自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第651話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(30階) 新しい劇の披露&『お菓子の店』の給料支給

 3時間後。
 地下15階の安全地帯に戻りホームへ移動し、実家で母の作った昼食を食べた。
 午後からは、シュウゲンさんと一緒に摩天楼まてんろうのダンジョンへ向かう。
 30階の安全地帯に到着すると、ポチが父を見付け飛んできた。
 毎週、迷宮都市から会いにくるのは大変そうね。
 ガーグ老のLvは祖父と同じくらいかしら?
 それなら175以上あるかも知れないので、従魔Lvも相当高い。
 2匹の白ふくろうが移動する速度は、シルバー達よりも速いのかも知れないなぁ。

 ポチが父の右肩に止まり、兄達と一緒に安全地帯から出て攻略へ行った。
 私はかなで伯父さんとテント内に入り、メンバーのLv上げ用に生きたまま魔物をアイテムBOXへ収納する。
 シュウゲンさんは、今日も洞窟で鉱物採取をするそうだ。
 マッピングで魔物を索敵しながら、妖精さん達のショートブレッド作りを始めると、テント内には甘いお菓子の匂いが充満する。
 ファイアーボールがあればオーブンは不要なため、いつでも焼けるのは便利だよね~。
 
 30階に拠点を移してから、私のLvは55のまま上がらない。
 早く100まで上げたいので次に宝箱が出現したら、31階へ移動する予定。
 その後は最終攻略組がいない階層まで駆け抜けよう。
 2回の攻略後シュウゲンさんを実家に届け、迷宮都市地下15階の安全地帯へ戻ると、テント前でしずくちゃんのお母さんが治療をしていた。
 まだ『MAXポーション』の数が足りていないのか……。

 ダンクさん・アマンダさんパーティーとの夕食時、アマンダさんから子供達に新しい劇を見せたいと提案される。
 クリスマス会では劇の披露ひろうをしなかったので、楽しませてあげたいのだろう。
 私は少し考え、『白雪姫』と『人魚姫』を教える事にした。
 『白雪姫』はアマンダさんパーティーが、『人魚姫』はダンクさんパーティーがするそうだ。

 物語を聞かせると、アマンダさんが毒りんごを食べるシーンで首をかしげる。
 いかにも怪しそうなお婆さんから貰ったりんごを食べるのは、警戒心がないと言うのだ。
 いやおっしゃる通りなんですけど、これはそういう物語なんです……。
 ちゃんと食べて下さいね?
 ダンクさんは『人魚』は魔物かと言いうなっていたよ。
 いえ、魔物ではありません。
 あぁ……、また今回もひどい内容になりそう。
 果たして、原作の面影は残るだろうか?

 私の心配をよそに、2パーティーが配役を決めている。
 白雪姫はアマンダさん、人魚姫はリリーさんがするので一先ひとまず安心した。
 赤ずきんちゃんをダンクさんがした時は、どうしようかと思ったよ。
 人魚姫は魔物じゃないから討伐しないで下さいね。
 私の結婚式に合わせ地上へ帰還するので、1ヶ月後、披露する事になった。
 またサヨさんと衣装を作ろう。
 せめて衣装だけは、まともにしたい。

 話を聞いていた雫ちゃんが、劇を楽しみにしているようだ。
 違う意味で期待を裏切らない内容になると思う。
 どうせ、原作通りにはならないだろう。
 日本人が誰も知らない、『白雪姫』と『人魚姫』が見られるんじゃないかしら?
 稽古が始まれば、直ぐに思っている内容じゃないと気付くはず
 この日、夕食後の会話は続き中々離してもらえなかった。
 皆さん明日も攻略ですよ~。
 旭が兄の肩で眠っているんですけど!

 その後、5日間の攻略は問題なく終了し地上に戻って換金を済ませる。
 『お菓子の店』で売上確認をし、給料の銀貨10枚(10万円)を子供達に渡した。

「わぁ~、僕達こんなにもらっていいの?」

 冒険者としてではなく、安全な店の従業員として給料を受け取ったのは初めてだろう。
 
「えぇ、これから毎月同じ額を払うわ。皆、頑張ってね~」

「お姉ちゃん、ありがとう!」

 リーダーのカレンちゃんの言葉に続き、店の子供達全員が一斉に頭を下げ、

「ありがとう!」

 と口をそろえてお礼を言う。
 30人の子供達が、怪我を心配せず働ける事に感謝してくれているのだろう。
 護衛のリュートさんも、アリサちゃんを見ながら微笑んでいた。

 店から出てホームに移転し、兄と旭だけを連れ再び異世界へ戻る。
 『肉うどん店』へ寄り、子供達に新しい楽曲を教えてあげよう。
 夕食は母親達と一緒に迷宮サーモンとじゃが芋を入れた『グラタン』を作る。
 異世界のパンは食べやすいよう、『フレンチトースト』にして上から蜂蜜を掛けた。

 初めて見る料理に子供達がはしゃいでいる。
 牛乳を使用した物は迷宮都市では中々食べられない。
 今は奏屋かなでやへ行けば手に入るけど、昔は店頭に置いていなかった。
 1個200円もする卵も庶民にとっては高級品だろう。
 子供達がお腹一杯になった所で、新しい童謡を歌いながら聞かせてあげた。
 今回は『森のくまさん』。
 『かえるの歌』を教えたから、魔物のベアでも問題ないかな?

 ドレミを書いた羊皮紙を渡すと嬉しそうに、練習したらまた聞きにきてねと笑顔になる。
 前回、木琴をクリスマス会で演奏した時、他の子供達もやりたいと言っていたなぁ。
 両親を召喚した後、奏伯父さんとシュウゲンさんとの再会でバタバタしていたから、そろそろ考えておこう。
 木琴以外にもリコーダーやオカリナなら出来そうだし、ピアノに似た楽器は母が教えられる。

 冒険者登録出来ない10歳未満の子供達だけで、安全に移動する手段はどうしよう?
 やはり馬車を購入して、御者を雇うのが一番良いかしら?
 また商業ギルドのカマラさんに相談する必要がありそうだ。

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