自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第582話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ16(摩天楼のダンジョン27階)&白梟便

 2人が治療を終えるのを待ち、テントからホームに戻り休憩する。
 そして3回目の攻略開始。
 父と再び摩天楼まてんろうダンジョン27階のテント内へ移動。
 セイさんはマジックバッグからテーブルと椅子を出し、水筒に入った温かいコーヒーを飲んでいた。

 雪が降っている階層のため、テントの外で休憩する冒険者はいない。
 テント内で、魔道調理器を出し料理しているんだろうな。
 セイさんは料理担当者ではなかったのか、魔道調理器を持っていないようだ。
 ホーム内で水筒を購入してきたらしい。

 テントから出ると、久し振りにポチが上空から降りて父の右肩に止まった。
 この賢い従魔は、ダンジョン内にいる父の居場所が分かるみたい。
 父の頬へ顔をこすり付け甘えた仕草しぐさをする。
 セイさんが突然飛んできた白ふくろうに驚き、討伐しようとしたからあわてて止めた。
 この白梟は、迷宮都市でお世話になっている人の従魔だと言うと首をかしげる。

「迷宮都市から、かなり離れていますけど……。その人は今、摩天楼の都市にいるんですか?」

「迷宮都市にいると思いますよ?」

「テイムされた従魔は、勝手に主人のもとを離れたりしません。しかもひびきさんへ、なついているように見えますが……」

「お父さんが大好きみたいなの。とっても賢い従魔だから、主人には連絡してると思う。あれ? 足首に何かくくり付けられてるみたい」

 私がポチの足首に付けられた丸筒のような物を見付けると、父が足から外し丸筒の中に入っていた羊皮紙を取り出した。
 
「あ~、ガーグ老からショートブレッドのお礼の手紙だった」

 私達が月曜~金曜は、ダンジョン内にいると知っているはずなのに?
 態々わざわざ、ポチを梟便にしたのかな?
 ポチは律儀りちぎに手紙を届けるため、摩天楼のダンジョンまで父を探し運んでくれたのだろう。
 かなり遠いお遣いになり、悪い事をしてしまったな。
 しかも昨日の今日だ。
 迷宮都市から摩天楼のダンジョンまで、馬車で1ヶ月の距離を1日も掛からず飛んでくるとは……。

 ポチをねぎい頭をでてあげると、父の肩から地面に降りる。
 そして数歩進み、こてんと転がった。
 それを2度ほど繰り返す。
 可愛い仕草しぐさだけど、これは魔力切れだと伝えているんだろう。
 以前、シルバーに魔力がなくなった時どうなるか聞いたら同じ行動をしていた。

「お父さん。ポチは、ここまでくるのに魔力をほとんど使用しちゃったみたい」

「あぁ、そうらしいな。折角せっかく、手紙を届けてくれたのに俺達が移動するのは可哀想かわいそうだ。今日は21階から27階まで上がってきたし、これ以上階層を上がるのは中止しよう」

「じゃあ、30階へいくのは明日だね。お父さんは、セイさんと一緒に27階の魔物を倒してて。私は、ポチにハイエーテルを飲ませてからガーグ老へ返事を書くよ。あっ、手紙を読ませてくれる?」

 父は羊皮紙を私に渡し、セイさんと泰雅たいがに乗り安全地帯から出ていった。
 ポチに声を掛けテント内へ入ると、ハイエーテルを出し飲ませる。
 魔物にポーションが効くなら、エーテルも効果があるだろう。
 羊皮紙には小さな文字でガーグ老から、ショートブレッドのお礼が書いてある。
 ただ父が筒から取り出した際、一瞬見えた枚数は2枚だったような?
 もう1通は、父宛ての物だったのか……。

 私は『14種類のショートブレッドを作ったから、来週渡すので楽しみにして下さいね』と書いた手紙を丸筒の中に入れた。
 ポチが心配だから、このままテント内でマッピングを使用し魔物を倒そう。
 冒険者と交戦していない魔物を探し、脳を石化させアイテムBOXに収納していく。
 父とセイさんは泰雅たいがから降り、魔物を倒してはマジックバッグに入れている。
 セイさんは新しく覚えた魔法を、積極的に使用しているみたいだ。
 父は、相変わらず剣での接近戦がメインのようだ。

 いつか魔法無効の魔物が出現するかも知れないので、父が剣術Lvを上げるのは賛成。
 しずくちゃんより、剣術Lvは上がったかな?
 多くの魔物を倒しているから、上限のLv10まで上がっている気がする。
 HP/MPは基礎値が78と高いのでLv40でも、Lv50の私より多くなっているはず
 その分、魔法の威力も高いだろう。

 ずっと3人で冒険者をしてきた。
 やはり、見た目が大人の存在は助かる。
 迷宮都市で私達に絡む冒険者はいないけど、拠点じゃない王都や摩天楼の都市では父と一緒の方が安心だしね。
 王都で誘拐されたのは例外だろう。
 何度もそんな目にわないだろうし、シルバーと一緒にいれば危険を察知してくれる。

 だから父のLvを上げ、強くなってほしいのも事実だ。
 まぁ、あまりLvに関係なく剣術の腕は相当高そうだけど……。
 ガーグ老との仕合では、まともに剣戟けんげきを交わしていたし。
 そんな事を考えながら、魔物を見付けては倒しアイテムBOXへ収納する。
 椅子に座ったまま、テント内から討伐するのは冒険者とはいえないだろうなぁ。
 楽なので、能力をフル活用するのに躊躇ためらいはない。
 外は雪が降っているからね。

 シルバーウルフのマントを羽織はおっていても、外気温に触れる顔や手は寒さを感じるのだ。
 暖かいテント内で、ぬくぬくしていたい。
 マジックテントは魔道具だから、外気温を遮断する効果もあるらしい。
 マジック寝袋と併せて寝れば、温かく眠れそう。
 とはいえ、私は遠慮したいけど。

 兄達は、いつまで従魔と一緒に寝る心算つもりなのかなぁ~。
 テイム魔法は習得出来るのだろうか?
 3時間後、少し疲れた表情をした2人がテント内に戻ってきた。
 27階の魔物を2人で討伐するのは大変だったのかしら……。

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