60 / 100
file4:魔女と俯瞰を彷徨う亡霊
第1節 俯瞰を彷徨う亡霊④
しおりを挟む
PM 10:00 探偵事務所 如月
『先程、午後6時頃、すすきので女性の遺体が発見されました。死亡したのは、10代の女子高生です。警察によると、午後6時頃、ビルの近辺で横たわってる女性が発見されたとの通報があったところ、全身を強く損傷した遺体が発見されました。女性は救急搬送されましたが、全身を強く打ち、その場で死亡が確認されました。警察は、これまで起きた飛び降り自殺と関連しているかについて、調べを進める方針です』
夜のニュースが、先程遭遇した事件について、報道している。私はそれを、下川さんから提供された資料を読みながら見ていた。先の3件といい、どうも引っかかるところが多い。何故すすきの近辺で、似た様なことが起きているのか。それも、深夜2時と夕方6時に起きているのか。深夜の投身自殺なら、まだわかる。その時間帯なら、見られづらい時間帯だからだ。
しかし、ここで1つの疑問が浮かび上がる。深夜と夕方の事件には奇数と偶数で分かれているからだ。
「どういうことだ? 何故、範囲が広くなっているんだ?」
ここで、もう1つの疑問が浮かび上がる。そう、2の倍数毎に自殺者が、発見される範囲が広くなってることだ。
最初に2件は、ラフィラの近辺で発見された。だが、次の2件はどうだろう。地図とリストを見比べると、そのさらに50m先で自殺しているのだ。3件目は、深夜2時にニッカウィスキーのあるビルで投身自殺をし、今回は、その向かいのパチンコ屋のあるビルで投身自殺を図ったのだ。
これは、先の2件とは違い、ラフィラから50mも先にあるビルで死んでいるのだ。だが、不思議なことに謎は深掘りしていくものだ。この事件が起きるのは、共通して中1日空いているのだ。2件目と3件目が起きるには、その間の1日だけは、何もないのだ。
そして、その次の日の深夜2時に、誰かがすすきののどこかのビルから投身自殺をする。さらには、翌日の夕方6時にまたどこかのビルで誰かが投身自殺を図る。それも決まって、自殺者は10代の女性だ。その殆どが、前日までは至って普通だったのだ。
「そんなに悩んで、また事件なの?」
「明日香か。もう寝たんだと思ったよ」
「ラスティアからの伝言。ここで寝るなと、寝る時は上に上がって来てだってさ」
「わかってるよ。それで? 何のよう?」
明日香は、私のデスクの上に腰をかける。すると、ラスティアが用意した私のお菓子を頬張る。
「それ、私のお菓子なんだが?」
「別にいいでしょ? 君、味覚感じないんだし」
「そうだが、礼儀ってものがありからね」
「それに、また厄介ごと請け負ったそうだし? 何か手伝おう?」
「手伝う? 何を?」
明日香は、私がいうと、デスクから降りる。
「君と私で、深夜と夕方で別れて街を見回る。それで、どこで誰かが自殺したのを観測し、事象を突き止める。どう? 悪くないでしょう?」
「それは悪くないが、あまり他人の自殺現場を見る気にはならんな」
私が呆れまじりに、それを許諾すると、明日香は事務所を後にする。
「決まりだね。それじゃ、私は行くから」
そういい、明日香は出て行った。まさか、明日香までこの不可解な事象に気づいてたなんて。私は腕を後ろの添え、デスクに寄りかかる。ふとPCを動かし、ラフィラについて調べる。心霊関連のサイトを見ると、やはりラフィラについての事が記載されていた。
大体の内容は、夕方下川さんが言っていたことと合致していた。だが、ここであることに気づく。そう、この記事だけ、何故かアクセス数が増えているのだ。やはり、こういう都市伝説的なものが、数字を稼げるみたいだ。
他のサイトを見る。やはりというべきか、都市伝説系の掲示板のPV数が多いようだ。少し覗くと、ラフィラの件で話題は持ちきりだ。さらにその中を見ると、私のことも書かれてるようだ。
「なるほど。私も都市伝説扱いか。勝手に掲示板が上がってるくらいだしな」
どうでもいいと思いながら、ブラウザを閉じる。窓を開け、ピースを口に加え、ZIPPOの火をつける。一服をしながら、事件のことについて考える。先の明日香の提案が効率の良いのなら、それもいいだろう。だが、相手は亡霊だ。今回については、止める手段を考えないといけないのも事実だ。
「本当に厄介なことを請け負ったな。こんなの、魔術師や咎人を殺した方がよっぽど楽だ」
「そうね。でも、今回は亡霊である以上、どう対処するか考えないとね」
声が聞こえ、声の主を探す。すると、目の前のソファーでティータイムをしていた『仮面の魔女』が、そこにいた。
「脅かさないでくれ。それに、何のようだい?」
「困りきってるあなたを拝みに来たのよ。それで? 何かわかったのかしら?」
「見つけて入るが、詰みだ。厄介のことが多すぎる」
「そうね。でも、何かがわかれば、全てがトントン拍子で解けていくわよ」
「君が言ってた、みにくいアヒルの子もか?」
「そうよ。だけど、今の推理は妥協点と言っていいわね。残りのピースは、すぐ見つかるかもしれないし、見つからないままかもしれない。それは、今後のあなた次第ね」
「それなら、ヒントをくれ。こちとら、色々と交差してわからないんだ」
『仮面の魔女』は、ティーカップを置き、立ち上がる。
「これはただの飛び降り自殺じゃない。それはわかっているでしょ?では、何故そうなのか、ヒントは2人毎に範囲が広くなるのと、これは回数で徐々に広くなる上、上限が設けられてる。それぐらいかしら?」
「ますますわからん。一体、何が言いたいんだ?」
「そのうち分かるわ。それと、もう1つ。これも魔術が絡んでるというのは前提条件よ」
「――――――やはり、魔術師か?」
「いえ。でも、魔術が絡むのは事実よ」
『仮面の魔女』は、私が困る事を他所に、亜空間を開く。
「では明日、私の所に来なさい。その意味を教えてあげるわ」
「わかった。楽しみにしておく」
私はそういうと、『仮面の魔女』は亜空間に入っていた。グラスに注がれている酒を飲む。氷が溶け切り、ウィスキーの風味が薄く感じる。こうして、私はPCの電源を消し、就寝の準備をするのだった。
『先程、午後6時頃、すすきので女性の遺体が発見されました。死亡したのは、10代の女子高生です。警察によると、午後6時頃、ビルの近辺で横たわってる女性が発見されたとの通報があったところ、全身を強く損傷した遺体が発見されました。女性は救急搬送されましたが、全身を強く打ち、その場で死亡が確認されました。警察は、これまで起きた飛び降り自殺と関連しているかについて、調べを進める方針です』
夜のニュースが、先程遭遇した事件について、報道している。私はそれを、下川さんから提供された資料を読みながら見ていた。先の3件といい、どうも引っかかるところが多い。何故すすきの近辺で、似た様なことが起きているのか。それも、深夜2時と夕方6時に起きているのか。深夜の投身自殺なら、まだわかる。その時間帯なら、見られづらい時間帯だからだ。
しかし、ここで1つの疑問が浮かび上がる。深夜と夕方の事件には奇数と偶数で分かれているからだ。
「どういうことだ? 何故、範囲が広くなっているんだ?」
ここで、もう1つの疑問が浮かび上がる。そう、2の倍数毎に自殺者が、発見される範囲が広くなってることだ。
最初に2件は、ラフィラの近辺で発見された。だが、次の2件はどうだろう。地図とリストを見比べると、そのさらに50m先で自殺しているのだ。3件目は、深夜2時にニッカウィスキーのあるビルで投身自殺をし、今回は、その向かいのパチンコ屋のあるビルで投身自殺を図ったのだ。
これは、先の2件とは違い、ラフィラから50mも先にあるビルで死んでいるのだ。だが、不思議なことに謎は深掘りしていくものだ。この事件が起きるのは、共通して中1日空いているのだ。2件目と3件目が起きるには、その間の1日だけは、何もないのだ。
そして、その次の日の深夜2時に、誰かがすすきののどこかのビルから投身自殺をする。さらには、翌日の夕方6時にまたどこかのビルで誰かが投身自殺を図る。それも決まって、自殺者は10代の女性だ。その殆どが、前日までは至って普通だったのだ。
「そんなに悩んで、また事件なの?」
「明日香か。もう寝たんだと思ったよ」
「ラスティアからの伝言。ここで寝るなと、寝る時は上に上がって来てだってさ」
「わかってるよ。それで? 何のよう?」
明日香は、私のデスクの上に腰をかける。すると、ラスティアが用意した私のお菓子を頬張る。
「それ、私のお菓子なんだが?」
「別にいいでしょ? 君、味覚感じないんだし」
「そうだが、礼儀ってものがありからね」
「それに、また厄介ごと請け負ったそうだし? 何か手伝おう?」
「手伝う? 何を?」
明日香は、私がいうと、デスクから降りる。
「君と私で、深夜と夕方で別れて街を見回る。それで、どこで誰かが自殺したのを観測し、事象を突き止める。どう? 悪くないでしょう?」
「それは悪くないが、あまり他人の自殺現場を見る気にはならんな」
私が呆れまじりに、それを許諾すると、明日香は事務所を後にする。
「決まりだね。それじゃ、私は行くから」
そういい、明日香は出て行った。まさか、明日香までこの不可解な事象に気づいてたなんて。私は腕を後ろの添え、デスクに寄りかかる。ふとPCを動かし、ラフィラについて調べる。心霊関連のサイトを見ると、やはりラフィラについての事が記載されていた。
大体の内容は、夕方下川さんが言っていたことと合致していた。だが、ここであることに気づく。そう、この記事だけ、何故かアクセス数が増えているのだ。やはり、こういう都市伝説的なものが、数字を稼げるみたいだ。
他のサイトを見る。やはりというべきか、都市伝説系の掲示板のPV数が多いようだ。少し覗くと、ラフィラの件で話題は持ちきりだ。さらにその中を見ると、私のことも書かれてるようだ。
「なるほど。私も都市伝説扱いか。勝手に掲示板が上がってるくらいだしな」
どうでもいいと思いながら、ブラウザを閉じる。窓を開け、ピースを口に加え、ZIPPOの火をつける。一服をしながら、事件のことについて考える。先の明日香の提案が効率の良いのなら、それもいいだろう。だが、相手は亡霊だ。今回については、止める手段を考えないといけないのも事実だ。
「本当に厄介なことを請け負ったな。こんなの、魔術師や咎人を殺した方がよっぽど楽だ」
「そうね。でも、今回は亡霊である以上、どう対処するか考えないとね」
声が聞こえ、声の主を探す。すると、目の前のソファーでティータイムをしていた『仮面の魔女』が、そこにいた。
「脅かさないでくれ。それに、何のようだい?」
「困りきってるあなたを拝みに来たのよ。それで? 何かわかったのかしら?」
「見つけて入るが、詰みだ。厄介のことが多すぎる」
「そうね。でも、何かがわかれば、全てがトントン拍子で解けていくわよ」
「君が言ってた、みにくいアヒルの子もか?」
「そうよ。だけど、今の推理は妥協点と言っていいわね。残りのピースは、すぐ見つかるかもしれないし、見つからないままかもしれない。それは、今後のあなた次第ね」
「それなら、ヒントをくれ。こちとら、色々と交差してわからないんだ」
『仮面の魔女』は、ティーカップを置き、立ち上がる。
「これはただの飛び降り自殺じゃない。それはわかっているでしょ?では、何故そうなのか、ヒントは2人毎に範囲が広くなるのと、これは回数で徐々に広くなる上、上限が設けられてる。それぐらいかしら?」
「ますますわからん。一体、何が言いたいんだ?」
「そのうち分かるわ。それと、もう1つ。これも魔術が絡んでるというのは前提条件よ」
「――――――やはり、魔術師か?」
「いえ。でも、魔術が絡むのは事実よ」
『仮面の魔女』は、私が困る事を他所に、亜空間を開く。
「では明日、私の所に来なさい。その意味を教えてあげるわ」
「わかった。楽しみにしておく」
私はそういうと、『仮面の魔女』は亜空間に入っていた。グラスに注がれている酒を飲む。氷が溶け切り、ウィスキーの風味が薄く感じる。こうして、私はPCの電源を消し、就寝の準備をするのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり
イミヅカ
ファンタジー
ハートとお気に入り登録、ぜひぜひお願いいたします!
↓簡単なあらすじは''もっと見る''へ!↓
ここは、剣と魔法の異世界グリム。
……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。
近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。
そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。
無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?
チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!
努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ!
(この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる