自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第567話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ14(摩天楼のダンジョン21階)魔法の習得&MAXポーションの完成

 私はセイさんへ現在覚えている魔法を確認した。
 すると、『手紙の人』から与えられた鑑定・火魔法(ファイアーボールLv20、ファイアーアローLv20・ファイヤーニードルLv20)・水魔法(ウォーターボールLv20、ウォーターアローLv20・ウォーターニードルLv20)以外は何も習得していないらしい。
 おや?
 魔法Lvは10が最高じゃなかったのかな?

「セイさん。火魔法と水魔法のLvを、どうやってLv20にしたんですか?」

「基本Lvが50を超えたら、魔法Lvの上限が解除されるみたいで20まで上がるんです。ただ、この世界の人達はLv10のままらしいですけど……」

「へぇ~、それは知りませんでした。あっ、多分ですけどセイさんは転移者なので、魔物から魔法を体に受けると習得出来ると思います」

「それ、よく試してみる気になりましたね。怖くありませんでしたか?」

「私は48歳の時に異世界転移したから、基礎値が48と高いんです。MP値の上がりも早く魔法耐性があったので、それほど痛くはなかったですよ? セイさんは基礎値が30でLv100なら、MPが3,030ありますよね。ならどんな魔法を受けても大丈夫だと思います」

「あぁ、それは沙良の言う通りだ。俺もダンジョンの魔物から魔法を受けて、色々習得したが痛みはほとんどなかったな」

 父が魔法の習得に関し、腰が引けているセイさんへ問題ないと伝える。

「それなら……試してみます」

 覚悟を決めたセイさんに、21階で覚えていない魔法を使用する魔物を教えてもらい索敵した。
 氷魔法のアイスニードルを使う、スノーキャットを発見。
 場所を教え、魔物へ近付き魔法を受けてもらう。
 一瞬、魔法を避けそうになっていたけど……。
 セイさんは、その場で留まりアイスニードルの魔法を受けていた。
 スノーキャットは、私が瞬殺してアイテムBOXへ収納する。
 ステータスを確認したセイさんが、嬉しそうな顔をし戻ってきた。

「アイスニードルの魔法を覚えました!」

「良かったですね~。ちなみに、このダンジョンでナイトメア(女性体)は出現しますか?」

「う~ん、50階層までの魔物にはいないと思います。魅了みりょう魔法も習得可能なのか……」

「いえ、魅了魔法でテイム出来るからナイトメア(女性体)がいたら良かったんですけど……」

「はっ? 魅了魔法でテイム?」

 私の言った内容が理解しがたいようで、セイさんは困惑こんわくげに父へ視線を向けた。

「あ~、俺もよく分からんが……。魔物を魅了するとテイム魔法が習得出来るそうだ」

「ええぇ~!? 何ですか、その反則技のようなテイム方法は……」

 セイさんは魔物から魔法を受けて習得出来るより、テイム方法の仕方に驚いているらしい。
 私は最初から魅了でテイム魔法を覚えたから、特に驚かなかったんだけど……。

「もし他にも習得したい魔法があれば、ここは父と攻略するので1階へ送りましょうか?」

「それは、1人でダンジョン攻略しろという意味ですか? ひびきさん、沙良さんは可愛い顔して無茶言いますね……」

「……悪い。異世界にきて2週間なのに、摩天楼まてんろうのダンジョンを2人で攻略する時点で察してくれ」

 あぁ普通の冒険者は、6人パーティーでダンジョンを攻略するんだった。
 1階はアンデッド階層だから、1人じゃ無理かしら?

「じゃあ、2階に送りますよ」

「沙良……そういう問題じゃない。ひじりは俺達と一緒に攻略する」

「そうなの? 魔法はLv上げのために、早く覚えた方がいいと思うけどなぁ」

 私の返事に、父とセイさんは顔を見合わせ首を横へ振っている。
 何だろう?
 
「沙良、そろそろ時間だ。安全地帯に戻ろう」

 父にうながされテントまで戻り、ホーム内のホテルまでセイさんを送る。
 土日はダンジョン攻略をしないから、ゆっくり休んで下さいと伝え迷宮都市へ戻った。
 冒険者ギルドで換金を済ませ、ホームに帰ってくる。
 今日は実家で夕食だ。
 母は鍋をしたいらしく、久し振りにしゃぶしゃぶをする事にした。
 ポン酢ダレと胡麻ダレを準備して材料を切る。

 しゃぶしゃぶ用の肉は、勿論もちろんミノタウロスを使用。
 原価0円で非常に経済的だ。
 迷宮ウナギの蒲焼と肝焼きも出すと、父が喜んでいる。
 うんうん、沢山食べてね~。
 食事が終わると、父が兄達にポーションへヒールを掛けてくれるようお願いしていた。
 それを鑑定後、満面な笑みを浮かべたので、どうやら効果はあったらしい。

 明日、兄達がポーションを浄化する時に薬師ギルドへ父もいくと言っている。
 薬師ギルドマスターのゼリアさんは、少しボケているから注意が必要だ。
 父へ突然関係ない話をし出すけど、気にしないよう伝えておく。
 お爺さんを失くして可哀想かわいそうな人だからね。
     
 翌日、土曜日。
 少し寝不足気味の父と兄達の4人で奏屋かなでやに寄り果物を卸した後、薬師ギルドへ向かう。
 ギルドの受付嬢から応接室へ案内され部屋に入る。
 準備されているポーションへ、兄達が浄化を掛けていった。
 数分後、ゼリアさんがきたので立ち上がり父の紹介をする。

「ゼリアさん。私の父です」

「ゼリア……様。父親のひびきと申します」

 するとゼリアさんを見た父は、自己紹介をした後で背筋をピンと伸ばし深々と一礼した。
 ゼリア
 冒険者ギルドマスターのオリビアさんに会った時は、様付けなんてしなかったのに……。
 ご高齢の方だからうやまうのは分かるけど、父だって実際は78歳だ。
 ギルドマスターという役職に、敬意を表すにしても不自然な気がする。

「おや……。長生きしてみるもんだね。サラちゃんの父親に会えるなんて光栄だ。生きていなさったか王……お主の娘には世話になっておる。あぁ、ややこしいね。一緒にきたのなら、何か相談がありそうじゃな」

 ゼリアさんの言葉を聞いた父は、時間を無駄にせず早速さっそく話を切り出した。 

「はい。このポーションを鑑定して下さい。これは息子達がヒールを掛けた物です」

「ポーションにヒールを掛けたのかい? どれ、見てみよう。ふむ、HP回復量がMAXになっておるな……」

「これはエリクサーと同じ回復量です。原料・・は違いますが、どうか販売許可を下さい!」

 そうして再び父は、ゼリアさんに頭を下げた。
 
「エリクサーの一般販売は、お主の悲願であったの……。分かっておるだろうが、エリクサー・・・・・として販売する事は出来ん。だが別の名前でなら薬師ギルド統括マスターである私の権限で、迷宮都市限定にはなるが許可を出そう。そうさね、MAXポーションとでもしようか」

「ありがとうございます!」

 そうお礼を述べた父は、目に涙を浮かべている。
 昨日ダンジョンで亡くなった冒険者を知り、その現実を案じたのだろうか……。
 父の意外な姿に私も感動する。
 ずっと、危険を伴う冒険者達が心配だった。
 支援をしている子供達は冒険者にしかなれないからだ。
 エリクサーと同程度の回復が見込めるポーションが買えるようになれば、冒険者達の死亡率はかなり下がるだろう。
 ただ、2人の遣り取りに違和感を覚えるのはどうしてなのか……。

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