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第一部 魔法少女は、ふたつの世界を天翔る
第19話 白音、そら、一恵VS佳奈、橘香 その二
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リンクスがちよっと意地悪な顔をして、「蔵間が熱心に魔法少女に助力をするのは嫁探しのためだよ」と言った。
それを聞いた白音たちが分かりやすいくらいに引く。
「ちょ、ちょっと待てよ。せっかくいい話してたのに台無しじゃない」
「間違ってないだろ? それにいい話ばかりじゃ誰も信じてくれないさ。お前も今言ってただろう?」
ククク、と少しいたずらっぽく笑う青年が子供のように見える。
共通点などないように見えるふたりだが、仲がいいのだろうなと白音は思う。
「さあさ、みんないい加減始めましょう」
蔵間のフィアンセが炭の具合を見に来る。が、そこで白音ははたと気づいた。
(蔵間さんの原動力は魔法少女を嫁にすることだって……。じゃあフィアンセであるこの人は魔法少女なんじゃあ…………?)
白音の視線に気づいたその女性が、「フフッ」と笑ってミモレ丈のスカートをたくし上げた。
太ももにはベルトが巻き付けられ、そこには調理用ナイフではなく、見覚えのある大きなコンバットナイフが納められていた。
「あ、ちょ、やめてよ、人前で」
蔵間が慌ててスカートを下ろさせる。
白音は我知らず立ち上がっていた。
秘書スタイルの時もそうなのだが、衣装を替えると中身も別人のようになってしまうのでまったく気づかなかった。
リンクスの様子に少し違和感があったのは、白音が気づいてないことを知って面白がっていた、ということか。
「橘香ちゃんその服よく似合ってる。私服はそんな感じ?」
「ありがとう大空さん。そうね。こういうの好きかな」
「!? 莉美、あんたまさか気づいてたの?」
白音も確かに似合っている、とは思う。
似合いすぎて違和感がないから、何も疑わなかったのだ。
「遠目には分かんなかったけどねー。お風呂から上がった時に近くで見たら、ああ蔵間さんのフィアンセってやっぱり橘香ちゃんだったんだって思った」
「教えてよね……」
「鬼軍曹モードじゃないならまあいいかなって。怖くないし。それよりプロポーズは『月が綺麗ですね』だったのか『月に行きませんか』だったのか、どっちかな?」
「知らないわよ……」
実業家がみんな月を目指すわけではないと思う。
「鬼軍曹だし、『突きが綺麗ですね』だったら喜ぶんじゃね?」
佳奈がいらない助言をする。
「それだ!」
「あら、お上手。明日が楽しみね、大空さん?」
橘香の瞳の奥に少し鬼軍曹が覗いている。
「助けて白音ちゃん」
「だから知らないわよ……」
話が長くなったせいで炭が半分なくなってしまった。
追加で用意してようやく準備が調う。
白音も莉美も、平等におなかは空いている。
「みんなご苦労様。それでは……」
「よっ、社長。話が長い!!」
蔵間が乾杯の音頭を取ろうとしたが、莉美がその話を腰どころか鼻先でへし折ってしまった。
「待て待て、まだ何も言ってない。挨拶みたいな堅苦しいことはしないよ? ちょっとお知らせね」
「SS級になってる」
そらが自分のスマホを見せる。
ギルドのアプリの身分証表示が、確かにSS級となっていた。
多分蔵間はそれをサプライズ発表したかったのだろうと思う。
白音たちも確認してみたが、全員SS級になっていた。
「そうだね……。そうだよっ!! わざわざ言わなくてもスマホ見れば分かるよねっ」
「拗ねた」
愉快そうに佳奈が笑う。
佳奈は意外と蔵間をいじるのが好きらしい。
それにリンクスも追随する。
「拗ねたね」
「いやっ、あの、その……。わたしたち評価されるようなことは何もできてないんですけど」
白音はひとり、恐縮してしまう。
「いやいや。魔法少女狩りの実行犯は押さえたし、逆巻彩子にしても、目的を遂げずに退かせたのは今回が初めてなんだよ。今回の件に限らず利害が衝突することはあったんだけど、止めることなんてできなかった。それほど彼女は強く、警戒している相手なんだ」
当の蔵間はいじられ慣れているのか、気にした様子もない。
「それにね、この評価は『頼りにしてます。もっと大変なことを依頼します』みたいな意味だから、君たちが恐縮することは何もないんだよ」
「これからもよろしく!」
リンクスが爽やかな笑顔で紙コップを掲げると、みんなも続いて乾杯をする。
「よろしく!!」
「ああ、もう。それ僕の役!!」
地団駄踏む蔵間を軍曹、こと橘香が宥める。
「はいはい、せいちゃんいじりはそのくらいにしてみんな、食べましょう」
魔法少女界隈では『せいちゃんいじり』なる言葉が既に確立しているようであった。
◇
白音は深夜眠りに落ちる直前、そらが腕の中に潜り込んできたことはどうにか覚えている。
その神がかりのフィット感も、もはや当たり前の感触になっている。
肌寒いくらいの高地での夜、むしろ感謝をして夢に落ちた。
しかし翌朝目が覚めてみると、どこがどうなればそんな風になるのか、五人が結構難しい知恵の輪のようにこんがらがっている状態で目覚めた。
組んずほぐれつとはこのことか。
上手に外すのに十分ほどの時間を要する。
朝から難解、不可解な人体パズルをやらされた後、食堂で五人は橘香、リンクス、蔵間と顔を合わせて朝食を食べた。
他にも宿泊客がいるようだったが、やはり事情を知る者ばかりなので、魔法などに関しては隠さなくても大丈夫とのことだった。
しかし周囲の客たちは、この八人をちらちらと見て、ひそひそと話をしている。
異世界事案に理解のある宿泊客であれば当然、ギルドマスターと鬼軍曹、それにブルームの社長が揃っていれば注目もするだろう。
そして必然、そんなVIPと一緒に居る魔法少女と思しき子たちはどこの誰なんだろう、と詮索をし始める。
以前の白音ならそんな視線を周囲から受けたら、そのまま俯いてしまっていたかもしれない。
しかし今はもう違う。隣の席にいた少女たちと目が合ったので、白音の方から軽く手を振ってみる。
すると向こうも笑って手を振り返してくれた。
多分彼女たちも魔法少女なのだろう。ここにいるのは、全員が掛け値なしの仲間なのだ。
「ねえねえ、今日は雨降ってるよね?」
莉美が橘香に向かって訴えるようにそう言った。
確かに今朝は夜明け前から小雨が降り続いている。
あいにくの天気だった。
「これじゃあ訓練なんてできないよね?」
莉美はどうやら、朝は豪雨で訓練中止、昼からは快晴でみんなで遊ぶ、という都合のいい天気を願っていたらしい。
「魔力のコントロール訓練だから、雨に邪魔されても集中を切らさない練習に丁度いいわね」
橘香がにこやかにそう言った。残念ながら訓練は雨天決行らしい。
橘香は朝からピシッと軍服を着こなしている。が、あまり口調は厳しくなく、軍曹というよりは橘香だった。
しかし穏やかに喋ってはいても、一切譲歩はしてくれなかった。
莉美だけ別行動で、丸一日訓練と宣告される。
莉美が救いを求めて白音たちに視線を向けるが、全員橘香の味方であった。
莉美が訓練をすることは、莉美自身の身を守ることに繋がるだろう。
そして、白音たちの身を守ることにもなる。
うっかり爆発しないで欲しいのだ。
他の者は自由行動、と聞かされた瞬間、莉美が変身してぶわっと魔力を高ぶらせる。
「おーのーれー、あたし抜きで楽しむだとーーー!!!」
金色の光に包まれ、眩しく輝きながら叫ぶ。
魔力を感じられない蔵間以外、全員が総毛立つのを感じた。
近隣の森の鳥たちが一斉に飛び立つ。
魔核を持たない動物の中にも、魔力の気配程度なら察知できるものがいる。
今頃は山の中が大騒ぎになっていることだろう。
ましてここは、魔法少女が多く集う保養所である。
間近でこんなことをされたら、恐怖で身が竦んでしまう子もいるかもしれない。
そらが白音の手をぎゅっと握ってきた。
そらを庇うようにしながら白音が、黄金の魔法少女の頭を思いっきりはたく。
「やめなさいよ、もう」
そして周囲の宿泊客たちに、「うちの莉美がお騒がせしてすみません、すみません」と頭を下げる。
「えへへ。夕べからこのネタ考えてたんだ」
「少年漫画みたいでちょっと面白かったじゃないの…………」
白音にとってはちょっと面白かったらしい。
しかし夕べから考えていたということは、莉美も訓練の重要性は理解しているのだろう。
ちゃんとやる気ではいたらしい。
「橘香の訓練は大変だと思うけど、頑張ってね。それと夕べ言いそびれちゃったんだけど……」
と、魔力に鈍感なため、ひとりだけ平然とした様子の蔵間が付け足す。
「逆巻彩子なんだけど、妹がいるんだ。今回は単独行動だったらしいけど、ふたりで組むこともあるので注意して欲しい」
「彩子が出たらふたりボコるつもりでいろってことね」
佳奈がちょっと楽しそうになった。
「いや、すまない。彩子の妹、逆巻京香が現れたら、戦わずに全力で逃げてくれ」
「は?」
白音と佳奈がほぼ同調して反応した。
「京香は、ギルドに属してはいないんだけど、SSSS級相当の戦闘能力があると評価されている。間違いなく単独では世界最強の魔法少女だよ。戦ってはダメだ」
「はぁ?」
もう一度白音と佳奈がシンクロする。
莉美は(あー、蔵間さん上手にふたりを煽ってるなぁ)と思った。
「タイプとしてはヤヌル君に似ていて身体強化をするんだが、何もかも規格外だ。身体能力はヤヌル君より上、戦闘技術は名字川君より上、魔力の出力も大空君より上と考えて欲しい」
白音がかなり意地悪そうな顔をする。
「じゃあ、おつむはそらちゃんより下なんですね?」
それを聞いた白音たちが分かりやすいくらいに引く。
「ちょ、ちょっと待てよ。せっかくいい話してたのに台無しじゃない」
「間違ってないだろ? それにいい話ばかりじゃ誰も信じてくれないさ。お前も今言ってただろう?」
ククク、と少しいたずらっぽく笑う青年が子供のように見える。
共通点などないように見えるふたりだが、仲がいいのだろうなと白音は思う。
「さあさ、みんないい加減始めましょう」
蔵間のフィアンセが炭の具合を見に来る。が、そこで白音ははたと気づいた。
(蔵間さんの原動力は魔法少女を嫁にすることだって……。じゃあフィアンセであるこの人は魔法少女なんじゃあ…………?)
白音の視線に気づいたその女性が、「フフッ」と笑ってミモレ丈のスカートをたくし上げた。
太ももにはベルトが巻き付けられ、そこには調理用ナイフではなく、見覚えのある大きなコンバットナイフが納められていた。
「あ、ちょ、やめてよ、人前で」
蔵間が慌ててスカートを下ろさせる。
白音は我知らず立ち上がっていた。
秘書スタイルの時もそうなのだが、衣装を替えると中身も別人のようになってしまうのでまったく気づかなかった。
リンクスの様子に少し違和感があったのは、白音が気づいてないことを知って面白がっていた、ということか。
「橘香ちゃんその服よく似合ってる。私服はそんな感じ?」
「ありがとう大空さん。そうね。こういうの好きかな」
「!? 莉美、あんたまさか気づいてたの?」
白音も確かに似合っている、とは思う。
似合いすぎて違和感がないから、何も疑わなかったのだ。
「遠目には分かんなかったけどねー。お風呂から上がった時に近くで見たら、ああ蔵間さんのフィアンセってやっぱり橘香ちゃんだったんだって思った」
「教えてよね……」
「鬼軍曹モードじゃないならまあいいかなって。怖くないし。それよりプロポーズは『月が綺麗ですね』だったのか『月に行きませんか』だったのか、どっちかな?」
「知らないわよ……」
実業家がみんな月を目指すわけではないと思う。
「鬼軍曹だし、『突きが綺麗ですね』だったら喜ぶんじゃね?」
佳奈がいらない助言をする。
「それだ!」
「あら、お上手。明日が楽しみね、大空さん?」
橘香の瞳の奥に少し鬼軍曹が覗いている。
「助けて白音ちゃん」
「だから知らないわよ……」
話が長くなったせいで炭が半分なくなってしまった。
追加で用意してようやく準備が調う。
白音も莉美も、平等におなかは空いている。
「みんなご苦労様。それでは……」
「よっ、社長。話が長い!!」
蔵間が乾杯の音頭を取ろうとしたが、莉美がその話を腰どころか鼻先でへし折ってしまった。
「待て待て、まだ何も言ってない。挨拶みたいな堅苦しいことはしないよ? ちょっとお知らせね」
「SS級になってる」
そらが自分のスマホを見せる。
ギルドのアプリの身分証表示が、確かにSS級となっていた。
多分蔵間はそれをサプライズ発表したかったのだろうと思う。
白音たちも確認してみたが、全員SS級になっていた。
「そうだね……。そうだよっ!! わざわざ言わなくてもスマホ見れば分かるよねっ」
「拗ねた」
愉快そうに佳奈が笑う。
佳奈は意外と蔵間をいじるのが好きらしい。
それにリンクスも追随する。
「拗ねたね」
「いやっ、あの、その……。わたしたち評価されるようなことは何もできてないんですけど」
白音はひとり、恐縮してしまう。
「いやいや。魔法少女狩りの実行犯は押さえたし、逆巻彩子にしても、目的を遂げずに退かせたのは今回が初めてなんだよ。今回の件に限らず利害が衝突することはあったんだけど、止めることなんてできなかった。それほど彼女は強く、警戒している相手なんだ」
当の蔵間はいじられ慣れているのか、気にした様子もない。
「それにね、この評価は『頼りにしてます。もっと大変なことを依頼します』みたいな意味だから、君たちが恐縮することは何もないんだよ」
「これからもよろしく!」
リンクスが爽やかな笑顔で紙コップを掲げると、みんなも続いて乾杯をする。
「よろしく!!」
「ああ、もう。それ僕の役!!」
地団駄踏む蔵間を軍曹、こと橘香が宥める。
「はいはい、せいちゃんいじりはそのくらいにしてみんな、食べましょう」
魔法少女界隈では『せいちゃんいじり』なる言葉が既に確立しているようであった。
◇
白音は深夜眠りに落ちる直前、そらが腕の中に潜り込んできたことはどうにか覚えている。
その神がかりのフィット感も、もはや当たり前の感触になっている。
肌寒いくらいの高地での夜、むしろ感謝をして夢に落ちた。
しかし翌朝目が覚めてみると、どこがどうなればそんな風になるのか、五人が結構難しい知恵の輪のようにこんがらがっている状態で目覚めた。
組んずほぐれつとはこのことか。
上手に外すのに十分ほどの時間を要する。
朝から難解、不可解な人体パズルをやらされた後、食堂で五人は橘香、リンクス、蔵間と顔を合わせて朝食を食べた。
他にも宿泊客がいるようだったが、やはり事情を知る者ばかりなので、魔法などに関しては隠さなくても大丈夫とのことだった。
しかし周囲の客たちは、この八人をちらちらと見て、ひそひそと話をしている。
異世界事案に理解のある宿泊客であれば当然、ギルドマスターと鬼軍曹、それにブルームの社長が揃っていれば注目もするだろう。
そして必然、そんなVIPと一緒に居る魔法少女と思しき子たちはどこの誰なんだろう、と詮索をし始める。
以前の白音ならそんな視線を周囲から受けたら、そのまま俯いてしまっていたかもしれない。
しかし今はもう違う。隣の席にいた少女たちと目が合ったので、白音の方から軽く手を振ってみる。
すると向こうも笑って手を振り返してくれた。
多分彼女たちも魔法少女なのだろう。ここにいるのは、全員が掛け値なしの仲間なのだ。
「ねえねえ、今日は雨降ってるよね?」
莉美が橘香に向かって訴えるようにそう言った。
確かに今朝は夜明け前から小雨が降り続いている。
あいにくの天気だった。
「これじゃあ訓練なんてできないよね?」
莉美はどうやら、朝は豪雨で訓練中止、昼からは快晴でみんなで遊ぶ、という都合のいい天気を願っていたらしい。
「魔力のコントロール訓練だから、雨に邪魔されても集中を切らさない練習に丁度いいわね」
橘香がにこやかにそう言った。残念ながら訓練は雨天決行らしい。
橘香は朝からピシッと軍服を着こなしている。が、あまり口調は厳しくなく、軍曹というよりは橘香だった。
しかし穏やかに喋ってはいても、一切譲歩はしてくれなかった。
莉美だけ別行動で、丸一日訓練と宣告される。
莉美が救いを求めて白音たちに視線を向けるが、全員橘香の味方であった。
莉美が訓練をすることは、莉美自身の身を守ることに繋がるだろう。
そして、白音たちの身を守ることにもなる。
うっかり爆発しないで欲しいのだ。
他の者は自由行動、と聞かされた瞬間、莉美が変身してぶわっと魔力を高ぶらせる。
「おーのーれー、あたし抜きで楽しむだとーーー!!!」
金色の光に包まれ、眩しく輝きながら叫ぶ。
魔力を感じられない蔵間以外、全員が総毛立つのを感じた。
近隣の森の鳥たちが一斉に飛び立つ。
魔核を持たない動物の中にも、魔力の気配程度なら察知できるものがいる。
今頃は山の中が大騒ぎになっていることだろう。
ましてここは、魔法少女が多く集う保養所である。
間近でこんなことをされたら、恐怖で身が竦んでしまう子もいるかもしれない。
そらが白音の手をぎゅっと握ってきた。
そらを庇うようにしながら白音が、黄金の魔法少女の頭を思いっきりはたく。
「やめなさいよ、もう」
そして周囲の宿泊客たちに、「うちの莉美がお騒がせしてすみません、すみません」と頭を下げる。
「えへへ。夕べからこのネタ考えてたんだ」
「少年漫画みたいでちょっと面白かったじゃないの…………」
白音にとってはちょっと面白かったらしい。
しかし夕べから考えていたということは、莉美も訓練の重要性は理解しているのだろう。
ちゃんとやる気ではいたらしい。
「橘香の訓練は大変だと思うけど、頑張ってね。それと夕べ言いそびれちゃったんだけど……」
と、魔力に鈍感なため、ひとりだけ平然とした様子の蔵間が付け足す。
「逆巻彩子なんだけど、妹がいるんだ。今回は単独行動だったらしいけど、ふたりで組むこともあるので注意して欲しい」
「彩子が出たらふたりボコるつもりでいろってことね」
佳奈がちょっと楽しそうになった。
「いや、すまない。彩子の妹、逆巻京香が現れたら、戦わずに全力で逃げてくれ」
「は?」
白音と佳奈がほぼ同調して反応した。
「京香は、ギルドに属してはいないんだけど、SSSS級相当の戦闘能力があると評価されている。間違いなく単独では世界最強の魔法少女だよ。戦ってはダメだ」
「はぁ?」
もう一度白音と佳奈がシンクロする。
莉美は(あー、蔵間さん上手にふたりを煽ってるなぁ)と思った。
「タイプとしてはヤヌル君に似ていて身体強化をするんだが、何もかも規格外だ。身体能力はヤヌル君より上、戦闘技術は名字川君より上、魔力の出力も大空君より上と考えて欲しい」
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「じゃあ、おつむはそらちゃんより下なんですね?」
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