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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第603話 迷宮都市 『お菓子の店』の護衛人 2&武術稽古 奏伯父さんとガーグ老の手合わせ
実家で夕食を食べ兄の家へ戻ってきた私は、コーヒーを淹れ早速気になっていた話を切り出した。
「お兄ちゃん。奏伯父さんの奥さんは、亡くなったアリサちゃんのお母さんかな? 偶然、同じ名前を付けたとは考えられないよね?」
私の質問に対し、兄と旭は一瞬黙り込む。
「沙良……。俺は相手が逆なんじゃないかと思う」
「逆っ? どういう意味?」
「俺が名乗った後、彼は気付いた様子だった。お前は姿が変わっているから分からなかったんだろう。つまり、相手はリュートさんの可能性が高い」
「えっと、それはアリサちゃんのお父さんが奏伯父さんの元妻だって事?」
「あぁ、多分。本人が俺達に言う心算があるかは分からない。既に異世界で何十年も生きてるんだ。前世は懐かしい思い出として胸にしまっているかもな。特に、彼の場合は性別が変わっているから……」
兄の話を聞き、リュートさんが言っていたのを思い出す。
「だからアリサだったのか……」この言葉は、もしかしたらアリサちゃんのお母さんが何気なく聞いた事を覚えていて付けた名前なのかも知れない。
それに奏伯父さんも、この世界で結婚し家庭を築いているから元妻がリュートさんだと知るのは複雑な気分だろう。
「まだそうと決まった訳じゃないし、両親と会わせて向こうの反応を見た方がいい。何も言わなければ、俺達は黙っておこう」
「うん、分かった。じゃあ、この件は保留だね!」
話は済んだから、兄の部屋から出て自分の家に帰った。
それにしても、知り合いの性別が違うとこんなにギャップを感じるものなのか……。
奏伯父さんの奥さんは楚々としたタイプの女性だったので、今の姿からは到底想像がつかない。
本人はどう思っているか分からないし、転生なのか転移なのかそれも不明だ。
まぁでも、アリサちゃんがお父さんと暮らせるようになったのは良かったよね!
翌日、日曜日。
早朝から嫌がる雫ちゃんのお母さんと奏伯父さんを異世界へ送り届け、炊き出しに向かう。
炊き出しに、アリサちゃんはこなかった。
リュートさんと暮らす事にしたからだろう。
炊き出しを終え子供達を見送った後、奏伯父さんと雫ちゃんのお母さんが戻ってきた。
家族の了解が得られ、冒険者を続けてもいいと言われたそうだ。
奏伯父さんは娘が冒険者として問題なくやっていけるのを確認するまで、一緒にパーティーを組むと伝えたらしい。
元々、結婚する前は伯爵家の三男だったので冒険者となり生活していたようだ。
聞いてないけど、Lvは幾つあるんだろう?
ガーグ老の工房へいき、新しいメンバーの紹介をする。
奏伯父さんはガーグ老が偽装結婚の相手と知り、かなり驚いていた。
「申し訳ないが、姪を任せるに足る技量があるか確認したい。ご老人、手合わせ願おう」
挨拶もそこそこに、奏伯父さんはマジックバッグから槍を取り出す。
父が感心したようにその槍を見ていたから、鑑定し業物であると確認したのだろう。
ガーグ老も槍を見るなり、目を瞠っている。
「ふむ、良い得物を持っておるな。その武器に見合うだけの腕があればいいがの……」
「心配には及ばん。そちらこそ、期待外れでガッカリさせないでくれよ?」
そう言って、奏伯父さんは槍を一振りさせると構えを取った。
王族の警護をしていた元近衛のガーグ老を相手に、大丈夫だろうか?
ガーグ老の長男であるゼンさんの合図で手合わせが始まる。
私は心配でハラハラしながら見ていたけど、何故か父と雫ちゃんのお母さんだけは平然としていた。
10分後。
奏伯父さんの槍術に私は驚愕する。
あのガーグ老相手に、一歩も引けを取らないとは……。
しかも腕力が勝るのか、ガーグ老の方が打ち負けているようにも見える。
その数分後、奏伯父さんがガーグ老の槍を巻き取り喉元へ槍を寸止めした事で決着がつく。
その結果に兄と旭、雫ちゃんが驚いていた。
勿論ガーグ老が勝つと思っていた私も、これには開いた口が塞がらない。
「技量ではご老人の方が上、腕力と武器の性能で私の勝ちといった所だな」
手合わせの感想をそう述べると、奏伯父さんが槍を収める。
「いやはや……年は取りたくないものだわ。儂が全盛期の頃、お相手したかったの。その方、見事であった」
「姪の相手として合格だ、ご老人。しっかりと守ってほしい」
最後に深く一礼し、こちらへ戻ってきた奏伯父さんに思わずLvを確認すると120だと返された。
SS級冒険者のセイさんでさえ、Lv100なんですけど!?
武闘派の伯父はステータスがある世界で、かなり鍛えていたらしい。
目に見える成果があるとLvを上げたくなるのは分かるけど……、貴族なのに上げ過ぎでは?
序に身体強化の魔法が使えると、こっそり教えてくれた。
それは前世に関係しているのだろうか?
その後の稽古では、ご老人に代わり雫ちゃんのお母さんの相手を奏伯父さんがしていた。
彼女がちょっと涙目になっているのは、見なかった振りをしよう。
思えば、茜の最初の師匠は奏伯父さんだった。
男の子の恰好をし出してから、頻繁に会いにいくようになったんだよね~。
茜を召喚したら、同じ身体強化の魔法が与えられるかも?
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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「お兄ちゃん。奏伯父さんの奥さんは、亡くなったアリサちゃんのお母さんかな? 偶然、同じ名前を付けたとは考えられないよね?」
私の質問に対し、兄と旭は一瞬黙り込む。
「沙良……。俺は相手が逆なんじゃないかと思う」
「逆っ? どういう意味?」
「俺が名乗った後、彼は気付いた様子だった。お前は姿が変わっているから分からなかったんだろう。つまり、相手はリュートさんの可能性が高い」
「えっと、それはアリサちゃんのお父さんが奏伯父さんの元妻だって事?」
「あぁ、多分。本人が俺達に言う心算があるかは分からない。既に異世界で何十年も生きてるんだ。前世は懐かしい思い出として胸にしまっているかもな。特に、彼の場合は性別が変わっているから……」
兄の話を聞き、リュートさんが言っていたのを思い出す。
「だからアリサだったのか……」この言葉は、もしかしたらアリサちゃんのお母さんが何気なく聞いた事を覚えていて付けた名前なのかも知れない。
それに奏伯父さんも、この世界で結婚し家庭を築いているから元妻がリュートさんだと知るのは複雑な気分だろう。
「まだそうと決まった訳じゃないし、両親と会わせて向こうの反応を見た方がいい。何も言わなければ、俺達は黙っておこう」
「うん、分かった。じゃあ、この件は保留だね!」
話は済んだから、兄の部屋から出て自分の家に帰った。
それにしても、知り合いの性別が違うとこんなにギャップを感じるものなのか……。
奏伯父さんの奥さんは楚々としたタイプの女性だったので、今の姿からは到底想像がつかない。
本人はどう思っているか分からないし、転生なのか転移なのかそれも不明だ。
まぁでも、アリサちゃんがお父さんと暮らせるようになったのは良かったよね!
翌日、日曜日。
早朝から嫌がる雫ちゃんのお母さんと奏伯父さんを異世界へ送り届け、炊き出しに向かう。
炊き出しに、アリサちゃんはこなかった。
リュートさんと暮らす事にしたからだろう。
炊き出しを終え子供達を見送った後、奏伯父さんと雫ちゃんのお母さんが戻ってきた。
家族の了解が得られ、冒険者を続けてもいいと言われたそうだ。
奏伯父さんは娘が冒険者として問題なくやっていけるのを確認するまで、一緒にパーティーを組むと伝えたらしい。
元々、結婚する前は伯爵家の三男だったので冒険者となり生活していたようだ。
聞いてないけど、Lvは幾つあるんだろう?
ガーグ老の工房へいき、新しいメンバーの紹介をする。
奏伯父さんはガーグ老が偽装結婚の相手と知り、かなり驚いていた。
「申し訳ないが、姪を任せるに足る技量があるか確認したい。ご老人、手合わせ願おう」
挨拶もそこそこに、奏伯父さんはマジックバッグから槍を取り出す。
父が感心したようにその槍を見ていたから、鑑定し業物であると確認したのだろう。
ガーグ老も槍を見るなり、目を瞠っている。
「ふむ、良い得物を持っておるな。その武器に見合うだけの腕があればいいがの……」
「心配には及ばん。そちらこそ、期待外れでガッカリさせないでくれよ?」
そう言って、奏伯父さんは槍を一振りさせると構えを取った。
王族の警護をしていた元近衛のガーグ老を相手に、大丈夫だろうか?
ガーグ老の長男であるゼンさんの合図で手合わせが始まる。
私は心配でハラハラしながら見ていたけど、何故か父と雫ちゃんのお母さんだけは平然としていた。
10分後。
奏伯父さんの槍術に私は驚愕する。
あのガーグ老相手に、一歩も引けを取らないとは……。
しかも腕力が勝るのか、ガーグ老の方が打ち負けているようにも見える。
その数分後、奏伯父さんがガーグ老の槍を巻き取り喉元へ槍を寸止めした事で決着がつく。
その結果に兄と旭、雫ちゃんが驚いていた。
勿論ガーグ老が勝つと思っていた私も、これには開いた口が塞がらない。
「技量ではご老人の方が上、腕力と武器の性能で私の勝ちといった所だな」
手合わせの感想をそう述べると、奏伯父さんが槍を収める。
「いやはや……年は取りたくないものだわ。儂が全盛期の頃、お相手したかったの。その方、見事であった」
「姪の相手として合格だ、ご老人。しっかりと守ってほしい」
最後に深く一礼し、こちらへ戻ってきた奏伯父さんに思わずLvを確認すると120だと返された。
SS級冒険者のセイさんでさえ、Lv100なんですけど!?
武闘派の伯父はステータスがある世界で、かなり鍛えていたらしい。
目に見える成果があるとLvを上げたくなるのは分かるけど……、貴族なのに上げ過ぎでは?
序に身体強化の魔法が使えると、こっそり教えてくれた。
それは前世に関係しているのだろうか?
その後の稽古では、ご老人に代わり雫ちゃんのお母さんの相手を奏伯父さんがしていた。
彼女がちょっと涙目になっているのは、見なかった振りをしよう。
思えば、茜の最初の師匠は奏伯父さんだった。
男の子の恰好をし出してから、頻繁に会いにいくようになったんだよね~。
茜を召喚したら、同じ身体強化の魔法が与えられるかも?
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