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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第546話 椎名 響 24 秘密のLv上げ 2 地下30階~地下29階
地下30階の魔物を倒した後、沙良が戦利品のマントと杖をアイテムBOXに収納する。
俺はアンデッド系装備は呪いの品だから、回収した事は一度もない。
沙良のパーティーには、光魔法が使える2人がいたから浄化を掛けていたんだろう。
浄化を教会の司祭に頼むと金貨10枚(1千万円)必要になる。
浄化済みの品は、その分上乗せし販売されるので上位貴族しか着る事が出来ない。
リッチ系のマントは、貴族が見栄を張るための商品だ。
需要がある割に、冒険者が回収しないのでマントは人気があったが……。
沙良は勿体ないからと、全て回収していそうだ。
リッチ系の杖は、種類に依ってMP値が増えるんだったな。
確か一番低い物で1割、地下30階にいた上位種の杖は2割くらい。
そもそもMP値が多くない冒険者達は使用しないので、魔法学校に通う生徒専用になっている。
これも購入出来るのは上位貴族だけだ。
杖1本に金貨10枚(1千万円)を出せる親は多くない。
それでも子供のために、少しでも良い物を買ってやりたいと願う親もいるんだろう。
教会は貴族から金を集めるため、購買意欲を意識的に操作していた節がある。
あの組織は本当に、裏で何をやっているか分からんな。
リッチの戦利品から俺がそんな事を考えていると、沙良が次は地下29階に行くと言う。
初めてダンジョンの最終階層にきたが、ここには他の魔物は出ないそうだ。
20畳くらいの広さしかない場所に、尚人君が11年間ダンジョンマスターとなり閉じ込められていた事を知り、想像を絶する孤独感によく耐えたと思う。
俺は独りで耐えられるだろうか?
見えている階段を上がり、地下29階に移動する。
そこは一面が砂漠になっている階層だった。
これは厄介だな……。
摩天楼のダンジョンでも砂漠の階層があったが、砂に潜っている魔物が多い。
砂の上を歩いていると突然姿を現すため、どうしても初動が遅れるのだ。
泰雅に騎乗したまま砂漠を移動している途中、従魔の動きが体に伝わる。
進行方向より僅かに逸れた視線の先へ、灰色のウサギが出現。
俺が魔物を見た瞬間、泰雅が意を汲んで魔物へと走り出した。
おおっ!
そんな事も従魔は出来るのか!
これは、ご主人様の代わりに早く倒せという意味だろう。
望み通り、魔物に接近すると首を刎ねる。
倒した魔物を、泰雅が口に咥えて戻り沙良の足元に置いた。
まるで戦利品を献上するような仕草だな。
沙良が泰雅の頭をひと撫でし、魔物をアイテムBOXに収納する。
いや、狩ったのは俺なんだが……。
泰雅は倒した魔物を運んだだけだぞ?
俺に何か労いの言葉はないのか?
「お父さん。Lvが上がっていると思うから、ステータスを確認してみて? 幾つになってる?」
また娘にLvを聞かれた。
前回はLv10だと答えたから……。
地下30階層の魔物なら倍くらいでいいだろう。
中途半端な数字だと、また聞かれた時に忘れてしまう。
念のため数値も計算しておこう。
Lv20だと78×21で1,638だな。
実際のLv125の数値は1,890だから、直ぐに逆転しそうだ。
「……Lv20だ」
俺は今Lv20だと言い聞かせ、数値を聞かれても問題ないよう1,638と心の中で何度も繰り返す。
が、娘は数値には興味がないのか聞いてこなかった。
忘れた頃に聞かれない事を願おう。
その後、沙良から「この階層の魔物はLv上げのために全て倒してね」と言われる。
いや娘よ。
俺はダンジョン攻略2日目に、地下29階の魔物を倒せと言われた事はガーグ老にだってないんだが……。
ちょっと無茶振り過ぎないか!?
いくら剣術の腕があると知っても、普通はさせないと思うぞ?
やはり、感覚がおかしい気がする。
娘のLv上げの方法は、相当ハードなものになりそうだ。
沙良の言葉を聞き、張り切った泰雅が砂漠の上を縦横無尽に駆け抜ける。
その度に出現する魔物を、俺は次々と倒していった。
魔物が出現しなくなるまで、娘は俺の姿をマッピングで見ながら倒した獲物をアイテムBOXに収納しただけだった。
なんて事だ!
摩天楼のダンジョンで狩った獲物の数より多いじゃないか!
泰雅と戻り次は湖に行く。
湖に向かいサンダーボールを撃つよう言われたので、新しく覚えた魔法を放つと水面に沢山の大きな蟹と1匹の巨大なタラバガニが浮き上がる。
水の中にいる魔物を感電死させて倒すのか……。
俺は、意外な魔法の使用方法に感心する。
ダンジョンで魔法を使用する事はなかったため、これからは魔法攻撃も併せて戦略を練らないといけないな。
折角、4属性魔法以外も覚えたんだ。
使わない手はない。
そういえば、この階層の魔物から魔法は習得出来ないんだろうか?
沙良に確認すると怪我をした時、何の魔物にやられたか言い訳に困るから魔法を受けてはいないそうだ。
何も考えていないようだが、そこら辺はちゃんと考えているらしい。
余程、内緒のLv上げがバレるのが怖いんだろう。
独りで最終階層から逆に攻略していたと知られれば、お説教だけじゃ済まないか。
最悪、ダンジョン内での単独行動は全て禁止される可能性がある。
それにしても、この巨大なタラバガニは……。
もしかして、今日のパスタに入っていた魔物だろうか?
生の蟹身を、どうやって手に入れたのか不思議だったんだ。
スーパーには生のタラバガニは売っていないし。
「蟹は冷凍物じゃなかったんだな」
「うん、湖には食べられる魔物が生息しているんだよ。蟹食べ放題だからお得だよね~」
娘は蟹の魔物が食べ放題だと単純に考えているらしい。
これには苦笑してしまう。
かなりの数がいたから、普通の冒険者は逃げ出すと思うぞ?
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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俺はアンデッド系装備は呪いの品だから、回収した事は一度もない。
沙良のパーティーには、光魔法が使える2人がいたから浄化を掛けていたんだろう。
浄化を教会の司祭に頼むと金貨10枚(1千万円)必要になる。
浄化済みの品は、その分上乗せし販売されるので上位貴族しか着る事が出来ない。
リッチ系のマントは、貴族が見栄を張るための商品だ。
需要がある割に、冒険者が回収しないのでマントは人気があったが……。
沙良は勿体ないからと、全て回収していそうだ。
リッチ系の杖は、種類に依ってMP値が増えるんだったな。
確か一番低い物で1割、地下30階にいた上位種の杖は2割くらい。
そもそもMP値が多くない冒険者達は使用しないので、魔法学校に通う生徒専用になっている。
これも購入出来るのは上位貴族だけだ。
杖1本に金貨10枚(1千万円)を出せる親は多くない。
それでも子供のために、少しでも良い物を買ってやりたいと願う親もいるんだろう。
教会は貴族から金を集めるため、購買意欲を意識的に操作していた節がある。
あの組織は本当に、裏で何をやっているか分からんな。
リッチの戦利品から俺がそんな事を考えていると、沙良が次は地下29階に行くと言う。
初めてダンジョンの最終階層にきたが、ここには他の魔物は出ないそうだ。
20畳くらいの広さしかない場所に、尚人君が11年間ダンジョンマスターとなり閉じ込められていた事を知り、想像を絶する孤独感によく耐えたと思う。
俺は独りで耐えられるだろうか?
見えている階段を上がり、地下29階に移動する。
そこは一面が砂漠になっている階層だった。
これは厄介だな……。
摩天楼のダンジョンでも砂漠の階層があったが、砂に潜っている魔物が多い。
砂の上を歩いていると突然姿を現すため、どうしても初動が遅れるのだ。
泰雅に騎乗したまま砂漠を移動している途中、従魔の動きが体に伝わる。
進行方向より僅かに逸れた視線の先へ、灰色のウサギが出現。
俺が魔物を見た瞬間、泰雅が意を汲んで魔物へと走り出した。
おおっ!
そんな事も従魔は出来るのか!
これは、ご主人様の代わりに早く倒せという意味だろう。
望み通り、魔物に接近すると首を刎ねる。
倒した魔物を、泰雅が口に咥えて戻り沙良の足元に置いた。
まるで戦利品を献上するような仕草だな。
沙良が泰雅の頭をひと撫でし、魔物をアイテムBOXに収納する。
いや、狩ったのは俺なんだが……。
泰雅は倒した魔物を運んだだけだぞ?
俺に何か労いの言葉はないのか?
「お父さん。Lvが上がっていると思うから、ステータスを確認してみて? 幾つになってる?」
また娘にLvを聞かれた。
前回はLv10だと答えたから……。
地下30階層の魔物なら倍くらいでいいだろう。
中途半端な数字だと、また聞かれた時に忘れてしまう。
念のため数値も計算しておこう。
Lv20だと78×21で1,638だな。
実際のLv125の数値は1,890だから、直ぐに逆転しそうだ。
「……Lv20だ」
俺は今Lv20だと言い聞かせ、数値を聞かれても問題ないよう1,638と心の中で何度も繰り返す。
が、娘は数値には興味がないのか聞いてこなかった。
忘れた頃に聞かれない事を願おう。
その後、沙良から「この階層の魔物はLv上げのために全て倒してね」と言われる。
いや娘よ。
俺はダンジョン攻略2日目に、地下29階の魔物を倒せと言われた事はガーグ老にだってないんだが……。
ちょっと無茶振り過ぎないか!?
いくら剣術の腕があると知っても、普通はさせないと思うぞ?
やはり、感覚がおかしい気がする。
娘のLv上げの方法は、相当ハードなものになりそうだ。
沙良の言葉を聞き、張り切った泰雅が砂漠の上を縦横無尽に駆け抜ける。
その度に出現する魔物を、俺は次々と倒していった。
魔物が出現しなくなるまで、娘は俺の姿をマッピングで見ながら倒した獲物をアイテムBOXに収納しただけだった。
なんて事だ!
摩天楼のダンジョンで狩った獲物の数より多いじゃないか!
泰雅と戻り次は湖に行く。
湖に向かいサンダーボールを撃つよう言われたので、新しく覚えた魔法を放つと水面に沢山の大きな蟹と1匹の巨大なタラバガニが浮き上がる。
水の中にいる魔物を感電死させて倒すのか……。
俺は、意外な魔法の使用方法に感心する。
ダンジョンで魔法を使用する事はなかったため、これからは魔法攻撃も併せて戦略を練らないといけないな。
折角、4属性魔法以外も覚えたんだ。
使わない手はない。
そういえば、この階層の魔物から魔法は習得出来ないんだろうか?
沙良に確認すると怪我をした時、何の魔物にやられたか言い訳に困るから魔法を受けてはいないそうだ。
何も考えていないようだが、そこら辺はちゃんと考えているらしい。
余程、内緒のLv上げがバレるのが怖いんだろう。
独りで最終階層から逆に攻略していたと知られれば、お説教だけじゃ済まないか。
最悪、ダンジョン内での単独行動は全て禁止される可能性がある。
それにしても、この巨大なタラバガニは……。
もしかして、今日のパスタに入っていた魔物だろうか?
生の蟹身を、どうやって手に入れたのか不思議だったんだ。
スーパーには生のタラバガニは売っていないし。
「蟹は冷凍物じゃなかったんだな」
「うん、湖には食べられる魔物が生息しているんだよ。蟹食べ放題だからお得だよね~」
娘は蟹の魔物が食べ放題だと単純に考えているらしい。
これには苦笑してしまう。
かなりの数がいたから、普通の冒険者は逃げ出すと思うぞ?
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇