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希
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感情のゆりかごのなかで、すやすや眠るその子をどうして、起こそうとするのか、起こさなければ自分になりえないと思うのか。
こころは共通のもので、体は個別のもの。
感じる事柄は人が共通できるもの。体を動かして手に入る物は個別のもの。
もう一度聞く。なぜ、おこさなければならないのか
こころおだやかに、そうすれば、心はいらない。互いに手を取り合えるのに。
たのむから、もうやめてくれ、見たくないんだ。
うばい、喜び、擦り付け合う。どうして見れないんだ。こころを。
腹を割って話す。そうじゃない。こころを共有するだけでいい。
咲いているスミレがただ、そこにあるスミレがきれいだと、感じるこころが
なぜ分かち合えないのか。
みてくれじゃないんだ
歴史じゃないんだ
勉強じゃない、点数じゃない
生きてきた年数じゃない
偉さじゃない、賢さじゃない。
そこにあっていいと素直に思え、感じ、こころゆるやかに日々を過ごす。
夏、葦や菖蒲延びる、川岸の奥に、遠く水面に反射するオレンジの夕刻に写る寂しさに
秋、街路樹の着飾った、赤や黄色に驚く表情を
春、白く、愛らしい桃色の花びらが舞う街中の笑顔に
冬、ふとした暖かさにほころぶその表情を
知っている。いなくてもわかってる。
なのになんで近くだと、わからなくなるんだろう。気持ちが。わかりあえるこころが。
日々思う。どうかつながれと。まだそのときじゃない。
ゆりかごのなかですやすやと眠るその子にどうか、なすりあいを見せないでくれと
その子が目覚めのにおいを吸い込んでふと目を覚ましたときに笑顔であれたらいいのにと
もうすぐ、なにかが始まり、終わろうとしている。
手に入れられなかったもの、それらを諦める時がきている。
いつだってここにあることの向こう側を想像して手に入る物だと思って
そうやって空想していた。
まだ気が楽なほうだ。なにかに一生懸命になって、費やして
でも見ないようにしなければならない人もいる。
ひとりよがりな言葉だけど。
たとえば、ピアノの先生が、少しずつ本の終わりにさしかかったときに
ふと力を抜くような気持ちでピアノをやめようとしているとき
大切なものを失うような、気持ちを覚える。
ずっと身のそばにあったものがなくなる感覚。家族を失うときの気持ちに似ている。
短くすると喪失感、それを感じる。
その努力を思うとどうしようもなく、悲しくなる。
昔、星の光を見たことがある。いまも見ることがある。
星は昔をかわらず光り続けている。けれども見えなくなった物がいくつもある。
元から見えなかった物もある。
けれども、より悲しく感じるのはなぜだろう。
人はなくなった後質量が0.1g減るそうだ
時計もまた、分解しパーツに分けてしまうと、0.1g減るそうだ。
ある科学者はそれを役割が持つ質量と考えたそうだ。
その質量が魂と言うならば、魂が削れるときを喪失感というならば
役割を終えるときを迎えてしまった、終わりを迎えるそれは、もう
鼓動を打っていないのと同じなのだろうか。
役割があるから、生きられるのか
生きるから役割が与えられるのか。
希っても手に入らない。いま此処にあること。
そして、この水平線の先の太陽の上がるときのような気持ち。
はじまろうとしている。今日が。終わろうとしている。昨日が
明日願う。どうか輝いていますようにと。どうかお願いします。と。切に。密に、願う。
こころは共通のもので、体は個別のもの。
感じる事柄は人が共通できるもの。体を動かして手に入る物は個別のもの。
もう一度聞く。なぜ、おこさなければならないのか
こころおだやかに、そうすれば、心はいらない。互いに手を取り合えるのに。
たのむから、もうやめてくれ、見たくないんだ。
うばい、喜び、擦り付け合う。どうして見れないんだ。こころを。
腹を割って話す。そうじゃない。こころを共有するだけでいい。
咲いているスミレがただ、そこにあるスミレがきれいだと、感じるこころが
なぜ分かち合えないのか。
みてくれじゃないんだ
歴史じゃないんだ
勉強じゃない、点数じゃない
生きてきた年数じゃない
偉さじゃない、賢さじゃない。
そこにあっていいと素直に思え、感じ、こころゆるやかに日々を過ごす。
夏、葦や菖蒲延びる、川岸の奥に、遠く水面に反射するオレンジの夕刻に写る寂しさに
秋、街路樹の着飾った、赤や黄色に驚く表情を
春、白く、愛らしい桃色の花びらが舞う街中の笑顔に
冬、ふとした暖かさにほころぶその表情を
知っている。いなくてもわかってる。
なのになんで近くだと、わからなくなるんだろう。気持ちが。わかりあえるこころが。
日々思う。どうかつながれと。まだそのときじゃない。
ゆりかごのなかですやすやと眠るその子にどうか、なすりあいを見せないでくれと
その子が目覚めのにおいを吸い込んでふと目を覚ましたときに笑顔であれたらいいのにと
もうすぐ、なにかが始まり、終わろうとしている。
手に入れられなかったもの、それらを諦める時がきている。
いつだってここにあることの向こう側を想像して手に入る物だと思って
そうやって空想していた。
まだ気が楽なほうだ。なにかに一生懸命になって、費やして
でも見ないようにしなければならない人もいる。
ひとりよがりな言葉だけど。
たとえば、ピアノの先生が、少しずつ本の終わりにさしかかったときに
ふと力を抜くような気持ちでピアノをやめようとしているとき
大切なものを失うような、気持ちを覚える。
ずっと身のそばにあったものがなくなる感覚。家族を失うときの気持ちに似ている。
短くすると喪失感、それを感じる。
その努力を思うとどうしようもなく、悲しくなる。
昔、星の光を見たことがある。いまも見ることがある。
星は昔をかわらず光り続けている。けれども見えなくなった物がいくつもある。
元から見えなかった物もある。
けれども、より悲しく感じるのはなぜだろう。
人はなくなった後質量が0.1g減るそうだ
時計もまた、分解しパーツに分けてしまうと、0.1g減るそうだ。
ある科学者はそれを役割が持つ質量と考えたそうだ。
その質量が魂と言うならば、魂が削れるときを喪失感というならば
役割を終えるときを迎えてしまった、終わりを迎えるそれは、もう
鼓動を打っていないのと同じなのだろうか。
役割があるから、生きられるのか
生きるから役割が与えられるのか。
希っても手に入らない。いま此処にあること。
そして、この水平線の先の太陽の上がるときのような気持ち。
はじまろうとしている。今日が。終わろうとしている。昨日が
明日願う。どうか輝いていますようにと。どうかお願いします。と。切に。密に、願う。
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