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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第797話 迷宮都市 魔族との契約 5&武術稽古 お礼の『ミートパスタ』・『照り焼きチキンピザ』
見た目は普通のセイさんの、どこにそんな力があるか不思議に思った私は槍を降ろし、彼に近付きぺたぺたと両腕を触ってみる。
程よい筋肉は付いているけど、ムキムキじゃない。
私が繰り出した本気の一撃が、指先で止められるようには思えないんだけどなぁ。
「あの……、サラさん? そんなに触られると恥ずかしいので、そろそろ……」
運命の相手を探すくらい純粋なセイさんは、女性に耐性がないのか頬を染め顔を背けて口籠る。
おっと、失礼。
つい、兄や旭にするよう気安く触ってしまった。
年上の男性なんだけど、何故か親近感が湧いて家族みたいに感じるのよ。
「セイさんは、力が強いんですね。不思議に思い触ってしまいました」
「ええっと、はい。力では誰にも負けません」
きっぱりとそう言い切り、爽やかな笑顔を向ける。
それを聞いた私は大きくなったなと嬉しく感じ、頭を撫でたい衝動に駆られ戸惑う。
この感覚は一体何だろう? 弟のように彼を可愛く思うのは恋ではなさそうだけど……。
ガーグ老から終了の合図が出るまでセイさんと稽古を続け、一度も勝てずに終わった。
相手が強すぎて自分の実力が今一、分からないのが問題よね。
ルシファーの様子を見ると、地面に倒れ伏している。
武闘派組の契約は終了したかしら? 少し休ませてあげよう。
昼食の準備を雫ちゃんと始め、ミノタウロス肉をミンサーで挽肉にしてもらい、『ミートパスタ』を作る。
それだけだと足りないから、『照り焼きチキンピザ』も追加。
完成した料理を妖精さんにお供えして、テーブル席に着く。
「お待たせしました。皆さん、今日もありがとうございます。お昼のメニューは、『ミートパスタ』と『照り焼きチキンピザ』です。それでは頂きましょう」
「頂きます!」
女官の毒見は必要ないのか、待たずに食べられた。
ルシファーは異世界にいる間、食事する必要はないみたいで、樹おじさんの正面に座り食べる姿をニコニコ見ている。
その隣で父が渋い顔をしているのは、魅惑魔法の効果が切れてないと知っているからか……。
雫ちゃんのお母さんは、夫へ熱い視線を送るルシファーに何も文句は言わず寧ろ面白がっている。
女性化した樹おじさんが、男性から思いを寄せられても気にならないようだ。
困っているおじさんを半分からかっているのかも知れない。
女官長達は、初めて食べる『パスタ』をスプーンとフォークを使用し綺麗な所作で口に入れる。
「サラ様は、本当に料理がお上手ですね。他にも何か得意な事はありますか?」
私が返事をする前に、ガーグ老が話し出す。
「サラ……ちゃんは、見事な舞を踊れるぞ!」
あれ? 子供達の前で扇舞を披露したのを、ガーグ老は見ていたの?
私が踊ったのは、あの時ただ一度きりだ。
疑問に思っていると父が口を挟む。
「娘は現代舞踊を習っていてな、ガーグ老に自慢したんだ。親馬鹿で申し訳ない」
あぁ、父が教えたのか……。
それは止めてほしかった。
「まぁ是非、私共にも見せて下さいませ!」
聞いた女官長が目を輝かせ言い募る。
やっぱり、そうなるよね~。
正直、完成度の低い舞を見せるのは嫌なんだけど……。
どうせなら100%の状態で見てほしい。
なので、ここは茜にバトンタッチしよう。
「練習してからにしますね。今日は茜の剣舞を楽しんで下さい」
「えっ!? 姉さん、突然振るのは勘弁してよ」
「大丈夫! いつも早朝に稽古してるでしょ?」
再会時も全裸で剣舞をしていたし、異世界でも毎日欠かさず行っていたのは明白だ。
私が期待に満ちた目を向けると、やれやれと首を振り少しだけならと言ってくれた。
食後、茜が2本の剣を手に剣舞を披露してみせる。
幾つかの大会で優勝経験がある茜の演舞は、キレキレで技の冴えが素晴らしい。
旭が見惚れたようにほうっと溜息を吐き、少し悔しそうな表情をしているのは知らない振りをしよう。
どうやっても勝てない相手はいるんだよ。
私なんか、雫ちゃんにさえ槍で勝てるか分からない。
剣舞を終え一礼した茜に皆が盛大な拍手を送る。
父は満足そうな表情を浮かべ、茜の肩を叩いていた。
さて、次はルシファーの爵位上げをしよう。
私は不器用な彼が出来る簡単なお願いを考える。
リバーシの遣り方を教え、対戦して圧勝!
雫ちゃんはケルベロスが見たいと言い、そんな凶悪な魔物はいないと却下されていた。
三つ首のケルベロスは異界に存在しないらしい。
少し私も見てみたかった。
代わりにペットの大蛇を見せられ、爬虫類が苦手な雫ちゃんは涙目になり旭の背中へ隠れた。
雫ちゃんのお母さんが、従魔の源五郎を呼びルシファーを騎乗させる。
飛び跳ねるフォレストウサギの背中から落ちないよう、必死にしがみつく姿に笑ってしまった。
旭はバスケットボールを取り出し、3ポイントシュートを入れるよう願う。
高校時代バスケ部主将だった旭は、綺麗な弧を描きシュートの見本を見せた。
いつの間に、バスケのゴールポストを用意したんだろう?
ルシファーはボール競技をした経験がなく、何回もシュートを外す。
最後は意地になり、舌打ちしながら達成。
兄がけん玉を取り出し、真ん中の突き出た部分に3回連続入れろと指示する。
あぁ、それは彼に難しい課題だよ。
お手玉が苦手な時点で、分かっているのに意地悪だなぁ。
ルシファーは顔を真っ赤にしながら何度も挑戦し、なんとか3回連続入れた。
これで、今日の契約は終了。
3日間で、魔力は3,750+4,650+4,650=13,050増えた計算になる。
次の爵位まで必要な10,000は満たした。
「ルシファー、爵位は上がった?」
「子爵に上がった。伯爵は15,000の魔力が必要だが、残りは11,950だな。こんな短期間で爵位が上がる魔族はいないだろう」
それこそ、私の望み通りだ。
「お疲れ様。また明日召喚するから、異界に帰還していいよ」
「あの……、姫を抱き締めたい」
樹おじさんは、ルシファーの台詞にぎょっとして嫌だと首をブンブン振る。
父に首根っこを押さえられ、「帰れ!」と言われたルシファーが悲しそうにおじさんを見つめながら異界へ帰った。
このまま魅惑魔法に掛かった状態で50日後、女性化が解けた樹おじさんを見たら彼はどうなってしまうんだろう? 本当は男性だと知った時が怖い。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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私が繰り出した本気の一撃が、指先で止められるようには思えないんだけどなぁ。
「あの……、サラさん? そんなに触られると恥ずかしいので、そろそろ……」
運命の相手を探すくらい純粋なセイさんは、女性に耐性がないのか頬を染め顔を背けて口籠る。
おっと、失礼。
つい、兄や旭にするよう気安く触ってしまった。
年上の男性なんだけど、何故か親近感が湧いて家族みたいに感じるのよ。
「セイさんは、力が強いんですね。不思議に思い触ってしまいました」
「ええっと、はい。力では誰にも負けません」
きっぱりとそう言い切り、爽やかな笑顔を向ける。
それを聞いた私は大きくなったなと嬉しく感じ、頭を撫でたい衝動に駆られ戸惑う。
この感覚は一体何だろう? 弟のように彼を可愛く思うのは恋ではなさそうだけど……。
ガーグ老から終了の合図が出るまでセイさんと稽古を続け、一度も勝てずに終わった。
相手が強すぎて自分の実力が今一、分からないのが問題よね。
ルシファーの様子を見ると、地面に倒れ伏している。
武闘派組の契約は終了したかしら? 少し休ませてあげよう。
昼食の準備を雫ちゃんと始め、ミノタウロス肉をミンサーで挽肉にしてもらい、『ミートパスタ』を作る。
それだけだと足りないから、『照り焼きチキンピザ』も追加。
完成した料理を妖精さんにお供えして、テーブル席に着く。
「お待たせしました。皆さん、今日もありがとうございます。お昼のメニューは、『ミートパスタ』と『照り焼きチキンピザ』です。それでは頂きましょう」
「頂きます!」
女官の毒見は必要ないのか、待たずに食べられた。
ルシファーは異世界にいる間、食事する必要はないみたいで、樹おじさんの正面に座り食べる姿をニコニコ見ている。
その隣で父が渋い顔をしているのは、魅惑魔法の効果が切れてないと知っているからか……。
雫ちゃんのお母さんは、夫へ熱い視線を送るルシファーに何も文句は言わず寧ろ面白がっている。
女性化した樹おじさんが、男性から思いを寄せられても気にならないようだ。
困っているおじさんを半分からかっているのかも知れない。
女官長達は、初めて食べる『パスタ』をスプーンとフォークを使用し綺麗な所作で口に入れる。
「サラ様は、本当に料理がお上手ですね。他にも何か得意な事はありますか?」
私が返事をする前に、ガーグ老が話し出す。
「サラ……ちゃんは、見事な舞を踊れるぞ!」
あれ? 子供達の前で扇舞を披露したのを、ガーグ老は見ていたの?
私が踊ったのは、あの時ただ一度きりだ。
疑問に思っていると父が口を挟む。
「娘は現代舞踊を習っていてな、ガーグ老に自慢したんだ。親馬鹿で申し訳ない」
あぁ、父が教えたのか……。
それは止めてほしかった。
「まぁ是非、私共にも見せて下さいませ!」
聞いた女官長が目を輝かせ言い募る。
やっぱり、そうなるよね~。
正直、完成度の低い舞を見せるのは嫌なんだけど……。
どうせなら100%の状態で見てほしい。
なので、ここは茜にバトンタッチしよう。
「練習してからにしますね。今日は茜の剣舞を楽しんで下さい」
「えっ!? 姉さん、突然振るのは勘弁してよ」
「大丈夫! いつも早朝に稽古してるでしょ?」
再会時も全裸で剣舞をしていたし、異世界でも毎日欠かさず行っていたのは明白だ。
私が期待に満ちた目を向けると、やれやれと首を振り少しだけならと言ってくれた。
食後、茜が2本の剣を手に剣舞を披露してみせる。
幾つかの大会で優勝経験がある茜の演舞は、キレキレで技の冴えが素晴らしい。
旭が見惚れたようにほうっと溜息を吐き、少し悔しそうな表情をしているのは知らない振りをしよう。
どうやっても勝てない相手はいるんだよ。
私なんか、雫ちゃんにさえ槍で勝てるか分からない。
剣舞を終え一礼した茜に皆が盛大な拍手を送る。
父は満足そうな表情を浮かべ、茜の肩を叩いていた。
さて、次はルシファーの爵位上げをしよう。
私は不器用な彼が出来る簡単なお願いを考える。
リバーシの遣り方を教え、対戦して圧勝!
雫ちゃんはケルベロスが見たいと言い、そんな凶悪な魔物はいないと却下されていた。
三つ首のケルベロスは異界に存在しないらしい。
少し私も見てみたかった。
代わりにペットの大蛇を見せられ、爬虫類が苦手な雫ちゃんは涙目になり旭の背中へ隠れた。
雫ちゃんのお母さんが、従魔の源五郎を呼びルシファーを騎乗させる。
飛び跳ねるフォレストウサギの背中から落ちないよう、必死にしがみつく姿に笑ってしまった。
旭はバスケットボールを取り出し、3ポイントシュートを入れるよう願う。
高校時代バスケ部主将だった旭は、綺麗な弧を描きシュートの見本を見せた。
いつの間に、バスケのゴールポストを用意したんだろう?
ルシファーはボール競技をした経験がなく、何回もシュートを外す。
最後は意地になり、舌打ちしながら達成。
兄がけん玉を取り出し、真ん中の突き出た部分に3回連続入れろと指示する。
あぁ、それは彼に難しい課題だよ。
お手玉が苦手な時点で、分かっているのに意地悪だなぁ。
ルシファーは顔を真っ赤にしながら何度も挑戦し、なんとか3回連続入れた。
これで、今日の契約は終了。
3日間で、魔力は3,750+4,650+4,650=13,050増えた計算になる。
次の爵位まで必要な10,000は満たした。
「ルシファー、爵位は上がった?」
「子爵に上がった。伯爵は15,000の魔力が必要だが、残りは11,950だな。こんな短期間で爵位が上がる魔族はいないだろう」
それこそ、私の望み通りだ。
「お疲れ様。また明日召喚するから、異界に帰還していいよ」
「あの……、姫を抱き締めたい」
樹おじさんは、ルシファーの台詞にぎょっとして嫌だと首をブンブン振る。
父に首根っこを押さえられ、「帰れ!」と言われたルシファーが悲しそうにおじさんを見つめながら異界へ帰った。
このまま魅惑魔法に掛かった状態で50日後、女性化が解けた樹おじさんを見たら彼はどうなってしまうんだろう? 本当は男性だと知った時が怖い。
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