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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第833話 シュウゲン 16 鍛冶魔法の練習 3
作製する武器を解体ナイフから剣に変更し、鍛冶魔法のLv上げをする傍らS級ダンジョンに潜り攻略階層を下げようと思っていた。
安全地帯がないダンジョンでは一日中気が抜けず、泊まりで攻略するのは難しい。
バールは鍛冶をする際の火魔法を使用する契約精霊代わりなので、同行しているものの魔物を倒したりはせず見ているだけだ。
冒険者パーティーを組んでいるとは言えず、儂は単独で攻略しているのも同然だった。
彼には魔物を倒すという概念がないのか、未だバールが何の種族なのか分からぬ。
今回初めて地下2階に足を踏み入れた。
地下1階と同じような景色が続き、奧の方には大きな山が見える。
多分、あの山も鉱山になっているのだろう。
冒険者ギルドで確認した常設依頼の魔物は、聞いた事もない名前ばかりであったが集団で襲われない限り問題ない。
必要のないワイバーンの鱗は家に置いてきたし、新しく容量が多く入るマジックバッグも購入済みだ。
使用者登録付きの物は金貨410枚もしたわ! 4億円以上もするとは信じられん!
痛い出費を回収しようと、今日は沢山魔物を狩る気満々じゃ。
最初に会敵した魔物を体術で落とし、次の獲物を探す途中で珍しく中年の女性冒険者の姿を見掛けた。
ドワーフの国では、女性が冒険者に就く事は殆どない。
同じ理由で、登録するのにLvが100必要な鍛冶職を選択する女性もいないと聞いていたが……。
このS級ダンジョンはA級の鍛冶資格がないと入れぬから、彼女は鍛冶職人なのだろうか?
儂が彼女を見付けたように、相手もこちらの存在に気付いたのか近付いてきた。
「やあ、君も鉱山へ採掘しに来たのかい?」
声を掛けられ、無視するわけにもいかず口を開く。
「今日は魔物を狩りに来ただけだ。地下2階の鉱山で採掘するには時間が足りぬ」
「あぁ、泊まりの準備がないのか。安全地帯がない場所では、見張りが必要になるからな。テイムした魔物か、警報装置を置けばテントを張って寝れるぞ?」
「あいにく、そのどちらもない」
黒曜はテイムしたのではなく、契約を結んだ従魔だからの。
「そうか……。警報装置は冒険者ギルドに売っているから、長く潜りたい時は購入するといい」
黙ったまま儂ら2人の遣り取りを聞いていたバールが、口を挟んできた。
「あの……、ここには何をしにおいでで?」
「いや、知り合いに様子を見るよう頼まれたんだ。怪我もなく、元気そうで良かった。じゃあな」
そう言うと彼女は手をひらりとさせ、その場を去っていった。
「バール。お前の知り合いか?」
会話の内容から彼の様子を見に来たのだろうと思い尋ねると、
「はぁ……。実際に、お会いしたのは初めてですが……」
何とも言い難い顔で返事が返ってくる。
火の精霊王の知り合いであったのか?
よく分からんが、バールの行動は把握されておるようじゃ。
このダンジョンに泊まる際、必要な警報装置を教えてくれた女性は悪い人物ではなさそうだな。
いずれ必要になるであろうから、王都へ帰る前に購入しておこう。
その後は先程の女性とすれ違う事もなく、時間ぎりぎりまで魔物を倒しダンジョンを出た。
冒険者ギルドで換金したあと、受付嬢に警報装置が欲しいと告げると奇妙な顔して、
「警報装置より、毎週乗ってくる竜馬を連れた方がいいんじゃないかしら?」
そう提案された。
「あの竜馬はテイムした魔物ではなく、契約を結んだ従魔だ」
「契約した魔物ですって!? ちょっと、ギルマスを呼んでくるわ」
驚いた受付嬢が大きな声を上げ、ギルドマスターを呼びに行ってしまった。
警報装置を買いたかっただけなんじゃが……。
5分程待つと、受付嬢がギルドマスターと一緒に戻ってくる。
「初めまして、シュウゲン君。私は、ここのギルドマスターをしているゲールだ。少し場所を移そうか」
大柄な男性の後に付いて案内された場所は、ギルドマスターの部屋のようだ。
扉に使用者登録の魔石が嵌め込まれているのか、扉が閉まらぬよう本人が手で押さえ中へ入るよう促される。
ローテーブルの側にあるソファーへ座るよう勧められ、バールと共に腰かけた。
「特例として情報が回っていたから、いつ会えるかと楽しみにしていたんだよ。従魔登録が最初だとは、予想外だね。てっきりスキップ制度の申請に来るかと思っていたんだけど、そちらはいいのかい?」
ゲールと名乗るギルドマスターは、体格に似合わず物腰柔らかな口調で話し出す。
「現在C級冒険者だが、その制度を受けられるのかの?」
「S級ダンジョンの魔物を狩れるなら、充分資格はあるよ。試験は特に必要ないし、あとで受付嬢にギルドカードをA級冒険者へ変更してもらえばいい。契約した竜馬は従魔と同じ扱いになるから、従魔登録すればダンジョンへ連れて行けるようになる」
おおっ、それは助かる!
ダンジョン内を黒曜で移動出来れば、攻略時間が大幅に短縮されるだろう。
「では、従魔登録をお願いしよう」
「登録料に金貨1枚必要だけど、いいかな?」
それくらい、マジックバッグに比べれば安いものだ。
儂は金貨1枚を支払い、渡された登録用紙に記入し首輪を受け取った。
ギルドマスターの部屋を出て、ギルドカードを更新し冒険者ギルドを後にする。
入口で待っていた黒曜の首に首輪を当てると、形状が変化しピッタリとサイズ調整された。
この首輪は魔道具なのか? 不思議な仕組みじゃな。
これで黒曜とダンジョンに入れるなら、まだ途中であったマクサルトの大型ダンジョンを最短で攻略出来るかも知れん。
最終階層のダンジョンボスを倒すのは、冒険者の夢だからの~。
明日にでも向かってみるとしよう。
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お気に入り登録をして下さった方、いいねやエールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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安全地帯がないダンジョンでは一日中気が抜けず、泊まりで攻略するのは難しい。
バールは鍛冶をする際の火魔法を使用する契約精霊代わりなので、同行しているものの魔物を倒したりはせず見ているだけだ。
冒険者パーティーを組んでいるとは言えず、儂は単独で攻略しているのも同然だった。
彼には魔物を倒すという概念がないのか、未だバールが何の種族なのか分からぬ。
今回初めて地下2階に足を踏み入れた。
地下1階と同じような景色が続き、奧の方には大きな山が見える。
多分、あの山も鉱山になっているのだろう。
冒険者ギルドで確認した常設依頼の魔物は、聞いた事もない名前ばかりであったが集団で襲われない限り問題ない。
必要のないワイバーンの鱗は家に置いてきたし、新しく容量が多く入るマジックバッグも購入済みだ。
使用者登録付きの物は金貨410枚もしたわ! 4億円以上もするとは信じられん!
痛い出費を回収しようと、今日は沢山魔物を狩る気満々じゃ。
最初に会敵した魔物を体術で落とし、次の獲物を探す途中で珍しく中年の女性冒険者の姿を見掛けた。
ドワーフの国では、女性が冒険者に就く事は殆どない。
同じ理由で、登録するのにLvが100必要な鍛冶職を選択する女性もいないと聞いていたが……。
このS級ダンジョンはA級の鍛冶資格がないと入れぬから、彼女は鍛冶職人なのだろうか?
儂が彼女を見付けたように、相手もこちらの存在に気付いたのか近付いてきた。
「やあ、君も鉱山へ採掘しに来たのかい?」
声を掛けられ、無視するわけにもいかず口を開く。
「今日は魔物を狩りに来ただけだ。地下2階の鉱山で採掘するには時間が足りぬ」
「あぁ、泊まりの準備がないのか。安全地帯がない場所では、見張りが必要になるからな。テイムした魔物か、警報装置を置けばテントを張って寝れるぞ?」
「あいにく、そのどちらもない」
黒曜はテイムしたのではなく、契約を結んだ従魔だからの。
「そうか……。警報装置は冒険者ギルドに売っているから、長く潜りたい時は購入するといい」
黙ったまま儂ら2人の遣り取りを聞いていたバールが、口を挟んできた。
「あの……、ここには何をしにおいでで?」
「いや、知り合いに様子を見るよう頼まれたんだ。怪我もなく、元気そうで良かった。じゃあな」
そう言うと彼女は手をひらりとさせ、その場を去っていった。
「バール。お前の知り合いか?」
会話の内容から彼の様子を見に来たのだろうと思い尋ねると、
「はぁ……。実際に、お会いしたのは初めてですが……」
何とも言い難い顔で返事が返ってくる。
火の精霊王の知り合いであったのか?
よく分からんが、バールの行動は把握されておるようじゃ。
このダンジョンに泊まる際、必要な警報装置を教えてくれた女性は悪い人物ではなさそうだな。
いずれ必要になるであろうから、王都へ帰る前に購入しておこう。
その後は先程の女性とすれ違う事もなく、時間ぎりぎりまで魔物を倒しダンジョンを出た。
冒険者ギルドで換金したあと、受付嬢に警報装置が欲しいと告げると奇妙な顔して、
「警報装置より、毎週乗ってくる竜馬を連れた方がいいんじゃないかしら?」
そう提案された。
「あの竜馬はテイムした魔物ではなく、契約を結んだ従魔だ」
「契約した魔物ですって!? ちょっと、ギルマスを呼んでくるわ」
驚いた受付嬢が大きな声を上げ、ギルドマスターを呼びに行ってしまった。
警報装置を買いたかっただけなんじゃが……。
5分程待つと、受付嬢がギルドマスターと一緒に戻ってくる。
「初めまして、シュウゲン君。私は、ここのギルドマスターをしているゲールだ。少し場所を移そうか」
大柄な男性の後に付いて案内された場所は、ギルドマスターの部屋のようだ。
扉に使用者登録の魔石が嵌め込まれているのか、扉が閉まらぬよう本人が手で押さえ中へ入るよう促される。
ローテーブルの側にあるソファーへ座るよう勧められ、バールと共に腰かけた。
「特例として情報が回っていたから、いつ会えるかと楽しみにしていたんだよ。従魔登録が最初だとは、予想外だね。てっきりスキップ制度の申請に来るかと思っていたんだけど、そちらはいいのかい?」
ゲールと名乗るギルドマスターは、体格に似合わず物腰柔らかな口調で話し出す。
「現在C級冒険者だが、その制度を受けられるのかの?」
「S級ダンジョンの魔物を狩れるなら、充分資格はあるよ。試験は特に必要ないし、あとで受付嬢にギルドカードをA級冒険者へ変更してもらえばいい。契約した竜馬は従魔と同じ扱いになるから、従魔登録すればダンジョンへ連れて行けるようになる」
おおっ、それは助かる!
ダンジョン内を黒曜で移動出来れば、攻略時間が大幅に短縮されるだろう。
「では、従魔登録をお願いしよう」
「登録料に金貨1枚必要だけど、いいかな?」
それくらい、マジックバッグに比べれば安いものだ。
儂は金貨1枚を支払い、渡された登録用紙に記入し首輪を受け取った。
ギルドマスターの部屋を出て、ギルドカードを更新し冒険者ギルドを後にする。
入口で待っていた黒曜の首に首輪を当てると、形状が変化しピッタリとサイズ調整された。
この首輪は魔道具なのか? 不思議な仕組みじゃな。
これで黒曜とダンジョンに入れるなら、まだ途中であったマクサルトの大型ダンジョンを最短で攻略出来るかも知れん。
最終階層のダンジョンボスを倒すのは、冒険者の夢だからの~。
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