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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第787話 エンハルト王国 アマンダさんからの依頼 5 女王との謁見
予定していた時刻より早く移転した私達に驚いていた魔術師の1人が、ヴィクターさんへ話しかける。
「ヴィクター王子、まだ魔法陣は起動してませんが……。どうやっていらしたのでしょう?」
双方の魔法陣へ魔力を与える事で、移転可能になる仕組みなんだろう。
魔力量の多い女官長が、移転先の魔法陣も起動させてしまったのか……。
「あ~、カルドサリ王国には優秀な魔術師がいるようだ」
質問されたヴィクターさんは目を泳がせながら、差し障りのない回答をする。
6人の宮廷魔術師達に代わり、痺れを切らせた女官長が起動したとは言えなかったらしい。
「そ、そうですか……。エンハルト王国に、ようこそいらっしゃいました。私達は、ここで失礼させて頂きます」
客人の私達の前で追及は出来なかったんだろう。
6人の魔術師達は一礼して、その場を後にした。
「お待たせしました。場所を移動しましょう」
ヴィクターさんの案内に続き、ぞろぞろと後をついていく。
こちら側は25人と数が多いけど、王族の護衛なら、これくらい普通なのかな?
女官長達が増える件も快く了解してもらえたし……。
魔法陣があった部屋は王宮内に続いているらしく、そのまま王様と謁見するそうだ。
今回は非公式なので、会うのは王様だけみたい。
私は王様に会うと知りドキドキしていたけど、樹おじさんや兄達に緊張した様子はなかった。
大きな扉の前には騎士が2人待機している。
ヴィクターさんを見た2人が目礼し扉を開く。
ここが王の間なのか……。
だだっ広い室内の奥には玉座があり、妙齢の女性が座っていた。
女王なの!? 彼女は私達が部屋の中央まで進み出ると、玉座から降り近付いてきた。
私は衣装に着替えた時、女官長から言われた言葉を思い出す。
『エルフの王族は、絶対に頭を下げてはなりません』
立場上、エルフの王女となっている私は女官長の言葉に頷きを返したけど……。
本当にそれでいいのか甚だ疑問だ。
他国の王と王女なら、王の方が身分が上じゃないのかな?
種族的な優劣でもあるのかしら?
女王は樹おじさんの前で跪き、頭を下げる。
そのまま言葉を掛けられるのを待っているようだ。
「非公式の場ですから、立って下さいな」
樹おじさんが、そう声を掛けると女王は顔を上げ、
「失礼いたします」
と言い徐に立ち上がった。
隣にいる私の方へ視線を向け僅かに目を瞠る。
「エルフの王女様方、我が国に足をお運び下さりありがとうございます。私はヴィクターの母です」
女王としてではなく態々、母だと名乗ったのは非公式の場だと言った樹おじさんの言葉を受けたからだろうか。
「ヒルダよ。娘は私そっくりで、可愛いでしょう?」
場を和ませるためか、おじさんが娘自慢を始める。
「はい、とても可愛らしい娘さんで羨ましいです。うちの息子も中々だと思いますが、どうですか?」
言われたヴィクターさんが焦っている。
お見合いじゃないよね?
「母上、私より青龍の話をして下さい」
「まぁ、せっかちね。王女様方。息子から聞いていると思いますが、我が国を守護している青龍の声が巫女に届かず困っております。特産品である碧水晶の質が落ちているのも、関係がありそうなのです。湧き水の量も減り、このままでは水の国と称えられた我が国が危機的状況に陥るのも時間の問題。どうか青龍の声を聞いて下さいませ」
「ええ、そのために来たのよ。まずは、巫女から話を聞きましょう」
「では青龍の巫女を呼んで参ります」
その後、私達は王の間を出て女王の私室に移動した。
巫女が来るまで、気になっていた件を尋ねよう。
「あの……ヴィクターさんは何故、女性になっていたんですか?」
身分を偽るため、姿変えの魔道具を使用するのは分かる。
でも性別を変える必要があったとは思えない。
「それは……」
ヴィクターさんは樹おじさんに視線を向け、言うのを躊躇っているような?
息子の後を女王が引き継いだ。
「青龍の巫女が、カルドサリ王国に嫁いだエルフの王女様なら問題を解決出来るかも知れないと言うので、息子を送り出したんです。巫女の予知では迷宮都市に現れると……。ですから冒険者として自然に接触出来るよう、お待ちしていたんですの。ですがサラ様は年齢が合わず、待っていた方ではないと秘密にしておりました。ヒルダ様の事は古い文献にカルドサリ国王と、お忍びで出掛けられた記述が残っております。酒場へ繰り出すのが多かったようですね。酌婦の胸元に金貨を入れられたとあり、女性がお好きなのかと思いまして……」
ヒルダさん、何してるの!?
ヴィクターさんが女装していたのは、とんでもない理由だったよ!
聞いた樹おじさんが吹き出していた。
「えっ? 見られてたのか……」
「姫様、後で話し合いが必要なようですね」
「女官長! いや、300年も前の話だよ?」
「今だろうと300年前だろうと変わりありません。報告しなかったガーグ老も同罪です」
どうやら、私はヒルダさんの過去を暴露してしまったらしい。
そして樹おじさんと女官長は、演技力があるなぁ~。
まるで当人のように話している。
少し口調が乱れてしまってるけど……。
ガーグ老達は視線を外し、遠い目をしていた。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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「ヴィクター王子、まだ魔法陣は起動してませんが……。どうやっていらしたのでしょう?」
双方の魔法陣へ魔力を与える事で、移転可能になる仕組みなんだろう。
魔力量の多い女官長が、移転先の魔法陣も起動させてしまったのか……。
「あ~、カルドサリ王国には優秀な魔術師がいるようだ」
質問されたヴィクターさんは目を泳がせながら、差し障りのない回答をする。
6人の宮廷魔術師達に代わり、痺れを切らせた女官長が起動したとは言えなかったらしい。
「そ、そうですか……。エンハルト王国に、ようこそいらっしゃいました。私達は、ここで失礼させて頂きます」
客人の私達の前で追及は出来なかったんだろう。
6人の魔術師達は一礼して、その場を後にした。
「お待たせしました。場所を移動しましょう」
ヴィクターさんの案内に続き、ぞろぞろと後をついていく。
こちら側は25人と数が多いけど、王族の護衛なら、これくらい普通なのかな?
女官長達が増える件も快く了解してもらえたし……。
魔法陣があった部屋は王宮内に続いているらしく、そのまま王様と謁見するそうだ。
今回は非公式なので、会うのは王様だけみたい。
私は王様に会うと知りドキドキしていたけど、樹おじさんや兄達に緊張した様子はなかった。
大きな扉の前には騎士が2人待機している。
ヴィクターさんを見た2人が目礼し扉を開く。
ここが王の間なのか……。
だだっ広い室内の奥には玉座があり、妙齢の女性が座っていた。
女王なの!? 彼女は私達が部屋の中央まで進み出ると、玉座から降り近付いてきた。
私は衣装に着替えた時、女官長から言われた言葉を思い出す。
『エルフの王族は、絶対に頭を下げてはなりません』
立場上、エルフの王女となっている私は女官長の言葉に頷きを返したけど……。
本当にそれでいいのか甚だ疑問だ。
他国の王と王女なら、王の方が身分が上じゃないのかな?
種族的な優劣でもあるのかしら?
女王は樹おじさんの前で跪き、頭を下げる。
そのまま言葉を掛けられるのを待っているようだ。
「非公式の場ですから、立って下さいな」
樹おじさんが、そう声を掛けると女王は顔を上げ、
「失礼いたします」
と言い徐に立ち上がった。
隣にいる私の方へ視線を向け僅かに目を瞠る。
「エルフの王女様方、我が国に足をお運び下さりありがとうございます。私はヴィクターの母です」
女王としてではなく態々、母だと名乗ったのは非公式の場だと言った樹おじさんの言葉を受けたからだろうか。
「ヒルダよ。娘は私そっくりで、可愛いでしょう?」
場を和ませるためか、おじさんが娘自慢を始める。
「はい、とても可愛らしい娘さんで羨ましいです。うちの息子も中々だと思いますが、どうですか?」
言われたヴィクターさんが焦っている。
お見合いじゃないよね?
「母上、私より青龍の話をして下さい」
「まぁ、せっかちね。王女様方。息子から聞いていると思いますが、我が国を守護している青龍の声が巫女に届かず困っております。特産品である碧水晶の質が落ちているのも、関係がありそうなのです。湧き水の量も減り、このままでは水の国と称えられた我が国が危機的状況に陥るのも時間の問題。どうか青龍の声を聞いて下さいませ」
「ええ、そのために来たのよ。まずは、巫女から話を聞きましょう」
「では青龍の巫女を呼んで参ります」
その後、私達は王の間を出て女王の私室に移動した。
巫女が来るまで、気になっていた件を尋ねよう。
「あの……ヴィクターさんは何故、女性になっていたんですか?」
身分を偽るため、姿変えの魔道具を使用するのは分かる。
でも性別を変える必要があったとは思えない。
「それは……」
ヴィクターさんは樹おじさんに視線を向け、言うのを躊躇っているような?
息子の後を女王が引き継いだ。
「青龍の巫女が、カルドサリ王国に嫁いだエルフの王女様なら問題を解決出来るかも知れないと言うので、息子を送り出したんです。巫女の予知では迷宮都市に現れると……。ですから冒険者として自然に接触出来るよう、お待ちしていたんですの。ですがサラ様は年齢が合わず、待っていた方ではないと秘密にしておりました。ヒルダ様の事は古い文献にカルドサリ国王と、お忍びで出掛けられた記述が残っております。酒場へ繰り出すのが多かったようですね。酌婦の胸元に金貨を入れられたとあり、女性がお好きなのかと思いまして……」
ヒルダさん、何してるの!?
ヴィクターさんが女装していたのは、とんでもない理由だったよ!
聞いた樹おじさんが吹き出していた。
「えっ? 見られてたのか……」
「姫様、後で話し合いが必要なようですね」
「女官長! いや、300年も前の話だよ?」
「今だろうと300年前だろうと変わりありません。報告しなかったガーグ老も同罪です」
どうやら、私はヒルダさんの過去を暴露してしまったらしい。
そして樹おじさんと女官長は、演技力があるなぁ~。
まるで当人のように話している。
少し口調が乱れてしまってるけど……。
ガーグ老達は視線を外し、遠い目をしていた。
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