最強の魔王による転生令嬢を巻き込んだ異世界チート無双計画

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2章英雄闘拳地区予選

2章17話不穏1

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 アカリの思いも背負い、正義の、聖人君子を纏った魔王は再度、悪敵の老龍騎士に問い掛ける。

「じじい……奴隷と同等のゴブリンということは主人がいるのだろ?」

 老龍が一瞬、眼力のある黄色の両眼で睨んだ後、話を繋ぐ。

「地下ゴブリンの親玉はゴブリン女王じゃ……この地下のどこかで暮らしている」

「そいつはどこだ?」

「何をする気じゃ?」

「ゴブリン女王はどこにいると聞いている?」

 魔王は恐怖の殺気を放ち、首を少し傾け、青眼で、老龍騎士を睨む。
 明らかに本気の殺意がそこにあった。
 その険悪な事態を察知したアカリが勇姿の両眼で、間に入り、魔王を庇う。
 感情の籠もった、優しさの表情で、

「この人は本当は極悪人だけど、今はゴブリンを救い出したいという気持ちでいっぱいなの! 少なくとも、今の気持ちに嘘や悪はないわ」

「じゃが……」

「俺のことはいい」

「でも……」
 
 魔王は優しさのある微笑みで、アカリの細い肩をぽんぽんと叩く。

「……アカリが血を流す必要無い」

「……」

 魔王はアカリを下げ、老龍騎士と対峙する。
 銀色の甲冑から表情を読み取ることは出来ないが、薄笑いを浮かべたような姿が浮かび上がる。
 こいつは魔王である俺と刺し違える覚悟と実力がある。
 若輩者である俺からこそ感じる、この老爺の長年の経験の末の静謐な殺気が。
 老龍騎士は、更に忠告をする。

「魔王よ。よからぬことはするな。ゴブリンを哀れみ、女王を倒すなど考えるな。1000年に及ぶゴブリン文明の歴史を絶対に壊してはならん。どうしてもというなら、ワシがお主を止めるぞ」

 
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