自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第565話 迷宮都市 地下15階 SS級冒険者だったセイさんのパーティー加入

 セイさんからの思わぬ申し出に、私は聞きたい話を忘れてしまった。
 まさか一緒にパーティーを組みたいと言われるなんて予想外過ぎる。
 後輩からの言葉に、父はどうするんだろうと様子をうかがうと考え込んでいるようだ。
 知り合いだし、下の名前で呼ぶくらいだから仲が良かったんだろう。
 この世界で35年冒険者をしているなら、即戦力になる。
 S級冒険者は、私のパーティーにいないからね。

 元日本人なら秘密を話してもいいし、加入する事自体に問題はなさそうだ。
 ただ摩天楼まてんろうのダンジョンにいるセイさんと、どうやって知り合ったか辻褄つじつまを合わせる必要はあるかも。
 私がそんな事を考えていると、黙っていた父が口を開く。

ひじり、お前いまLvは幾つだ?」

「Lv100になったばかりです。このダンジョンの50階を攻略してますが……」

「Lv100で、まだS級冒険者なのか?」

 父はセイさんのLvを聞いても驚かず、まだ・・S級冒険者なのかと返していた。
 Lv100は私の目標なのに……。
 もっと、すごいとめてあげてよ!

「あっ最近SS級冒険者に昇格しました」

 おっと、セイさんはS級からSS級冒険者になっていたようだ。
 A級以上の冒険者が、どう昇格するのか知らないけどかなり少ないとは理解出来る。
 なのに父は、その答えにも無感動だった。

「そうか……。お前が突然抜けて、パーティーメンバーは困らないのか? 最終攻略組だろう?」

「それは大丈夫です。運命の人を見付けたら、パーティーを抜ける約束で入ってますから」

 セイさんにとって、運命の人はかなり重要な存在らしい。
 真面まともに恋愛をした経験がないのかな?
 今時、運命を感じるなんて……。
 きっと純粋な人なんだろう。

「訳あって今直ぐは難しい。俺達は7人パーティーだが、残りの5人は迷宮都市のダンジョンを攻略中だ。このダンジョンにいるのは内緒だからな。午前中は迷宮都市、午後からは摩天楼のダンジョンと変則的な攻略を娘としている」

「それはまた……随分ずいぶんと変わった攻略の仕方ですが、メンバーへ内緒にしている理由でも?」

「あぁうちの長男が、かなり妹に過保護でな。Lv上げの攻略階層を誤魔化す必要があるんだよ」

「過保護な長男……。何故なぜか知っている感じがします」

「お前は会った事ないと思うぞ?」

「う~ん、何か引っかかるんですよねぇ。運命の人でしょうか?」

「お前の運命の人・・・・は何人いるんだ! 俺の子供達ばかり止めてくれ。それに残念だが、長男は結婚済みだ」

「そうですか……。取りえず、今からパーティーメンバーに抜けると報告してきます」 

 そう言い、セイさんは止める間もなくテントから飛び出していった。
 行動が早すぎて目が点になる。
 えっ?
 人の話を聞かないタイプ?
 父が今直ぐは難しいと断ったばかりなのに……。

「あ~悪い沙良。パーティーメンバーに聖も追加してくれ。知り合いでSS級冒険者なら、役に立つだろう」

 父は、かなり合理的な考えでセイさんの加入を決めたようだ。
 知り合いが異世界で独りだから、可哀想かわいそうだとは思わないらしい。

「お兄ちゃん達に、どうやって説明するの? セイさんが、摩天楼のダンジョンにいると知ってるよ?」

「まぁ、何か後で理由を考えよう。しばらくは、こちらのダンジョンに待機してもらう他ないな」

「一度地上へ帰還するらしいから、明日どこかで待ち合わせしないとね」

 30分後、再びセイさんがテントに戻ってきた。
 パーティーメンバーとは話が付いて、この後はもう自由になったと言う。
 それなら、今日はホーム内で泊まった方がいいだろう。
 セイさんを連れてホームに移転し、市内のホテルへ移動する。
 日本円は、彼が持っていた金貨を父が換金し渡した。
 ホーム内は距離が限られているけど移動出来る事や、飲食店やスーパーやコンビニも無人だけど24時間営業している事等を伝える。

 セイさんは日本と同じ景色のホーム内に、驚き唖然あぜんとしているようだった。
 私達はもう時間なので、迷宮都市に帰らなければいけない。
 ホーム内で1人にしても大丈夫だろう。
 久し振りの日本生活を楽しんでいる間に直ぐ慣れると思う。
 夕食後また会いにいくと断り、私達は迷宮都市の安全地帯へ戻った。
 問題を先送りにしてしまったけど、父は何かいい理由を考え付くのかな?

 食事を終えてホーム内に戻り兄達を再び安全地帯へ送り届けた後、父と一緒にセイさんへ会いにいく。
 ホテルへ到着後、セイさんを探すと部屋にいない。
 ひょっとして飲みに出かけたかも?
 異世界のお酒は兄達には不評だったから、日本のお酒を飲みたいだろうし……。
 無人だと念を押したので、綺麗なお姉さんがいる店にはいってないと思う。
 ホテル最上階にあるバーの店内を探すと、セイさんを発見!

 既に彼は酔っており、話が出来る状態じゃなかった。
 まぁ、仕方ない。
 異世界生活が長かった分、飲みすぎたんだろう。
 父が酔ったセイさんを抱き上げ部屋へ運び、ベッドに寝かしてあげた。
 サイドボードへ明日の昼過ぎ、迎えにいくと書いた紙を残し私達も帰る。
 二日酔は大丈夫かな?

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