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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第632話 迷宮都市 樹おじさんの召喚 8 武術稽古 お礼の『五目あんかけうどん』と『カツ煮』
ガーグ老と樹おじさん相手に槍を繰り出す。
2人はゆっくりした動きで対応してくれたから、なんとか相対稽古の体を成した。
いきなり2人相手は難しい。
槍術Lvが6に上がり、Lv55のお陰でなんとかついていける感じかな。
稽古中、樹おじさんに微笑ましいものでも見るかのような視線を向けられ、落ち着かない気分になった。
旭家と椎名家は子供の頃からの付き合いだから、私も可愛がってもらった記憶があるけど……。
おじさんの私を見る目が、それとは微妙に違う感じがする。
なんだろう?
2時間後、稽古が終了。
ガーグ老は父と樹おじさんの3人で工房内へ向かっていった。
私は昼食の準備を始める。
2月でまだ寒いから、今日は体が温かくなる食べ物にしようかな?
シュウゲンさんも食べるのは久し振りだろう。
材料を刻み冷凍うどんを茹で、麺つゆで作った汁に溶かした片栗粉でとろみを付ける。
うどんだけじゃ足らないだろうと、カツ煮を用意した。
アイテムBOXには兄の好きな豚カツが、揚げたての状態で沢山入っている。
料理中は誰も気にしないから出しても大丈夫だろう。
お米がないからカツ丼には出来ず残念だ。
茹で上がったうどんに五目あんを掛けると、三男のキースさんが配膳してくれる。
相変わらず、四男と五男にそのお嫁さん達は動かない。
兄弟間の序列は一体どうなっているの?
出来上がった料理を、木の下へお供えにいく。
雫ちゃんのお母さんは、先日作った激甘カレーの残りと食パン一斤にダンジョン産の果物を持ってきたらしい。
カレーを食べた事がなければ、最初からそういう味だと思うだろうか?
「お待たせしました。皆さん、今日もありがとうございます。お昼のメニューは、『五目あんかけうどん』と『カツ煮』です。『五目あんかけうどん』は非常に熱いので、取り皿に入れ食べて下さいね。それでは頂きましょう」
「頂きます!」
「これは期間限定の『うどん』だな。あれは50食しかないで、まだ一度も食べた事がないのだ」
そう言ってガーグ老が嬉しそうに、『五目あんかけうどん』をすくい取り皿に分けている。
「おおっ、なんだかほっとする味だわ。どれ『カツ煮』とやらも食べてみよう。これはっ! 甘辛くてうどんによう合うわい」
どうやらご老人の口に合ったようだ。
シュウゲンさんは、『カツ煮』を食べて懐かしそうに目を細める。
「小夜の味そっくりだなぁ。美佐子は、良い母親だったようじゃ」
満足そうに頷き、孫の私を笑顔で見た。
長命なドワーフに転生したシュウゲンさんは、ずっと祖母の料理が食べたかったんだろうな……。
いつもは私の隣に座るガーグ老が、今日は樹おじさんの隣にいる。
そしておじさんに色々と話しかけているようだ。
「姫様の食べたがっておった料理を、サラ……ちゃんが作ってくれての。『ハンバーガー』や『ピザ』や『フライドポテト』は、確かに太る食べ物であった。『うなぎの蒲焼』は、本当に美味しかったですぞ! 少しばかり効果があり過ぎて、些か困り申したが……」
人違いをした樹おじさんに、姫様の話をしているらしい。
私はどうにも気になり仕方なかったため、正面に座っている樹おじさんへ尋ねてみた。
「ガーグ老は、樹おじさんをどうして姫様と勘違いしたの?」
「あぁ、それは……。俺の魔力が姫様に似ていたから、姿変えの魔道具で変装していると思ったみたいだ」
「ポチとタマが懐いているのも、その所為?」
「元は姫様の従魔だから……そうだろう」
「ふ~ん。じゃあ、樹おじさんの言葉を理解出来るのかな?」
「今はガーグ老の従魔だから、いくら魔力が似ていても俺の言葉は分からないだろう」
その返事を聞いた私は、今も樹おじさんの両肩から降りない2匹の従魔へ口を開かず質問してみた。
『樹おじさんの言葉が分かるなら、首を上下に振ってくれる?』
すると私の言葉を理解している2匹は、おじさんと私の顔を交互に繰り返し見る。
あ~これは、どちらの言う事を聞けばいいのか迷っている感じだね。
賢い従魔達は樹おじさんの言葉を聞き、分かるとは答えられないんだろう。
『大丈夫。ポチとタマに会ったから、樹おじさんは照れてるだけだよ~。言葉が理解出来ると分かっても怒られないからね』
安心させるようにそう言うと、2匹はこくりと頭を動かす。
やっぱり、樹おじさんの言葉も分かるんだ!
姫様と似ているのが魔力なら私も似ているんだろう。
亡くなったという話は、食事時に聞くのは止めておいた方がいい。
それでも、まだ疑問が残るけど……。
王都で見た、数百年前の第二王妃の肖像画はリーシャそっくりだった。
そして姫様と似た魔力か……、何か繋がりそうで繋がらないな……。
昼食後、木の下へいくと2通の羊皮紙が置かれている。
『ユカ様 四角いパンは美味しく頂きました。茶色のスープは甘いのですね。ですが、あまり無理をされぬよう果物だけで充分です』
……異世界のパンに比べたら、食パンはとても美味しいだろう。
今回はサンドイッチではなく、そのまま渡したから変な味もしないだろうけど、カレーは妖精さんにも甘かったようだ。
私宛の手紙には、料理のお礼とショートブレッドの追加が欲しいと書かれている。
妖精さんは、本当に甘い物が好きみたい。
最近仕事で忙しそうにしていたガーグ老達は、暫く家具工房を休業するらしい。
今日は時間があると言うのでショートブレッドを渡しお礼を述べ、父と祖父に奏伯父さんと樹おじさんを残し工房を後にした。
あの4人は、かなり将棋が強いので良い対戦相手になると思う。
槍での勝負が付かなかったからか、ガーグ老がシュウゲンさんに対局を申し込んでいたけど……祖父には勝てないだろうなぁ。
私達は樹おじさんの従魔をテイムしに、これからダンジョンへ向かう事にした。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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2人はゆっくりした動きで対応してくれたから、なんとか相対稽古の体を成した。
いきなり2人相手は難しい。
槍術Lvが6に上がり、Lv55のお陰でなんとかついていける感じかな。
稽古中、樹おじさんに微笑ましいものでも見るかのような視線を向けられ、落ち着かない気分になった。
旭家と椎名家は子供の頃からの付き合いだから、私も可愛がってもらった記憶があるけど……。
おじさんの私を見る目が、それとは微妙に違う感じがする。
なんだろう?
2時間後、稽古が終了。
ガーグ老は父と樹おじさんの3人で工房内へ向かっていった。
私は昼食の準備を始める。
2月でまだ寒いから、今日は体が温かくなる食べ物にしようかな?
シュウゲンさんも食べるのは久し振りだろう。
材料を刻み冷凍うどんを茹で、麺つゆで作った汁に溶かした片栗粉でとろみを付ける。
うどんだけじゃ足らないだろうと、カツ煮を用意した。
アイテムBOXには兄の好きな豚カツが、揚げたての状態で沢山入っている。
料理中は誰も気にしないから出しても大丈夫だろう。
お米がないからカツ丼には出来ず残念だ。
茹で上がったうどんに五目あんを掛けると、三男のキースさんが配膳してくれる。
相変わらず、四男と五男にそのお嫁さん達は動かない。
兄弟間の序列は一体どうなっているの?
出来上がった料理を、木の下へお供えにいく。
雫ちゃんのお母さんは、先日作った激甘カレーの残りと食パン一斤にダンジョン産の果物を持ってきたらしい。
カレーを食べた事がなければ、最初からそういう味だと思うだろうか?
「お待たせしました。皆さん、今日もありがとうございます。お昼のメニューは、『五目あんかけうどん』と『カツ煮』です。『五目あんかけうどん』は非常に熱いので、取り皿に入れ食べて下さいね。それでは頂きましょう」
「頂きます!」
「これは期間限定の『うどん』だな。あれは50食しかないで、まだ一度も食べた事がないのだ」
そう言ってガーグ老が嬉しそうに、『五目あんかけうどん』をすくい取り皿に分けている。
「おおっ、なんだかほっとする味だわ。どれ『カツ煮』とやらも食べてみよう。これはっ! 甘辛くてうどんによう合うわい」
どうやらご老人の口に合ったようだ。
シュウゲンさんは、『カツ煮』を食べて懐かしそうに目を細める。
「小夜の味そっくりだなぁ。美佐子は、良い母親だったようじゃ」
満足そうに頷き、孫の私を笑顔で見た。
長命なドワーフに転生したシュウゲンさんは、ずっと祖母の料理が食べたかったんだろうな……。
いつもは私の隣に座るガーグ老が、今日は樹おじさんの隣にいる。
そしておじさんに色々と話しかけているようだ。
「姫様の食べたがっておった料理を、サラ……ちゃんが作ってくれての。『ハンバーガー』や『ピザ』や『フライドポテト』は、確かに太る食べ物であった。『うなぎの蒲焼』は、本当に美味しかったですぞ! 少しばかり効果があり過ぎて、些か困り申したが……」
人違いをした樹おじさんに、姫様の話をしているらしい。
私はどうにも気になり仕方なかったため、正面に座っている樹おじさんへ尋ねてみた。
「ガーグ老は、樹おじさんをどうして姫様と勘違いしたの?」
「あぁ、それは……。俺の魔力が姫様に似ていたから、姿変えの魔道具で変装していると思ったみたいだ」
「ポチとタマが懐いているのも、その所為?」
「元は姫様の従魔だから……そうだろう」
「ふ~ん。じゃあ、樹おじさんの言葉を理解出来るのかな?」
「今はガーグ老の従魔だから、いくら魔力が似ていても俺の言葉は分からないだろう」
その返事を聞いた私は、今も樹おじさんの両肩から降りない2匹の従魔へ口を開かず質問してみた。
『樹おじさんの言葉が分かるなら、首を上下に振ってくれる?』
すると私の言葉を理解している2匹は、おじさんと私の顔を交互に繰り返し見る。
あ~これは、どちらの言う事を聞けばいいのか迷っている感じだね。
賢い従魔達は樹おじさんの言葉を聞き、分かるとは答えられないんだろう。
『大丈夫。ポチとタマに会ったから、樹おじさんは照れてるだけだよ~。言葉が理解出来ると分かっても怒られないからね』
安心させるようにそう言うと、2匹はこくりと頭を動かす。
やっぱり、樹おじさんの言葉も分かるんだ!
姫様と似ているのが魔力なら私も似ているんだろう。
亡くなったという話は、食事時に聞くのは止めておいた方がいい。
それでも、まだ疑問が残るけど……。
王都で見た、数百年前の第二王妃の肖像画はリーシャそっくりだった。
そして姫様と似た魔力か……、何か繋がりそうで繋がらないな……。
昼食後、木の下へいくと2通の羊皮紙が置かれている。
『ユカ様 四角いパンは美味しく頂きました。茶色のスープは甘いのですね。ですが、あまり無理をされぬよう果物だけで充分です』
……異世界のパンに比べたら、食パンはとても美味しいだろう。
今回はサンドイッチではなく、そのまま渡したから変な味もしないだろうけど、カレーは妖精さんにも甘かったようだ。
私宛の手紙には、料理のお礼とショートブレッドの追加が欲しいと書かれている。
妖精さんは、本当に甘い物が好きみたい。
最近仕事で忙しそうにしていたガーグ老達は、暫く家具工房を休業するらしい。
今日は時間があると言うのでショートブレッドを渡しお礼を述べ、父と祖父に奏伯父さんと樹おじさんを残し工房を後にした。
あの4人は、かなり将棋が強いので良い対戦相手になると思う。
槍での勝負が付かなかったからか、ガーグ老がシュウゲンさんに対局を申し込んでいたけど……祖父には勝てないだろうなぁ。
私達は樹おじさんの従魔をテイムしに、これからダンジョンへ向かう事にした。
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇