あそこにいる公爵令嬢は、実は脱走してきたゴブリンです

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1章ゴブミ脱走

1章15話アストレア家の屋敷に潜り込む

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 店員からアストレア・スルガの住所を教えてもらった。
 というのも、スルガの家は王国で一、ニを争う由緒正しい、有名な公爵一家だったため、近所に住所が知れ渡っているのは当然だ。
 そして、とうとう紙一枚を片手に、アストレアの屋敷の門まで到着した。
 白い、巨大なホテルのような屋敷だった。
 屋敷だけではない、何坪あるか分からない程の、巨大な公園のような庭がある。
 緑溢れる広い庭、鯉や珍しい魚のいる池、真ん中には噴水もあって、馬車だって何台もある。
 目を輝かせ、思わず感嘆してしまう程だ。

「立派なお家だわ」

 復讐するとは言ったものの、こんな立派な屋敷を訪ねるのは人生で初めてだから、とても緊張する。
 恐る恐る呼び鈴を鳴らした、しかし、一向に家の者が出て来る気配は無い。
 
「出直した方が良いかな」

 立ち去ろうとすると、目の前に、緑髪の若い女が苦しそうに倒れていた。
 白金の貴族の服装を纏っていたが、黒く汚く、所々傷みが目立つ、何よりも頬や身体は酷く痩せこけていた。

「大丈夫ですか?」

「水を……」

「水……ごめんなさい……ありません」

「じゃあ。屋敷の方へ連れて行って下さい」

「は……はい」

 行き先を示したのは母屋ではなく、あの汚い、二度と見たくなかった馬小屋だった。
 
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