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1章魔戦操縦士学院
9話歓迎会
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ロン、リオラもマシュに気づいたようだ。二人とももちろん声を掛ける。
「マシュさんですな」
「マシュさんっ!!」
マシュも俺達に気づいたのか驚きの表情をし、すぐそっぽを向く。愛想のない奴だ。
さっきまで一緒に居たのにその態度はないよ。マシュさん。
すると、タイター先生は電子煙草をポケットにしまい、そして両手をパンパンと叩く。
「Fクラスの三班の諸君、本日の入学式お疲れさん」
「ありがとうございます」
皆会釈した。
「この寮の管理人はこのタイターが担当するからな。困ったことがあったら何でも言うんだぞ」
「はい」
皆返事し、頷いた。
「そこの桃髪の女の子から自己紹介して」
「はい。あの……アルゼン・アイリスです。人付き合いとか全然苦手で……至らないところが多々あると思いますがよろしくお願いします」
桃髪のセミロングの美少女。薄い青の瞳を輝かせ、優しそうな垂れた目。
緊張し、俯きながらも言葉遣いが丁寧で可愛いらしくどこかお姫様のような印象を受ける。
控えめ美少女を狙う男ならほっとかないだろう。
種族はヒューマン。
そして、その隣が茶の短髪で頭頂部分がツンツンした耳とつり目の男は勢い良く立ち上がり。
ブラウンの瞳の奥には燃え盛る闘志を感じる。
「ワイはジョージ・カバーニや。ワイはとにかくランキング一位を目指す、とっとこの学校を卒業して、そしてマスタークラスの魔戦操縦士になるんや。負けんからな。まあ短い間やがよろしゅうな」
きめ顔するカバーニ。
何だこいつ。
一匹狼的な印象。自信過剰な雰囲気を感じさせる。
種族は犬族だろう。
この学校は試験結果によってはランキングがつけられ、ランキング20位以内なら好待遇を受けられる。
ここには全国から集まってきた才気溢れる魔戦操縦士の卵達、そう簡単には上手くいかないだろう。
後々、この学校のシステムは話すとして。
魔戦操縦士についてはルーキー、プライベート、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ダイヤモンド、エキスパート、マスターまでランクがある。
マスターランクになれば報酬名誉は莫大な物になる。
将来の末代まで繁栄するだろう称号。
誰しも欲しくてたまらないだろう。
だがこの学校を卒業し、大学に入り、軍隊に所属したエリートでもなれないのが大半のマスターランク。
天才と呼ばれる魔術操縦士でもこの称号は手に入らないと言われる。
それはさておき。
カバーニの対面にいるのがマシュ。
立ち上がる。
「ユークリウス・マシュです。よろしく」
はいはい相変わらず無愛想。
そして、俺、ロン、リオラも自己紹介をしていく。
それからロンは方言なしで丁寧に質問する。
真面目全開だ。
「授業について何ですが聞いたところによると、とても厳しいという意見を良く耳にします。それは本当なのでしょうか?」
タイター先生は真顔でロンに指差す。
「気合い入ってるね! いいよロン。でも今はもう遅いから明日な」
「はい……」
可哀想。
そして、初日はこうして終わった。
これといって特徴がない、強いて言うなら眼鏡を掛けているくらいだろうか。
その歴史の先生は教科書を長々と読み上げる。
授業は午前に教養科目。
主に国語、数学、英語、世界史、魔術学、魔戦専門学、異世界神学を受講する。
それぞれ教科の先生が担当する。午後は魔戦実技。
主にクラスの担任が行う。また授業内容は担任に権限がある。
今俺はまさに一時間目の授業を受けていた。
一応スクリーンに映し出された文字を【MC《エムシー》】に書き留める。
魔術を行使すれば簡単に文字を記せるが、原則、学校内は魔術行使は禁止なのだ。
禁止と言われながらも人目を忍んで魔術を行使し、MCに文字を記す者もいる。
スクリーンの文字を目から脳内に伝わり、脳内で読み取り、その情報と構築した適度な魔力を共に手へと送り、MCに手をかざせばあっという間に文字が記される。
簡単な魔術、素晴らしい魔法だ。
だが魔術は強力ゆえに人すらも一瞬で殺せてしまう、恐ろしいものだということは肝に銘じて欲しい。
すると丁度良く、チャイムが鳴る。
眼鏡の先生は「今日はここまで」と真一文字に結んで1時間目は終了した。
教室内で溜め息が漏れ、がやがやと騒ぎ始める。
椅子から席を立ち、もう既に友達ができたのか友達の元へ直行する者、同じ寮同士で集まる者が多々見受けられた。
隣の黒髪の少女が真顔を見せる。
「次は急遽魔戦実技科目に変更になったわ」
「おお、そうか……どこでするの?」
「魔戦闘技場《コロシアム》」
*
魔戦闘技場《コロシアム》。
周りには攻撃が外に漏れださないような完全防御システムが備わっている。
主に生徒同士で魔戦対決をしたり、魔術対決、魔戦を鍛錬、魔術を鍛錬したり、大会、試験時にも使用される。
この学校にはこのような建物が4つほど設置されている。
かなりの広さ。青空が遠く遠くまで見える。
観客席も備えつけてある。
俺とロンは人集りへと足を運ぶ。
すでにお馴染みのFクラスの生徒達は集まっていた。
がやがやとざわめき立っていた。
その時タイター先生が上空から現れ、皆の前に降り立つ。
どんな登場の仕方だよ。
まさか観客席から跳んだって言うんじゃないだろうな。
何メートルの高さを跳んだんだあの先生は。
もし本当ならただ者ではないし、相当な脚力だ。
タイター先生は言葉を発する。
「これから魔戦対決《マジックデュエル》を始める」
「おいおい、いきなりかよ」
生徒から不満の声が漏れる。
魔戦対決《マジックデュエル》。
その名の通り、互いの魔戦に有人が乗り込み対決、魔戦同士による勝負。
己の魔力を用い、魔戦にその魔力を流し、闘う。
殺し合いとも呼ばれる。だが、ここは学校だ。殺し合いは厳禁だ。
「マシュさんですな」
「マシュさんっ!!」
マシュも俺達に気づいたのか驚きの表情をし、すぐそっぽを向く。愛想のない奴だ。
さっきまで一緒に居たのにその態度はないよ。マシュさん。
すると、タイター先生は電子煙草をポケットにしまい、そして両手をパンパンと叩く。
「Fクラスの三班の諸君、本日の入学式お疲れさん」
「ありがとうございます」
皆会釈した。
「この寮の管理人はこのタイターが担当するからな。困ったことがあったら何でも言うんだぞ」
「はい」
皆返事し、頷いた。
「そこの桃髪の女の子から自己紹介して」
「はい。あの……アルゼン・アイリスです。人付き合いとか全然苦手で……至らないところが多々あると思いますがよろしくお願いします」
桃髪のセミロングの美少女。薄い青の瞳を輝かせ、優しそうな垂れた目。
緊張し、俯きながらも言葉遣いが丁寧で可愛いらしくどこかお姫様のような印象を受ける。
控えめ美少女を狙う男ならほっとかないだろう。
種族はヒューマン。
そして、その隣が茶の短髪で頭頂部分がツンツンした耳とつり目の男は勢い良く立ち上がり。
ブラウンの瞳の奥には燃え盛る闘志を感じる。
「ワイはジョージ・カバーニや。ワイはとにかくランキング一位を目指す、とっとこの学校を卒業して、そしてマスタークラスの魔戦操縦士になるんや。負けんからな。まあ短い間やがよろしゅうな」
きめ顔するカバーニ。
何だこいつ。
一匹狼的な印象。自信過剰な雰囲気を感じさせる。
種族は犬族だろう。
この学校は試験結果によってはランキングがつけられ、ランキング20位以内なら好待遇を受けられる。
ここには全国から集まってきた才気溢れる魔戦操縦士の卵達、そう簡単には上手くいかないだろう。
後々、この学校のシステムは話すとして。
魔戦操縦士についてはルーキー、プライベート、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ダイヤモンド、エキスパート、マスターまでランクがある。
マスターランクになれば報酬名誉は莫大な物になる。
将来の末代まで繁栄するだろう称号。
誰しも欲しくてたまらないだろう。
だがこの学校を卒業し、大学に入り、軍隊に所属したエリートでもなれないのが大半のマスターランク。
天才と呼ばれる魔術操縦士でもこの称号は手に入らないと言われる。
それはさておき。
カバーニの対面にいるのがマシュ。
立ち上がる。
「ユークリウス・マシュです。よろしく」
はいはい相変わらず無愛想。
そして、俺、ロン、リオラも自己紹介をしていく。
それからロンは方言なしで丁寧に質問する。
真面目全開だ。
「授業について何ですが聞いたところによると、とても厳しいという意見を良く耳にします。それは本当なのでしょうか?」
タイター先生は真顔でロンに指差す。
「気合い入ってるね! いいよロン。でも今はもう遅いから明日な」
「はい……」
可哀想。
そして、初日はこうして終わった。
これといって特徴がない、強いて言うなら眼鏡を掛けているくらいだろうか。
その歴史の先生は教科書を長々と読み上げる。
授業は午前に教養科目。
主に国語、数学、英語、世界史、魔術学、魔戦専門学、異世界神学を受講する。
それぞれ教科の先生が担当する。午後は魔戦実技。
主にクラスの担任が行う。また授業内容は担任に権限がある。
今俺はまさに一時間目の授業を受けていた。
一応スクリーンに映し出された文字を【MC《エムシー》】に書き留める。
魔術を行使すれば簡単に文字を記せるが、原則、学校内は魔術行使は禁止なのだ。
禁止と言われながらも人目を忍んで魔術を行使し、MCに文字を記す者もいる。
スクリーンの文字を目から脳内に伝わり、脳内で読み取り、その情報と構築した適度な魔力を共に手へと送り、MCに手をかざせばあっという間に文字が記される。
簡単な魔術、素晴らしい魔法だ。
だが魔術は強力ゆえに人すらも一瞬で殺せてしまう、恐ろしいものだということは肝に銘じて欲しい。
すると丁度良く、チャイムが鳴る。
眼鏡の先生は「今日はここまで」と真一文字に結んで1時間目は終了した。
教室内で溜め息が漏れ、がやがやと騒ぎ始める。
椅子から席を立ち、もう既に友達ができたのか友達の元へ直行する者、同じ寮同士で集まる者が多々見受けられた。
隣の黒髪の少女が真顔を見せる。
「次は急遽魔戦実技科目に変更になったわ」
「おお、そうか……どこでするの?」
「魔戦闘技場《コロシアム》」
*
魔戦闘技場《コロシアム》。
周りには攻撃が外に漏れださないような完全防御システムが備わっている。
主に生徒同士で魔戦対決をしたり、魔術対決、魔戦を鍛錬、魔術を鍛錬したり、大会、試験時にも使用される。
この学校にはこのような建物が4つほど設置されている。
かなりの広さ。青空が遠く遠くまで見える。
観客席も備えつけてある。
俺とロンは人集りへと足を運ぶ。
すでにお馴染みのFクラスの生徒達は集まっていた。
がやがやとざわめき立っていた。
その時タイター先生が上空から現れ、皆の前に降り立つ。
どんな登場の仕方だよ。
まさか観客席から跳んだって言うんじゃないだろうな。
何メートルの高さを跳んだんだあの先生は。
もし本当ならただ者ではないし、相当な脚力だ。
タイター先生は言葉を発する。
「これから魔戦対決《マジックデュエル》を始める」
「おいおい、いきなりかよ」
生徒から不満の声が漏れる。
魔戦対決《マジックデュエル》。
その名の通り、互いの魔戦に有人が乗り込み対決、魔戦同士による勝負。
己の魔力を用い、魔戦にその魔力を流し、闘う。
殺し合いとも呼ばれる。だが、ここは学校だ。殺し合いは厳禁だ。
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