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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第631話 迷宮都市 樹おじさんの召喚 7 武術稽古 祖父とガーグ老の手合わせ
何が起こったのか不明なまま、その場からいなくなった樹おじさんとガーグ老達を待つ。
「シュウゲンさん、すみません。ちょっと勘違いがあったみたいです。紹介するのは少し待って下さい」
「あぁ、何やら問題があったようじゃな。孫の婿を姫様と言っておったが、高齢で目が悪いのか?」
「どうなんでしょう? 樹おじさんは男の人にしか見えませんけど……」
ゼリアさんのように、ガーグ老達はボケていない筈だ。
全員が姫様と思う何かが、樹おじさんにはあったのだろう。
姫様は、かなりお転婆だと聞いた覚えがある。
まぁ、おじさんは旭と同じように童顔で可愛らしい容姿なんだけど……。
パーティーメンバー全員がガーグ老達の行動を不思議に思っていると、樹おじさんがポチとタマを両肩に乗せたまま工房から出てくる。
その後から、ガーグ老達も姿を見せた。
問題は解決したのかしら?
「あ~、俺を姫様と勘違いしたそうだ。違うと分かってもらったから大丈夫!」
樹おじさんはそう言って胸を叩く。
おじさんの言葉にガーグ老達が頷いているけど、その目からは涙が零れ落ちている。
本当に人違いだと分かってもらえたんだろうか?
取り敢えず、樹おじさんとシュウゲンさんの紹介をしておこう。
「ガーグ老、2人を紹介しますね」
私は雫ちゃんのお母さんの夫だと樹おじさんを紹介した。
「夫の樹です。これからよろしく!」
「女子が好きであったのか……」
ガーグ老が変な感想を述べ父の顔を見た。
父はガーグ老に見られ苦笑している。
次に祖父のシュウゲンさんを紹介すると、ガーグ老の目がクワッっと見開いた。
「シュウゲン! ここで会ったが300年目! エロ爺が! 儂が成敗してくれる!」
突然、シュウゲンさんへ怒りを剥き出しにする。
ガーグ老とは初対面のシュウゲンさんは、怪訝な表情になった。
私が偽装結婚の相手だと耳打ちすると、ニヤリと笑い槍をトンと地面に突き刺す。
「何を言っておるのか分からんが……。孫の結婚相手なら、お相手しよう!」
「ふん、ドワーフ相手には本気を出さねばならんな。姫様の槍を持ってまいれ!」
ガーグ老の言葉に、部下の人がさっと工房へ移動し槍を持ち戻ってきた。
「お主! それは儂がヒルダちゃんに鍛えた槍ではないか!? 何故、持っておる! ヒルダちゃんは、どこだ!」
「エロ爺に会わせる訳がなかろう。槍を構えなされい!」
そして唐突に2人の手合わせが始まった。
ええっと、何この展開……。
ガーグ老はシュウゲンさんを知っているみたいだ。
エロ爺と連呼していたけど、何があったの?
そして姫様の形見は剣だけじゃなかったのか……。
「エロ爺相手に秘技を見せるのは癪に障るが、負ける訳にはいかん!」
ガーグ老はそう言うと、槍を交えていたシュウゲンさんへ飛び掛かる。
その速さが尋常じゃない。
奏伯父さんとの手合わせは本気ではなかったのか……。
「俺の時は、だいぶ手加減していたようだな。花を持たせてくれたのか……」
2人の遣り合う姿を見た奏伯父さんは、悔しそうな声を滲ませぽつりと漏らした。
武闘派の伯父さんは、本気で相手をしてもらえずショックを受けたみたい。
「ガーグ老は、まだまだ現役だなぁ。頼もしい限りだ」
樹おじさんは、手合わせしている2人を見て納得したようにうんうんと首を上下に振っていた。
「あっ、私の結婚相手はガーグ老ですよ~」
まだ伝えていなかったから教えてあげる。
「えっ!? 結婚相手は爺なの!? 年齢差どれだけあると思ってるんだ……」
相手を知った樹おじさんが絶句し固まっている。
じい? 聞きなれない単語に首を傾げる。
侍医……は違うわよね。
ガーグ老は騎士だった人だ。
それならお爺さんの事を呼ぶ別称かな?
なんか親しみのある呼び方みたい。
30分経っても決着はつかず、いつまで待っていればいいんだろうと思っているとポチとタマが2人の間に割って入った。
賢い従魔は、ご主人様を制したのかな?
「ぬう、シュウゲン。今回は引き分けだ!」
「お主、意外とやりおるな。本当に人間か? まぁ、孫の相手には不足ないじゃろう」
手合わせが終了し、2人は互いに一礼し戻ってきた。
「樹おじさんは、ガーグ老と仕合しないの?」
「本職には勝てね~よ。化け物みたいに強いんだぞ? やるだけ無駄だ」
くる時はやる気満々だった癖に、相手の腕前を見てすっかりやる気を失くしたらしい。
「それにしても相手がガーグ老なんてなぁ。俺は、またとんでもない相手と結婚式を挙げるのか……」
また?
雫ちゃんのお母さんとの結婚は普通じゃないの?
「ひ……イツキ殿。この槍を受け取って下され」
ガーグ老が姫様の槍を差し出すと、樹おじさんは嬉しそうに受け取った。
「ありがとう。これでLv上げが捗るな!」
「お主、儂の前でヒルダちゃんの槍を渡すとはいい度胸だな……」
シュウゲンさんが、自分の鍛えた槍を他の人に渡されムッとした表情になる。
「金は払っておる、文句を言うな。それよりドワーフの貴様がサラ……ちゃんの祖父とは、おかしいだろう」
「お主は知らぬ事情があるだけの事よ」
「ふむ……。まぁ詮索はせん」
「サラ……ちゃん。待たせて悪かったの。さぁ、稽古を始めよう!」
何事もなかったかのように、ガーグ老は稽古を開始させる。
いやいや!
腕前を確かめてもない初対面の樹おじさんに、姫様の形見を渡すのはどう考えても変でしょ!
シュウゲンさんが鍛えた槍なら、かなり高額が予想されるのに樹おじさんもあっさり受け取っちゃってるし……。
「ガーグ老。姫様の形見の槍を、渡してしまっても良かったんですか?」
「あぁ、本人も納得していなさるだろう」
亡くなったヒルダさんが、どうやって?
更なる疑問を残しつつ、この日の稽古に樹おじさんが加わった。
娘の雫ちゃんではなく私の相手をするのはどうしてかしら?
シュウゲンさんは息子の奏伯父さんを鍛え直すと言い、親子で楽しそうに槍を交えていた。
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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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「シュウゲンさん、すみません。ちょっと勘違いがあったみたいです。紹介するのは少し待って下さい」
「あぁ、何やら問題があったようじゃな。孫の婿を姫様と言っておったが、高齢で目が悪いのか?」
「どうなんでしょう? 樹おじさんは男の人にしか見えませんけど……」
ゼリアさんのように、ガーグ老達はボケていない筈だ。
全員が姫様と思う何かが、樹おじさんにはあったのだろう。
姫様は、かなりお転婆だと聞いた覚えがある。
まぁ、おじさんは旭と同じように童顔で可愛らしい容姿なんだけど……。
パーティーメンバー全員がガーグ老達の行動を不思議に思っていると、樹おじさんがポチとタマを両肩に乗せたまま工房から出てくる。
その後から、ガーグ老達も姿を見せた。
問題は解決したのかしら?
「あ~、俺を姫様と勘違いしたそうだ。違うと分かってもらったから大丈夫!」
樹おじさんはそう言って胸を叩く。
おじさんの言葉にガーグ老達が頷いているけど、その目からは涙が零れ落ちている。
本当に人違いだと分かってもらえたんだろうか?
取り敢えず、樹おじさんとシュウゲンさんの紹介をしておこう。
「ガーグ老、2人を紹介しますね」
私は雫ちゃんのお母さんの夫だと樹おじさんを紹介した。
「夫の樹です。これからよろしく!」
「女子が好きであったのか……」
ガーグ老が変な感想を述べ父の顔を見た。
父はガーグ老に見られ苦笑している。
次に祖父のシュウゲンさんを紹介すると、ガーグ老の目がクワッっと見開いた。
「シュウゲン! ここで会ったが300年目! エロ爺が! 儂が成敗してくれる!」
突然、シュウゲンさんへ怒りを剥き出しにする。
ガーグ老とは初対面のシュウゲンさんは、怪訝な表情になった。
私が偽装結婚の相手だと耳打ちすると、ニヤリと笑い槍をトンと地面に突き刺す。
「何を言っておるのか分からんが……。孫の結婚相手なら、お相手しよう!」
「ふん、ドワーフ相手には本気を出さねばならんな。姫様の槍を持ってまいれ!」
ガーグ老の言葉に、部下の人がさっと工房へ移動し槍を持ち戻ってきた。
「お主! それは儂がヒルダちゃんに鍛えた槍ではないか!? 何故、持っておる! ヒルダちゃんは、どこだ!」
「エロ爺に会わせる訳がなかろう。槍を構えなされい!」
そして唐突に2人の手合わせが始まった。
ええっと、何この展開……。
ガーグ老はシュウゲンさんを知っているみたいだ。
エロ爺と連呼していたけど、何があったの?
そして姫様の形見は剣だけじゃなかったのか……。
「エロ爺相手に秘技を見せるのは癪に障るが、負ける訳にはいかん!」
ガーグ老はそう言うと、槍を交えていたシュウゲンさんへ飛び掛かる。
その速さが尋常じゃない。
奏伯父さんとの手合わせは本気ではなかったのか……。
「俺の時は、だいぶ手加減していたようだな。花を持たせてくれたのか……」
2人の遣り合う姿を見た奏伯父さんは、悔しそうな声を滲ませぽつりと漏らした。
武闘派の伯父さんは、本気で相手をしてもらえずショックを受けたみたい。
「ガーグ老は、まだまだ現役だなぁ。頼もしい限りだ」
樹おじさんは、手合わせしている2人を見て納得したようにうんうんと首を上下に振っていた。
「あっ、私の結婚相手はガーグ老ですよ~」
まだ伝えていなかったから教えてあげる。
「えっ!? 結婚相手は爺なの!? 年齢差どれだけあると思ってるんだ……」
相手を知った樹おじさんが絶句し固まっている。
じい? 聞きなれない単語に首を傾げる。
侍医……は違うわよね。
ガーグ老は騎士だった人だ。
それならお爺さんの事を呼ぶ別称かな?
なんか親しみのある呼び方みたい。
30分経っても決着はつかず、いつまで待っていればいいんだろうと思っているとポチとタマが2人の間に割って入った。
賢い従魔は、ご主人様を制したのかな?
「ぬう、シュウゲン。今回は引き分けだ!」
「お主、意外とやりおるな。本当に人間か? まぁ、孫の相手には不足ないじゃろう」
手合わせが終了し、2人は互いに一礼し戻ってきた。
「樹おじさんは、ガーグ老と仕合しないの?」
「本職には勝てね~よ。化け物みたいに強いんだぞ? やるだけ無駄だ」
くる時はやる気満々だった癖に、相手の腕前を見てすっかりやる気を失くしたらしい。
「それにしても相手がガーグ老なんてなぁ。俺は、またとんでもない相手と結婚式を挙げるのか……」
また?
雫ちゃんのお母さんとの結婚は普通じゃないの?
「ひ……イツキ殿。この槍を受け取って下され」
ガーグ老が姫様の槍を差し出すと、樹おじさんは嬉しそうに受け取った。
「ありがとう。これでLv上げが捗るな!」
「お主、儂の前でヒルダちゃんの槍を渡すとはいい度胸だな……」
シュウゲンさんが、自分の鍛えた槍を他の人に渡されムッとした表情になる。
「金は払っておる、文句を言うな。それよりドワーフの貴様がサラ……ちゃんの祖父とは、おかしいだろう」
「お主は知らぬ事情があるだけの事よ」
「ふむ……。まぁ詮索はせん」
「サラ……ちゃん。待たせて悪かったの。さぁ、稽古を始めよう!」
何事もなかったかのように、ガーグ老は稽古を開始させる。
いやいや!
腕前を確かめてもない初対面の樹おじさんに、姫様の形見を渡すのはどう考えても変でしょ!
シュウゲンさんが鍛えた槍なら、かなり高額が予想されるのに樹おじさんもあっさり受け取っちゃってるし……。
「ガーグ老。姫様の形見の槍を、渡してしまっても良かったんですか?」
「あぁ、本人も納得していなさるだろう」
亡くなったヒルダさんが、どうやって?
更なる疑問を残しつつ、この日の稽古に樹おじさんが加わった。
娘の雫ちゃんではなく私の相手をするのはどうしてかしら?
シュウゲンさんは息子の奏伯父さんを鍛え直すと言い、親子で楽しそうに槍を交えていた。
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