自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第605話 迷宮都市 従魔登録&地下20階 秘密のLv上げ20(摩天楼のダンジョン30階)

 テイム後。
 黄金こがねかなで伯父さんが騎乗し、冒険者ギルドへ従魔登録をしに寄った。
 受付嬢は新しい従魔が増えているのに直ぐ気付き、ギルドマスターを呼んできますと言い私達を会議室へ案内する。
 少し待った後、オリビアさんが部屋に入ってきた。

「サラさん。また……、従魔登録ですか?」

「はい。新しいメンバーが増えたので、よろしくお願いします!」

 元気良く答える私と違い、オリビアさんが疲れた表情を見せながら従魔登録の申請用紙と首輪を渡す。

「フィンレイ伯爵? もう冒険者は引退したと思ってましたよ」

「オリビア、久し振りだな。娘が冒険者になったから、心配でな。しばらく一緒に行動する事にしたんだ」

「まぁ、血は争えませんね。サラさんと同じパーティーなのですか?」

「あぁ、これからよろしく」

 従魔登録の申請用紙を書いている間、2人は知己であったのか挨拶を交わしていた。
 奏伯父さんは、迷宮都市でも冒険者をしていた事があるんだろう。
 オリビアさんはハーフエルフで寿命が長いから、30年前でもギルドマスターだったのかな?
 従魔登録を済ませホームへ戻ってくる。
 奏伯父さんの家を決めないと!
 実家は両親が住んでいるだけだから、子供部屋が空いているだろう。
 娘の家はしずくちゃんと2人なので、こちらに住んでもらっても良い。

「伯父さん。一緒にパーティーを組む間、ホーム内での生活になると思うけど何処どこに住む?」

美佐子みさこの家で世話になるよ。アリサの料理を毎日食べたら、早死にしそうだ……」

 昨日の夕食と今朝の朝食を思い出したのか、彼は遠い目になった。
 サヨさんの料理を食べて育った伯父さんは、かなりつらかったのだろう。

「分かった。じゃあ実家に連れていくね」

 2人を実家に送り届け私は自宅へ戻る。
 兄達は、まだジムから帰ってこないだろう。
 新しくテイムした黄金こがねをフォレストへ紹介し、久し振りに従魔達とたわむれた。
 シルバー・フォレスト・泰雅たいが黄金こがね
 4匹の大型魔物は、そばにいるだけで頼もしい存在だ。

 従魔達は、どんな事を考えているのかな?
 マッサージとブラッシングをしながら眠ってしまったらしい。
 兄に起こされ目覚めたら、夕方近くになっている。
 2人へ黄金こがねを紹介し、旭のリクエストで夕食は鰻丼を食べた。
 肝焼きも出すと兄達は日本酒を飲み始める。
 明日はダンジョンだから、あまり飲みすぎないようにね。

 月曜日。
 今日から5日間またダンジョン攻略。
 階段へ一直線に、地下1階から地下11・・階まで駆け抜ける。
 兄&フォレストと別れ、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。
 安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。
 アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。
 今日から母の代わりに増えるメンバーを紹介すると、公爵令嬢のアマンダさんがかなで伯父さんを見て目をみはる。

「フィンレイ伯爵! また冒険者ですか?」

「おうよ、少し体がなまっているが迷宮都市のダンジョンくらい問題ない。アマンダ嬢は、クランリーダーになったと聞いたぞ。やるじゃないか!」

 同じ領内の貴族だから顔見知りであるようだ。
 ダンクさんは伯爵が冒険者をするのに驚いているみたい。
 それにしても、ガーグ老に勝つくらい強いのに体が鈍っているとか……。
 奏伯父さんの全盛期を知るのが怖い……。
 紹介を済ませたら午前中は、いつもの薬草採取と地下16階の果物採取。
 午後からは兄と地下20階の攻略だ。

 奏伯父さんへハニーを見せてあげようと、地下13階に移動する。
 キラービーから、薬草の入ったマジックバッグを受け取り中身をアイテムBOXに収納。
 ハニーのしま模様は、かなりクインビーに近付いているな。
 蛍光ピンクの色があざやかになってきた。
 そろそろ進化が終了するだろう。
 コロニーのキラービーも、それに合わせキングビーへ進化するみたいだから楽しみ。
 初めてハニーを見た伯父さんは色が違うと驚き、66匹いるキラービーに薬草採取をお願いしている話をしたら唖然あぜんとなっていた。
 また、父から肩を叩かれているよ。

 私と父が午前中は森で薬草採取をしていると言ったら、ダンジョン攻略の仕方が間違っているとうめいていた。
 今日は母が抜けた穴をカバーするため、雫ちゃんのお母さん達と行動を共にするらしいけど、問題がないと確認出来たら私達と一緒にいるらしい。
 摩天楼まてんろうのダンジョンで秘密のLv上げをしている件と、セイさんの話をする必要がありそうだ。

 午後から兄を連れ地下20階へ移動。
 この階層は攻略している冒険者が誰もいないため、安全地帯にテントを設置しなくてもいい。
 テーブルと椅子を出し、私はマッピングで魔物を探し脳を石化してアイテムBOXに次々収納する。
 安全で簡単な、お仕事ですよ~。
 1時間後。
 全ての魔物を全滅させ、兄の前へ地下20階に出現する魔物を1体ずつ取り出してみせた。
 
「本当に移動しないで魔物が倒せるんだな……。これなら安全にLv上げが出来るだろう。魔物は問題ないが、1人でいる所を狙われる可能性がある。父さんは沙良のそばで警戒してほしい」

「分かっている。ダンジョン内は一番狙われやすいからな。地下15階の攻略はお前達に任せ、その内Lvの高い奏さんも一緒になるから心配しなくてもいいぞ」

「奏伯父さんは、貴族に向いてないんじゃないか? 王族の警護をしていたガーグ老に勝つなんて、どれだけLvを上げたんだか……」

「あっ、120だと言ってたよ!」

「120!? 上げすぎだろう……」

「冒険者をしてなければ、騎士団長にでもなってたかな? そうするとタケルは騎士団長の息子で、乙女ゲーム的には主人公の攻略対象かも? 兄妹だから、悪役令嬢の雫ちゃんが落とすパターンかなぁ」

 兄は私の言葉をスルーして溜息を吐き、魔物を全滅させたなら地下15階へ戻ると言うので再び移動する。
 私と父は地下16階の攻略をすると言い、セイさんと摩天楼まてんろうのダンジョン30階へ。
 宝箱の出現まで後6日だ。
 来週の月曜日には、いよいよ宝箱を開ける瞬間がやってくる。
 何が入っているのか、今からワクワクしっぱなしだ。

「セイさん。今週から、パーティーメンバーが1人増えました。旭のお母さんの父親なんだけど……。元日本人だから、母の兄でもあるんです」

「椎名家は、やけに異世界へきている人物が多いね」

「本当に何故なぜか不思議です。フィンレイ伯爵に婿むこ入りして冒険者を辞めたみたいですが、摩天楼のダンジョンを攻略してた時期もあるそうですよ」

「おや? それはソウさんじゃないかな? 私も一緒にパーティーを組んだ事がある。同じ日本人だとは気付かなかったなぁ」

 セイさんと知り合いとは……。
 偶然が重なると必然になるという。
 2人には、何か関係があるんだろうか?
 
「日本名は木下 奏です。セイさんのように、かなでからソウと名乗ったようですね」  

「安易な変更だけど、日本名はこの世界じゃ浮く・・からね」

 セイさんと奏伯父さんが知り合いなら、秘密のLv上げも問題なさそう。

「偶然……なのか?」

 ぽつりとこぼした父の言葉は、飛んできたポチの「ホー」という鳴き声にかき消されてしまった。

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