラ様はにこやかに答えられる。
「……分かりました。では登録用紙に記入して下さい」
あぁ、また大問題が発生した。
それに姿変えの魔道具の意味がありませんから!
両親だというなら、もう少し似せて下さい!
辞職届を書こう。
他国に出張中の父に交代してもらい、私は引退した方がいい。
サラ様に続き2人目の王族がくるなんて……。
もう絶対無理です!
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