自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第557話 迷宮都市 それぞれの休日&高級中華料理店

 7人パーティーになってから初めてのまともな休日だ。
 兄のマンションへ引っ越し、しずくちゃんとお母さんの引っ越し、両親の召喚と、この所バタバタしていたからたまにはのんびりしよう。
 といっても14時を過ぎているため、父を迎えにいくまで3時間くらいしかないんだけど。
 私は、お気に入りの喫茶店に入り電子メニューからウインナーコーヒーを注文。
 
 本当は一緒にケーキを食べたかったけど、最近とある事情・・・・・でデザートを食べる機会が増えたから自重する。
 いくら若く代謝が良い体でも、特に毎日運動している訳じゃないためカロリーオーバーは否めない。
 ダンジョン内を従魔で移動するため、冒険者活動をしている時は以前より動かなくなった。
 それでも兄達は、毎週ジムに通い運動しているから太る事はなさそうだ。

 スマホのアラームを16時30分に設定し、アイテムBOXから本を取り出し続きから読み始める。
 小説を読んでいると、夢中になり時間を忘れてしまうからアラームは必須だよね。
 楽しい時間は、あっという間に過ぎるのだ。
 設定したアラーム音が鳴り、2時間半が経過したと気付く。
 喫茶店を出て自宅に戻った。

 この時間なら大丈夫だろうと兄達の部屋を確認してみる。
 2人はジムの帰りなのかラフな恰好かっこうをして、リビングのソファーに座りくつろいでいた。
 昨日の今日で異世界に1人でいく訳にはいかない。
 隣の玄関を開け、兄の家にお邪魔する。

「お兄ちゃん。お父さんを迎えにいくから、一緒にきてくれる?」

「あぁ、俺がいこう」

 兄はそう言うと自室へ着替えにいった。
 待っている間、旭が夕食のメニューを聞いてくる。
 中華の気分だったので外食を提案した。
 良い店があるから、そこにしようと旭が嬉しそうに答える。
 ええっと、私がいきたいのは庶民が通う店なんだけど……。
 もしかして、テーブルの上が回転するお店ですか?

 部屋から出てきた兄とシルバー&フォレストと一緒に、ガーグ老の工房へ。
 対局中の父が終わるのを待ち、再びホームへと帰ってきた。
 今日は実家へ食べにこないのかと聞く父に、中華料理店へいくと伝えると少しうらやましそうな顔をし帰っていった。
 この時間なら既に母が夕食の準備を始めているから、残念に思ったのかも。

 そして旭お薦めの中華料理店に兄が運転し到着。
 見た瞬間、万札が飛ぶ光景が頭をぎった……。
 あぁやっぱり、テーブルの上が回転するお店だったよ!
 今までは外食時に精算するのは私だったけど、日本円を持った2人がおごってくれるだろう。
 他人の財布なら懐は痛まない。
 今日は、好きなメニューを注文しよう。 

 店内に入ると、いかにも中華っぽい赤色にいろどられた室内で目がチカチカする。
 好きな物を頼んでいいと、兄が太っ腹な台詞せりふを言い電子メニューを渡してきた。
 勿論もちろん、遠慮なんてしませんよ!
 飲み物は菊花茶、小籠包しょうろんぽうつばめの巣のスープ・フカヒレの姿煮・北京ダック・上海蟹・中華ちまき・杏仁豆腐を注文。
 少し量が多いかもしれないけど、残ったら持ち帰ればいい。
 兄達は紹興酒しょうこうしゅを注文し、エビチリや数点の点心に酢豚や回鍋肉ほいこうろうを頼んでいた。

 回転するテーブル台に全ての料理が並ぶと圧倒される!
 これが満漢全席というやつか?
 北京ダックは、1匹のアヒルがそのままの姿で提供された。
 兄が慣れた手付きで切り分けてくれる。
 私は薄餅バオビンを手に取り、切り分けられた北京ダックにキュウリと甜麺醤てんめんじゃんを一緒に巻いてかぶりつく。
 初めて食べたけど、美味しい!
 上海蟹は時間が掛かりそうだから、最後に食べよう。

 次は夢にまで見た、フカヒレの姿煮だぁ~。
 うんこれも今までスープにほんの少し入った物を食べた時と違い、しっかりとした独特の食感が楽しめる。
 小籠包は、中に入っているスープが絶品だった。
 火傷しないよう、最初に皮を破ってから食べるのがお約束。
 刻んだ生姜と黒酢を掛けると、味変になり幾らでも食べられそうね。

 燕の巣のスープは、原料を考えると躊躇ちゅうちょしてしまうけど……。
 一応高級食材だから試してみよう。
 これは巣自体に味はないみたいだから、食感を楽しむ物なのかしら?
 まるで寒天を食べているような……。
 小市民の私には価値が理解出来ない食べ物だった。
 もう寒天でいいような気がする。

 この時点で結構お腹が一杯になったので、中華ちまきはアイテムBOXへ収納だ。
 小腹が空いた時に食べよう。
 そして、お待ちかねの上海蟹ですよ。
 これもずっと食べてみたかったんだよね~。

 今は1月なのでおすを選択。
 秋なら卵を持っているめすにしたんだけどなぁ。
 かなり小さい蟹なので、兄達は絶対面倒くさいと言いそうだ。
 私は美味しければ多少手が掛かっても気にしない。
 脚を外して、お腹の部分と甲羅を取り外す。
 後は、他の蟹と同じように蟹身をほぐし全てを甲羅の中へ。
 濃厚な蟹味噌と混ぜながら、一口食べると蟹の旨味が口中に広がる。
 あぁ~、幸せ~。

 ダンジョン産の沢蟹も美味しいけど、上海蟹とはまた違う味だ。
 もう1匹追加して2匹分を完食し、最後に杏仁豆腐を食べたらお腹が苦しくなる。
 少し食べ過ぎたみたい……。

 私が蟹と格闘している間に、兄達も食べ終わり店を出る。
 昨日は誘拐騒ぎで休日を楽しめなかったけど、今日は読書もしたし美味しい料理も食べ大満足の1日となりました。
 あっ、お会計は兄が払ってくれましたよ!
 怖くて値段が聞けなかったけど、幾らになったのかな?

 明日は地下27階を攻略しよう。
 湖の魔物が今から楽しみで仕方ない。
 沢蟹・タラバガニ・帆立ほたて貝・あわびとくれば……。
 きっと海老よね~。
 そんな希望を抱き、この日はぐっすりと朝まで眠った。

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