自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第622話 兄達への相談&迷宮都市 地下15階 兄と一緒に摩天楼のダンジョンへ

 王都の冒険者ギルドを出てホームの自宅に戻り、ランドルさんから聞いた話を兄達へ伝えよう。
 父と一緒に兄達の家へいき、王都で確認した内容を話した。

「司教が処刑されたのか……。教会がアシュカナ帝国と通じているのは間違いないだろう。単独犯にされたのは残念だな。まぁ分かってはいたが、大きな組織ではよくある話だ」

「アシュカナ帝国の目的は何だと思う? ダンジョンに呪具を設置してカルドサリ王国の戦力を削ぎたいなら、どうして司教に呪具の解呪を依頼する必要があるのか分からないんだよね」

「戦争になった際、教会に協力されると困るから事前に利益を与えるためじゃないのか?」

「う~ん。それだと、少し動機が弱い気がする。怪我の治療は教会の人間以外にも可能だし、ポーションもあるでしょう? 何かに落ちない。お父さんは、どう思う?」

「教会と密約を交わしているのなら、何か有利になる事がありそうだが……。呪具の解呪を依頼したのは、冒険者が全員死亡すると困る理由があるのかも知れんな。探している人物がいて、誰がどう行動するのか確認している可能性もある」

「アシュカナ帝国が探している人物かぁ。私は妻にと望んでいるから、違うわよね」

 父が予想した言葉に納得しつつ、帝国が今後どう動くか注意が必要だと感じる。
 数年後の戦争に備え、やはり早くLvを100まで上げておきたい。
 Lv50の時に特典があったように、Lv100にも何かありそうだし……。
 
「次は摩天楼まてんろうのダンジョンが標的みたいだよ。A級冒険者しか入れない場所だから、魔物も強いと思う。大きな被害が出ないよう、お兄ちゃん達も『毒消しポーション』の数を増やすのに協力してあげて」

「あぁ、薬師ギルドのゼリアさんと相談しよう」

 今回の事件に関して、これ以上私に出来る事はない。
 ひとまず王都の件は犯人が処刑され解決しただろう。

「シュウゲンさんが、お爺ちゃんだと分かって良かったね」

 今日偶然にも、サヨさんを王都の武器屋に連れていき祖父と気付いたのだ。

「母さんとサヨさんは嬉しいだろうな。かなで伯父さんと再会したばかりなのに、不思議な事もあるものだ」

「ヒルダさんと勘違いされたけど、ガーグ老が護衛していた姫様とそんなに似てるのかな? 約束していた、お礼って何だろう?」

「あ~それは多分、男のロマンじゃないかなぁ」

 旭がそう言って苦笑する。
 男のロマン? 兄達のロマン武器を思い出す。

「珍しい鉱物を、お礼にもらう予定だったのかな?」

「ああ、きっとそうだろう」

 父がすかさず同意してくれた。
 ドワーフの鍛冶職人だから鉱物には目がないのかも知れない。

「奏伯父さんの武器はヒヒイロカネ・・・・・・みたいだし、探せばもっと沢山ありそう」

 ターンラカネリという謎の鉱物があるくらいだ。
 きっと他にもあるだろう。

「確か、摩天楼のダンジョンで見付けたと言っていたよな……」

 兄が思案する様子をみせる。

「沙良の結婚式までに、俺も少しLvを上げた方がいいだろう。摩天楼のダンジョンを攻略してみるか」

 ええっ!
 そんなにヒヒイロカネ・・・・・・が欲しいの!?

「お兄ちゃん、A級冒険者じゃないと無理だよ?」

「そこは沙良の移転で中に入ろう」

 まじか……。

「じゃあ、お父さんも一緒に連れていくね」

「俺も!」

「お前は、母親としずくちゃんがいるだろう。2人でダンジョンを攻略させる気か?」

 兄に速攻で却下され、旭がショックを受けている。
 一緒にいたかったのかな……。
 あぁ、セイさんをどうしよう!
 兄がLvを上げるのは賛成だけど、セイさんが一緒にいるのは不自然すぎる。
 そろそろ移動を開始してもらうしかないか……。

 明日から兄も摩天楼のダンジョン攻略をする事になったようだ。
 色々バレないように、奏伯父さんと口裏を合わせないといけない。
 兄達の部屋を出た後、セイさんの所へ事情説明しにいこう。
 申し訳ないけど、摩天楼から迷宮都市への移動をお願いした。
 この世界の馬車での旅は大変そうだけど、異世界が長いセイさんは慣れているだろう。
 私の移転で迷宮都市へ連れていくのは止め、実際に移動してもらった方がいい。
 
 私の話を聞いたセイさんは、これから旅に必要な物を買いにいくと言い、あわててホテルを出ていった。
 便利な日本製の物をマジックバッグに入れておきたいらしい。
 レトルトやインスタントラーメンがあれば、宿屋の食事にも困らないだろう。
 奏伯父さんには父が話してくれるそうだ。
 実家に送り届けた後、明日を思いドキドキして少し眠れなかった。
 どうか兄にバレませんように……。

 翌日、月曜日。
 早朝からセイさんを摩天楼の都市へ送り届ける。
 順調にいけば迷宮都市まで1ヶ月の距離だ。
 セイさんへ通信の魔道具を渡し、どの町にいるか連絡をお願いした。
 また必要な物があれば渡すので心配しないよう伝える。
 
 今日から5日間またダンジョン攻略。
 階段へ一直線に、地下1階から地下11・・階まで駆け抜ける。
 兄&フォレストと別れ、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。
 安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。
 アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。

 王都の事件の犯人が処刑された事は、同じ内容が冒険者ギルドに貼りだされてあった。
 司教も関与していたとあってか、冒険者達は教会に疑いの目を向けている。
 特に迷宮都市では『MAXポーション』が販売開始になったから、教会で治療を受ける冒険者は激減するだろうなぁ。

 午前中は地下16階の果物採取と地下5階で槍のLv上げをする。
 シュウゲンさんに鍛えてもらった槍を構え、まずはオークの討伐だ。
 この世界のオークは、二足歩行した豚の姿なので動きが鈍い。
 シルバーに騎乗したまま接近し、槍を振るうと首が飛んだ!
 アダマンタイトは相当切れ味が良いらしい。
 これはLv上げがはかどりそうね!

 その後、調子に乗った私は次々とオークの首をねていった。
 お肉が沢山ある!
 ターンラカネリの槍も練習しようと魔物へ投げてみたけど、今日も当たらない。
 見ていた奏伯父さんが貸してみろと言い、ハイオークに向かって投擲とうてきすると見事に首へ刺さった。
 むう、同じように投げているのに私と何が違うんだろう?
 3時間後、槍術Lvが6に上がり私はホクホク顔で地下15階へ移動する。

 安全地帯のテントからホームに戻ると、兄が今日から摩天楼のダンジョンを攻略すると皆に伝えていた。
 現在攻略を中止しホーム内にいる母が作ってくれた昼食を食べながら、兄は奏伯父さんから摩天楼のダンジョンの事を熱心に聞いている。
 どこで鉱物を見付けたのか知りたいようだ。
 話を聞くと、どうやら30階の宝箱に入っていたらしい。

 マジックバッグ100㎥とヒヒイロカネは間違いなく当たりだよね~。
 ビキニとブーメンランパンツが入っていた私達とは大違いなんだけど?
 それを聞いた兄が30階の攻略に意欲を見せている。
 宝箱は30日後にしか出現しないから、まだ当分先だよ。
 もしブーメンランパンツが入っていたら、兄はどうするんだろう?

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