自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第556話 迷宮都市 ポーションの浄化をしに薬師ギルドへ

 異世界の家からシルバー・フォレスト・泰雅たいがの背にそれぞれが乗り、薬師ギルドへ向かった。
 従魔が1匹増えたから、いつも2人乗りをしていた兄達も今日は1人で騎乗する。
 旭は泰雅たいがではなく可愛がっているシルバーに乗りたかったようだけど、シルバーが主人である私を優先させたため、寂しそうな表情をし泰雅たいがへお願いしていた。
 基本的に私の騎獣はシルバーなので、任されている事への矜持《きょうじ》があるのかも知れない。

 薬師ギルドに到着後、3匹にはギルドの外で待機をお願いする。
 冒険者ギルドと違い薬師ギルド内は広くないので、体長3mもある従魔が3匹もいたら他の客に迷惑が掛かってしまうだろう。
 受付嬢へ挨拶すると、何も言わずに応接室へ案内される。
 本当は昨日が約束の日だけど、テーブルの上にはポーションが60本置いてあった。

 兄達はギルドマスターのゼリアさんを待たず、次々と浄化を掛けていく。
 浄化されたポーション瓶が淡く光るのは、何度見ても綺麗だなぁ。
 私がその光景をぼ~っとしながら見ていると、ゼリアさんが部屋に入ってきた。
 あわてて席を立ち挨拶を交わす。

「相変わらず仕事が早くて助かるよ。浄化代も渡しておこうかね。それより、昨日は何かあったのかい?」

 約束していた日に、こなかった理由を聞かれる。
 ゼリアさんはアシュカナ帝国の件も知っているし、毒消しポーションの販売にも許可をくれた。
 ここは正直に話しておこう。
 
「実は昨日、誘拐されたんです。兄達が助けてくれたから無事だったんですけど……」

「それは……アシュカナ帝国の仕業しわざかい?」

「いえ、犯人は若い少年でした。私の姿を見掛けて、犯行におよんだみたいです」

 それを聞いたゼリアさんが、しぶい表情をする。
 勿論もちろん、場所が王都だった事や犯人が他国の留学生であるのは伏せた。

「うちの次代は何をしておるのかねぇ。まだその時ではないのか……」

 時代?
 またボケだしてしまったのか、会話がみ合わない。

「他には何もなかったかい?」

「ええっと、アシュカナ帝国の王から9番目の妻に狙われているみたいです」

 どうせ盛大に結婚式を挙げるから、事情を知ってもらった方がいいと話した。

「それは……、何としても阻止せねばならんな。対策は考えておるかえ?」

「はい。知り合いにとても強い方がいるので、その方と偽装結婚をする心算つもりです」

「あぁ、暗殺者を送り込まれるだろうからね。あの国の王も、体裁は気になるだろうよ。これから、あんた達も充分警戒おし。まだ人数がそろわないようだからね」

 ゼリアさんは壁を見つめながらそう言って、最後に意味が分からない言葉を残し部屋を出た。
 人数って……何の?
 私達は、お互い顔を見合わせ首をかしげる。

「お兄ちゃん。ゼリアさんは、何か知っているのかな? それとも今日はボケまくりだったの?」

「それは……俺にも分からん」

「あ~俺は、ボケてる方に一票!」

 兄は回答を避け、旭はボケている方だと言った。
 普段はとてもしっかりしてみえる彼女が、いつも突然ボケてしまうから対応に困る。
 それでも薬師ギルドマスターを続けられるなら、仕事の方は問題なく出来るんだろう。
 今日は、亡くなったお爺さん相手の独り言ではなかったようだけど……。

 浄化代を私と旭がアイテムBOXに入れ、薬師ギルドを出た。
 帰り道は従魔に乗らず徒歩で歩く。
 たまには自分の脚で歩かないと運動不足になるからね。
 
「そう言えば沙良。昨日は何故なぜ、王都にいったんだ?」

「ドワーフの武器屋にいったんだよ~。お父さんが、ガーグ老に教えてもらったみたい」

 兄から王都にいた理由を聞かれて、ドワーフを見にいったと伝える。

「王都には、ドワーフの鍛冶師がいるのか?」

「うん、初めて会ったけど全然分からなかった! あれ? お父さんはどうして、ドワーフだと分かったのかな?」

 少し疑問に思っていると、旭がドワーフに会いたいと言う。
 あ~それは、少し待った方がいいかも?
 あまり短期間に王都と迷宮都市を移動するのは、移動手段が限られている異世界でまずい。
 誤魔化すにも限度がありそうだし……。

 ただ、近い内に王都の冒険者ギルドで従魔登録をする必要はありそうだ。
 今のままだと、迷宮都市以外では従魔達を連れ歩けず困ってしまう。
 ドワーフの鍛冶師に会うのは、その時までお預けだと答えると2人がガッカリした表情を見せる。
 男性は武器を見るのが好きだよね~。
 またロマン武器が見付かるといいなぁ。

 今度は捕捉した相手に対し自動追跡機能があればいう事なしだ! 
 それなら、きっと私でも使いこなせるだろう。
 まだ見ぬ戦利品に想いをせ、異世界の家からホームへ戻る。
 まだ時間があるからと、2人はこれからジムにいくらしい。

 私は3人の女性陣と合流しようか迷ったけど、特に買いたい物もないし止めておいた。
 久し振りに、喫茶店でウインナーコーヒーを飲みながら読書でもしよう。

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