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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第635話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(30階) ポシェットをマジックバッグ20㎥へ
セイさんの旅程は順調のようで、問題が起こらなければ3週間後には迷宮都市へ到着するだろう。
また必要な物があれば持ってくると伝え、私達はホームに帰った。
翌日火曜日。
朝9時に地下15階のテント内へ移転し、安全地帯に出ると白梟が飛んできて樹おじさんの左肩に止まった。
という事は、この従魔はタマらしい。
「お~、タマ。ダンジョンまで遊びにきたのか?」
樹おじさんが、嬉しそうにタマの頭を撫でている。
「おじさん。2匹はそっくりなのに、よくタマだって分かったね~」
「あ~、タマの方が顔に愛嬌があるだろう?」
私が鎌をかけると樹おじさんは、しれっと答える。
梟を飼った経験もないのに、一度見ただけで分かるものだろうか……。
もしかしておじさんは、念話が通じるんじゃ?
私は一方通行で従魔達の言葉は聞こえないけど……。
その通りなら、何故それを秘密にする必要があるのか疑問だ。
飛んできた白梟を見たアマンダさんとダンクさんに新しい魔物をテイムしたのか聞かれ、知り合いの従魔が樹おじさんに凄く懐いているんですと説明すると、2人は奇妙な顔をしてそんな事があるのかと困惑気味になる。
迷宮都市で従魔を連れた冒険者は私達のパーティーしかいないので、不思議そうにしながらも最後は納得したようだ。
まぁ、普通じゃ有り得ないんだろうなぁ。
午後から摩天楼のダンジョンへ移動し、今日もテント内で内職だ。
樹おじさんに作ってもらう予定のマジックバッグの元を作ろう。
首から下げるタイプのポシェットを72個。
テーブルの上に型紙を広げ生地を採寸して裁断したら、ミシンで縫い合わせ表には蜂蜜をすくう可愛い〇~さんの絵を入れる。
ボタンひとつでキャラクターの絵を刺繍してくれるから、かなり便利だよね。
完成したポシェットの出来栄えに満足しマッピングで兄達の姿を見ると、3人は連携し上手く魔物を倒しており、父は相変わらず接近戦がメインで兄と旭はライトボールで瞬殺している。
沢山覚えた魔法は使い辛いのかな?
ずっと兄と2人乗りだった旭は、自分の騎獣が持てたのが嬉しいのか新しくテイムした山吹に乗り楽しそう。
雫ちゃんのお母さんに、テイムをお願いしなくて良かったかも……。
3時間後。
迷宮都市のダンジョンへ戻ると、地下15階の安全地帯では雫ちゃんのお母さんが怪我人を治療している所だった。
『MAXポーション』の販売を開始したけど、まだ冒険者全員には行き渡らない。
男性冒険者の治療を終えると若く可愛らしい容姿になった妻が心配のようで、すかさず隣にいた樹おじさんが夫ですと挨拶をしている。
後で雫ちゃんに聞いたら、毎回夫であると伝えているそうだ。
私のパーティーの治癒術師は、お礼が不要だと冒険者達は知っているから、テントに連れ込まれる事はないですよ?
その後、特に問題もなく5日間の攻略は終了。
冒険者ギルドへ換金にいき『お菓子の店』の売り上げを確認すると先週より金額が増えていたから、このままいけば1ヶ月銀貨10枚(10万円)の給料が渡せるかな?
樹おじさんは私が3店舗の経営者だと知り「優秀な娘だなぁ~」と父に向かって言い、にこにこしている。
召喚後、やたら娘と呼ばれるのはどうしてかしら?
次に『肉うどん店』と『製麺店』へ寄り樹おじさんを紹介すると、ここでも旭の妹の夫ですと強調しながら自己紹介するから笑ってしまった。
久し振りに夕食は『製麺店』の従業員と食べよう。
食事が出来上がるまで格上の相手と勝負した方が腕も上がるだろうと、男性陣には囲碁の相手をお願いする。
営業時間が『肉うどん店』と同じだから、『ミートパスタ』が食べられないと嘆いていたのを思い出し、夕食は『ミートパスタ』と『シチュー』にした。
体格の良くなった従業員達に合わせ麺の量は1.5人分にして、具がたっぷり入った『シチュー』を一緒に食べればお腹も足りると思う。
料理が出来上がった事を伝え、一旦囲碁の勝負は中断。
続きは食後にして下さい。
「オーナー。『ミートパスタ』は『肉うどん』とは全然違う麺を使用しているんですね。それに、こちらは箸ではなくフォークで食べるのか……。上に掛かったチーズが、また絡んで旨い! あぁ、セイから手紙の返事が届きました。迷宮都市へ向かっているそうです」
セイさんにバスクさんへ手紙を出すようお願いしていたから、それの返信が届いたらしい。
「じゃあ、あと2週間くらいで到着しますね」
「ええ、リュートのやつにも伝えたら楽しみに待っていると言っていましたよ」
元パーティーメンバーのリュートさんも、セイさんに会うのは20年振りくらいかな。
「ジョンさんが驚きそうです」
ダンクさんの父親は私の結婚式に出席するため、ダンジョンから一度帰還するので地上で再会する事になる。
「ジョンも懐かしいメンバーに会えたら嬉しいでしょう」
バスクさんは、皆に可愛がられていたセイさんが迷宮都市に戻ってくるのを知り喜んでいるみたい。
従業員の中には同じクランメンバーだった人もいるから、セイさんも会うのが楽しみだろうな。
食後、中断していた囲碁の続きが終わってから私達はホームに帰る。
5人とも勝ったらしく、バスクさん達は近い内に再戦をと意気込んでいた。
従業員用の娯楽に渡した囲碁は、楽しんでもらえているようで良かった。
『肉うどん店』の子供達にも、新しい曲を教えてあげよう!
後で『ミートパスタ』に必要なトマトの収穫時期じゃないと気付いたけれど、従業員達は多少の不思議にスルーしてくれるだろう……多分。
土曜日。
奏屋に果物を卸した後、薬師ギルドへ向かう。
受付嬢から案内された応接室のテーブル一杯に置かれたポーション瓶へ、兄達が浄化を掛けキラキラと光るのを眺めているとゼリアさんが入ってきた。
浄化代金を3人へ渡す際、雫ちゃんのお母さんだけに丁寧なお礼を伝えている。
孫のような年齢の少女を敬うような態度に、もの凄く違和感を覚えてしまう。
一体、誰と勘違いしているんだろうか? ゼリアさんは、会う度にボケが進行しているんじゃないかと心配になった。
薬師ギルドを出てホームに帰り、樹おじさんへ会いにいく。
今日はダンジョン攻略中に作製したポシェットを、マジックバッグにしてもらう予定なのだ。
「おじさん。Lvは上がった?」
「おう! 30になったぞ! ダンジョンの魔物は強いなぁ」
えっ!? 5日間でLv10から30に上がったって……。
父の時と違い過ぎるんですけど! どれだけ多くの魔物を倒したら、そんな短期間でLvが上がるの?
すると聞いていた雫ちゃんのお母さんが、懐疑的な表情になった。
「貴方、本当にLv30になったの? 私と一緒なんておかしいわよ!」
「……あれ? ステータスの見方を間違えたのかな? あぁ、Lv20の間違いだった!」
奥さんに言われてLvを訂正する樹おじさんが、なんだか焦っているように見える。
「Lv20で間違いないですか? じゃあ、MPは1,638ですよね」
「Lv20で合ってるよ」
なら、マジックバッグを1個作るのにMPが200必要か。
ハイエーテルを飲んでもらえば、10個は作製出来るだろう。
「じゃあ、このポシェットに空間魔法をお願いします。魔力が0になると昏倒してしまうので、ステータスを確認しながら魔力回復用のハイエーテルを飲んで下さいね」
そう言って、10個のポシェットと1本のハイエーテルをおじさんに渡した。
「よし、マジックバッグを作ろう」
受け取ったポシェットを手に取りおじさんが次々に空間魔法を掛けていき、8個終わった時点でハイエーテルを飲み残り2個も掛け終えた。
これでポシェットはマジックバッグ20㎥に変わった筈。
お礼にお昼をご馳走しますと言うと、とても喜んでもらえた。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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朝9時に地下15階のテント内へ移転し、安全地帯に出ると白梟が飛んできて樹おじさんの左肩に止まった。
という事は、この従魔はタマらしい。
「お~、タマ。ダンジョンまで遊びにきたのか?」
樹おじさんが、嬉しそうにタマの頭を撫でている。
「おじさん。2匹はそっくりなのに、よくタマだって分かったね~」
「あ~、タマの方が顔に愛嬌があるだろう?」
私が鎌をかけると樹おじさんは、しれっと答える。
梟を飼った経験もないのに、一度見ただけで分かるものだろうか……。
もしかしておじさんは、念話が通じるんじゃ?
私は一方通行で従魔達の言葉は聞こえないけど……。
その通りなら、何故それを秘密にする必要があるのか疑問だ。
飛んできた白梟を見たアマンダさんとダンクさんに新しい魔物をテイムしたのか聞かれ、知り合いの従魔が樹おじさんに凄く懐いているんですと説明すると、2人は奇妙な顔をしてそんな事があるのかと困惑気味になる。
迷宮都市で従魔を連れた冒険者は私達のパーティーしかいないので、不思議そうにしながらも最後は納得したようだ。
まぁ、普通じゃ有り得ないんだろうなぁ。
午後から摩天楼のダンジョンへ移動し、今日もテント内で内職だ。
樹おじさんに作ってもらう予定のマジックバッグの元を作ろう。
首から下げるタイプのポシェットを72個。
テーブルの上に型紙を広げ生地を採寸して裁断したら、ミシンで縫い合わせ表には蜂蜜をすくう可愛い〇~さんの絵を入れる。
ボタンひとつでキャラクターの絵を刺繍してくれるから、かなり便利だよね。
完成したポシェットの出来栄えに満足しマッピングで兄達の姿を見ると、3人は連携し上手く魔物を倒しており、父は相変わらず接近戦がメインで兄と旭はライトボールで瞬殺している。
沢山覚えた魔法は使い辛いのかな?
ずっと兄と2人乗りだった旭は、自分の騎獣が持てたのが嬉しいのか新しくテイムした山吹に乗り楽しそう。
雫ちゃんのお母さんに、テイムをお願いしなくて良かったかも……。
3時間後。
迷宮都市のダンジョンへ戻ると、地下15階の安全地帯では雫ちゃんのお母さんが怪我人を治療している所だった。
『MAXポーション』の販売を開始したけど、まだ冒険者全員には行き渡らない。
男性冒険者の治療を終えると若く可愛らしい容姿になった妻が心配のようで、すかさず隣にいた樹おじさんが夫ですと挨拶をしている。
後で雫ちゃんに聞いたら、毎回夫であると伝えているそうだ。
私のパーティーの治癒術師は、お礼が不要だと冒険者達は知っているから、テントに連れ込まれる事はないですよ?
その後、特に問題もなく5日間の攻略は終了。
冒険者ギルドへ換金にいき『お菓子の店』の売り上げを確認すると先週より金額が増えていたから、このままいけば1ヶ月銀貨10枚(10万円)の給料が渡せるかな?
樹おじさんは私が3店舗の経営者だと知り「優秀な娘だなぁ~」と父に向かって言い、にこにこしている。
召喚後、やたら娘と呼ばれるのはどうしてかしら?
次に『肉うどん店』と『製麺店』へ寄り樹おじさんを紹介すると、ここでも旭の妹の夫ですと強調しながら自己紹介するから笑ってしまった。
久し振りに夕食は『製麺店』の従業員と食べよう。
食事が出来上がるまで格上の相手と勝負した方が腕も上がるだろうと、男性陣には囲碁の相手をお願いする。
営業時間が『肉うどん店』と同じだから、『ミートパスタ』が食べられないと嘆いていたのを思い出し、夕食は『ミートパスタ』と『シチュー』にした。
体格の良くなった従業員達に合わせ麺の量は1.5人分にして、具がたっぷり入った『シチュー』を一緒に食べればお腹も足りると思う。
料理が出来上がった事を伝え、一旦囲碁の勝負は中断。
続きは食後にして下さい。
「オーナー。『ミートパスタ』は『肉うどん』とは全然違う麺を使用しているんですね。それに、こちらは箸ではなくフォークで食べるのか……。上に掛かったチーズが、また絡んで旨い! あぁ、セイから手紙の返事が届きました。迷宮都市へ向かっているそうです」
セイさんにバスクさんへ手紙を出すようお願いしていたから、それの返信が届いたらしい。
「じゃあ、あと2週間くらいで到着しますね」
「ええ、リュートのやつにも伝えたら楽しみに待っていると言っていましたよ」
元パーティーメンバーのリュートさんも、セイさんに会うのは20年振りくらいかな。
「ジョンさんが驚きそうです」
ダンクさんの父親は私の結婚式に出席するため、ダンジョンから一度帰還するので地上で再会する事になる。
「ジョンも懐かしいメンバーに会えたら嬉しいでしょう」
バスクさんは、皆に可愛がられていたセイさんが迷宮都市に戻ってくるのを知り喜んでいるみたい。
従業員の中には同じクランメンバーだった人もいるから、セイさんも会うのが楽しみだろうな。
食後、中断していた囲碁の続きが終わってから私達はホームに帰る。
5人とも勝ったらしく、バスクさん達は近い内に再戦をと意気込んでいた。
従業員用の娯楽に渡した囲碁は、楽しんでもらえているようで良かった。
『肉うどん店』の子供達にも、新しい曲を教えてあげよう!
後で『ミートパスタ』に必要なトマトの収穫時期じゃないと気付いたけれど、従業員達は多少の不思議にスルーしてくれるだろう……多分。
土曜日。
奏屋に果物を卸した後、薬師ギルドへ向かう。
受付嬢から案内された応接室のテーブル一杯に置かれたポーション瓶へ、兄達が浄化を掛けキラキラと光るのを眺めているとゼリアさんが入ってきた。
浄化代金を3人へ渡す際、雫ちゃんのお母さんだけに丁寧なお礼を伝えている。
孫のような年齢の少女を敬うような態度に、もの凄く違和感を覚えてしまう。
一体、誰と勘違いしているんだろうか? ゼリアさんは、会う度にボケが進行しているんじゃないかと心配になった。
薬師ギルドを出てホームに帰り、樹おじさんへ会いにいく。
今日はダンジョン攻略中に作製したポシェットを、マジックバッグにしてもらう予定なのだ。
「おじさん。Lvは上がった?」
「おう! 30になったぞ! ダンジョンの魔物は強いなぁ」
えっ!? 5日間でLv10から30に上がったって……。
父の時と違い過ぎるんですけど! どれだけ多くの魔物を倒したら、そんな短期間でLvが上がるの?
すると聞いていた雫ちゃんのお母さんが、懐疑的な表情になった。
「貴方、本当にLv30になったの? 私と一緒なんておかしいわよ!」
「……あれ? ステータスの見方を間違えたのかな? あぁ、Lv20の間違いだった!」
奥さんに言われてLvを訂正する樹おじさんが、なんだか焦っているように見える。
「Lv20で間違いないですか? じゃあ、MPは1,638ですよね」
「Lv20で合ってるよ」
なら、マジックバッグを1個作るのにMPが200必要か。
ハイエーテルを飲んでもらえば、10個は作製出来るだろう。
「じゃあ、このポシェットに空間魔法をお願いします。魔力が0になると昏倒してしまうので、ステータスを確認しながら魔力回復用のハイエーテルを飲んで下さいね」
そう言って、10個のポシェットと1本のハイエーテルをおじさんに渡した。
「よし、マジックバッグを作ろう」
受け取ったポシェットを手に取りおじさんが次々に空間魔法を掛けていき、8個終わった時点でハイエーテルを飲み残り2個も掛け終えた。
これでポシェットはマジックバッグ20㎥に変わった筈。
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