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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第709話 旭 樹 再召喚 3 妻の狙い&乙女ゲームの世界?
日付が変わった頃、俺達は店を後にする。
ホーム内の飲食店は全て利用可能で、会計は日本円で支払えばいいそうだ。
預金もATMで引き出せるし、響の能力で異世界の金を日本円に換金出来ると聞き、森の家へ隠していたヘソクリを思い出す。
ハイエルフの王族時代、王女の予算は潤沢にあり俺はそれを殆ど使わず残していた。
社交も必要がなかったし、ドレスや宝飾にも興味がなかったから自然と貯まっていたんだよな。
響と結婚し第二王妃になってからは、毎月お小遣いが貰えたし。
それも全て産まれてくる娘のために残しておいたのだ。
あれ? じゃあ、今は大金持ちなのか?
なんか得した気分だ。
異世界から日本に帰還した時は、何も持ち帰れなかったから嬉しい!
老後の資金が沢山あると気付き、ほろ酔い気分の俺はご機嫌な状態で家へ帰った。
寝室に入ると違和感を覚える。
シングルベッドが2台並んでいた部屋は、ダブルベッドが1台になっていた。
結花が買い替えたのか?
息子が亡くなった後、シングルベッドで別々に寝るようになり何年も経つ。
ベッドの中央を占領している妻を少し動かそうと布団を捲り、手が止まった。
なっ、なんて下着を付けてるんだ!
いつもはパジャマなのに、スケスケのネグリジェ姿の少女を見て後ろめたい気持ちになる。
早く帰ってきてと言われたのは、夜のお誘いだったのか?
しかし、この姿の妻を抱くには抵抗がある。
夫婦だし問題はないと分かっていても、78歳の俺が20歳を相手にするのはちょっと……。
しかも雫と同い年なんだよなぁ。
それに聞いてないが、妻は初めてなんじゃないだろうか?
俺の脳裏に響との初夜がよぎる。
あれは、本当に痛かった!
女性の良さを少しも感じられず、悪い記憶しかないしトラウマになっている。
そう思うと、些か所じゃなく二の足を踏んでしまう。
もう少し、この姿の妻に慣れるまで待ってもらおう。
彼女は、この世界の人間だから家族もいるだろう。
既に結婚して子供が2人いる身だが、ご両親に挨拶もしないといけないしな。
そこまで考え風邪を引きそうな恰好をしている妻を、なるべく見ないようにパジャマを着せた。
少し元気になっている息子は忘れ、俺も隣で眠りに就く。
中々気分が落ち着かず、結局寝るまで1時間も掛かってしまったが……。
その間に沙良ちゃんから渡された封筒の中身を読み、事情を確認していた。
妻は伯爵令嬢で、娘は平民か……。
息子がダンジョンマスターになっていたのは、特異すぎやしないか?
そもそも人間じゃない気がする。
沙良ちゃんが召喚してくれて助かった。
目覚めると、少女が俺に密着していたため慌てる。
おおっ! 慣れないと驚くなぁ。
寝ている妻を起こさないようベッドから抜け出し、子供達の部屋に向かう。
昨日はティーナが生きていると知り、2人をよく見られなかったからな。
雫の部屋に入ると、兄妹で仲良く寝ている姿があった。
妹は、お兄ちゃん子だから添い寝をしてもらっていたようだ。
この部屋は、雫が亡くなった当時のまま。
俺達は娘の遺品を片付けられず、思い出を偲ぶよすがとしていた。
その当時と同じ部屋に2人が寝息を立て眠っている。
失ってしまった筈の俺の子供達。
これからは、独りじゃない事に胸が熱くなる。
そっと音を立てないよう、部屋から出ようとした所で2人の位置が逆になっているのに気付く。
なんで、尚人が雫に腕枕されてるんだ?
そういえば昨日、妹に目隠しされてなかったか?
どこか腑に落ちないものを感じながら、腕が痺れたら可哀想だと思い外してやった。
30分程すると妻が起きてくる。
「あら、早いのね! 昨日は遅かったのに……」
少し恨めしそうな表情なのは、俺の帰りを待っていたからだろう。
「ベッドが変わって、少し眠れなかったんだ」
「そう……。パジャマを着せてくれたのは、あなた?」
「あぁ、寒そうだったからな」
「寒そうって……。他に感想はないのかしら?」
いや、何と言えばいいんだ?
手を出さなかった俺は責められているようで、身の置き所がない。
あんな刺激的な下着姿は反則だろう。
「風邪を引きそうだから、もう少し暖かい恰好で寝た方がいいと思う」
俺の返事に妻は大きな溜息を吐き、子供達を起こしにいった。
あぁ、これから毎晩大変そうな予感がする。
何か対策を練っておこう。
朝食を作ろうとする妻に息子がモーニングを奢ると言ったので、朝から悶絶するのは回避出来た。
俺達は近所の喫茶店でサンドイッチが付いたモーニングを食べる。
この普通の味が美味しい。
家に戻ると沙良ちゃんが妻と息子を迎えにきた。
これから異世界の薬師ギルドへ仕事を受けに行くらしい。
ポーションに浄化とヒールを掛けるみたいだ。
2人が光魔法を使えるなら冒険者として活動するのも安心だな。
雫と2人になってから今までの生活を尋ねると、元は公爵令嬢だと言う。
沙良ちゃんと一緒の家にいたが、後妻の母親が前妻の子を虐待したのがバレて貴族籍を剥奪され平民落ちになったようだ。
その際、自分が遊んでいた乙女ゲームの世界だと気付いたから冒険者になって良かったと笑う。
乙女ゲーム? そりゃ何だ?
雫はそのゲームの登場人物で悪役令嬢、妻は主人公役らしい。
「沙良お姉ちゃんが家をホームに設定してくれた後、そのゲームを探したんだけど見付からないの。お母さんは処分した覚えがないって言うのに変だよね?」
そこで俺は、会社の忘年会のビンゴゲームで当たった景品を思い出す。
確か、何かのゲームソフトだったから雫へあげた記憶がある。
「それに、同じゲームは販売されてなかったんだよ。試作品だったのかなぁ~」
それは変だ。
ティーナが地球に転生した後、この世界に戻ってくるのが必然だったなら……。
そのゲームは異世界で混乱しないための布石にならないか?
だとしたら、雫もまた記憶を封印された関係者の可能性が高い。
こりゃ後で響と相談する必要がありそうだな。
雫は12歳で冒険者となったから一番基礎値が低く、魔法も4属性のボール系しか覚えられないと言い拗ねていた。
午後はいよいよ、ホームから異世界に移転しLv上げをする。
異世界の家の庭へ移動すると、その高い塀に驚いた。
これは一体、何を想定し建てた家なんだ?
「沙良ちゃん? この家の塀は何!?」
「新築を建てる時、防音対策に商業ギルドが付けてくれたんですよ~。外から見えないので、移転するとき便利で助かってます」
「要塞みたいだ……」
そうとしか思えない。
商業ギルドか……、確か諜報担当のマケイラ家が数人潜入していたよな。
ティーナの存在を知り、陰で動いているかも知れない。
ハイエルフの王族が人間の国で冒険者をしているなら、万全の準備を整える必要がある。
各関係者に迷惑を掛けていそうで、大変申し訳ない気分になった。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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ホーム内の飲食店は全て利用可能で、会計は日本円で支払えばいいそうだ。
預金もATMで引き出せるし、響の能力で異世界の金を日本円に換金出来ると聞き、森の家へ隠していたヘソクリを思い出す。
ハイエルフの王族時代、王女の予算は潤沢にあり俺はそれを殆ど使わず残していた。
社交も必要がなかったし、ドレスや宝飾にも興味がなかったから自然と貯まっていたんだよな。
響と結婚し第二王妃になってからは、毎月お小遣いが貰えたし。
それも全て産まれてくる娘のために残しておいたのだ。
あれ? じゃあ、今は大金持ちなのか?
なんか得した気分だ。
異世界から日本に帰還した時は、何も持ち帰れなかったから嬉しい!
老後の資金が沢山あると気付き、ほろ酔い気分の俺はご機嫌な状態で家へ帰った。
寝室に入ると違和感を覚える。
シングルベッドが2台並んでいた部屋は、ダブルベッドが1台になっていた。
結花が買い替えたのか?
息子が亡くなった後、シングルベッドで別々に寝るようになり何年も経つ。
ベッドの中央を占領している妻を少し動かそうと布団を捲り、手が止まった。
なっ、なんて下着を付けてるんだ!
いつもはパジャマなのに、スケスケのネグリジェ姿の少女を見て後ろめたい気持ちになる。
早く帰ってきてと言われたのは、夜のお誘いだったのか?
しかし、この姿の妻を抱くには抵抗がある。
夫婦だし問題はないと分かっていても、78歳の俺が20歳を相手にするのはちょっと……。
しかも雫と同い年なんだよなぁ。
それに聞いてないが、妻は初めてなんじゃないだろうか?
俺の脳裏に響との初夜がよぎる。
あれは、本当に痛かった!
女性の良さを少しも感じられず、悪い記憶しかないしトラウマになっている。
そう思うと、些か所じゃなく二の足を踏んでしまう。
もう少し、この姿の妻に慣れるまで待ってもらおう。
彼女は、この世界の人間だから家族もいるだろう。
既に結婚して子供が2人いる身だが、ご両親に挨拶もしないといけないしな。
そこまで考え風邪を引きそうな恰好をしている妻を、なるべく見ないようにパジャマを着せた。
少し元気になっている息子は忘れ、俺も隣で眠りに就く。
中々気分が落ち着かず、結局寝るまで1時間も掛かってしまったが……。
その間に沙良ちゃんから渡された封筒の中身を読み、事情を確認していた。
妻は伯爵令嬢で、娘は平民か……。
息子がダンジョンマスターになっていたのは、特異すぎやしないか?
そもそも人間じゃない気がする。
沙良ちゃんが召喚してくれて助かった。
目覚めると、少女が俺に密着していたため慌てる。
おおっ! 慣れないと驚くなぁ。
寝ている妻を起こさないようベッドから抜け出し、子供達の部屋に向かう。
昨日はティーナが生きていると知り、2人をよく見られなかったからな。
雫の部屋に入ると、兄妹で仲良く寝ている姿があった。
妹は、お兄ちゃん子だから添い寝をしてもらっていたようだ。
この部屋は、雫が亡くなった当時のまま。
俺達は娘の遺品を片付けられず、思い出を偲ぶよすがとしていた。
その当時と同じ部屋に2人が寝息を立て眠っている。
失ってしまった筈の俺の子供達。
これからは、独りじゃない事に胸が熱くなる。
そっと音を立てないよう、部屋から出ようとした所で2人の位置が逆になっているのに気付く。
なんで、尚人が雫に腕枕されてるんだ?
そういえば昨日、妹に目隠しされてなかったか?
どこか腑に落ちないものを感じながら、腕が痺れたら可哀想だと思い外してやった。
30分程すると妻が起きてくる。
「あら、早いのね! 昨日は遅かったのに……」
少し恨めしそうな表情なのは、俺の帰りを待っていたからだろう。
「ベッドが変わって、少し眠れなかったんだ」
「そう……。パジャマを着せてくれたのは、あなた?」
「あぁ、寒そうだったからな」
「寒そうって……。他に感想はないのかしら?」
いや、何と言えばいいんだ?
手を出さなかった俺は責められているようで、身の置き所がない。
あんな刺激的な下着姿は反則だろう。
「風邪を引きそうだから、もう少し暖かい恰好で寝た方がいいと思う」
俺の返事に妻は大きな溜息を吐き、子供達を起こしにいった。
あぁ、これから毎晩大変そうな予感がする。
何か対策を練っておこう。
朝食を作ろうとする妻に息子がモーニングを奢ると言ったので、朝から悶絶するのは回避出来た。
俺達は近所の喫茶店でサンドイッチが付いたモーニングを食べる。
この普通の味が美味しい。
家に戻ると沙良ちゃんが妻と息子を迎えにきた。
これから異世界の薬師ギルドへ仕事を受けに行くらしい。
ポーションに浄化とヒールを掛けるみたいだ。
2人が光魔法を使えるなら冒険者として活動するのも安心だな。
雫と2人になってから今までの生活を尋ねると、元は公爵令嬢だと言う。
沙良ちゃんと一緒の家にいたが、後妻の母親が前妻の子を虐待したのがバレて貴族籍を剥奪され平民落ちになったようだ。
その際、自分が遊んでいた乙女ゲームの世界だと気付いたから冒険者になって良かったと笑う。
乙女ゲーム? そりゃ何だ?
雫はそのゲームの登場人物で悪役令嬢、妻は主人公役らしい。
「沙良お姉ちゃんが家をホームに設定してくれた後、そのゲームを探したんだけど見付からないの。お母さんは処分した覚えがないって言うのに変だよね?」
そこで俺は、会社の忘年会のビンゴゲームで当たった景品を思い出す。
確か、何かのゲームソフトだったから雫へあげた記憶がある。
「それに、同じゲームは販売されてなかったんだよ。試作品だったのかなぁ~」
それは変だ。
ティーナが地球に転生した後、この世界に戻ってくるのが必然だったなら……。
そのゲームは異世界で混乱しないための布石にならないか?
だとしたら、雫もまた記憶を封印された関係者の可能性が高い。
こりゃ後で響と相談する必要がありそうだな。
雫は12歳で冒険者となったから一番基礎値が低く、魔法も4属性のボール系しか覚えられないと言い拗ねていた。
午後はいよいよ、ホームから異世界に移転しLv上げをする。
異世界の家の庭へ移動すると、その高い塀に驚いた。
これは一体、何を想定し建てた家なんだ?
「沙良ちゃん? この家の塀は何!?」
「新築を建てる時、防音対策に商業ギルドが付けてくれたんですよ~。外から見えないので、移転するとき便利で助かってます」
「要塞みたいだ……」
そうとしか思えない。
商業ギルドか……、確か諜報担当のマケイラ家が数人潜入していたよな。
ティーナの存在を知り、陰で動いているかも知れない。
ハイエルフの王族が人間の国で冒険者をしているなら、万全の準備を整える必要がある。
各関係者に迷惑を掛けていそうで、大変申し訳ない気分になった。
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◇小説家になろうでも同時連載中です◇