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その女神、乱舞
女神の享楽(1)
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アッシュの体を使って遊ぼうとしていた女神。しかし、思惑は外れ追い込まれていた。神々の楽園から追放された女神には、祝福された力はない。彼女は戦神の根底にある、どろどろとした憎しみから、産み落とされたからである。
下界に追放された彼女は惨めにも地に座り込んでいた。
「だから言ったでしょ。アタシは肉体派じゃないのよ」
見下ろしてくる屈強な男たちの影が彼女を取り囲む。その筆頭には、三将軍の姿もあった。三人も他にならって模擬戦で使用する武器を持っている。
「おかしいですね」
「何がだよ」
異変に気づいたのはクロウだった。最強の戦士に与えられる最高の称号「テルミドネ」を授かったアッシュ。そんな彼女が暴れたならば、一介の戦士ではまず太刀打ちなどできない。むしろ医務室送りの人間が大勢出るはず。にもかかわらず、動けなくなったのは二人だけ。普段なら息すら上がらないほどの運動量なはずなのに、息を切らし下をうつむいてぼそぼそと呟いている。
「あなたはこのアッシュを見て何も思わないのですか?」
「確かに、こいつにしては被害が小さすぎる」
「まさか……どこか、調子が……」
「そのような雰囲気には見えませんがね」
突然アッシュの顔が、彼女を見下ろす男たちに向いた。
「あっはははははは!」
狂ったような笑いが静寂を切り裂いた。皆、その狂気に身を固くしたあと武器を構えなおした。それを見て、妖艶に微笑んでみせる。
「心配しなくてもいいわ。この子は時期に目を覚ますから。やっぱりアタシには裏方が一番あってるみたいね」
「あなたは何です」
クロウが問いかけた。彼女はクロウに顔を向けてあどけなく笑って見せる。
「あら、アタシのこと知らないの?ならアタシとアタシの器の世話をしているあの大男に聞いてみればいいわ。そうすれば教えてくれるでしょうよ」
そういうと、スイッチが切れたように倒れた。慌てて駆け寄る将軍たち。未だ怯えるその他の戦士たち。
ゆっくりと瞼をあけたアッシュがまず見たものは不安げな瞳の屈強な将軍たち。そこで自分が寝ていたことに気付かされた。
「父さんたちだ」
胸が何故かじんわりと暖かくなった。いつもとは違う笑みが、陶器のように固まった彼女の顔に浮かぶ。
視線を軽くそらすと、化物を見るような目で他の戦士が彼女を遠くから見ているのが見えた。するとアッシュの顔からは再び笑みは消え、冷たい表情に戻ってしまった。
下界に追放された彼女は惨めにも地に座り込んでいた。
「だから言ったでしょ。アタシは肉体派じゃないのよ」
見下ろしてくる屈強な男たちの影が彼女を取り囲む。その筆頭には、三将軍の姿もあった。三人も他にならって模擬戦で使用する武器を持っている。
「おかしいですね」
「何がだよ」
異変に気づいたのはクロウだった。最強の戦士に与えられる最高の称号「テルミドネ」を授かったアッシュ。そんな彼女が暴れたならば、一介の戦士ではまず太刀打ちなどできない。むしろ医務室送りの人間が大勢出るはず。にもかかわらず、動けなくなったのは二人だけ。普段なら息すら上がらないほどの運動量なはずなのに、息を切らし下をうつむいてぼそぼそと呟いている。
「あなたはこのアッシュを見て何も思わないのですか?」
「確かに、こいつにしては被害が小さすぎる」
「まさか……どこか、調子が……」
「そのような雰囲気には見えませんがね」
突然アッシュの顔が、彼女を見下ろす男たちに向いた。
「あっはははははは!」
狂ったような笑いが静寂を切り裂いた。皆、その狂気に身を固くしたあと武器を構えなおした。それを見て、妖艶に微笑んでみせる。
「心配しなくてもいいわ。この子は時期に目を覚ますから。やっぱりアタシには裏方が一番あってるみたいね」
「あなたは何です」
クロウが問いかけた。彼女はクロウに顔を向けてあどけなく笑って見せる。
「あら、アタシのこと知らないの?ならアタシとアタシの器の世話をしているあの大男に聞いてみればいいわ。そうすれば教えてくれるでしょうよ」
そういうと、スイッチが切れたように倒れた。慌てて駆け寄る将軍たち。未だ怯えるその他の戦士たち。
ゆっくりと瞼をあけたアッシュがまず見たものは不安げな瞳の屈強な将軍たち。そこで自分が寝ていたことに気付かされた。
「父さんたちだ」
胸が何故かじんわりと暖かくなった。いつもとは違う笑みが、陶器のように固まった彼女の顔に浮かぶ。
視線を軽くそらすと、化物を見るような目で他の戦士が彼女を遠くから見ているのが見えた。するとアッシュの顔からは再び笑みは消え、冷たい表情に戻ってしまった。
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