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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第792話 エンハルト王国 アマンダさんからの依頼 10 女王への報告&魔族の活用方法
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今度も扉は抵抗なく開き、私達が全員出た後で自動に閉まった。
シルバーとフォレストをアイテムBOXに入れ、用意された客室へ向かう。
女王へ報告する前に魔族の問題を片付けたい。
異界に帰られてしまえば、召喚陣を知らない私達は呼び出せないからね。
ガーグ老達がいる隣室へ入ると、魔族の青年は意識を失った状態で簀巻きにされ床へ転がされていた。
「姫様。青龍殿には会えましたかな?」
「ええ、寝ていただけのようよ。問題も解決出来たわ」
樹おじさんが、ガーグ老の質問に簡潔に答える。
「何と、青龍殿は寝ておられたのか……」
理由を聞いたガーグ老は唖然としていた。
「依頼が済んだなら、もうここに用はありませんな」
そうなんだけど、アシュカナ帝国に攫われた青龍の巫女の件が残っている。
「ガーグ老、いなくなった巫女が心配だわ。ちょっと魔族を起こしてくれる?」
「サラ……ちゃん。今回の依頼に、巫女の事は含まれてないであろう? 帝国へ奪還に行かれる心算か?」
「そうではなく、こちらも魔族を利用しようと思って」
「コレが役に立つとは言えませんな……」
弱い魔族を見て、ガーグ老が賛成しかねるといった表情をする。
セイさんと茜も首を横に振っていた。
自分より弱い者は信用出来ないんだろう。
「裏技を試してみたいの!」
首を傾げて両手を組み、お願いのポーズを取る。
兄には全く効果がないポーズだけど、姫様そっくりの私がすればガーグ老は折れてくれるに違いない。
瞳をうるうるさせてガーグ老をじっと見つめると、
「起こすだけですぞ」
渋々了解してくれ、簀巻きにされた魔族の体を数ヶ所突き意識を回復させた。
目を開いた魔族は真っ先に樹おじさんの姿を確認して、ズルズル近寄ろうとする。
あれ? まだ魔法の効果が続いてる?
「樹おじさん。魅惑魔法を解除して下さい」
「……解除方法がわからないのよ」
えっ? じゃあ、ずっとこの状態のまま?
「茜、魅了魔法の効果時間は?」
「1時間程度でなくなる」
おかしいな、もう1時間は経っている筈なんだけど……。
「おじさん、魅惑魔法のLvは幾つですか?」
「Lv7……かしら?」
ううん? 何で魅惑魔法のLvがそんなに高いの?
これは効果がなくなるまで時間が掛かりそうだ。
魔族と契約するなら、正常な状態じゃないと無理だよね。
先に女王へ報告した方が良さそう。
「え~っと、じゃあ依頼達成の報告に行きましょう」
魔族の見張りを残し、ガーグ老達と女官長達を引き連れ女王の私室へ向かい、報告を待っていた女王とヴィクターさんに樹おじさんが事情説明する。
「巫女の声が届かなかった原因は……、青龍が寝ていたからです」
「はい? えっ? 12年も寝ていたと言うのですか?」
話を聞いた2人が、口を開けポカンとなった。
もっと複雑な事情があると思っていただろうから、気持ちは分かる。
「ええ。水量も元に戻ったようですから、もう安心して下さい」
「水量が増えたのは、こちらでも確認しました。……我が国の問題を解決して下さり、本当にありがとうございます」
青龍が寝ていただけとはいえ、巫女しか開けられない扉の奥へ入れず女王も困っていただろう。
「依頼料です。お納め下さい」
ヴィクターさんが、青色の生地で出来た巾着を樹おじさんに渡していた。
これで金貨300枚(3億円)貰うのは、少し気が引けるなぁ。
まぁ国の危機を救った代価なら、高くはないのかも知れないけど……。
「今日は城にお泊り下さい」
「ええ、そうさせてもらいます」
報告を済ませた私達は客室に戻り、これからの事を話し合った。
女王から巫女の件は何も言われていない。
でも知ったからには協力してあげたいよね。
「魔族の爵位を上げて、アシュカナ帝国に攫われた巫女を連れ出す契約をしようと思うの」
「お前が考えている方法は何だ?」
兄は直ぐに反対せず意見を促してきた。
私が直接アシュカナ帝国へ行くわけじゃないから、話を聞いてくれるみたい。
「ステータスのMPが契約の対価に必要なんだよね? 普通はステータスのMP値が下がるからリスクのある契約だけど、MPが上がる飴を舐めればリスクを回避出来るでしょ? 簡単な依頼をすれば、魔族のMPを上げられないかな? 飴は1日1個の使用制限があるから、全員の願いを叶えてもらえばいいと思う」
「あぁ、エーテルを飴にした物か……。そんな方法で爵位は上がるのか?」
「魔族と契約する人は少ないから、いけるんじゃないかな? セイさん、どうですか?」
「沙良さんの考えた方法で、爵位を上げられると思います。本人にMPがどれくらい増えれば上がるか、聞いてみましょう」
「今はまだ、樹おじさんの魔法に掛かった状態だから待つ必要がありそう……」
私の提案に兄が許可を出したので、魔法の効果が切れるのを待ち試す事になった。
メンバー5人とガーグ老達を合わせ25人。
エーテルの飴は50、ハイエーテルの飴はMP値が100増える。
全員の願いを叶えれば、1日で150×25=3,750のMPが増加するだろう。
足りなければ毎日何かしらお願いすればいい。
10日で37,500になるし、残りのパーティーメンバーを考えたらもっと早く育成可能だ。
取り敢えず、今いる4人に飴を渡し舐めてもらおう。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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シルバーとフォレストをアイテムBOXに入れ、用意された客室へ向かう。
女王へ報告する前に魔族の問題を片付けたい。
異界に帰られてしまえば、召喚陣を知らない私達は呼び出せないからね。
ガーグ老達がいる隣室へ入ると、魔族の青年は意識を失った状態で簀巻きにされ床へ転がされていた。
「姫様。青龍殿には会えましたかな?」
「ええ、寝ていただけのようよ。問題も解決出来たわ」
樹おじさんが、ガーグ老の質問に簡潔に答える。
「何と、青龍殿は寝ておられたのか……」
理由を聞いたガーグ老は唖然としていた。
「依頼が済んだなら、もうここに用はありませんな」
そうなんだけど、アシュカナ帝国に攫われた青龍の巫女の件が残っている。
「ガーグ老、いなくなった巫女が心配だわ。ちょっと魔族を起こしてくれる?」
「サラ……ちゃん。今回の依頼に、巫女の事は含まれてないであろう? 帝国へ奪還に行かれる心算か?」
「そうではなく、こちらも魔族を利用しようと思って」
「コレが役に立つとは言えませんな……」
弱い魔族を見て、ガーグ老が賛成しかねるといった表情をする。
セイさんと茜も首を横に振っていた。
自分より弱い者は信用出来ないんだろう。
「裏技を試してみたいの!」
首を傾げて両手を組み、お願いのポーズを取る。
兄には全く効果がないポーズだけど、姫様そっくりの私がすればガーグ老は折れてくれるに違いない。
瞳をうるうるさせてガーグ老をじっと見つめると、
「起こすだけですぞ」
渋々了解してくれ、簀巻きにされた魔族の体を数ヶ所突き意識を回復させた。
目を開いた魔族は真っ先に樹おじさんの姿を確認して、ズルズル近寄ろうとする。
あれ? まだ魔法の効果が続いてる?
「樹おじさん。魅惑魔法を解除して下さい」
「……解除方法がわからないのよ」
えっ? じゃあ、ずっとこの状態のまま?
「茜、魅了魔法の効果時間は?」
「1時間程度でなくなる」
おかしいな、もう1時間は経っている筈なんだけど……。
「おじさん、魅惑魔法のLvは幾つですか?」
「Lv7……かしら?」
ううん? 何で魅惑魔法のLvがそんなに高いの?
これは効果がなくなるまで時間が掛かりそうだ。
魔族と契約するなら、正常な状態じゃないと無理だよね。
先に女王へ報告した方が良さそう。
「え~っと、じゃあ依頼達成の報告に行きましょう」
魔族の見張りを残し、ガーグ老達と女官長達を引き連れ女王の私室へ向かい、報告を待っていた女王とヴィクターさんに樹おじさんが事情説明する。
「巫女の声が届かなかった原因は……、青龍が寝ていたからです」
「はい? えっ? 12年も寝ていたと言うのですか?」
話を聞いた2人が、口を開けポカンとなった。
もっと複雑な事情があると思っていただろうから、気持ちは分かる。
「ええ。水量も元に戻ったようですから、もう安心して下さい」
「水量が増えたのは、こちらでも確認しました。……我が国の問題を解決して下さり、本当にありがとうございます」
青龍が寝ていただけとはいえ、巫女しか開けられない扉の奥へ入れず女王も困っていただろう。
「依頼料です。お納め下さい」
ヴィクターさんが、青色の生地で出来た巾着を樹おじさんに渡していた。
これで金貨300枚(3億円)貰うのは、少し気が引けるなぁ。
まぁ国の危機を救った代価なら、高くはないのかも知れないけど……。
「今日は城にお泊り下さい」
「ええ、そうさせてもらいます」
報告を済ませた私達は客室に戻り、これからの事を話し合った。
女王から巫女の件は何も言われていない。
でも知ったからには協力してあげたいよね。
「魔族の爵位を上げて、アシュカナ帝国に攫われた巫女を連れ出す契約をしようと思うの」
「お前が考えている方法は何だ?」
兄は直ぐに反対せず意見を促してきた。
私が直接アシュカナ帝国へ行くわけじゃないから、話を聞いてくれるみたい。
「ステータスのMPが契約の対価に必要なんだよね? 普通はステータスのMP値が下がるからリスクのある契約だけど、MPが上がる飴を舐めればリスクを回避出来るでしょ? 簡単な依頼をすれば、魔族のMPを上げられないかな? 飴は1日1個の使用制限があるから、全員の願いを叶えてもらえばいいと思う」
「あぁ、エーテルを飴にした物か……。そんな方法で爵位は上がるのか?」
「魔族と契約する人は少ないから、いけるんじゃないかな? セイさん、どうですか?」
「沙良さんの考えた方法で、爵位を上げられると思います。本人にMPがどれくらい増えれば上がるか、聞いてみましょう」
「今はまだ、樹おじさんの魔法に掛かった状態だから待つ必要がありそう……」
私の提案に兄が許可を出したので、魔法の効果が切れるのを待ち試す事になった。
メンバー5人とガーグ老達を合わせ25人。
エーテルの飴は50、ハイエーテルの飴はMP値が100増える。
全員の願いを叶えれば、1日で150×25=3,750のMPが増加するだろう。
足りなければ毎日何かしらお願いすればいい。
10日で37,500になるし、残りのパーティーメンバーを考えたらもっと早く育成可能だ。
取り敢えず、今いる4人に飴を渡し舐めてもらおう。
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これからもよろしくお願い致します。
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