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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第617話 迷宮都市 サヨさんのLv上げ
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その後4日間の攻略を終え冒険者ギルドへ換金に向かう。
出現した宝箱の中身は摩天楼の都市にいない事になっているため換金出来ず、セイさんが移動を開始する時期に防具屋へいく心算だ。
せめて高値で売れるのを願おう。
『お菓子の店』へ寄り、営業開始から2週目の売り上げを確認する。
先週購入した冒険者達が早くもリピーターになってくれたようで、木の実入りの物が人気らしい。
10種類あるから、2~3種類をまとめて購入する人が多いそうだ。
毎日沢山売れるので、子供達も嬉しそうに報告してくれる。
後2週間様子を見てから給料を決めよう。
商品単価が高いので売り上げ金額も多い。
このままいけば、銀貨10枚(10万円)は払えるだろう。
子供達だけのお店で心配していたけれど、護衛として雇ったリュートさんのお陰かトラブルはなく順調みたいで安心する。
店の2階にアリサちゃんと住んでいるから、警備員も兼ねてもらっていた。
給料は銀貨20枚(20万円)でいいかな?
店用のマジックバッグへ材料を補充し、店内を出る。
今は2月で気温が低いから生地を寝かせる温度に問題はないけど、暖かくなってきたら冷蔵の魔道具を購入する必要がありそう。
ホーム内に戻り、夕食を実家で食べる事にした。
私達がダンジョン攻略中、母は家でのんびりしているかと思いきや畑で魔法を試していると言う。
緑魔法の成長と交配を使用し、何が出来るか実験中らしい。
収穫出来るまで秘密だと笑っていた。
何を作っているか分からないけど、成長と交配は野菜作りが趣味な母にぴったりな魔法と言える。
収穫出来るまで楽しみに待っていよう。
翌日、土曜日。
兄と旭を連れ奏屋へ果物を卸した後、薬師ギルドにいきポーションへ浄化とヒールの魔法を掛ける。
次に華蘭へ寄り、サヨさんを呼んでもらった。
今日はサヨさんのLv上げをする予定。
サヨさんと一緒にホームへ戻り、昼食を食べにお店へ向かう。
奏伯父さんのリクエストで洋食屋に決まった。
兄の運転するSUVに乗り、実家から30分程走ると店へ到着。
全員がランチのハンバーグスペシャルを注文する。
ハンバーグにエビフライと蟹クリームコロッケ、サラダに飲み物とデザートが付いて1,500円。
かなりお得なランチだ。
電子メニューで注文後、直ぐにテーブルの上に出現した料理を皆が食べ始める。
母も、まだ悪阻がなく普通に食べられた。
食事を済ませたら、少し広い場所のある町内の運動場へ移動。
これから孫も生まれるし、サヨさんには長生きしてほしい。
「サヨさん。いまから魔物を出しますけど、魔法で昏倒しているから動く事はありません。この槍で突き刺して下さいね」
事前にLv上げをすると伝えたので、サヨさんは渡した槍を真剣な表情で受け取る。
「サラさん。悪いんだけど、もう少し長い槍はないかしら?」
私が使用している短槍を持ち、困ったような表情をされた。
短槍だと魔物に近付く距離が短いので、怖いのかな?
それを聞いた兄が、自分の長槍と交換してあげている。
何の魔物にしようか散々迷った結果、見た目が怖くないマジックキノコにした。
傷付けても出血しないから、最初の魔物としては最適だと思う。
食用にもなるので倒した後、サヨさんへあげよう。
アイテムBOXへ沢山収納したのでLv上げには困らない。
「じゃあ、出しますよ!」
目の前に昏倒したマジックキノコが現れる。
どんな魔物が現れるのかと身構えていたサヨさんは、
「まぁ、キノコね!」
と安心したように笑い、手にした槍を一閃させた。
はっ? てっきり槍で突き刺すだけだと思っていた私は、ぽかんとなる。
ええぇぇ~! 絶対、素人の動きじゃないですよね!?
「あら、お母さん。まだ腕は鈍ってないのね~」
「意外と覚えているものだわ」
「お義母さんは、薙刀の名手だったんだよ」
父がそう言いながら感心している。
何と! 祖母は武闘派だった!
その後3時間で100体のマジックキノコを倒し、サヨさんのLvは10に上がった。
そして槍術も習得しLvが5になったらしい。
基礎値が78のサヨさんはHP/MPが858になり、この世界の10歳で冒険者になる人に比べかなり多くなった。
でも不安なのでLv30までは上げておきたい所。
また、時間を見付け頑張ってもらおう。
サヨさんはステータスを見ているのか、ニコニコしている。
ずっとLv0のままだったから嬉しいのかな?
MPの858は、魔法を習得していないから無駄になっちゃうけど……。
「奏伯父さん。タケルが習得出来なかった魔術書があったりしない?」
魔法学校に通う貴族は、全ての魔法を習得する訳じゃない。
適正のある魔法しか覚えられないと聞いたから、残っているなら転生者であるサヨさんが教会の儀式を受ければ習得も可能だ。
「あいつは風魔法しか適性がなかったから、家に魔術書が残っている筈だ。明日、取りに帰ってみるか……」
「まぁ! 私にも魔法が使えるのかしら?」
「雫ちゃんが覚えられたので、多分問題ないと思います」
風魔法以外なら、火・水・土のボール系の3種類。
魔法が使用出来れば何かあった時も安心だ。
教会の儀式は奏伯父さんに任せればいい。
フィンレイ伯爵が一緒なら、直ぐに受けさせてもらえるだろう。
懸念していた件が解決し、心配事も減りほっとした。
サヨさんが「武器屋へ槍を購入しにいかなくちゃ」と嬉しそうに言っている姿は、ちょっとアレだけど……。
お高い槍を買いそうで、老紳士の財布が心配になった。
ドワーフの名匠が鍛えた武器は結構な値段がする。
ここは、孫の私からプレゼントした方がいいかも……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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出現した宝箱の中身は摩天楼の都市にいない事になっているため換金出来ず、セイさんが移動を開始する時期に防具屋へいく心算だ。
せめて高値で売れるのを願おう。
『お菓子の店』へ寄り、営業開始から2週目の売り上げを確認する。
先週購入した冒険者達が早くもリピーターになってくれたようで、木の実入りの物が人気らしい。
10種類あるから、2~3種類をまとめて購入する人が多いそうだ。
毎日沢山売れるので、子供達も嬉しそうに報告してくれる。
後2週間様子を見てから給料を決めよう。
商品単価が高いので売り上げ金額も多い。
このままいけば、銀貨10枚(10万円)は払えるだろう。
子供達だけのお店で心配していたけれど、護衛として雇ったリュートさんのお陰かトラブルはなく順調みたいで安心する。
店の2階にアリサちゃんと住んでいるから、警備員も兼ねてもらっていた。
給料は銀貨20枚(20万円)でいいかな?
店用のマジックバッグへ材料を補充し、店内を出る。
今は2月で気温が低いから生地を寝かせる温度に問題はないけど、暖かくなってきたら冷蔵の魔道具を購入する必要がありそう。
ホーム内に戻り、夕食を実家で食べる事にした。
私達がダンジョン攻略中、母は家でのんびりしているかと思いきや畑で魔法を試していると言う。
緑魔法の成長と交配を使用し、何が出来るか実験中らしい。
収穫出来るまで秘密だと笑っていた。
何を作っているか分からないけど、成長と交配は野菜作りが趣味な母にぴったりな魔法と言える。
収穫出来るまで楽しみに待っていよう。
翌日、土曜日。
兄と旭を連れ奏屋へ果物を卸した後、薬師ギルドにいきポーションへ浄化とヒールの魔法を掛ける。
次に華蘭へ寄り、サヨさんを呼んでもらった。
今日はサヨさんのLv上げをする予定。
サヨさんと一緒にホームへ戻り、昼食を食べにお店へ向かう。
奏伯父さんのリクエストで洋食屋に決まった。
兄の運転するSUVに乗り、実家から30分程走ると店へ到着。
全員がランチのハンバーグスペシャルを注文する。
ハンバーグにエビフライと蟹クリームコロッケ、サラダに飲み物とデザートが付いて1,500円。
かなりお得なランチだ。
電子メニューで注文後、直ぐにテーブルの上に出現した料理を皆が食べ始める。
母も、まだ悪阻がなく普通に食べられた。
食事を済ませたら、少し広い場所のある町内の運動場へ移動。
これから孫も生まれるし、サヨさんには長生きしてほしい。
「サヨさん。いまから魔物を出しますけど、魔法で昏倒しているから動く事はありません。この槍で突き刺して下さいね」
事前にLv上げをすると伝えたので、サヨさんは渡した槍を真剣な表情で受け取る。
「サラさん。悪いんだけど、もう少し長い槍はないかしら?」
私が使用している短槍を持ち、困ったような表情をされた。
短槍だと魔物に近付く距離が短いので、怖いのかな?
それを聞いた兄が、自分の長槍と交換してあげている。
何の魔物にしようか散々迷った結果、見た目が怖くないマジックキノコにした。
傷付けても出血しないから、最初の魔物としては最適だと思う。
食用にもなるので倒した後、サヨさんへあげよう。
アイテムBOXへ沢山収納したのでLv上げには困らない。
「じゃあ、出しますよ!」
目の前に昏倒したマジックキノコが現れる。
どんな魔物が現れるのかと身構えていたサヨさんは、
「まぁ、キノコね!」
と安心したように笑い、手にした槍を一閃させた。
はっ? てっきり槍で突き刺すだけだと思っていた私は、ぽかんとなる。
ええぇぇ~! 絶対、素人の動きじゃないですよね!?
「あら、お母さん。まだ腕は鈍ってないのね~」
「意外と覚えているものだわ」
「お義母さんは、薙刀の名手だったんだよ」
父がそう言いながら感心している。
何と! 祖母は武闘派だった!
その後3時間で100体のマジックキノコを倒し、サヨさんのLvは10に上がった。
そして槍術も習得しLvが5になったらしい。
基礎値が78のサヨさんはHP/MPが858になり、この世界の10歳で冒険者になる人に比べかなり多くなった。
でも不安なのでLv30までは上げておきたい所。
また、時間を見付け頑張ってもらおう。
サヨさんはステータスを見ているのか、ニコニコしている。
ずっとLv0のままだったから嬉しいのかな?
MPの858は、魔法を習得していないから無駄になっちゃうけど……。
「奏伯父さん。タケルが習得出来なかった魔術書があったりしない?」
魔法学校に通う貴族は、全ての魔法を習得する訳じゃない。
適正のある魔法しか覚えられないと聞いたから、残っているなら転生者であるサヨさんが教会の儀式を受ければ習得も可能だ。
「あいつは風魔法しか適性がなかったから、家に魔術書が残っている筈だ。明日、取りに帰ってみるか……」
「まぁ! 私にも魔法が使えるのかしら?」
「雫ちゃんが覚えられたので、多分問題ないと思います」
風魔法以外なら、火・水・土のボール系の3種類。
魔法が使用出来れば何かあった時も安心だ。
教会の儀式は奏伯父さんに任せればいい。
フィンレイ伯爵が一緒なら、直ぐに受けさせてもらえるだろう。
懸念していた件が解決し、心配事も減りほっとした。
サヨさんが「武器屋へ槍を購入しにいかなくちゃ」と嬉しそうに言っている姿は、ちょっとアレだけど……。
お高い槍を買いそうで、老紳士の財布が心配になった。
ドワーフの名匠が鍛えた武器は結構な値段がする。
ここは、孫の私からプレゼントした方がいいかも……。
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