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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第854話 シュウゲン 37 摩天楼ダンジョン30階 沙良のヒール&セイの実力
★2025年5月21日4巻が発売されます。お手に取って頂けたら、嬉しいです!(´▽`*)
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本名を高梨聖という男性は、異世界でセイと名乗っているらしい。
摩天楼ダンジョン30階の安全地帯で響君と再会し、日本食が恋しいだろうとホームに連れてきたようだ。
元日本人で知り合いなら、秘密がバレても問題ないと判断したのか。
「セイ、お主のLvは幾つじゃ?」
少し気になり尋ねると、
「私のLvは100です」
予想外の答えが返ってきた。
この者の強さでLvが100だと? 嘘は言っておらぬようだが、にわかには信じ難い。
150を超えていても、おかしくないくらいだが……。
探るように見つめると、儂と視線を合せたくないのか、セイは気まずそうに目を逸らす。
初対面で少々威圧しすぎたようだ。
響君の後輩だと言うし、奏もよく知っている人物のようだから、あまり勘ぐるのは止めておこう。
セイの歓迎会をすると言って、沙良が蟹鍋の準備を始める。
おおっ、蟹かぁ~。
用意された2種類のズワイ蟹とタラバ蟹を前にして、心が浮き立つ。
実は、タラバ蟹を食べるのは生まれて初めてじゃ。
そもそも蟹を食べる機会は少なかったしな。
沙良が食べ易く切った蒸したタラバ蟹を口に入れると、その甘さに顔が綻んだ。
皆は無言で蟹を食べている。
蟹鍋の最後を雑炊で締めたあと、セイが話を切り出した。
「あの……、私も同じパーティーに入れてくれませんか? 摩天楼のダンジョンで20年活動しSS級冒険者になっているから、足は引っ張らないと思います。正直、異世界の食事は合わなくて……」
「うんうん、分かる! やっぱり日本人だと食事が大変だよなぁ~」
異世界の食事などした事もない樹君が、何故か賛同しておるが……。
ここは、儂もセイに味方してやろう。
「儂も小夜の作る日本食が恋しかった。その気持ちは、よう理解出来るわい。響君、知り合いなら問題ないじゃろ。一緒にパーティーを組んであげなされ」
儂の一声で、セイのパーティー加入が決まったようだ。
今夜は、賢也と尚人君が住んでいるマンションに泊まるそうじゃ。
味方に強者が増えれば安全性も増すだろう。
翌週月曜日から、午後のダンジョン攻略にセイが加わった。
摩天楼のダンジョンでは、テント内で過ごす沙良が心配だと奏が一緒に待機している。
奏が騎乗しているシルバーウルフの黄金にセイが乗り、安全地帯から出ていった。
儂は単独で洞窟に向かい、採掘作業を進める。
いつかヒヒイロカネに当たればいいんじゃが……。
服を引っ張り休憩時間を教えてくれるシルバーに乗り、安全地帯まで戻った。
テントに入ると甘い匂いが充満している。
沙良がマドレーヌを焼いたようで、尚人君が食べたいと催促して1個貰っていた。
ダンジョン攻略中に、お菓子を焼くとは……。
更に3時間後。安全地帯のテントに戻ると、沙良の従魔達が攻略中に狩った魔物をマジックバッグになっているポシェットから出して、魔物の山を作り驚かせた。
シルバーが儂より先に進み洞窟内の魔物を全滅させていたのは、沙良へ貢ぐためのようだ。
尚人君とセイの表情が芳しくないところを見ると、従魔に振り回されたみたいだな。
沙良は尻尾をフリフリさせている従魔達の頭を撫でて、褒めていた。
主人に対し、恐ろしい程の忠義信を見せる従魔の姿に黒曜の姿が重なる。
黒曜は儂にとって、本当に良い契約従魔だった。
今でも思い出す度、胸が痛むくらいじゃ。
嫉妬深く、女性がいると傍に寄せ付けんかったが……。
火曜日。昼食を食べに戻った沙良から、従魔のハニーがヒールを覚えたと聞かされる。
ハニーと名付けられているが、ハニービーではなくクインビーに進化した魔物だ。
従魔Lvが上がると、新しい魔法を習得する事はあるが、大抵その魔物の属性に因んだ魔法が多い。
蜂系魔物が光魔法のヒールを覚えたとは、不思議な事もあるものだ。
魔物の魔法を習得出来る家族は、ヒールを覚えたようで羨ましい。
そう呑気に思っていたら、その日の夜遅くに奏からとんでもない話をされた。
なんと、沙良が癒し草と魔力草にヒールを掛けて、エリクサーの材料となる花を咲かせたらしい。
それは薬師ギルドが秘匿している材料じゃないか!!
儂も冒険者ギルドの依頼を受けた経験があるから知っておるが、簡単に手に入ると知られるのは拙い。
沙良が検証したところ、賢也がヒールを掛けても花は咲かず【癒し草+】から【癒し草+++++】と変化したらしい。
この結果は響君が鑑定して分かった事だが、多分【癒し草+++++】を材料にしたポーションは効能が高くなる筈だ。
ヒールは怪我を治す魔法だから、これまで誰も癒し草に掛けようとは思わなかったのだろう。
沙良のヒールだけ、おかしな効果が出るようだが……。
この件を他に知っているのは響君と樹君の2人だけで、沙良には固く口止めしたと言う。
樹君にも教えるとは、響君はかなり彼を信頼しているようじゃな。
その後、ダンジョンを攻略する最終日の金曜まで問題は起こらず、ほっと胸を撫で降ろした。
日曜日。
異世界の沙良の家で炊き出しに参加したあと、子供達が先週習った木琴で『きらきら星』と『カエルの歌』を演奏してくれた。
真剣な表情で木琴を叩き、可愛らしい歌声を披露する子供達の姿を見て和む。
子供の頃から楽器を習えば、演奏家となるのも夢ではあるまい。
皆で盛大な拍手を送り、ガーグ老の工房へ移動した。
沙良の顔を見て、「今日の昼食は美味しい料理が食べられる」と嬉しそうに笑うガーグ老に、
「新しいメンバーを紹介しますね。セイさん、私の結婚相手のガーグ老です」
初対面となるセイを沙良が紹介する。
「えっ! このご老人が?」
結婚相手と聞かされたセイが目付きを変え、
「セイと申します。摩天楼のダンジョンで冒険者をしていました。是非一度、手合わせをお願いします」
挑むような顔で仕合を申し込んだ。
「ほう、儂は若い者には負けんぞ」
その申し出をニヤリとして受けたガーグ老を見て、セイがマジックバッグから大きな槍を取り出した。
こりゃ、馬上で使用する突撃槍のようだな。響君より小柄なセイが持つ武器とは思えんの。
しかし、相当な重さであるその槍を片手に持ち、ブレない姿を見て感心する。
ちょうど彼の実力を知りたいと思っていたところだ。
ガーグ老相手なら、本気の仕合を見れそうじゃ。
しかもセイは儂に視線を合わせ、見てほしいとアピールしておる。
どれ、高みの見物といくかの。
「では、お相手致そう!」
槍を手にしたガーグ老が声を上げると、2人は大きく距離を取ったあと一気に間合いを詰め武器を振り下ろす。
重い一撃に続き、何度も槍がぶつかる鈍い音が響き渡った。
やはり強いな……槍術に長けているというより、力そのものが人族を凌駕しておる。
かなり高Lvなガーグ老が手加減もせず受けているのが、いい証拠だ。
10分程で、ガーグ老の長男ゼンが割り込み終了の合図を告げた。
「セイとやら、お主はシュウゲンと同族か?」
仕合の手応えから、種族を疑ったガーグ老が質問する。
「いえ、私はドワーフではありません」
「人族には有り得ん腕力だな。サラ……ちゃんのパーティーに強い者が入るのは喜ばしい。これからも精進致せ」
儂と同じ感想を伝えたガーグ老は、沙良のパーティーにセイが入るのを歓迎しているようだ。
「はい。手合わせ頂き、ありがとうございました」
ガーグ老へ感謝を述べ深く一礼して戻ってきたセイに、
「セイさん、凄いですね~。ガーグ老と引き分けるなんて驚きました!」
沙良が声を掛ける。
「私は護衛隊長ですから、負けるわけにはいきません」
誇らしく笑みを浮かべるセイは、沙良の護衛隊長を自認しているのか?
もしや孫娘に惚れておるのかの。
儂に強さをアピールするとは、“将を射んと欲すれば、まず馬を射よ”を実践して見せたか……。
その心意気はよし! だが、選ぶのは沙良だ。年齢差は障害になろう。
ガーグ老相手に稽古を終え、沙良の作ったカルボナーラというパスタを食べる。
このようなハイカラなものを食べるのは初めてだが、儂はナポリタンのほうが好みだな。
食後に出された洋酒の効いたフルーツケーキは、紅茶よりコーヒーが合うんだが……。
デザートを食べ終えたガーグ老へ、沙良が飛翔魔法を習得させるために、セイをガルムに乗せてほしいと頼み込んでいた。
セイは一瞬戸惑った様子でガルムに乗り、1m程浮上したところで苦笑する。
こんな馬鹿げた方法で新しい魔法を覚えられると知り、呆れておるのだろう。
沙良は今からセイが乗る従魔をテイムしに行くと言い、将棋が打てる者を残し工房から出ていった。
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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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本名を高梨聖という男性は、異世界でセイと名乗っているらしい。
摩天楼ダンジョン30階の安全地帯で響君と再会し、日本食が恋しいだろうとホームに連れてきたようだ。
元日本人で知り合いなら、秘密がバレても問題ないと判断したのか。
「セイ、お主のLvは幾つじゃ?」
少し気になり尋ねると、
「私のLvは100です」
予想外の答えが返ってきた。
この者の強さでLvが100だと? 嘘は言っておらぬようだが、にわかには信じ難い。
150を超えていても、おかしくないくらいだが……。
探るように見つめると、儂と視線を合せたくないのか、セイは気まずそうに目を逸らす。
初対面で少々威圧しすぎたようだ。
響君の後輩だと言うし、奏もよく知っている人物のようだから、あまり勘ぐるのは止めておこう。
セイの歓迎会をすると言って、沙良が蟹鍋の準備を始める。
おおっ、蟹かぁ~。
用意された2種類のズワイ蟹とタラバ蟹を前にして、心が浮き立つ。
実は、タラバ蟹を食べるのは生まれて初めてじゃ。
そもそも蟹を食べる機会は少なかったしな。
沙良が食べ易く切った蒸したタラバ蟹を口に入れると、その甘さに顔が綻んだ。
皆は無言で蟹を食べている。
蟹鍋の最後を雑炊で締めたあと、セイが話を切り出した。
「あの……、私も同じパーティーに入れてくれませんか? 摩天楼のダンジョンで20年活動しSS級冒険者になっているから、足は引っ張らないと思います。正直、異世界の食事は合わなくて……」
「うんうん、分かる! やっぱり日本人だと食事が大変だよなぁ~」
異世界の食事などした事もない樹君が、何故か賛同しておるが……。
ここは、儂もセイに味方してやろう。
「儂も小夜の作る日本食が恋しかった。その気持ちは、よう理解出来るわい。響君、知り合いなら問題ないじゃろ。一緒にパーティーを組んであげなされ」
儂の一声で、セイのパーティー加入が決まったようだ。
今夜は、賢也と尚人君が住んでいるマンションに泊まるそうじゃ。
味方に強者が増えれば安全性も増すだろう。
翌週月曜日から、午後のダンジョン攻略にセイが加わった。
摩天楼のダンジョンでは、テント内で過ごす沙良が心配だと奏が一緒に待機している。
奏が騎乗しているシルバーウルフの黄金にセイが乗り、安全地帯から出ていった。
儂は単独で洞窟に向かい、採掘作業を進める。
いつかヒヒイロカネに当たればいいんじゃが……。
服を引っ張り休憩時間を教えてくれるシルバーに乗り、安全地帯まで戻った。
テントに入ると甘い匂いが充満している。
沙良がマドレーヌを焼いたようで、尚人君が食べたいと催促して1個貰っていた。
ダンジョン攻略中に、お菓子を焼くとは……。
更に3時間後。安全地帯のテントに戻ると、沙良の従魔達が攻略中に狩った魔物をマジックバッグになっているポシェットから出して、魔物の山を作り驚かせた。
シルバーが儂より先に進み洞窟内の魔物を全滅させていたのは、沙良へ貢ぐためのようだ。
尚人君とセイの表情が芳しくないところを見ると、従魔に振り回されたみたいだな。
沙良は尻尾をフリフリさせている従魔達の頭を撫でて、褒めていた。
主人に対し、恐ろしい程の忠義信を見せる従魔の姿に黒曜の姿が重なる。
黒曜は儂にとって、本当に良い契約従魔だった。
今でも思い出す度、胸が痛むくらいじゃ。
嫉妬深く、女性がいると傍に寄せ付けんかったが……。
火曜日。昼食を食べに戻った沙良から、従魔のハニーがヒールを覚えたと聞かされる。
ハニーと名付けられているが、ハニービーではなくクインビーに進化した魔物だ。
従魔Lvが上がると、新しい魔法を習得する事はあるが、大抵その魔物の属性に因んだ魔法が多い。
蜂系魔物が光魔法のヒールを覚えたとは、不思議な事もあるものだ。
魔物の魔法を習得出来る家族は、ヒールを覚えたようで羨ましい。
そう呑気に思っていたら、その日の夜遅くに奏からとんでもない話をされた。
なんと、沙良が癒し草と魔力草にヒールを掛けて、エリクサーの材料となる花を咲かせたらしい。
それは薬師ギルドが秘匿している材料じゃないか!!
儂も冒険者ギルドの依頼を受けた経験があるから知っておるが、簡単に手に入ると知られるのは拙い。
沙良が検証したところ、賢也がヒールを掛けても花は咲かず【癒し草+】から【癒し草+++++】と変化したらしい。
この結果は響君が鑑定して分かった事だが、多分【癒し草+++++】を材料にしたポーションは効能が高くなる筈だ。
ヒールは怪我を治す魔法だから、これまで誰も癒し草に掛けようとは思わなかったのだろう。
沙良のヒールだけ、おかしな効果が出るようだが……。
この件を他に知っているのは響君と樹君の2人だけで、沙良には固く口止めしたと言う。
樹君にも教えるとは、響君はかなり彼を信頼しているようじゃな。
その後、ダンジョンを攻略する最終日の金曜まで問題は起こらず、ほっと胸を撫で降ろした。
日曜日。
異世界の沙良の家で炊き出しに参加したあと、子供達が先週習った木琴で『きらきら星』と『カエルの歌』を演奏してくれた。
真剣な表情で木琴を叩き、可愛らしい歌声を披露する子供達の姿を見て和む。
子供の頃から楽器を習えば、演奏家となるのも夢ではあるまい。
皆で盛大な拍手を送り、ガーグ老の工房へ移動した。
沙良の顔を見て、「今日の昼食は美味しい料理が食べられる」と嬉しそうに笑うガーグ老に、
「新しいメンバーを紹介しますね。セイさん、私の結婚相手のガーグ老です」
初対面となるセイを沙良が紹介する。
「えっ! このご老人が?」
結婚相手と聞かされたセイが目付きを変え、
「セイと申します。摩天楼のダンジョンで冒険者をしていました。是非一度、手合わせをお願いします」
挑むような顔で仕合を申し込んだ。
「ほう、儂は若い者には負けんぞ」
その申し出をニヤリとして受けたガーグ老を見て、セイがマジックバッグから大きな槍を取り出した。
こりゃ、馬上で使用する突撃槍のようだな。響君より小柄なセイが持つ武器とは思えんの。
しかし、相当な重さであるその槍を片手に持ち、ブレない姿を見て感心する。
ちょうど彼の実力を知りたいと思っていたところだ。
ガーグ老相手なら、本気の仕合を見れそうじゃ。
しかもセイは儂に視線を合わせ、見てほしいとアピールしておる。
どれ、高みの見物といくかの。
「では、お相手致そう!」
槍を手にしたガーグ老が声を上げると、2人は大きく距離を取ったあと一気に間合いを詰め武器を振り下ろす。
重い一撃に続き、何度も槍がぶつかる鈍い音が響き渡った。
やはり強いな……槍術に長けているというより、力そのものが人族を凌駕しておる。
かなり高Lvなガーグ老が手加減もせず受けているのが、いい証拠だ。
10分程で、ガーグ老の長男ゼンが割り込み終了の合図を告げた。
「セイとやら、お主はシュウゲンと同族か?」
仕合の手応えから、種族を疑ったガーグ老が質問する。
「いえ、私はドワーフではありません」
「人族には有り得ん腕力だな。サラ……ちゃんのパーティーに強い者が入るのは喜ばしい。これからも精進致せ」
儂と同じ感想を伝えたガーグ老は、沙良のパーティーにセイが入るのを歓迎しているようだ。
「はい。手合わせ頂き、ありがとうございました」
ガーグ老へ感謝を述べ深く一礼して戻ってきたセイに、
「セイさん、凄いですね~。ガーグ老と引き分けるなんて驚きました!」
沙良が声を掛ける。
「私は護衛隊長ですから、負けるわけにはいきません」
誇らしく笑みを浮かべるセイは、沙良の護衛隊長を自認しているのか?
もしや孫娘に惚れておるのかの。
儂に強さをアピールするとは、“将を射んと欲すれば、まず馬を射よ”を実践して見せたか……。
その心意気はよし! だが、選ぶのは沙良だ。年齢差は障害になろう。
ガーグ老相手に稽古を終え、沙良の作ったカルボナーラというパスタを食べる。
このようなハイカラなものを食べるのは初めてだが、儂はナポリタンのほうが好みだな。
食後に出された洋酒の効いたフルーツケーキは、紅茶よりコーヒーが合うんだが……。
デザートを食べ終えたガーグ老へ、沙良が飛翔魔法を習得させるために、セイをガルムに乗せてほしいと頼み込んでいた。
セイは一瞬戸惑った様子でガルムに乗り、1m程浮上したところで苦笑する。
こんな馬鹿げた方法で新しい魔法を覚えられると知り、呆れておるのだろう。
沙良は今からセイが乗る従魔をテイムしに行くと言い、将棋が打てる者を残し工房から出ていった。
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「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろうでも同時連載中です◇