時空魔術操縦士の冒険記

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1章魔戦操縦士学院

6話想い人

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「次はスカーレット……リオラ」

 そして、金髪美少女は右手で髪を耳に掛ける仕草をして、顔を紅潮させる。


 男達の歓声があがる。
 この美少女はクラスのアイドルになるだろう存在。
 陰キャラな俺にとっては瞬く間に手に届かない存在になるに違いない。
 ってこの少女の顔に見覚えがある。
 一度会った美少女ならば一生忘れることないという才能を有しているため記憶に間違いはない。
 先程会ったばかりなのに忘れる訳がないが。
 そう、不良ことマルクスに殴られた時に唯一俺に手を差し伸べてくれた女神だった。
 結果は及第点。
 と、次の人が。

「えーと……えーと……ドナルド・ロンで……す」

 途切れ途切れ話す。なんとも歯がゆい。
 予想はしていたこの男が来ることは。紹介するまでもないが。
 薄い髭を生やしたドワーフ少年。
 結果も悪くすぐ終わった。
 

    そして、マシュは俺に顔を向けて、冷たい目線のまま。

「あなたはどの程度できるのかしらね」

 そうこうしている内に俺の番が来た。
 なぜだかここで一気に緊張と疲れが押し寄せてくる。

「早く終わらせよう」

 「お前で最後だ」とタイター先生はぶっきらぼうに呼びかける。
 俺は五十メートルを走り、マシュと同じように体内で幾つかの粒子から粒子集合体を構築し、手に魔力を放出し、魔力の球体を創り、岩を完膚なきまでに破壊する。
 同級生達の間でどよめきが起きる。
 この程度なら俺でもできるのだ。久し振りに他人に褒められたので恥ずかしい気もするが。
 
 タイター先生は笑みを見せる。
 魔力の球体は創ったし先生のこの反応を考慮すると俺は合格だろう。

「何勝手に戻ろうとする」

「はい?」

「お前はもっと大きな球体を創れ!」

「いや、岩破壊したでしょ」

「その岩は何回破壊しても再生する」

「もう限界です」

 こっちは入学式初日で、おまけに久し振りの他人との接触とかで疲れが溜まっているんだぞ。
 睨みつけるタイター先生。

「本当か?」

「魔力の球体は創りましたが?」

 呆れ顔でタイター先生は諭す。

「さっきも言ったがこの試験の目的はお前らの魔力を図ることだ。先生はな……生徒の魔力を知らないといけないんだ。魔力の球体を創ることはこの目的の手段でしかない。話をちゃんと聞け。まあ良いえーとアルモ」
 
俺の名前間違ってるし。
 溜め息をつきながら戻る。
 ずっと俺を追ってる黒髪美少女がいるが今は無視しよう。

「言っとくがこのままだと一週間後にFクラスの生徒は退学だな。じゃあ今日の授業は終了。じゃあまた明日~」

 と言い残しタイター先生はその場を立ち去った。
 生徒達の間で溜息が漏れる。
 俺はやっと小テストが終わり安堵しようと思っているところ、まだ右隣にずっと視線を送っているマシュがいた。
 そんなに見つめていると男は勘違いしちゃうぞ。
 俺はその状況に我慢しきれず、マシュに顔を向ける。

「何? そんなに見つめて俺のこと好きなの?」

「は……そんな分けないでしょ」

 なぜそんなまんざらでもない顔をする。
 マシュの感情が読み取れない。
 それもそのはず俺は中学時代一切学校に通ってないのだから、同級生の感情を読み取れるはずがない。
 ことさら冷淡でツンツン女。
 どこにもデレの要素や好きとか感情がないマシュ。
 まあ良い。
 話たいことがあるのだろう。

「で、どうした?」

 マシュはゴクリと唾を飲み込む。

「少し落ち着くわ」

 あれは落ち着いてなかったのか。
 マシュは話を続ける。

「話って言うのは……アルの魔術よ。魔力の質と量とても素晴らしかったわ」

「お前の方が凄いと思うな。質で言えば綺麗な魔力だった」

 マシュは髪を弄りながら、顔を紅潮させる。

「あ……ありがとう」

 ずいぶん素直でしおらしくなるな。マシュは褒められるのに弱いのか。
 さて俺はさっさと家に帰ろう。

「じゃあな」

「話の途中よ。待ちなさいよ」

 これが少し怒ってる表情ね。
 だんだんマシュの感情が掴めて…きたのかな。
 まだ初日だから性格を知り尽くすなんて無理か。

「分かった分かった」

 すると、ドワーフ少年がやってきた。

「あの、ドナルド・ロンです。あの……先程はお二人に助けて頂きありがとうございます」

「あれか……いいよお礼なんて。結局はあいつらが悪いんだろ」

 
 
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