時空魔術操縦士の冒険記

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1章魔戦操縦士学院

5話マシュの実力

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 幾人かの生徒は疑問をぶつけるが、タイター先生に軽くかわされる。

「なぜ今テストする意味はあるんですか?」

「魔戦操縦士はいかなる時いかなる場所でも常に魔術を使用できる状態にしなければならない。分かったか?」

「……」

「魔力による暴走なら心配するな。オレが全力で止めてやるよ」

 本当かよ。絶対嘘だろ。

「あの僕魔戦開発士目指しているですが。やる必要あります?」

「もちろん強制はしない。だが受けない場合も不合格」

「そんなの納得できません!」

「このFクラスの担任はオレだ。自ずとオレがルールだ」

「くっーーー」

 なんという勝手な先生だ。
 開発士志望の奴らは別試験受けさせるとかにしろよ。可哀想だろ。
 タイター先生は生徒に指を差し始める、魔術小テストが始まった。
 何人かの生徒は魔力を放出をさせることはできるが球体を作ることはできず、消えるかあらぬ方向に飛ぶかだ。岩を破壊する者はいない。
 幸い膨大な魔力を持っている人はいなそうなので、怪我人はいないだろう。なぜなら、ここはFクラス。
 落ちこぼれが集まるのだから。

 次々と「あーー!!」「きゃぁぁ!!」「くそ!!」みたいな声が上がる。

 タイター先生は、出来損ないの生徒をあざ笑う。

「ははははは……お前らよくこの高校に来れたな……」

 すでに試験を受けた生徒は足踏みし、顔を俯かせる。
 これがFクラスの現実か。
 正直言ってクラスメートが合格だろうが不合格だろうが俺には関係はない。
 何とも思わない他人なのだから。
 そして、右隣の黒髪の美少女ことユークリウス・マシュの番がやってきた。
 すらっとしていて細身の体型、胸は少しばかりというか相当お粗末なものだ。とかはどうでもいいが。
 この少女はどの程度の実力か見ものだ。
 先程のいじめ現場での彼女の行動を見る限り、骨を折ることができる程度の魔力、周り全体の見渡す視野の広さ、新入生としては申し分ない実力だと思うが、マシュは右手を出し、意識をその手に集中させる。
 五十メートルを走り、体内にあるいくつかの粒子が交わり、粒子集合体が構築され、すぐに体内にある回路を流れ、手に行き渡り、粒子集合体つまり魔力が勢い良く放出され、なんとか抑え、岩に放ち、不規則に動いていた魔力がだんだんと規則正しく動くようになる。円を描くように。小さな魔力の球体が出来上がる。
 波のように回転する音。綺麗な無属性の魔の力が一部の岩を破壊した。
 周りの同級生達の間でどよめきが起きる。

 その魔力は耳には心地良く感じられる。
 この音は稀に見るゆらぎだろう。
 それは不規則と規則が混合したもの。癒やし。
 魔術は膨大な魔力を扱うだけではなく、質の良く、綺麗な、音が心地良い魔力を扱うのが一番良いと思っている。
 それが出来ているマシュはこの魔術小テストは合格だろう。

 タイター先生は少し笑みを見せ、「やるな。じゃ次」

 それは見覚えのある顔だった。赤髪。目つきの悪い男。種族ヒューマン。
 先程坊主男をいじめていた赤髪の男。
 タイター先生は赤髪男に始めるように促す。。

「そこの赤髪。お前の番だぞ」

 赤髪の男は先生の言葉に反応せず、そっぽを向く。
 タイター先生はにやけながら。

「世話が焼けるな」

 確かに。
 赤髪男はガキという言葉が気に触ったのか睨みつけ、言葉を返す。

「うっせぇぇ!!」

「はいはい……赤髪の子はマフィー・マルクス君が走ります。注目!!」

「てめぇぇ!!」

「はーい。次!」

 マルクスは右拳を振り上げる、唾を吐き捨て、立ち去って行った。
 なぜそんなに苛立っているのか分からない。
 やがて、生徒は次々とこなしていく。
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