時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

閑話

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 見晴らしの良い中央のA席。
 正装に身を纏った少年少女達がいた。
 綺麗な黒ドレスに纏ったマシュ。
 黒の前髪を掻き上げ、額は全面に出し、紫の瞳が射る。
 妖艶な雰囲気の醸し出し、ふわりと髪の毛を浮かせた後ろ髪に、首のうなじに汗が滴り落ちる。
 
 はちきれんばかりの豊かな胸が印象的な赤ドレス。
 セミロングの金髪はくるくると捻った髪型に、碧眼はうるうるとしている。
 どこかの国の令嬢のようなリオラ。
 
 やや色を抑えたベージュ系のワンピース、セミロングの桃髪。
 薄い青い瞳、清楚な雰囲気のアイリス。
 
 短髪の茶髪に黒服で、ポケットに手を突っ込み、辺りを睨みつけているカバーニ。
 
 大柄な体格なのでサイズが合ってない黒服のロペス。
 肩には毛皮を纏っている。

 順に右から座っていく。
 
 中央A席の更に奥には別途ガラス窓で仕切れられた部屋がある。
 そこはVIP席となる。
 アイリスが心配そうに胸に両手を当てる。

「アル君大丈夫ですかね?」

「うん? どうだろうねっ? かなり大規模な大会みたいだね」

「アルはゴットハンターとして才能はあるけど、大舞台で緊張してお腹壊してるはきっと。そもそも披露や芸なんかできる訳はないわ。そこらへんの才能はないわ」

「はは……はっきり言うねマシュは」

「マシュさん!! アル君をそんな風に言っちゃ駄目です! 才能はありますよ!!」

「アルこらぁぁぁぁぁぁ!!!! 何勝手に大会出とんじゃぁぁぁぁぁぁ!!!! ワイのジョージが死んだ事忘れてるんかぁぁぁあ!!!! 葬式だってやってへんのに不謹慎やぞ!!」

 カバーニは身を乗り出して、舞台に叫ぶ。
 マシュが軽蔑の目を向ける。

「やめなさいよ!! カバーニ!!」

「おい!! アルを今すぐ出せやぁぁぁ!?」

「ちょっと!!」

「カバーニ君っやめてよ!!」

「どうしましょうか?」

「おらぁあぁぁだ!!!!!!」

 次第に中央の席全体の観客がざわめき始める。

「誰だい? あの子?」

「少年か?」

「一般市民か? 奴隷か?」

 など口々に酷い言葉を浴びせる。
 すると、ロペスがカバーニにげんこつを入れる。

「静かに座るガァ」

「あ? 何すんだよ? 黙れや」

「誰に向かって言っとるガァ」

 ロペスが顔を真っ赤にして睨む。
 カバーニは恐怖の顔に怖じ気づいたのか、渋々座り、こう吐き捨てた。

「っ、ロペスさん風呂入れや!! 猛獣を毎日狩りに行ってるから臭いんや」

「何ガァ? ワレガァ臭いガァ?」

「そうや」

「なん……ガァ。すまんかったガァ」

 ロペスは悲しい顔で舞台を見つめた。
 マシュらはくすくすと笑っていた。
 すると、背の高い黒服の眼鏡を掛けた男が舞台に上がり、その司会者が声を上げる。

「これから舞踏会を開催します。まず始めに踊り子の舞踊。次にメインとなる使い魔大会の技や芸の披露」

 肌が露出し、薄い布を纏った綺麗な美女が身体をくねらせながら、舞い踊る。
 テンポの良い曲がかかり、踊りを更に際立たせる。
 観客は静寂する。
 舞が終わると感嘆の嵐と拍手が沸き起こり、司会者が舞台上に再び現れる。

「では! この一番のミシェル・ナダリーの入札額は五百万ゴールドから開始します!!!! 即決は一億ゴールド」

 一斉に観客席から手が上がり、値段を言い合う。

「五千万ゴールドでどうだ!」

「はい!! ではあなた!!」

「六千万っ!!」

「八千万買いだ!!」

 すると、VIP席から拡声器を使い、渋め声がする。

「一億!!」

 司会者は驚いた表情で、言葉を発する。

「あっ……はい。VIP様確定で……入札は終了ということです」

 そして、次々に美女が踊り、入札が繰り広げられていく。
 マシュは苛立ち混じりにロペスに問い掛ける。

「ねぇ、これって? 人を買ってるっていうこと?」

「まあそうだな。メイドや従者や奴隷にしたり、するんだろうガァ。まあここにいる連中は貴族ばかりだから、金は相当持っとるガァな」

「私はこういうのを好きになれないわ」

「私もっ」

「人を物として扱うなんて」

「まあ仕方ねぇガァ……これが貴族階級の仕組み……変えたいならおまんがぁ王になって変えろガァ」

「ふんっ」

 そして、司会者は「では続きまして、使い魔大会を行います!!」

 歓声が沸いた。
「ピューー」と指笛の甲高い音が鳴る。
 ロペスは険しい表情で、腕を組む。

「この大会は名目上は大会だが、使い魔を売るための披露の場でもあるガァ……」
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