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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第708話 旭 樹 再召喚 2 妻の残念な手料理&ティーナの事情説明
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夕食のメニューは、カレーと唐揚げに野菜サラダだった。
この中で一番ましなのは野菜サラダだけか……、唐揚げは中まで火が入っているのを願おう。
今日は市販のルーに何も足してないだろうか?
「あなたの好きなものにしたのよ~。皆も遠慮せず食べてね!」
俺の好きなものというより、他の料理に比べたらましなのでカレーのリクエストが多いだけだ。
「頂きます」
8年振りに妻の手料理を恐々口へ入れると案の定、激甘カレーだった。
隠し味がバッチリ分かるので、チョコレートを沢山入れたらしい。
「姿は変わっても、料理の味は同じなんだな……」
目の前の可愛らしい少女が結花だと言われても、どこか半信半疑だった俺はカレーを食べて納得した。
異世界人になっても、料理の腕は上達しなかったのか?
食事の最中、沙良ちゃんが現在どう生活しているか教えてくれた。
なんと皆で冒険者パーティーを組み、ダンジョンを攻略しているそうだ。
ハイエルフの王族だった俺は冒険者になれず、響と結婚し第二王妃になってからは妊娠が発覚。
出産後は女官長達に子供を預け、冒険者をする心算だったのを思い出す。
「冒険者! 俺も一緒にパーティーを組むよ! いや~、夢が叶った」
再び異世界に召喚され冒険者が出来ると思うと、つい顔が綻んでしまう。
「じゃあ明日、冒険者登録に行きましょう。ダンジョンにはC級冒険者じゃないと入れないので、Lv上げもしないといけないですね」
「Lvなら……。あぁ、そうだな俺は0なのか……。武器や防具も購入する必要がありそうだ。結局、注文して一度も使用出来なかったなぁ……」
ついLv上げの必要はないと言いそうになり口を噤む。
俺は、この世界に初めて来た事になっているからな。
日本に戻る前、響と一緒に冒険者をしようとドワーフの名匠に注文した武器があったんだが……。
あの爺さん、儂は引退しておるからと中々頷かないから、最後は女の武器を使って篭絡したのに……。
武器の引き渡し時、特別なお礼を約束したんだっけなぁ。
ありゃ男のロマンだ! 嫌いなやつはいない。
顔を柔らかいものに挟まれるのは、最高の気分になれる。
あのドワーフの爺さんは、俺の武器を完成させてくれたのかね。
手に入らないのが非常に残念だ。
「ホーム内の家は日本と同じなので、物は減ったりしませんよ?」
沙良ちゃんが不思議そうに尋ねてくる。
驚いた事に、今いる俺の家は彼女の能力であるホームの世界らしい。
ホーム内では日本と同じ生活が送れるみたいだ。
エルフが受ける精霊の加護より、断然こっちの方がいいじゃないか!
「いや……。あれは、家に置いてなかったんだよ」
まだ受け取ってもいなかったから、カルドサリ王国の王都の外れにある森の家にもないだろう。
でも最初に注文したバール氏の鍛えた剣は、森の家に置いてあるから折りを見て取りに行こう。
あの当時、必死にLvを100まで上げていた響のお祝い用に槍も注文したんだが……。
なんとか激甘カレーを完食し、非常に脂っこい唐揚げを食べ口直しに野菜サラダで一息吐くと、沙良ちゃんから1枚の封筒を渡された。
なんでも、召喚された人間には3つの能力が与えられるらしい。
俺は、何の能力かワクワクしながら封筒を開け手紙を読んでみた。
うん、既に覚えた能力は消えないんだな。
肝心の増えた能力は、付与魔法・空間魔法に……。
最後の性別変化って何だ!? まさか、また俺に子供を産ませる気じゃないだろうな?
曾婆ちゃん、俺の役目はもう済んだと言ってくれ!
内容を見て固まった俺の手元を覗き込み、響が確認している。
「なっ、なかなか良い能力だと思うぞ」
「攻撃魔法がひとつもないし、最後のはいらね~よ。女になっても良い事なんかない!」
お前の所為で痛い事ばっかりだったじゃね~か!
俺は最後の能力は絶対使用しないと心に誓う。
これじゃ、特典が1つ減り損した気分だ。
帰り際、沙良ちゃんからそれぞれ召喚時に落ちていた封筒を渡された。
同じパーティーを組むなら、皆の能力を把握しておいた方がいいだろう。
俺はLv70だが、多分基礎値が120と一番多い。
響はLvを100まで上げたが、基礎値は15とステータス値が低いから皆を守ってやらないと。
玄関まで見送りに出た俺は、我慢出来ずティーナを抱きしめた。
あぁ、俺がお腹を痛めて産んだ娘が生きている。
娘の雫と再会した時とは違う、特別な気持ちが湧き起こった。
これは父親と母親の違いだろうか?
両方を経験した俺にしか分からない気持ちかも知れない。
「生きていてくれてありがとう」
もっとずっと抱き締めていたかったが、それは彼女に不信感を与える事になる。
そっと両腕を離し娘の姿を最後まで見続けた。
一瞬だけ響と視線を交わす。
詳しい事情は夜にと言っていたから、いつもの場所で待っていよう。
「あなた、今日は驚いたでしょ? 早く寝た方がいいんじゃない?」
可愛らしい少女姿の妻にあなたと言われると、もの凄く違和感があるんだが……。
「あぁ、悪いな結花。ちょっと、響と出掛けてくるよ。色々、聞きたい話もあるし」
「そう? なるべく早く帰ってきてね!」
なんだか、非常に残念そうな口調が気になった。
8年振りに会うから、少しでも俺と一緒にいたいんだろうか?
「いってくるよ。帰りが遅くなりそうなら、先に寝てくれ」
「分かったわ、いってらっしゃい」
家を出ると本当に日本と同じ景色だ。
ホーム内にいたら、異世界召喚されたと気付かないんじゃないか?
ただ、こんな時間なのに通りを走る車は一台もなかった。
人間も俺達しかいないらしい。
待ち合わせ場所の居酒屋に入ると、客も店員の姿もないので不思議な感じがする。
5分程待つと響が店に入ってきた。
「まずは、何か注文しよう」
そう言って、テーブルの上にある電子メニューを取り何品か注文している。
人がいないのに誰が作るんだ?
疑問に思っていると、突然目の前にビールジョッキと料理が現れ驚く。
まじか!?
「あ~、どこから話せばいい?」
「ティーナが沙良ちゃんだって理由を教えてくれ」
俺は出てきたビールや料理に手もつけず、一番気になっている事を問いただす。
「そうだな……。俺達の娘のティーナは、世界樹の精霊王の下で育てられたらしい。俺はまだこの世界にきて2ヶ月だが、その間に色々あり精霊王とも会っている。事情を聞いたらティーナは巫女姫で、ある存在に狙われているみたいだ。それで記憶を封印し、地球へ転生させたと言っていた。ちなみに、お前がこの世界で亡くなってから300年経っている」
「巫女姫? 俺が産んだ娘は、てっきり【存在を秘匿された御方】と呼ばれるエルフの守護神だと思っていたが……」
「あぁ、そういった存在でもあるようだぞ。ティーナは今、影衆達に守られている。お前より多い人数でな」
「じゃあ娘の生存は、本国に知られているのか……。なら、影衆の精鋭部隊『万象』が護衛に付いているんだろう。しかし、300年後なら当時の知り合いはいないだろうな……」
「いや、ガーグ老達は生きてる」
「はっ? もう1,000歳超えてるじゃないか! どれだけ、Lvを上げたんだか……」
「ヒルダに会いたがっているだろうが、今のお前の姿じゃなぁ」
「この姿で姫様呼びは勘弁してくれ。会う機会はあるのか?」
「毎週、娘達が武術稽古を受けてるよ」
「あぁぁ~。そりゃ嫌でも再会しそうだ」
俺は、ずっと護衛をしてくれたガーグ老達がまだ生きていると知り嬉しい反面、過去がバレないか頭を抱える。
あのご老人達に演技力を期待するのは無理だろう。
彼らの本業は姿を隠し王族の護衛をする事だ。
諜報を担う一族とは、必要な能力が違い過ぎる。
「一応ガーグ老に通じる念話の魔道具で、大袈裟にしないよう伝えておこう」
そう言ってくれても全く安心出来ない。
俺は大きな溜息を吐き、漸く生ビールに口を付けた。
「娘の転生先が、父親の下だったのは偶然か? 俺達はティーナだと知らず、沙良ちゃんの成長を見ていたんだな。お前の娘が俺の娘でもあった訳だ。育てる事は出来なかったが、ずっと傍にいたとは……。今は俺とそっくりになっているから心配だよな。300歳を過ぎているのに子供のままだし」
「分かっているだろうが、お前の娘だというのはまだ伏せておけよ。記憶が戻った時に話せばいい。それまで樹おじさんのままでいろ。お前が母親だと知ったら沙良が混乱する」
「嘘も隠し事も苦手なのに……。響がフォローしろよ?」
「それは、俺も正直言って自信がない。もう既に、色々やらかしている気がするな……」
「駄目じゃん!」
俺達は共通の秘密をバレないよう隠し通す必要がある。
あの一夜限りの過ちを、お互いの妻に暴露する訳にはいかない。
久し振りに親友と会い、妻に早く帰ってきてねと言われていたのをすっかり忘れ、俺達は店で飲み明かしたのだった。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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この中で一番ましなのは野菜サラダだけか……、唐揚げは中まで火が入っているのを願おう。
今日は市販のルーに何も足してないだろうか?
「あなたの好きなものにしたのよ~。皆も遠慮せず食べてね!」
俺の好きなものというより、他の料理に比べたらましなのでカレーのリクエストが多いだけだ。
「頂きます」
8年振りに妻の手料理を恐々口へ入れると案の定、激甘カレーだった。
隠し味がバッチリ分かるので、チョコレートを沢山入れたらしい。
「姿は変わっても、料理の味は同じなんだな……」
目の前の可愛らしい少女が結花だと言われても、どこか半信半疑だった俺はカレーを食べて納得した。
異世界人になっても、料理の腕は上達しなかったのか?
食事の最中、沙良ちゃんが現在どう生活しているか教えてくれた。
なんと皆で冒険者パーティーを組み、ダンジョンを攻略しているそうだ。
ハイエルフの王族だった俺は冒険者になれず、響と結婚し第二王妃になってからは妊娠が発覚。
出産後は女官長達に子供を預け、冒険者をする心算だったのを思い出す。
「冒険者! 俺も一緒にパーティーを組むよ! いや~、夢が叶った」
再び異世界に召喚され冒険者が出来ると思うと、つい顔が綻んでしまう。
「じゃあ明日、冒険者登録に行きましょう。ダンジョンにはC級冒険者じゃないと入れないので、Lv上げもしないといけないですね」
「Lvなら……。あぁ、そうだな俺は0なのか……。武器や防具も購入する必要がありそうだ。結局、注文して一度も使用出来なかったなぁ……」
ついLv上げの必要はないと言いそうになり口を噤む。
俺は、この世界に初めて来た事になっているからな。
日本に戻る前、響と一緒に冒険者をしようとドワーフの名匠に注文した武器があったんだが……。
あの爺さん、儂は引退しておるからと中々頷かないから、最後は女の武器を使って篭絡したのに……。
武器の引き渡し時、特別なお礼を約束したんだっけなぁ。
ありゃ男のロマンだ! 嫌いなやつはいない。
顔を柔らかいものに挟まれるのは、最高の気分になれる。
あのドワーフの爺さんは、俺の武器を完成させてくれたのかね。
手に入らないのが非常に残念だ。
「ホーム内の家は日本と同じなので、物は減ったりしませんよ?」
沙良ちゃんが不思議そうに尋ねてくる。
驚いた事に、今いる俺の家は彼女の能力であるホームの世界らしい。
ホーム内では日本と同じ生活が送れるみたいだ。
エルフが受ける精霊の加護より、断然こっちの方がいいじゃないか!
「いや……。あれは、家に置いてなかったんだよ」
まだ受け取ってもいなかったから、カルドサリ王国の王都の外れにある森の家にもないだろう。
でも最初に注文したバール氏の鍛えた剣は、森の家に置いてあるから折りを見て取りに行こう。
あの当時、必死にLvを100まで上げていた響のお祝い用に槍も注文したんだが……。
なんとか激甘カレーを完食し、非常に脂っこい唐揚げを食べ口直しに野菜サラダで一息吐くと、沙良ちゃんから1枚の封筒を渡された。
なんでも、召喚された人間には3つの能力が与えられるらしい。
俺は、何の能力かワクワクしながら封筒を開け手紙を読んでみた。
うん、既に覚えた能力は消えないんだな。
肝心の増えた能力は、付与魔法・空間魔法に……。
最後の性別変化って何だ!? まさか、また俺に子供を産ませる気じゃないだろうな?
曾婆ちゃん、俺の役目はもう済んだと言ってくれ!
内容を見て固まった俺の手元を覗き込み、響が確認している。
「なっ、なかなか良い能力だと思うぞ」
「攻撃魔法がひとつもないし、最後のはいらね~よ。女になっても良い事なんかない!」
お前の所為で痛い事ばっかりだったじゃね~か!
俺は最後の能力は絶対使用しないと心に誓う。
これじゃ、特典が1つ減り損した気分だ。
帰り際、沙良ちゃんからそれぞれ召喚時に落ちていた封筒を渡された。
同じパーティーを組むなら、皆の能力を把握しておいた方がいいだろう。
俺はLv70だが、多分基礎値が120と一番多い。
響はLvを100まで上げたが、基礎値は15とステータス値が低いから皆を守ってやらないと。
玄関まで見送りに出た俺は、我慢出来ずティーナを抱きしめた。
あぁ、俺がお腹を痛めて産んだ娘が生きている。
娘の雫と再会した時とは違う、特別な気持ちが湧き起こった。
これは父親と母親の違いだろうか?
両方を経験した俺にしか分からない気持ちかも知れない。
「生きていてくれてありがとう」
もっとずっと抱き締めていたかったが、それは彼女に不信感を与える事になる。
そっと両腕を離し娘の姿を最後まで見続けた。
一瞬だけ響と視線を交わす。
詳しい事情は夜にと言っていたから、いつもの場所で待っていよう。
「あなた、今日は驚いたでしょ? 早く寝た方がいいんじゃない?」
可愛らしい少女姿の妻にあなたと言われると、もの凄く違和感があるんだが……。
「あぁ、悪いな結花。ちょっと、響と出掛けてくるよ。色々、聞きたい話もあるし」
「そう? なるべく早く帰ってきてね!」
なんだか、非常に残念そうな口調が気になった。
8年振りに会うから、少しでも俺と一緒にいたいんだろうか?
「いってくるよ。帰りが遅くなりそうなら、先に寝てくれ」
「分かったわ、いってらっしゃい」
家を出ると本当に日本と同じ景色だ。
ホーム内にいたら、異世界召喚されたと気付かないんじゃないか?
ただ、こんな時間なのに通りを走る車は一台もなかった。
人間も俺達しかいないらしい。
待ち合わせ場所の居酒屋に入ると、客も店員の姿もないので不思議な感じがする。
5分程待つと響が店に入ってきた。
「まずは、何か注文しよう」
そう言って、テーブルの上にある電子メニューを取り何品か注文している。
人がいないのに誰が作るんだ?
疑問に思っていると、突然目の前にビールジョッキと料理が現れ驚く。
まじか!?
「あ~、どこから話せばいい?」
「ティーナが沙良ちゃんだって理由を教えてくれ」
俺は出てきたビールや料理に手もつけず、一番気になっている事を問いただす。
「そうだな……。俺達の娘のティーナは、世界樹の精霊王の下で育てられたらしい。俺はまだこの世界にきて2ヶ月だが、その間に色々あり精霊王とも会っている。事情を聞いたらティーナは巫女姫で、ある存在に狙われているみたいだ。それで記憶を封印し、地球へ転生させたと言っていた。ちなみに、お前がこの世界で亡くなってから300年経っている」
「巫女姫? 俺が産んだ娘は、てっきり【存在を秘匿された御方】と呼ばれるエルフの守護神だと思っていたが……」
「あぁ、そういった存在でもあるようだぞ。ティーナは今、影衆達に守られている。お前より多い人数でな」
「じゃあ娘の生存は、本国に知られているのか……。なら、影衆の精鋭部隊『万象』が護衛に付いているんだろう。しかし、300年後なら当時の知り合いはいないだろうな……」
「いや、ガーグ老達は生きてる」
「はっ? もう1,000歳超えてるじゃないか! どれだけ、Lvを上げたんだか……」
「ヒルダに会いたがっているだろうが、今のお前の姿じゃなぁ」
「この姿で姫様呼びは勘弁してくれ。会う機会はあるのか?」
「毎週、娘達が武術稽古を受けてるよ」
「あぁぁ~。そりゃ嫌でも再会しそうだ」
俺は、ずっと護衛をしてくれたガーグ老達がまだ生きていると知り嬉しい反面、過去がバレないか頭を抱える。
あのご老人達に演技力を期待するのは無理だろう。
彼らの本業は姿を隠し王族の護衛をする事だ。
諜報を担う一族とは、必要な能力が違い過ぎる。
「一応ガーグ老に通じる念話の魔道具で、大袈裟にしないよう伝えておこう」
そう言ってくれても全く安心出来ない。
俺は大きな溜息を吐き、漸く生ビールに口を付けた。
「娘の転生先が、父親の下だったのは偶然か? 俺達はティーナだと知らず、沙良ちゃんの成長を見ていたんだな。お前の娘が俺の娘でもあった訳だ。育てる事は出来なかったが、ずっと傍にいたとは……。今は俺とそっくりになっているから心配だよな。300歳を過ぎているのに子供のままだし」
「分かっているだろうが、お前の娘だというのはまだ伏せておけよ。記憶が戻った時に話せばいい。それまで樹おじさんのままでいろ。お前が母親だと知ったら沙良が混乱する」
「嘘も隠し事も苦手なのに……。響がフォローしろよ?」
「それは、俺も正直言って自信がない。もう既に、色々やらかしている気がするな……」
「駄目じゃん!」
俺達は共通の秘密をバレないよう隠し通す必要がある。
あの一夜限りの過ちを、お互いの妻に暴露する訳にはいかない。
久し振りに親友と会い、妻に早く帰ってきてねと言われていたのをすっかり忘れ、俺達は店で飲み明かしたのだった。
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