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第一部 魔法少女は、ふたつの世界を天翔る
第27話 月が見てる その二
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リンクスは身動きの取れなくなった白音に、白銀に輝く魔核を見せた。
それはリンクスを守って戦い、そして散った義妹の魂なのだという。
リンクスはこの魔核に適合する体を探すため、異世界からこちらの世界へと渡った来た魔族だった。
適合する体さえあれば、義妹をこの世に呼び戻すことができるのだ。
そして白音と白銀の魔核は呼び合う。魂が共鳴するように、脈動する。
リンクスは美しく輝く魔核を、白音の胸元に押し当てようとする。
(そうか、リンクスさんが見つめていたのは私じゃ無かったんだ。義妹さんだったのね)
白音は瞳を閉じた。
……………………。
……………………。
◇
その翌日、日曜日の朝からアジトに白音を除いたチーム白音の面々、佳奈、莉美、そら、一恵の四人が集まっていた。
ただやはりリーダーがいないとまとまりを欠くというか、精彩が無いというか、要するに退屈していた。
莉美とそらがふたりで用意した昼食の炒飯にも皆あまり箸が進まない。
もう子供ではないのだから、それはそういうこともあるだろう。
しかしアジトに顔を出さない、連絡もない白音のことがさすがに佳奈は少し気になっていた。
白音らしくないと思う。
しかし莉美はさして心配している風もない。
「リンクスさんとよろしくやってるんじゃないの?」
みんなうっすらと感じてはいた。
しかしいきなり、莉美がそれを具現化させてしまった。
全員がそれぞれの想いで複雑に反応する。
「あのさ、みんな。わたしたちもういい大人だと思うのね。魔法少女って恋愛禁止って訳でもないんだし、温かく見守ってあげられたらって、思うんだけど」
一瞬凍り付いたような空間を、一恵が再び動かし始める。
さすがは空間を操る魔法少女である。
ただし、タレント活動休止中とは言え、一恵だけは事務所から恋愛禁止のお願いを本当にされている身だ。
「ふたりの反応を見るに、既に上手くいくことは確約されていると思うの。あとはリーダーの負担をみんなで分担して、時間を作ってあげるべき」
そらが今回のミッションで一番問題になりそうな点を指摘する。
さすがはチーム白音の頭脳、知性の魔法少女である。
ただし、今回の大人の階段はそらにはまだ早い。
「白音なら大丈夫でしょ。欲しいものがあったら瞬殺すりゃいいだろ。あいつにできないことがあるとは思えないんだけど」
佳奈が物騒なことを言う。
さすがはチーム白音随一のハンター。
身体能力ナンバーワンの魔法少女である。
ただし、佳奈は口ほどに男性への免疫はない。
「白音ちゃん、最近かわいくなったよね。元からだけど」
莉美は莉美である。
これをまとめるリーダーは大変だろう。
恋愛などしている場合ではないかもしれない。
「でもさあ…………」
佳奈は一向に既読の付かないSNSを見つめている。
「相談くらいしろよな…………」
「相談くらいあってもいいよね…………」
「相談くらいして欲しいの…………」
「相談されたら天にも昇る気持ちよね…………」
みんなでハモった。
結局全員そこが寂しいのだった。
白音が自分だけのものにならないのはまあ、仕方がない。
ややあって、誰からともなく笑い出した。
顔を見合わせて皆で笑う。
「あとで根掘り葉掘り聞いてやるかぁ」
佳奈のその言葉にそらが目を輝かせた。
そして一恵は期待に鼻息を荒くする。
「ってあれ? なんだこれ?」
佳奈が見つめる前でSNS上の白音のステータスが変更になった。
『なりすましの可能性あり、サービス停止中』とある。
それぞれ自分のスマホを確認するが、やはり白音のステータスは同じく『サービス停止中』である。
「なりすましってなんだよ?」
不穏な感じがして、佳奈がそらに答えを求める
「AIがこの判断を下すのは、かなり似た魔力紋でアクセスしようとした時。アップデート前なら認証を通ってたような一致率で、新たに開発された高精度識別アルゴリズムで初めて検出できるような差異しかない場合」
「つまり?」
「うっかり間違いそうなくらいそっくりな魔力紋でアクセスがあったってことね、そらちゃん? 他人ではあり得ないくらい似てるけど、でも本人じゃない。だから意図的ななりすましの可能性が…………」
一恵がもう少し噛み砕いて説明しようとしたのだが、そこまで言って急に言葉を止めて青ざめた。
「っ!! そらちゃん。白音ちゃんの居場所突き止めて!!」
一恵の声が悲鳴に近くなった。
「なんだよ、白音に双子の妹でもいたってこと?」
そう問いかけた佳奈の両肩を一恵が掴む。
「そんなんじゃない、そんなんじゃないの!! 急がないとっ!」
一恵がこんな風に動揺するのはいつも白音がヤバい時だ。
それに今回は一恵の焦り方が尋常ではない。
訳も分からないまま、その不安がみんなに伝染していく。
そらがブルームに電話をかけながらコンピュータルームへと駆け込んで行った。
スマホをスピーカーモードへ切り替えてキーボードを叩き始める。
ブルームの方でもこの『なりすまし』は把握しているようで、対応を急いでいるところのようたった。
チーム白音は、魔法少女ギルドの抱えるチームの中でもトップクラスの実力を持っている。
それはもう疑う余地もない。
そのチームのリーダーのアカウントが不正アクセスを受けたということは、由々しき事態である。
少なくとも、一国の政治体制が揺らぐようなテロやクーデーターと同レベルの警戒で当たる必要がある。
それほどの大事なのだ。
そらがロック中の白音のスマホ、そのGPSデータを開示するよう求めた。
しかしブルーム側に渋られた。
「どうせ断ってもデータはいただくの」
そんな風に付け加えても彼らは、「今社長がこちらに向かっているところだからその判断を待って欲しい」と譲らなかった。
その待つ時間が惜しいから言っているのだが、個人情報の開示を渋る立場も分からなくはない。
なりすましが発生している以上、電話の相手が本物のそらであるという保証すらないのだ。
これ以上は時間を浪費するだけだと判断して、そらは魔法少女へと変身した。
そもそもそらは、ブルームのデータベースへのアクセス権を持っている。
アジトに構築した設備と脳を直接リンクすれば、相手がスパコンであろうと、秘匿された個人情報を引き出すことなど造作もない。
しかしそらがハッキングに取りかかる前に、一恵も変身して転移ゲートを出す。
「佳奈ちゃんも来て」
一恵はそれだけを言いのこして素早くゲートに消える。
意図が分からずのこされた三人は顔を見合わせたが、すぐにスマホから聞こえた音声で一恵の行き先が判明した。
「これで本人確認はできたでしょ。さっさと居場所教えなさい。もし、もし手遅れになったら、この世界に責任とってもらうから!!」
ブルームに向かった一恵があちらで研究員を脅していた。
脅し方が悪の親玉のそれになっている。
佳奈も急いで変身してゲートに飛び込む。
しばらくは佳奈が間に立って何とか穏便に居場所を教えてくれないかと説得していた。
しかし研究員は、社長すなわち蔵間の到着まで待ってくれないかと言うばかりで、どうしても折れない。
そして最後に「ガンッ!!」という大音量の打撃音がスピーカーから聞こえてきて静かになった…………。
一拍の間を置いてふたりがゲートから返ってくる。
「オッケーだってさ」
佳奈がしれっとそう言うと、すぐにそらの元にアクセス権限が与えられた。
緊急事態と判断したとは言え、自分のためにハッキングしたと知ったら白音が気に病むかもしれないと思った。
それでそらは少し躊躇していたのだが、佳奈のやり方と果たしてどちらが良かっただろうか。
わざわざ変身してからあちらへ向かったあたり、佳奈もそういうことを想定していたのだろう。
ブルームの方で何があったのかそらは見ていない。
見てはいないが、ハッキングにはいろんな手法があるということなのだろう。
一恵の焦る様子を見ていると、手段の是非を判断している余裕などないことは明らかだった。
「佳奈ちゃん、ありがと」
その迅速なハッキング手法に感謝を捧げ、そらは急いで白音のスマホのGPSデータを探った。
持ち主が魔法少女であると認証されていて、さらに今回のような形でスマホがロックされた場合、電源を落とさない限りは自動的に位置情報をブルームに知らせてくるようになっている。
その機能は正常に働いているようだった。
場所は都内らしい。
白音のスマホは歩くくらいの速度で道路上を移動している。
なりすました誰かが勝手に持ち歩いているということだろうか。
しかし一恵の尋常ではない取り乱し様は、もっと別な事態を想定しているようにも思える。
「みんな、この場所へ急ぎましょう!!」
一恵はもどかしい気持ちを必死で抑えてそう言った。
GPSが示している場所は、一恵にとって土地勘のない場所だった。
彼女の転移ゲートは自分が見知った場所、思い浮かべることのできる場所にしか行けない。
桃澤千尋が使っていた転移魔法のように、柔軟な使い方はできないのだ。
だが幸いなことに、莉美がその付近の鉄道駅を知っていた。
以前に利用したことがあるらしい。
ひとまず四人でその駅へと向かうことにする。
精神連携で莉美と一恵を繋ぐことで、莉美の知るその駅へと一恵が転移ゲートを開けるようになる。
そらはリーパーなしでも複数名と同時リンクできるようになっておいて、本当に良かったと思った。
一恵が転移ゲートを出してくれると、ひとりだけまだ変身していなかった莉美も変身しようとした。
しかしそらがそれを止める。
「待って。向こうは人通りの多そうな駅前なの」
そう言ってそらは変身を解いた。
「あ、そうね。そらちゃんありがとうね」
いつもはそういうことを真っ先に気にする一恵が、そらの言葉に少し冷静さを取り戻す。
確かに日曜日の真っ昼間、都内の街中を色とりどりの魔法少女たちが駆け抜けるのはまずいだろう。
変身を解除して、四人で慎重にゲートをくぐる。
「いつでも変身できる用意はしておいてね」
「おうさ」
「了解っ!」
「あい」
一恵が声を掛けると、三人が頼もしく返事をしてくれた。
それはリンクスを守って戦い、そして散った義妹の魂なのだという。
リンクスはこの魔核に適合する体を探すため、異世界からこちらの世界へと渡った来た魔族だった。
適合する体さえあれば、義妹をこの世に呼び戻すことができるのだ。
そして白音と白銀の魔核は呼び合う。魂が共鳴するように、脈動する。
リンクスは美しく輝く魔核を、白音の胸元に押し当てようとする。
(そうか、リンクスさんが見つめていたのは私じゃ無かったんだ。義妹さんだったのね)
白音は瞳を閉じた。
……………………。
……………………。
◇
その翌日、日曜日の朝からアジトに白音を除いたチーム白音の面々、佳奈、莉美、そら、一恵の四人が集まっていた。
ただやはりリーダーがいないとまとまりを欠くというか、精彩が無いというか、要するに退屈していた。
莉美とそらがふたりで用意した昼食の炒飯にも皆あまり箸が進まない。
もう子供ではないのだから、それはそういうこともあるだろう。
しかしアジトに顔を出さない、連絡もない白音のことがさすがに佳奈は少し気になっていた。
白音らしくないと思う。
しかし莉美はさして心配している風もない。
「リンクスさんとよろしくやってるんじゃないの?」
みんなうっすらと感じてはいた。
しかしいきなり、莉美がそれを具現化させてしまった。
全員がそれぞれの想いで複雑に反応する。
「あのさ、みんな。わたしたちもういい大人だと思うのね。魔法少女って恋愛禁止って訳でもないんだし、温かく見守ってあげられたらって、思うんだけど」
一瞬凍り付いたような空間を、一恵が再び動かし始める。
さすがは空間を操る魔法少女である。
ただし、タレント活動休止中とは言え、一恵だけは事務所から恋愛禁止のお願いを本当にされている身だ。
「ふたりの反応を見るに、既に上手くいくことは確約されていると思うの。あとはリーダーの負担をみんなで分担して、時間を作ってあげるべき」
そらが今回のミッションで一番問題になりそうな点を指摘する。
さすがはチーム白音の頭脳、知性の魔法少女である。
ただし、今回の大人の階段はそらにはまだ早い。
「白音なら大丈夫でしょ。欲しいものがあったら瞬殺すりゃいいだろ。あいつにできないことがあるとは思えないんだけど」
佳奈が物騒なことを言う。
さすがはチーム白音随一のハンター。
身体能力ナンバーワンの魔法少女である。
ただし、佳奈は口ほどに男性への免疫はない。
「白音ちゃん、最近かわいくなったよね。元からだけど」
莉美は莉美である。
これをまとめるリーダーは大変だろう。
恋愛などしている場合ではないかもしれない。
「でもさあ…………」
佳奈は一向に既読の付かないSNSを見つめている。
「相談くらいしろよな…………」
「相談くらいあってもいいよね…………」
「相談くらいして欲しいの…………」
「相談されたら天にも昇る気持ちよね…………」
みんなでハモった。
結局全員そこが寂しいのだった。
白音が自分だけのものにならないのはまあ、仕方がない。
ややあって、誰からともなく笑い出した。
顔を見合わせて皆で笑う。
「あとで根掘り葉掘り聞いてやるかぁ」
佳奈のその言葉にそらが目を輝かせた。
そして一恵は期待に鼻息を荒くする。
「ってあれ? なんだこれ?」
佳奈が見つめる前でSNS上の白音のステータスが変更になった。
『なりすましの可能性あり、サービス停止中』とある。
それぞれ自分のスマホを確認するが、やはり白音のステータスは同じく『サービス停止中』である。
「なりすましってなんだよ?」
不穏な感じがして、佳奈がそらに答えを求める
「AIがこの判断を下すのは、かなり似た魔力紋でアクセスしようとした時。アップデート前なら認証を通ってたような一致率で、新たに開発された高精度識別アルゴリズムで初めて検出できるような差異しかない場合」
「つまり?」
「うっかり間違いそうなくらいそっくりな魔力紋でアクセスがあったってことね、そらちゃん? 他人ではあり得ないくらい似てるけど、でも本人じゃない。だから意図的ななりすましの可能性が…………」
一恵がもう少し噛み砕いて説明しようとしたのだが、そこまで言って急に言葉を止めて青ざめた。
「っ!! そらちゃん。白音ちゃんの居場所突き止めて!!」
一恵の声が悲鳴に近くなった。
「なんだよ、白音に双子の妹でもいたってこと?」
そう問いかけた佳奈の両肩を一恵が掴む。
「そんなんじゃない、そんなんじゃないの!! 急がないとっ!」
一恵がこんな風に動揺するのはいつも白音がヤバい時だ。
それに今回は一恵の焦り方が尋常ではない。
訳も分からないまま、その不安がみんなに伝染していく。
そらがブルームに電話をかけながらコンピュータルームへと駆け込んで行った。
スマホをスピーカーモードへ切り替えてキーボードを叩き始める。
ブルームの方でもこの『なりすまし』は把握しているようで、対応を急いでいるところのようたった。
チーム白音は、魔法少女ギルドの抱えるチームの中でもトップクラスの実力を持っている。
それはもう疑う余地もない。
そのチームのリーダーのアカウントが不正アクセスを受けたということは、由々しき事態である。
少なくとも、一国の政治体制が揺らぐようなテロやクーデーターと同レベルの警戒で当たる必要がある。
それほどの大事なのだ。
そらがロック中の白音のスマホ、そのGPSデータを開示するよう求めた。
しかしブルーム側に渋られた。
「どうせ断ってもデータはいただくの」
そんな風に付け加えても彼らは、「今社長がこちらに向かっているところだからその判断を待って欲しい」と譲らなかった。
その待つ時間が惜しいから言っているのだが、個人情報の開示を渋る立場も分からなくはない。
なりすましが発生している以上、電話の相手が本物のそらであるという保証すらないのだ。
これ以上は時間を浪費するだけだと判断して、そらは魔法少女へと変身した。
そもそもそらは、ブルームのデータベースへのアクセス権を持っている。
アジトに構築した設備と脳を直接リンクすれば、相手がスパコンであろうと、秘匿された個人情報を引き出すことなど造作もない。
しかしそらがハッキングに取りかかる前に、一恵も変身して転移ゲートを出す。
「佳奈ちゃんも来て」
一恵はそれだけを言いのこして素早くゲートに消える。
意図が分からずのこされた三人は顔を見合わせたが、すぐにスマホから聞こえた音声で一恵の行き先が判明した。
「これで本人確認はできたでしょ。さっさと居場所教えなさい。もし、もし手遅れになったら、この世界に責任とってもらうから!!」
ブルームに向かった一恵があちらで研究員を脅していた。
脅し方が悪の親玉のそれになっている。
佳奈も急いで変身してゲートに飛び込む。
しばらくは佳奈が間に立って何とか穏便に居場所を教えてくれないかと説得していた。
しかし研究員は、社長すなわち蔵間の到着まで待ってくれないかと言うばかりで、どうしても折れない。
そして最後に「ガンッ!!」という大音量の打撃音がスピーカーから聞こえてきて静かになった…………。
一拍の間を置いてふたりがゲートから返ってくる。
「オッケーだってさ」
佳奈がしれっとそう言うと、すぐにそらの元にアクセス権限が与えられた。
緊急事態と判断したとは言え、自分のためにハッキングしたと知ったら白音が気に病むかもしれないと思った。
それでそらは少し躊躇していたのだが、佳奈のやり方と果たしてどちらが良かっただろうか。
わざわざ変身してからあちらへ向かったあたり、佳奈もそういうことを想定していたのだろう。
ブルームの方で何があったのかそらは見ていない。
見てはいないが、ハッキングにはいろんな手法があるということなのだろう。
一恵の焦る様子を見ていると、手段の是非を判断している余裕などないことは明らかだった。
「佳奈ちゃん、ありがと」
その迅速なハッキング手法に感謝を捧げ、そらは急いで白音のスマホのGPSデータを探った。
持ち主が魔法少女であると認証されていて、さらに今回のような形でスマホがロックされた場合、電源を落とさない限りは自動的に位置情報をブルームに知らせてくるようになっている。
その機能は正常に働いているようだった。
場所は都内らしい。
白音のスマホは歩くくらいの速度で道路上を移動している。
なりすました誰かが勝手に持ち歩いているということだろうか。
しかし一恵の尋常ではない取り乱し様は、もっと別な事態を想定しているようにも思える。
「みんな、この場所へ急ぎましょう!!」
一恵はもどかしい気持ちを必死で抑えてそう言った。
GPSが示している場所は、一恵にとって土地勘のない場所だった。
彼女の転移ゲートは自分が見知った場所、思い浮かべることのできる場所にしか行けない。
桃澤千尋が使っていた転移魔法のように、柔軟な使い方はできないのだ。
だが幸いなことに、莉美がその付近の鉄道駅を知っていた。
以前に利用したことがあるらしい。
ひとまず四人でその駅へと向かうことにする。
精神連携で莉美と一恵を繋ぐことで、莉美の知るその駅へと一恵が転移ゲートを開けるようになる。
そらはリーパーなしでも複数名と同時リンクできるようになっておいて、本当に良かったと思った。
一恵が転移ゲートを出してくれると、ひとりだけまだ変身していなかった莉美も変身しようとした。
しかしそらがそれを止める。
「待って。向こうは人通りの多そうな駅前なの」
そう言ってそらは変身を解いた。
「あ、そうね。そらちゃんありがとうね」
いつもはそういうことを真っ先に気にする一恵が、そらの言葉に少し冷静さを取り戻す。
確かに日曜日の真っ昼間、都内の街中を色とりどりの魔法少女たちが駆け抜けるのはまずいだろう。
変身を解除して、四人で慎重にゲートをくぐる。
「いつでも変身できる用意はしておいてね」
「おうさ」
「了解っ!」
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一恵が声を掛けると、三人が頼もしく返事をしてくれた。
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